米国MLPマーケット・ウィークリー 当レポートでは、パイプライン等のエネルギー関連資産を保有・運営する米国のMLP(共同投資事業の一形態)に関する情報提供を行います。 ≪先週の米国MLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)市場概況≫ アレリアンMLP指数 トータル リターン指数 価格指数 米国株(S&P500) 予想配当 利回り トータル リターン指数 予想配当 利回り 2015年1月27日 米国REIT トータル リターン指数 予想配当 利回り 米10年国債 利回り WTI 原油先物 ( ドル/ バレル) ヘンリーハブ 天然ガス先物 ( ドル/ 百万 BTU) 2014年12月31日 459.40 1,637.25 6.01% 3,769.44 1.94% 14,247.97 3.58% 2.17% 53.27 2.89 2015年1月16日 438.56 1,564.17 6.49% 3,699.79 2.10% 15,243.24 3.43% 1.84% 48.69 3.13 2015年1月23日 451.60 1,610.67 6.29% 3,759.76 2.07% 15,371.98 3.41% 1.80% 45.59 2.99 前週比 3.0% 3.0% -0.20% 1.6% 0.8% -0.02% -0.04% -6.4% -4.5% 年初来 -1.7% -1.6% 0.28% -0.3% 0.13% 7.9% -0.17% -0.37% -14.4% 3.4% 前年比 -2.6% 3.1% 0.19% 14.5% -0.01% 33.8% -0.37% -0.98% -53.2% -36.9% (2009年末=100) -0.03% トータルリターン指数(配当込み) 260 8% 240 7% MLP 220 MLP 6% 米国REIT 200 MLP・S&P500・米国REITの配当利回りと長期金利 5% 180 米国REIT 4% 160 3% 140 S&P500 120 2% 1% 100 80 10/1/1 11/1/1 12/1/1 13/1/1 14/1/1 15/1/1 0% 10/1/1 S&P500 米10年国債利回り 11/1/1 12/1/1 13/1/1 14/1/1 15/1/1 (出所)ブルームバーグ (注)データ期間:2010年1月1日~2015年1月23日、MLP=Alerian MLP Index、米国REIT=FTSE NAREIT All Equity REITs Index ≪アレリアンMLP指数構成銘柄(全50銘柄)の週間騰落率ランキング(1月19日~1月23日)≫ 上昇率上位5銘柄 業種 時価総額 ( 1 0 0 万ドル) 週間騰落率 (%) 下落率上位5銘柄 業種 時価総額 ( 1 0 0 万ドル) 週間騰落率 (%) 1 Phillips 66 Partners LP 石油輸送 5,553 12.4 EV Energy Partners LP 探査・生産 641 -10.2 2 Valero Energy Partners LP 石油輸送 2,590 12.4 Crestwood Midstream Partners LP 集積・処理 2,863 -5.1 3 Martin Midstream Partners LP その他 1,084 12.1 Teekay Offshore Partners LP 船舶輸送 1,830 -4.9 4 BreitBurn Energy Partners LP 探査・生産 1,070 10.9 Teekay LNG Partners LP 船舶輸送 3,150 -3.6 5 Memorial Production Partners LP 探査・生産 1,428 集積・処理 7,748 -1.9 (出所)ブルームバーグ 9.9 Enable Midstream Partners LP (注)時価総額は2015年1月23日時点。 ≪先週の米国MLP市場の動き≫ 先週のアレリアンMLP指数(トータルリターン)は前週末比+3.0%と上昇に転じました。WTI原油先物価格(期近物)は1月 23日には1バレル=45.59ドルまで下落したものの、主要MLPによる2014年第4四半期の配当が公表される中で、安定した 増配基調が維持されたことがMLPへの投資家の信認回復に繋がったと考えられます。 先週は主要MLP12銘柄の2014年第4四半期配当が公表され、増配率の中央値は前期比+3.5%、前年比+16.7%と底 堅い結果となりました。今後、主要MLPによる2014年第4四半期の決算発表が始まることから、増配決定を裏付けた業績 動向や、原油価格急落を受けた2015年のMLPの事業見通しなどに注目が集まります。 一方、足元でのMLP市況の下落を受けて、MLPには割安感が生まれていると考えられます。米10年国債利回りが一段と 低下する中、MLPの予想配当利回りは6.29%と高水準にあり、利回り面での投資妙味が増しています。また、MLPは米国株 との比較でも割安に評価される傾向にあり、今後の配当成長によりMLPが再評価される余地が高まると期待されます。 ●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種データに基づいて作成したも のですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。 また記載されている運用スタンス、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品 に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面による同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当 資料は情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当該銘柄の売買または保有を推奨するものではありません。 米国MLPマーケット・ウィークリー ≪MLP関連トピック≫ 主要MLPの2014年第4四半期の配当動向とバリュエーション 主要MLPは2014年第4四半期も安定増配を維持 年明け以降、MLPによる2014年第4四半期の配当公表が 図1:1月20~23日に公表されたMLPの配当実績 公表日 銘柄 ティッ カー 続いています。先週は主要MLP12銘柄の配当が公表され、 一株当たり配当 (ドル) 2014年4四半期 前期比 前年比 1月20日 MPLX LP MPLX 0.383 7.0% 22.4% 1月20日 EnLink Midstream Partners LP ENLK 0.375 1.4% 4.2% 当を公表したMLP12銘柄の増配率の中央値は、前期比で 1月21日 Phillips 66 Partners LP PSXP 0.340 7.3% 51.2% +3.5%、前年比では+16.7%でした(図1)。 1月21日 Targa Resources Partners LP NGLS 0.810 1.6% 8.4% 1月21日 MarkWest Energy Partners LP MWE 0.900 1.1% 4.7% 1月22日 Western Gas Partners LP WES 0.700 3.7% 16.7% 1月22日 Western Gas Equity Partners LP WGP 0.313 7.3% 35.1% 足元で中流セクターを中心に着実な増配実績を積み上げて 1月22日 Summit Midstream Partners LP SMLP 0.560 3.7% 16.7% いることが、MLP市場での投資家の信認回復に寄与している 1月22日 Crestwood Midstream Partners LP CMLP 0.410 0.0% 0.0% と考えられます。今後、主要MLPによる2014年第4四半期の 1月22日 Crestwood Equity Partners LP CEQP 0.138 0.0% 0.0% 決算発表が始まることから、業績動向や原油価格急落を受 1月22日 Rose Rock Midstream LP RRMS 0.620 7.8% 33.3% 1月23日 QEP Midstream Partners LP QEPM 0.310 3.3% 19.2% 中央値 3.5% 16.7% 軒並み安定した増配基調の継続が示されました。先週、配 2014年10月頃からの原油価格の急落を受けて、一時は MLPによる配当動向への投資家の懸念が高まったものの、 けた2015年のMLPの事業見通しなどが注目されます。 配当利回り上昇を受けてMLPの投資妙味が増す (出所)各社公表資料、ブルームバーグ 図2:MLPの予想配当利回りの推移 (アレリアンMLP指数ベース) 一方、2014年9月以降のMLP市況の下落を受けて、配当 7.5% 利回り水準の面で引き続きMLPには割安感が生まれていると 2011年以降の平均値=6.12% 考えられます。MLPの予想配当利回りは2014年には一時 7.0% 5%台前半へ低下が進んだものの、2015年1月23日時点で 6.5% 6.29%へ上昇しています(図2)。また、米10年国債利回りが 6.29% 1.80%(1月23日)まで低下しており、相対的な利回り水準の 6.0% 面でもMLPの投資妙味が増しているとみられます。 5.5% 米国株との比較でも、MLPには再評価の余地 また、MLPのバリュエーション評価の特徴として、キャッシュフ ロー(EBITDAなど)と株価の関係を比較することが一般的です。 この背景には、①一般企業とは異なり、MLPは利益に加えて 5.0% 11年1月 業内部に留保される資金)、②大規模な設備投資を必要とす るエネルギー・セクターではキャッシュフローの中での減価償 却費の構成割合が大きいこと、などが挙げられます。 実際、株価EBITDA倍率の面で、米国株とMLPのバリュエー ション比較をしてみると、足元では米国株(9.5倍)に対して 12 (倍) れれば、MLPが再評価される余地が高まると期待されます。 14年1月 15年1月 図3:MLPと米国株のバリュエーション比較 (株価EBITDA倍率) 割高 11 S&P500指数 アレリアンMLP指数 10 9.5倍 9 8.7倍 8 7 6 5 MLP(8.7倍)が割安に評価される傾向にあります(図3)。今後 4 は、中流セクターを中心にMLPの安定的な配当成長が維持さ 13年1月 (出所)ブルームバーグ (期間)2011年1月1日~2015年1月23日 減価償却費も配当原資として採用していること(減価償却費 は会計上は費用であるものの、実際の現金支出を伴わず企 12年1月 割安 3 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (年) (出所)ブルームバーグ (期間)2003年1月1日~2015年1月23日 (注)EBITDA=税引き前利益+減価償却費+利払い 株価EBITDA倍率=株価÷過去12ヵ月の一株当たりEBITDA ●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種データに基づいて作成したも のですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。 また記載されている運用スタンス、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品 に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面による同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当 資料は情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当該銘柄の売買または保有を推奨するものではありません。
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