講義名:応用数理特別講義Ⅲ 講義題目:確率微分方程式モデルの統計推測と高頻度データ解析への応用 担当講師:内田雅之(大阪大学大学院基礎工学研究科、数理・データ科学教育 研究センター) 授業の目標:高頻度データに基づく確率微分方程式モデルの統計推測法および その数学的正当化を習得することを目標とします。 授業の概要:連続時間確率過程の重要なクラスである確率微分方程式は表現力 豊かな数理・統計モデルとして、金融・保険、理工学、生命科学等の多種多様 な分野で応用されています。確率微分方程式で定義される拡散過程モデルには ドリフトパラメータとボラティリティパラメータと呼ばれる未知パラメータが あり、統計モデリングにおいては、データに基づいてこれらの未知パラメータ を統計的推定および統計的検定を行う必要があります。本講義では、確率微分 方程式モデルを含む一般の統計モデルに対する疑似最尤型推定量とその漸近的 性質を説明した後、適応的推定法やハイブリッド型推定法について解説します。 また、赤池型情報量規準に基づいた統計的モデル選択問題への応用や高頻度ビ ッグデータ解析への応用についても概説します。確率微分方程式モデルに基づ いた高頻度金融データ解析はこの分野の重要な応用例になります。このように、 確率微分方程式モデルの統計推測は、理論と応用の両面において、盛んに研究 されている統計科学分野の一つです。予備知識として、数理統計学、確率微分 方程式及び確率解析の初歩を知っていることが望ましいです。 授業のキーワード:連続時間確率過程、統計的漸近決定理論、適応的推定法、 ハイブリッド型推定法、統計的モデル選択問題 成績評価方法:レポート
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