立体構造化学 1年 Structural Chemistry 講義・演習 必 修 1単位 11 講 前期(第 2 学期) 2 クラス 科目担当者 金田 京介 授業概要 同一化学式を持つ化学物質には、物理的・化学的性質の異なる異性体が存在する場合がある。 異性体の諸性質と密接に関連している化学構造について、立体構造も含めて体系的に学ぶ。 1. 化学物質の異性体を理解するために、異性体の概念と分類法の基本的知識を修得する。 一般目標 2. 化学物質に対する理解力を高めるために、代表的な有機化合物の立体構造と安定性などに (GIO) 関する基本的事項を修得する。 3. 化学物質の反応性に対する化学構造の影響を理解するための基本的事項を修得する。 1. 異性体の概念と分類法を概説できる。(独自) 2. 構造異性体と立体異性体の違いについて説明できる。(C3-(1)-②-1) 3. キラリティーと光学活性の関係を概説できる。(C3-(1)-②-2) 4. エナンチオマーとジアステレオマーについて説明できる。(C3-(1)-②-3) 5. ラセミ体とメソ体について説明できる。(C3-(1)-②-4) 6. 絶対配置の表示法を説明し、キラル化合物の構造を書くことができる。 (技能:C3-(1)-②-5) 7. 炭素―炭素二重結合の立体異性(cis、trans ならびに E、Z 異性)について説明できる。 到達目標 (C3-(1)-②-6) (SBO) 8. フィッシャー投影式とニューマン投影式を用いて有機化合物の構造を書くことができる。 (技能:C3-(1)-②-7) 9. エタン、ブタンの立体配座とその安定性について説明できる。(C3-(1)-②-8) 10. シクロヘキサン系化合物のイス型とボート型配座などの安定性について説明できる。 (独自) 11. 分子模型を用いて化学物質の立体化学について説明できる。(独自) 12. 異性体間における化学反応性の相違の有無について、具体例を挙げて説明できる。 (独自) 区分 1 項 目 1. 異性体の概念 授 業 内 容 1. 授業の進め方 2. 異性体の概念と分類法 3. 分子模型の使い方 (対応 SBO 1,2,11) (使用教科書:上巻) 1. アルカンの構造と立体化学 1. アルカンとその異性体(構造異性体) 2. エタンの立体配座(配座異性体と Newman 投影式) 3.他のアルカンの立体配座 (対応 SBO 1,2,8,9,11) (使用教科書:上巻) 1. アルケンの構造と立体化学 1.アルケンのシス‐トランス異性 2.アルケンの立体化学と E,Z 表示法 3. アルケンの安定性 (対応 SBO 1,7,11) (使用教科書:上巻) 4 1. 四面体中心における立体化学 (1) 1. 鏡像異性体と四面体炭素 2.分子の対掌性の原因:キラリティー 3. 光学活性 4.Pasteur の鏡像異性体の発見 (対応 SBO 3,11) (使用教科書:上巻) 5 1. 四面体中心における立体化学 (2) 1.立体配置表示のための順位則(R,S 配置) (対応 SBO 6,11) (使用教科書:上巻) 2 3 6 1. 四面体中心における立体化学 (3) 1. ジアステレオマー 2. メソ化合物 3.ラセミ体と鏡像異性体の分割 (対応 SBO 3,4,5,11) (使用教科書:上巻) 7 1. 四面体中心における立体化学 (4) 1. 異性現象のまとめ 2. 演習 (対応 SBO 1,2,12) 1. 四面体中心における立体化学 (5) 1.窒素、リン、硫黄におけるキラリティー 2. プロキラリティー 3.自然におけるキラリティーとキラルな環境 (対応 SBO 1,8,12) (使用教科書:上巻) 8 9 10 11 テキスト 参考書 (使用教科書:上巻) 1. 糖質の立体化学の記述(Fischer 投影式) 2. 単糖 D,L 命名法 1. 糖質の立体化学 3. アルドースの立体配置 4. 単糖の環状構造(アノマー) (対応 SBO 1,3,8,11) (使用教科書:下巻) 1.シクロアルカンのシス‐トランス異性 2.シクロアルカンの安定性と立体配座 1. シクロアルカンとその立体化学 3.シクロヘキサンの立体配座(いす形、舟形) 4. シクロヘキサンのアキシアル結合とエクアトリアル (1) 結合 (対応 SBO 10,11) (使用教科書:上巻) 1.一置換シクロヘキサンの立体配座と安定性 1. シクロアルカンとその立体化学 2.二置換シクロヘキサンの立体配座と安定性 (2) 3.多環式分子の立体配座 (対応 SBO 10,11) (使用教科書:上巻) 伊東 椒 他訳「マクマリー有機化学(上・下)(第 8 版)」(東京化学同人) HGS 分子構造模型:有機化学学生実習用セット(丸善) Susan McMurry 著「マクマリー有機化学 問題の解き方(第 8 版)英語版」(東京化学同人) 古賀 健司 他監訳「ボルハルト・ショアー現代有機化学(上・下)(第 6 版)」(化学同人) 池田 正澄 他監訳「ソロモンの新有機化学(上・下)第 9 版」(廣川書店) 成績評価 定期試験(90 %)、演習(10 %)により評価する。 科目担当者 教員室:B108、メールアドレス:kaneda(at)hokuyakudai.ac.jp との連絡 *(at)は@に置き換えてください。 事前学修・ 1.講義前にテキストの該当部分を予習しておくこと。 事後学修 2. 講義後にテキストの練習問題を解いておくこと。 関連科目 備 考 基礎有機化学、生体有機化学Ⅰ、生体有機化学Ⅱ、有機化学Ⅰ、有機化学Ⅱ、有機化学Ⅲ、 有機化学Ⅳ 1. テキストを補完するために、プリントを配付する。 2.演習を行う。 3.分子模型を持参すること。
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