特 許 公 報 特許第5782598号

〔実 4 頁〕
特 許 公 報(B2)
(19)日本国特許庁(JP)
(12)
(11)特許番号
特許第5782598号
(45)発行日
(P5782598)
(24)登録日 平成27年7月31日(2015.7.31)
平成27年9月24日(2015.9.24)
(51)Int.Cl.
A23L
FI
1/325
(2006.01)
A23L
1/325
102A
請求項の数2 (全5頁)
(21)出願番号
特願2012-289422(P2012-289422)
(22)出願日
平成24年12月21日(2012.12.21)
株式会社菊地製作所
(65)公開番号
特開2014-121310(P2014-121310A)
宮城県塩釜市新浜町2丁目7番5号
(43)公開日
平成26年7月3日(2014.7.3)
審査請求日
(73)特許権者 511073870
(72)発明者 菊地
平成26年7月31日(2014.7.31)
純司
宮城県塩釜市新浜町2丁目7番5号
株式
会社菊地製作所内
早期審査対象出願
審査官 名和
大輔
最終頁に続く
(54)【発明の名称】笹かまぼこ自動整形装置
1
2
(57)【特許請求の範囲】
より風合いの良い整形をする為に、ローラーを使用して
【請求項1】
笹かまぼこの整形を連続して行う装置に関する。
笹かまぼこのすり身を圧縮成形するための複数の円筒形
【背景技術】
ローラーを備えた笹かまぼこ自動整形装置において、前
【0002】
記円筒形ローラーは、ローラー母材の外周面に、前記ロ
笹の葉の形状に似せて作った笹かまぼこは、宮城県の名
ーラー母材より柔らかい筒型形状のシリコーン樹脂製の
産品としても多く知られている水産加工食品であり、古
整形ロールが装着され、かつ前記筒型形状のシリコーン
くから同地域においては好まれて食されていた蒲鉾の一
樹脂製の整形ロールはカートリッジ式の構造により脱着
種である。
を容易にしたことを特徴とする笹かまぼこ自動整形装置
昔は手の平で叩いて笹の葉に似せた形状に整形させてか
【請求項2】
10
ら炭火などを利用して焼いて製品化をしていた。現代に
前記複数の円筒形ローラーは、笹かまぼこのすり身を挟
おいては、すり身から笹蒲鉾の形状を押し出す成形・串
み込み圧縮成形するための対向する一対の円筒形ローラ
差し・手の平で叩いた様な形状にする整形・焼き・笹か
ーが複数対設けられ、笹かまぼこのすり身が順次前記複
まぼこから串を外す・冷却などが自動で行われているの
数対の円筒形ローラーに搬送されることを特徴とする請
が主流となっている。
求項1に記載の笹かまぼこ自動整形装置。
【先行技術文献】
【発明の詳細な説明】
【特許文献】
【技術分野】
【0003】
【0001】
【特許文献1】特許3310196号
本発明は、笹かまぼこの製造工程の中の整形において、
【発明の概要】
( 2 )
JP
3
5782598
B2
2015.9.24
4
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
【0004】
笹かまぼこの整形を行うローラーの母材となる円筒型の
笹かまぼこの大量生産を行う笹かまぼこの自動製造装置
硬質樹脂製のローラーに、筒型のシリコーン樹脂製の整
において、手の平で叩いた様な形に成形するために、硬
形ロールを装着し、自動・連続して移動してくる串に刺
質樹脂製もしくは鋼製からなる左右に2本置かれた整形
さった状態のすり身をローラーの回転とともにすり身の
ローラーの間を焼き工程に入る前の串を刺しこんだ状態
表面を潰す。このとき、シリコーン樹脂材が柔らかいた
の蒲鉾のすり身が、潰されながら通過することにより整
め、すり身の表面を手の平で叩いた様な柔らか味のある
形されていた。問題点は、硬質な樹脂で潰されるために
形に整形できる。
本来求める手の平で叩いた様な柔らか味のある風合いを
【実施例】
出すことが出来ない。また、実際に手の平で叩いた場合 10
【0009】
においては、機械で行う様な大量生産が出来ない。本発
図1は本発明に関わる整形装置全体の実施例である。1
明は自動化・連続化で笹かまぼこを製造しながらも、手
は整形装置本体であり、2a∼2cは表面がシリコーン
で叩いた様な柔らか味を出すことのできる装置を使用す
樹脂製の整形ローラーである。前工程で成形されて串に
ることでこれらの課題の解決を図るものである。
刺さったすり身3は、駆動するチェーン4に固定された
【課題を解決するための手段】
串差しホルダー5の中に入っており、串6に刺さった状
【0005】
態で矢印の進行方向に運ばれ、整形ローラー2a∼2c
本発明は、上記課題を解決するために、笹かまぼこのす
に潰されて整形される。整形ローラーが2a∼2cの3
り身を圧縮成形するための複数の円筒形ローラーを備え
セットあるのは、一度にすり身1を潰して整形するので
た笹かまぼこ自動整形装置において、前記円筒形ローラ
はなく、3セットの整形ローラーの間を通すことで徐々
ーは、ローラー母材の外周面に、前記ローラー母材より 20
に任意の形状にするためである。
柔らかい筒型形状のシリコーン樹脂製の整形ロールが装
【0010】
着され、かつ前記筒型形状のシリコーン樹脂製の整形ロ
図2は、整形装置本体1を上から見た断面図であり、駆
ールはカートリッジ式の構造により脱着を容易にしたこ
動するチェーン4によって運ばれてくるすり身3が、シ
とを特徴とする。
リコーン樹脂製の整形ローラー2a∼2cによって徐々
また、前記複数の円筒形ローラーは、笹かまぼこのすり
に潰される過程を簡易的に説明するものである。先に説
身を挟み込み圧縮成形するための対向する一対の円筒形
明したように運ばれてくるすり身3は先ず整形ローラー
ローラーが複数対設けられ、笹かまぼこのすり身が順次
2aの間を通ることで潰され、続けて整形ローラー2b
前記複数対の円筒形ローラーに搬送されることを特徴と
から整形ローラー2cの間を通ることで段階的に潰され
する。
ることで任意の形状となる。
【発明の効果】
30
【0011】
【0006】
図3は、整形ローラー2a∼2cの構成要素であり、ロ
本発明によれば、従来の硬質樹脂製のローラーによって
ーラーの母材となる円筒型の硬質樹脂製のローラーに装
行っていた笹かまぼこ自動製造装置を使用しての整形を
着される筒型のシリコーン樹脂製の整形ロール7である
、シリコーン樹脂製の比較的柔らかい材質の整形ローラ
。この整形ロール7の厚みは3∼6mm程度で、外径は
ーですり身の表面を潰すことにより、昔ながらの手の平
120mmであり、シリコーン材の特性を活かした柔軟
で叩いた様な温かみのある風合いを持った笹かまぼこの
性のある質感となっている。
整形を自動で連続して行うことが可能となる。
【0012】
また、すり身と直に接触する部分がシリコーン樹脂であ
図4は、シリコーン樹脂製の整形ロール7の断面図であ
るため、この部分へのすり身の付着を極力抑えることが
でき、装置のメインテナンス性も格段に向上する。
って、8および9は、それぞれシリコーン樹脂製ロール
40
7を内側から支える骨格である硬質樹脂製ローラーとこ
【図面の簡単な説明】
のローラーの回転軸となっているステンレス製のシャフ
【0007】
トである。硬質樹脂型ローラー8の外径は、ローラーの
【図1】本発明の笹かまぼこ自動整形装置の正面図であ
回転の際にシリコーン樹脂製ロール7が、運ばれてくる
る。
すり身3との摩擦で空転しないように、シリコーン樹脂
【図2】本発明の笹かまぼこ自動整形装置の上面断面図
製ロール7の内径に対して2mm程度大きい寸法となっ
である。
ている。また、回転の際に硬質樹脂製ローラー8からシ
【図3】本発明のシリコーン樹脂製のカートリッジ式ロ
リコーン樹脂製の整形ロール7が、上下にズレないよう
ールの正面図及び上面図である。
に硬質樹脂製ローラー8の端部は凸型となっている。
【図4】本発明の円筒形ローラーの正面断面図である。
【産業上の利用可能性】
【発明を実施するための形態】
50
【0013】
( 3 )
JP
5
5782598
2015.9.24
6
本発明によれば、笹かまぼこの表面を弾力性のあるシリ
2a、2b、2c
コーン樹脂製の整形ロールで潰して整形することで、よ
3 すり身
り手の平で叩いた様な風合いに近い笹かまぼこの整形が
4 チェーン
でき、またシリコーン樹脂製の整形ロールがカートリッ
5 串差しホルダー
ジ式であるために装置の洗浄の際は容易に取外しができ
6 串
るので衛生的である。
7 シリコーン樹脂製の整形ロール
【符号の説明】
8 硬質樹脂製ローラー
【0014】
9 シャフト
1
B2
整形ローラー
整形装置本体
【図1】
【図4】
【図2】
【図3】
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(56)参考文献
特開昭53−038676(JP,A)
特開2008−268343(JP,A)
特開2000−024587(JP,A)
実開昭53−092094(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.,DB名)
A23L
1/325
( 4 )
Thomson
Innovation
JP
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B2
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