2015年12月 販売用資料 販売会社様内限 スペシャル・レポート グローバル・ハイ・イールド債券相場の動向等について フィデリティ投信株式会社 当資料では、原油相場とグローバル・ハイ・イールド債券相場の動向等をご紹介します。 ポイント 原油価格動向が不安定な中で、グローバル・ハイ・イールド債券相場は地域分散効果により底堅く推移。 原油安が米国ハイ・イールド債券相場に与える影響は限定的となる見通し。短期的に相場の変動性が高ま る場合は魅力的な投資機会となる可能性も。 サード・アベニュー・アセット・マネジメントの「サード・アベニュー・フォーカスト・クレジット・ファンド」のような清 算は、高リスクで運用し、かつ失敗したファンドに限られ、分散投資と流動性リスクの管理を徹底している多く のファンドにまで波及することはないと考えられる。 原油安局面でグローバル・ハイ・イールド債券相場は 地域分散効果により底堅く推移 原油価格は2015年後半から下落して以来、弱含みの展開となっており、足元では1バレル40米ドルを下回 る水準で推移しています。このような環境下、ハイ・イールド債券の中では、エネルギー・セクターの比率が 相対的に大きい米国が最も軟調な推移となっています。 エネルギー・セクターへの比率が相対的に低く、銀行セクターの比率が高い欧州や、不動産および銀行セク ターの比率が高いアジアについては、原油安の影響が抑えられ、米国よりも堅調に推移しました。3地域に 分散投資するグローバル・ハイ・イールド債券では分散効果が発揮され、米国よりも底堅く推移しました。 現在のグローバル・ハイ・イールド債券の利回りは8.2%と魅力的な水準となっており、割安感が高まってい ます(2015年12月14日時点)。 原油相場と各資産の推移 (米ドル/バレル) 105 65 60 100 55 50 95 45 40 90 85 80 15年6月 10% 8.2% 世界株式(左軸) 米国ハイ・イールド債券(左軸) 欧州ハイ・イールド債券(左軸) アジア・ハイ・イールド債券(左軸) グローバル・ハイ・イールド債券(左軸) WTI原油先物(右軸) 15年7月 9.3% 15年8月 9.2% 8% 15年9月 15年9月 15年10月 35 30 25 20 15年11月 15年11月 各資産の利回り 6.2% 6% □ 2015年6月末時点 ■■■■■ 2015年12月14日時点 4.2% 4% 2.8% 2.2% 2% 0.6% 0.3% ドイツ 10年国債 日本 10年国債 0% グローバル・ ハイ・イールド 債券 アジア・ ハイ・イールド 債券 米国 ハイ・イールド 債券 欧州 ハイ・イールド 債券 世界 リート オーストラリア 10年国債 米国 10年国債 (注)上グラフ:RIMESおよびBloombergよりフィデリティ投信作成。2015年6月末~2015年12月14日。WTI原油先物は実数値。 その他は期間初を100として指数化。現地通貨ベース。 下グラフ:RIMESおよびBloombergよりフィデリティ投信作成。数値は2015年12月14日時点の値。 1 上記は過去の実績であり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。 最終ページを必ずご確認ください。 販売用資料 販売会社様内限 スペシャル・レポート グローバル・ハイ・イールド債券相場の動向等について 2015年12月 フィデリティ投信株式会社 原油安が米国ハイ・イールド債券に与える影響は限定的と想定 エネルギー・セクターの中には、特徴の異なる複数のサブ・セクターがあります。探査・開発セクター企業 は、油田を保有し開発するため、原油安は採算悪化要因となります。原油安の影響を相対的に大きく受け るため、債券利回りが10%台後半となるなど、市場からは高リスク・セクターとみなされています。しかし、 今後の原油価格の安定から恩恵を受ける企業も存在すると考えられます。 貯蔵・輸送セクターでは、多くの企業は固定価格の長期契約によって原油輸送を請け負っており、原油安 の影響は相対的に軽微です。キャッシュフローも安定しており、債券利回りは米国ハイ・イールド債券全体 よりも低い水準となっています。 このほかにも設備・サービス・セクターや精製・販売セクターがありますが、米国ハイ・イールド債券全体に 占める比率は合計2%台と小規模です。 米国ハイ・イールド債券のエネルギー・セクター内の比較 探査・開発 米国ハイ・ エネルギー・ イールド債券 債券利回り セクターでの比率 での比率 73 47.4% 5.8% 16.1% 貯蔵・輸送 53 34.1% 4.2% 7.2% 設備・サービス 22 14.1% 1.7% 17.3% 7 4.4% 0.5% 7.3% 155 100.0% 12.3% 12.8% 100.0% 8.3% 時価総額 (10億米ドル) サブ・セクター 精製・販売 エ ネルギ ー ・セク ター 全体 米国ハイ・イー ルド債券全体 1,257 (注)BloombergおよびRIMESより フィデリティ投信作成。2015年11 月末時点。 エネルギー以外のセクターでは、原油安が追い風となるセクターが多くあります。原油・ガソリンの消費者 である化学セクター等の製造業や空運セクター等はエネルギー・原材料コスト低下という恩恵を受けてい ます。また、自動車大国である米国では、ガソリン価格低下が内需拡大につながることで、小売、自動車、 消費財セクターなど幅広い業種の業績拡大が期待されます。 このように、エネルギー・セクターの一部企業で原油安が逆風となる一方、多くのセクターでは原油安が追 い風となるため、原油安が進行した場合の米国ハイ・イールド債券相場全体への影響は限定的と予想さ れます。 原油安による投資家センチメントの悪化で相場の変動性が高まった場合は、魅力的な投資機会が生まれ ると期待されます。 米国ハイ・イールド債券指数とセクター別指数の騰落率(騰落率上位/下位10セクター) 騰落率下位10セクター 騰落率上位10セクター 15% 10% 8.7% 7.6% 7.0% 6.5% 6.1% 6.0% 6.0% 5.6% 5.5% 5.2% 5% 0% -5% -2.1% -0.4% -1.0% -10% -15% -20% -25% 原油安による内需拡大の恩恵を受けると期待される、 幅広い内需関連セクターが騰落率上位に。 -3.4% -4.4% -4.6% -5.5% -11.0% -13.0% 原油等資源価格の下落を材料に売られた資源関連セクター -16.0% が相対的に大きく下落。 (注)RIMESよりフィデリティ投信作成。 2014年12月末~2015年11月末。米ドルベース。 2 上記は過去の実績であり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。 最終ページを必ずご確認ください。 -22.0% 2015年12月 スペシャル・レポート グローバル・ハイ・イールド債券相場の動向等について 販売用資料 販売会社様内限 フィデリティ投信株式会社 【ご参考】サード・アベニュー・アセット・マネジメントの ファンドの清算について 米国の運用会社、サード・アベニュー・アセット・マネジメントが、「サード・アベニュー・フォーカスト・クレ ジット・ファンド」の清算を発表しました。 当該ファンドは、ハイ・イールド債券の中でもリスクの高いディストレスト債券やリストラクチャリングを余 儀なくされる可能性のある債券に積極的に投資するファンドです。信用リスクや流動性リスクが相対的 に高いCCC格以下や格付無しの銘柄がポートフォリオの大きな部分を占めていました。 一方で、日次でのファンドの購入・換金を受け付けていたため、換金申し込みの金額が大きくなった場 合には、流動性の低い債券の売却が追いつかないリスクが存在していました。 当該ファンドの不調な運用成績によって換金申し込みの金額が大きくなっていたことと、リスクの高い投 資先債券の市場流動性が低下していたことによって、日次の解約に対応するための保有債券の売却 が追いつかない状況が顕在化しました。そのため当該ファンドは、換金の受付を一時停止し、保有債券 売却に適切な時間をかけることで、日次で売却するよりも適正な価格で債券を売却し、ファンドを清算 することを決定しました。 このようなファンドの清算は、高リスクで運用し、かつ失敗したファンドに限られ、分散投資と流動性リス クの管理を徹底している多くのファンドにまで波及することはないと考えられます。 総じて米国ハイ・イールド債券発行企業の業績は堅調で、低い金利や長い償還年限での資金調達で財 務改善をすすめていることから、デフォルト率は低水準で推移すると予想されます。デフォルトはエネル ギー・セクターの採算性の低い一部の企業等に限られています。 このように、米国ハイ・イールド債券発行企業の実態が総じて堅調にもかかわらず、一部のファンドの 清算や原油安などを材料とする投資家心理の悪化によって、相場の変動性が高まる局面となった場合 は、魅力的な投資機会となる可能性もあり、冷静な対応が重要と考えられます。 3 上記は過去の実績であり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。 最終ページを必ずご確認ください。 2015年12月 販売用資料 販売会社様内限 スペシャル・レポート グローバル・ハイ・イールド債券相場の動向等について フィデリティ投信株式会社 ご注意点 ● 当資料は、信頼できる情報をもとにフィデリティ投信が作成しておりますが、正確性・完全性について当社が責任を負う ものではありません。 ● 当資料に記載の情報は、作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況によって予告なく変更することがあります。 また、いずれも将来の傾向、数値、運用結果等を保証もしくは示唆するものではありません。 ● 当資料に記載されている個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は 企業の株式等の売買を推奨するものではありません。 ● 当資料にかかわる一切の権利は引用部分を除き当社に属し、いかなる目的であれ当資料の一部又は全部の無断での 使用・複製は固くお断りします。 ● 投資信託のお申し込みに関しては、下記の点をご理解いただき、投資の判断はお客様自身の責任においてなさいます ようお願い申し上げます。なお、当社は投資信託の販売について投資家の方の契約の相手方とはなりません。 ● 投資信託は、預金または保険契約でないため、預金保険および保険契約者保護機構の保護の対象にはなりません。 ● 販売会社が登録金融機関の場合、証券会社と異なり、投資者保護基金に加入しておりません。 ● 投資信託は、金融機関の預貯金と異なり、元本および利息の保証はありません。 ● 投資信託は、国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし投資元本が保証されていないため、当該 資産の市場における取引価格の変動や為替の変動等により投資一単位当たりの価値が変動します。従ってお客様の ご投資された金額を下回ることもあります。又、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、 取引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資に当たっては目論見書や 契約締結前交付書面を良くご覧下さい。 ●ご投資頂くお客様には以下の費用をご負担いただきます。 ・申込時に直接ご負担いただく費用:申込手数料 上限 4.32%(消費税等相当額抜き4.0%) ・換金時に直接ご負担いただく費用:信託財産留保金 上限 1% ・投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用:信託報酬 上限 年率2.0844%(消費税等相当額抜き1.93%) ・その他費用:上記以外に保有期間等に応じてご負担頂く費用があります。目論見書、契約締結前交付書面等で ご確認ください。 ご注意)上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率に つきましては、フィデリティ投信が運用するすべての公募投資信託のうち、徴収する夫々の費用における最高の料率を 記載しておりますが、当資料作成以降において変更となる場合があります。投資信託に係るリスクや費用は、夫々の投資 信託により異なりますので、ご投資をされる際には、事前に良く目論見書や契約締結前交付書面をご覧下さい。 フィデリティ投信株式会社 金融商品取引業者:関東財務局長(金商)第388号 加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会 IM151215-2 CSIS151216-1 資料中グラフの注記に別途記載ない場合は以下の指数を使用しています。 米国ハイ・イールド債券はバンクオブアメリカ・メリルリンチ・USハイ・イールド・コンストレインド・インデックス。アジア・ハイ・イールド債券はバンクオブアメ リカ・メリルリンチ・アジアン・ダラー・コーポレート・ハイ・イールド・インデックス。欧州ハイ・イールド債券はバンクオブアメリカ・メリルリンチ・グローバル・ ハイ・イールド・ヨーロピアン・イシュアーズ・コンストレインド・インデックス。グローバル・ハイ・イールド債券は米国、アジア、欧州ハイ・イールド債券の均 等配分。米国ハイ・イールド債券のセクター別指数はバンクオブアメリカ・メリルリンチ・USハイ・イールド・インデックスの各セクター指数。世界株式は MSCIワールド・インデックス。世界リートはS&P先進国リート指数。 4
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