数理科学特別講義 X 北海道大学 阿部 紀行 ● 講義題目 p 進簡約群の法 p 表現論 ● 授業の目標,概要 p 進簡約群の法 p 表現に関して,基本的な事柄から始め最新の状況を解説する. 主に(局所)Langlands 対応への応用を動機とし,p 進簡約群,すなわち p 進数体上定義された 簡約代数群の有理点のなす群の表現論が深く調べられてきた.局所 Langlands 対応は Galois 群の 表現と p 進簡約群の表現との間の対応の存在を主張する.もともとの Langlands 対応においては, 標数 0 の体上で定義された表現の対応が主張されており,それにあわせて長らく p 進簡約群の標数 0 の体上で定義される表現が調べられていた.その後,標数 p の体上定義された表現(これを法 p 表現と呼ぶ)の対応を主張する「法 p Langlands 対応」の概念が提唱され,それにあわせて p 進簡 約群の法 p 表現論がその重要性を増しつつある. 講義では,法 p 表現論の中でも,近年特に理解に進んできた放物型誘導表現の構造を中心に扱 う.主に例を中心として扱うことにより,簡約群の構造論には深く立ち入らない予定である.時間 的な余裕があれば,放物型誘導表現では得られない表現に関して知られている結果を紹介したい. ● 成績評価方法 レポートにより行う.
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