(平成27年7月) [PDFファイル/340KB

H270725
Sodate
251号
〒947-0031 小千谷市土川1丁目5番53号
小千谷市
青少年育成センター
第251号
Tel 0258-82-6750 Fax 0258-82-6750
相談専用電話 82-6771
e-mail: [email protected]
URL http://www.city.ojiya.niigata.jp/
ゆとり世代と集団行動
小千谷警察署長
坂井智之
警察も大量退職、大量採用時代を迎え、いわゆる「ゆとり
世代」の若者がどんどん採用されている。
ゆとり世代の若者は、「集団行動」という経験が無いまま社会に
送り出されてしまう者も少なくはない。
一方団塊世代は、兄弟も多く、親が子どもの面倒を見る時間に限りがあり、それぞれの
地域に「ガキ大将」を頂点としたひとつの集団が形成され、集団行動を学ぶ場として機能
していた。
だから現代のような陰湿ないじめは存在しなかったし、仲間がいじめられればみんなで
敵討ちに行くこともしばしば見受けられた。
ゆとり世代の若者は、失敗を恐れ、打たれ弱く、現実的で夢を見ないという特性があ
り、叱られると次の日から出勤拒否になったり、鬱病になったりする。
我々が子ども達を過保護に育て、こういう若者を作っておきながら、一方では、「今の
若者は駄目だ、嫌な仕事でもやらなければならないんだ」という旧態依然とした団塊世代
の規範意識を彼らに押しつけるのは無理があるのではないかと思う。
警察官採用試験に合格すると警察学校に入校し、共同生活の中で同じ志を持つ同期生と
励まし合いながら厳しい教養訓練を乗り越えていく。
彼らの多くは、生まれて初めて「集団行動」を体験するが、卒業時には見違えるほど成
長し、卒業式に出席した父兄は、成長した我が子を見て涙する。
「今の若者は駄目だ」と言う前にこうした若者を作り上げてきた我々にも責任はあるので
はないかと思う。
ゆとり世代は、叱られることに慣れていないが、時には厳しく叱る必要もある。
叱ることは育てたいという愛情があるから叱るんだと言うことを、彼らに正しく伝えて
いくことが我々に課せられた責任ではないだろうか。
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たっぷりと時間をかけて『甘えさせる』
小千谷市立東小千谷中学校長
太平敏夫
豊かな社会はいい。便利になって生活が楽になった。しかし、子ど
もの心は社会の豊かさに比して豊かにはなっていない。効率主義とい
う生活の中の便利さを、子どもとのかかわりに当てはめてはいないだ
ろうか。…次のような話を聞いたことがある。
ア 子どもが眠りに入ろうとするとき、枕元で昔話を語ってやる。薄暗い部屋の中、夢と
現実との挾間で、子どもの目の前には美しい竜宮城が広がる。『画像』には想像を助ける
効果がある。しかし、子どもの頭の中では、絵にも描けないほど美しい鯛やひらめが舞っ
ているかも知れない。
イ 小遣いが、もらえるのはよくて盆か正月。加えて、手伝いをしたら駄賃がもらえたか
も知れない。半年待って、或いは小銭を貯め込んでやっと欲しいものを買うことができる。
わくわくしながら店に走り、目当てのものを手にしたときの感動があった。やっと買えた
という達成感が、感動を更に大きくした。
ウ 簡単に手に入れることができないから、壊れても捨てられない。おもちゃ箱には、
様々な部品が溜め込まれていく。いつか工夫が生まれ、Aの乗用車にBのタイヤが装着さ
れて庭を走り出す。船のモーターが、自動車に取り付けられるかも知れない。
エ 家の中では遊ぶ場も道具も少なかった。家人は晴れた日には外で遊ぶことを推奨した。
公民館や境内といった空き地に集まってかくれんぼやおにごっこ、おはじきやめんこが始
まる。小さい子どもが喧嘩でも始めると、(その子のことを思いやってかどうかは分から
ないが)上級生が当たり前のように仲裁に入った。
オ 炊飯、食器洗い、風呂の準備、洗濯、掃除等々、家の中には時間のかかる仕事がたく
さんあった。子どもにも仕事がまわってきて、家中をはたきとほうきをもって回った。ど
れも、結構な時間がかかる。学校から帰ったらすぐに友だちと遊びたい。しかし、遊んだ
後では遅すぎる。せめぎ合いの中から、段取り力を身に付けた。
大人に悪意はない。寧ろ、欲しいものを手に入れることができなかった切なさや、自由
に遊べなかった不便な思いを、子どもには味わわせたくないという優しい思いがある。更
に言うならば、無理に手伝わせて親子関係を壊したくないし、掃除は自分がしたほうがき
れいになるし、今は専用ロボットまであるし…ということだろうか。
子どもが求めてもいないのに与えることを『甘やかす』、求めたときに与えることを『甘
えさせる』と言う。『甘やかす』のは良くない。『甘えさせない』のも良くない。子ども
が求めているときに、たっぷりと時間をかけて『甘えさせる』ことが大切だ。産業・経済
の高度化・グローバル化の中で世の中の動きがいかに速くなっても、子どもの心は、昔も
今もゆっくりと時間をかけて育っていく。子どもとのかかわりに、効率主義を当てはめて
はいけない。
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環境浄化パトロールを実施して
小千谷市生涯学習スポーツ課
課長補佐 久保田 千昭
昨年度に引き続き、7月7日(火)午後1時から青少年育成センター長や青少年相談員
等と巡回し、青少年の問題行動の有無や防犯上の危険個所など現地に行って確認してきま
した。
今回も、市内の商業施設や体育施設、信濃川旭橋周辺、JR 小千谷駅周辺を中心に巡回
パトロールを行いました。
商業施設では、店員さんからは、総じて子ども
達の目立った問題行動の指摘はありませんでし
た。逆に小千谷の子は、「おとなしい。」「マナー
が良い」等の良い話も聞かれました。
しかし、本や菓子の景品を狙ったり、
シリアルナンバーを覗くために商品を
包んでいる袋が破られる例があるとの
ことです。
また、体育施設では夜間行った花火が散乱していたり、自動販売機に火を着
けた跡があったそうです。(警察には届け済みだそうです。)誰がやったかわか
りませんが、決して青少年には良いことではありません。
駅周辺では、女子高校生が駅前の階段に座るこ
とが以前より少なくなってきたとのことでした。
盗撮などの被害を防ぐため、学校などの取り組み
によるものだそうです。何気ない行動の中にも危
険が潜んでいることを再確認しました。
青少年の健全育成は、直接語りかけるとともに、大人や地域の力で進めるこ
とが大切だと改めて思いました。
追伸 小千谷駅で高校生が挨拶してくれました。楽しい気持ちになりました。
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☆~「愛の一声」~☆
―
青少年補導委員6月・7月の主な活動
-
◆西部地区
○休日の子ども達が遊びそうな、小川・神社・池・公園を巡回しました。暑かった
せいか、外で遊ぶ姿はほとんど見かけませんでした。空き家が崩れかけていたり
危険な資材置き場もあったので、他人の敷地内に無断で入らないように学校で指
導しました。
○総合体育館の屋外広場でスケートボードを楽しむ若者に声をかけました。小千谷
中学校の卒業生で、普段の様子も聞くことができて良かったです。
○二荒神社のお祭りで、旭橋の下を見回りました。土手に女の子が一人座っていたの
で声をかけました。高校生で、「祭りなので友達と待ち合わせです。もうすぐ、来
ると思います。」と答えましたが、回りは灯りもなく暗く、自転車で遊びにきたの
で、心配になりました。危ないから、気をつけて帰るように話したら「はい。」と
素直な返事がきました。
◆東部地区
○日曜日の日中に巡回しました。河川敷では、少年達が野球やサッカーをしている
姿が見られました。
○駅前、アーケード内でも、子ども達から元気に挨拶してくれました。百円笑店街の
開催後、中学生は、てきぱきと片付けをして、とても感心しました。
◆南部地区
○愛染祭りの巡回をしました。「こんばんは。」声をかけると大きな声で「こんばん
は。」と答えてくれました。友達同士で話たり、屋台の食べ物や飲み物を口にしな
がら、楽しい時間を過ごしていました。
◆北部地区
○雨天ということもあり、子ども達には会いませんでした。
○中学校では、部活をしている子ども達を見ました。
◆高校
〇二荒神社のお祭りは、賑わっていました。屋台の飲食物の食べこぼしや、ゴミの始
末が気になりました。高校生の服装の身だしなみが整っている者と、そうでない者
の落差が気になりました。
〇暗くて細いわき道も、気をつけて巡回しましたが、問題行動に遭遇しませんでした。
〇同行の先生を見つけて、生徒から声をかけてくる姿が、微笑ましかったです。
夏休みです。子ども達の歓声が聞こえてきます。事故に気をつけて、海や山、家族旅行
等、夏休みでしかできない思い出を、たくさん作ってほしいと思います。
8月21日~23日は「おぢやまつり」です。子ども達は、一生懸命練習したお囃子や
太鼓を、堂々と披露します。たくさん声をかけて、祭りを盛り上げましょう。