幼児期は感性を育む時代 感覚と音遊びから入る

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幼児期は感性を育む時代
レッスンで子どもといろいろな
会話をする渡部先生にとって、
「相
手を知る」伴は、やはりコミュニ
ケーションにある。
「最初のレッスンでは、まず自己
紹介をして私の声のトーンや口調
に慣れてもらいながら、家族のこ
とや好きなものを聞きます。そし
ピアノを弾く手の形も、子どもにわかりやすいように
「眼鏡の真似」で教える。
て、弾いてほしい曲があればリク
エストに応え、なければ『先生の好きな曲』を1曲弾きます。こうしてコ
ミュニケーションを取りながら子どもの反応や関心を引き出します。そ
して、この子はどんなタイプの子なのか、積極的なのか恥ずかしがり屋な
のか、集中力はどのくらいあるか、などをみていきます」
渡部先生の導入期のレッスンでは歌を多く取り入れ、生徒の年齢やタ
イプによっては楽譜を使わないこともある。また、自作の短い旋律を使っ
て模倣で歌わせたり、音を動物にたとえて強弱や速さ、音域に変化をつ
けて弾いたりしながら、音でたくさん遊ぶ。
「子どもが小さいうちは、感覚優位の時期だからこそできる指導をたく
さんやっておくことが大切ですね。3、4歳はとても輝いている年齢で
す。この時期の体験は、すべて感性を磨くことにつながると思います」
感覚と音遊びから入る
子どもとの会話で、音楽に対する興味やもっている知識なども確認する。
先生「どんな音を知ってるかな?」
たとえば生徒が「ド」と答え、伴盤の位置もわかっているようなら、次