Ⅲ 幼稚園、小 ・中学校の指導の重点 1 幼稚園教育の指導の重点 ねらい 幼稚園は、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、幼児を保育 し、幼児の健やかな成長のために適当な環境を与えて、その心身の発達を助長 する。 1 幼児期にふさわしい教育活動の充実 ・ 教育課程を踏まえ、幼児の実態や地域の特色を生かした指導計画を作成し、環境を 通した総合的な指導に努める。 ・ 計画的・継続的な園内研修とともに、保育を見合い、意見交換することを通して、 一人一人の保育の工夫・改善に努める。 ・ 学級経営や保育について、幼児の記録や保育の省察等を蓄積し、管理職等の意見を 踏まえ改善を図るなど、望ましい集団づくりに努める。 2 今日的課題に対応した教育の充実 ・ 幼児が協同して遊ぶようになるために、自発性を基盤として、共通の目的が実現す る喜びを味わう保育を展開するなど、小学校での学びに向かう集団の基盤となる指導 の充実に努める。 ・ 特別な支援を必要とする幼児の指導に当たっては、特別支援教育コーディネーター や保護者等と連携を図りながら個別の指導計画を作成し、一人一人の教育的ニーズに 応じた指導に努める。 ・ 体を動かす活動や食に関する活動等の充実を図るための意図的・計画的な環境を構 成し、家庭との連携を図りながら、幼児期にふさわしい生活習慣の形成に努める。 3 保育所や小学校との連携の推進 ・ 日ごろからの子供同士の交流や教職員の情報交換・合同の研修等を通し、相互理解 に努める。 ・ 幼児期の教育の成果が小学校教育に生かされるよう、義務教育及びその後の教育の 基礎となる力を培う保育の充実に努める。 4 地域に開かれた幼稚園づくりの推進 ・ 教育時間の終了後等に行う教育活動について、幼児の心身の負担や地域での生活を 考慮したものになるよう、担当教諭等や家庭との連携を図り、適切な実施に努める。 ・ 保護者からの相談に応じたり、保護者同士の交流の場を設けたりすることを通して、 幼児期の教育や幼児の発達について、保護者の理解が深まる子育ての支援に努める。 ※幼保連携型認定こども園の指導については、これに準ずる。 - 9 - 2 各教科等の指導の重点 国語(小・中) [小学校目標] 国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し、伝え合う力を高めるとともに、思考力 や想像力及び言語感覚を養い、国語に対する関心を深め国語を尊重する態度を育てる。 [中学校目標] 国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し、伝え合う力を高めるとともに、思考力 や想像力を養い言語感覚を豊かにし、国語に対する認識を深め国語を尊重する態度を育てる。 ◆ ◎ ※ 平成28年度教育課程研究集会の「研究の視点」との関連 特に重視する具体化のための内容 「『とちぎの子どもの基礎・基本』習得状況調査の結果と授業改善に向けて」及び「とちぎっ子 学習状況調査報告書」から 重 点 目 標 1 指導計画の工夫改善 ◆ 年間を見通し、系統的 ・重点的な指導を行う基 盤となる指導計画の作成 ◇ 2 ◆ 道徳教育との関連 学習指導方法の工夫改善 言語活動を単元を貫い て位置付けることにより 行う指導事項の指導 ◆ 「読むこと」の指導の 充実 ◇ 個に応じた指導の充実 ◇ 基礎的・基本的な事項 の定着 具 体 化 の た め の 内 容 ◎ 小学校では2学年ずつ、中学校では学年ごとに示されて いる内容について、児童生徒の実態に応じて系統的・重点 的な学習指導を行ったり、前後の学年を考慮して弾力的に 指導したりすることができるよう、指導計画を立てる。 ○ 年間を見通して各単元で指導する指導事項を確認しやす いように工夫した年間指導計画(縦軸:指導事項や言語活 動、横軸:単元名)を作成することが望まれる。 ○ 道徳の時間などとの関連を考慮しながら、道徳教育の内 容について、国語科の特質に応じて適切な指導をする。 ◎ 学習指導要領に示された言語活動例を基に、具体的な言 語活動を通して指導事項を指導し、各領域の能力を確実に 身に付けさせる。 ◎ 児童生徒が自ら学び、課題を解決していくための学習過 程を明確化し、言語活動を単元を貫いて位置付ける。 ◎ 児童生徒自身にとっての読む目的や必要性を明確にし、 児童生徒が見通しを持って課題を解決できるよう単元展開 を工夫する。 ○ 適切な指導方法や指導体制を工夫し、個に応じた指導と なるよう配慮する。 ○ 特に次の内容の指導に関して工夫改善を図る。 ※ 日常生活での使用頻度が低い漢字や、字形、音・訓、意味の類 似による誤りが多い漢字の指導の工夫 ※ 文の中の主語、述語、修飾語に関する指導の工夫 ※ 目的や意図に応じて書いたり推敲したりすることに関する指導 の工夫 - 10 - 重 点 目 標 3 具 体 化 の た め の 内 容 評価の工夫改善 ◆ 指導と評価の一体化 ◎ 評価を指導の改善に生かすという視点を一層重視する。 ◆ 妥当性・信頼性の高い ◎ 学習評価の妥当性、信頼性を高めるために、指導の目 学習評価 標及び内容と対応した形で、指導事項と言語活動を基に 評価規準を設定する。 ○ 評価の場面を吟味するとともに、授業中の観察、児童 生徒との対話、ノート、ワークシート、学習カード、作 品、レポート、ペーパーテスト、録音などの様々な評価 方法の中から、その場面における児童生徒の学習の状況 を的確に評価できる方法を選択する。 4 ○ 児童生徒による自己評価や相互評価を生かす工夫をする。 ◎ 学校図書館の学習・情報センター、読書センターとして 学習環境の整備 ◇ 学校図書館や情報機器 の効果的な活用 ◇ 言語環境の整備 の機能を重視し、学校図書館の計画的な利用を推進する。 ○ 情報機器を活用する機会を設け、指導の効果を高める。 ○ 言語感覚の育成のため、日常の言葉遣いや板書、掲示物、 印刷物等の言語環境の整備に留意する。 - 11 - 社会(小・中) [小学校目標] 社会生活についての理解を図り、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て、国際社 会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。 [中学校目標] 広い視野に立って、社会に対する関心を高め、諸資料に基づいて多面的・多角的に考察し、 我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を深め、公民としての基礎的教養を培い、国際社会 に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。 ◆ ◎ ※ 平成28年度教育課程研究集会の「研究の視点」との関連 特に重視する具体化のための内容 「『とちぎの子どもの基礎・基本』習得状況調査の結果と授業改善に向けて」及び「とちぎっ子 学習状況調査報告書」から 重 点 目 標 1 具 体 化 の た め の 内 容 指導計画の工夫改善 ◆ 主体的な追究活動を通 ◎ 社会科の目標及び内容を分析し、地域の特色や児童生徒 して、基礎的・基本的な の実態に即して指導計画を作成する。 知識、概念や技能の確実 ・ 小学校では、第3学年及び第4学年は2年間、第5学年 な習得と活用を図り、社 及び第6学年は年間を見通した指導計画を作成する。 会的な見方や考え方を養 ・ う指導計画の工夫改善 中学校では、小学校の内容との系統性に配慮すると ともに、各分野相互の関連を図りながら、第1学年から 第3学年までを見通した指導計画を作成する。 ◎ 観察や調査・見学などの体験的な活動を取り入れたり、 児童生徒の日常生活との関連を図ったりするなど、児童 生徒が学習対象となる社会的事象とのつながりを感じ、 関心を持って学習に取り組むことができるよう工夫する。 ◇ 地域素材の活用 ○ 地域素材の教材化や地域の施設、文化遺産や年中行事、 人々の取組などの積極的な活用を図り、地域社会の一員 としての自覚、地域社会に対する誇りと愛情を育てる。 ◇ 道徳教育との関連 ○ 道徳の時間などとの関連を考慮しながら、道徳教育の内 容について、社会科の特質に応じて適切な指導をする。 ◇ 消費者教育との関連 ○ 発達の段階に応じて、社会において自立した消費者を育 む視点から、身近な消費生活を中心にした経済活動の仕 組みや意義、消費者行政等の内容を見直し、消費者市民 社会の形成に参画する資質や能力を計画的に指導する。 - 12 - 重 点 目 標 具 体 化 の た め の 内 容 2 学習指導方法の工夫改善 ◆ 作業的・体験的な学 ◎ 課題を見いだし、見通しを立て、追究、考察するなどの 習 、問 題解 決的 な学 習 活動を指導計画に位置付け、児童生徒が主体的に社会的 の充実 事象を追究し、比較・関連付け・総合しながら再構成し (言語活動の充実) て、考えたことを自分の言葉でまとめ伝え合い、互いの 考えを深め合うことができるよう工夫する。 ◎ 思考力・判断力・表現力等を育成する観点から、地図や 地球儀、統計資料や年表等の基礎的資料を効果的に活用し て、調べたことや考えたことを表現したり、社会的事象の 特色や相互の関連、意味について、話し合ったりするなど の活動を積極的に取り入れ、言語活動の充実を図る。 ◆ 基礎的・基本的な知 ◎ 単元の学習において、目標を達成するために必要な基礎 識 、概 念や 技能 の確 実 的・基本的な知識、概念や技能を精選する。 な習得と活用 ※ 新しい技能を学習させる際には、練習する機会を確保するとと もに、他の学習場面に活用する機会を意図的、計画的に設ける。 ※ 各自が分かったことを自分の言葉でまとめたり、図などを使っ てまとめたりする時間を確保する。 ◇ 個に応じた指導の充実 ○ 学習方法や学習形態、学習課題、資料やワークシート等 を工夫し、個に応じた指導となるよう配慮する。 3 評価の工夫改善 ◆ 指導と評価の一体化 ◆ 妥当性・信頼性の高い ◎ 内容のまとまりや本時のねらい、評価規準を児童生徒の 具体的な学習状況に即して設定し、それらを分かりやす 学習評価 く示すとともに、評価方法や個に応じた手立てを工夫す るなど、指導に生きる評価の在り方について工夫改善を 図る。 ・ 授業中の見取りやノート、ワークシート、作品等の分 析など、多様な評価方法の中から評価の観点に即して適 切な方法を選択し、評価する。 4 学習環境の整備 ◇ 学習環境の整備と情報 収集 ○ 学校図書館やコンピュータ室、社会科資料室等の整備・ 充実を図るとともに、地域の施設、文化遺産や年中行事、 人々の取組などについて情報収集に努める。 - 13 - 算数(小)・数学(中) [小学校目標] 算数的活動を通して、数量や図形についての基礎的・基本的な知識及び技能を身に付け、 日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考え、表現する能力を育てるとともに、算数 的活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き、進んで生活や学習に活用しようとする態度 を育てる。 [中学校目標] 数学的活動を通して、数量や図形などに関する基礎的な概念や原理・法則についての理解 を深め、数学的な表現や処理の仕方を習得し、事象を数理的に考察し表現する能力を高める とともに、数学的活動の楽しさや数学のよさを実感し、それらを活用して考えたり判断した りしようとする態度を育てる。 ◆ 平成28年度教育課程研究集会の「研究の視点」との関連 ◎ 特に重視する具体化のための内容 ※ 「『とちぎの子どもの基礎・基本』習得状況調査の結果と授業改善に向けて」及び「とちぎっ子 学習状況調査報告書」から 重 点 目 標 1 ◇ ◆ 指導計画の工夫改善 継続的な指導や学年間 の円滑な接続 基礎的・基本的な知識 ・技能の習得を図る指導 計画の工夫改善 具 体 化 の た め の 内 容 ◎ 指導内容の系統性や領域間の関連を踏まえて学習の接続 を図るとともに、児童生徒の実態に即した適切な指導計画 を作成する。 ◎ 数量や図形に関して身に付けさせたい基礎的・基本的な 知識・技能の重点化を図るとともに、それらを活用し小学 校では数学的な考え方、中学校では数学的な見方や考え方 を育む指導計画を作成する。 ※ 基本的な計算技能を身に付けさせる学年間・校種間の接続に配 慮した指導の工夫 ◇ 2 道徳教育との関連 学習指導方法の工夫改善 ねらいを達成するため の算数的活動・数学的活 動の工夫 ◆ 見通しをもち筋道を立 てて考え、表現する能力 を育成する指導の充実 ◇ ○ 道徳の時間などとの関連を考慮しながら、道徳教育の内 容について、算数・数学科の特質に応じて適切な指導をす る。 ◎ 算数的活動・数学的活動を通して、数量や図形などにつ いての意味や性質を実感を伴って理解させる。 ※ ◎ 実感を伴って理解させる算数的活動・数学的活動の工夫 見通しを持ち根拠を明らかにし筋道を立てて考える活動 や、言葉や数、式、図、表、グラフなどを適切に用いて問 題を解決したり、自分の考えを分かりやすく表現し説明し たりするなどの活動、学習したことを振り返る活動を充実 させる。 ※ 式で表したり、式の意味を読み取ったりする活動の工夫 - 14 - 重 点 目 標 ◆ 生活や学習に活用する 具 体 化 の た め の 内 容 ◎ 態度を育てる指導の充実 生活や学習との関連を図り、数や図形の性質などを見い だす活動や算数・数学を利用する活動などの算数的活動・ 数学的活動を適切に取り入れながら、学ぶ意欲を高め、学 ぶ楽しさを実感できるようにする。 ※ 日常の生活場面と関連させたり、具体物を用いたりする指導の 工夫 ◇ 個に応じた指導の充実 ○ 児童生徒一人一人の理解や習熟の程度に応じた指導、少 人数指導など、個に応じたきめ細かな指導に努める。ま た、発展的な学習、補充的な学習については、児童生徒 の実態に応じて十分内容を吟味しながら位置付けるよう 配慮する。 3 評価の工夫改善 ◆ 指導と評価の一体化 ◆ 妥当性・信頼性の高い ◎ 児童生徒の具体的な学習状況に即して、本時や内容のま とまりごとにねらいや評価規準を設定し、それらを分かり 学習評価 やすく示すとともに、評価方法や個に応じた指導の手立て を工夫するなど、指導に生きる評価の在り方について工夫 改善を図る。 ○ 自己評価や相互評価などを位置付け、児童生徒自身が自 分の学習の成果を実感したり互いのよさを認め合ったりで きるよう配慮する。 4 学習環境の整備 ○ 数量や図形についての感覚を豊かにしたり、表現する力 を高めたりするため、コンピュータや情報通信ネットワ ークなど、ICT機器を効果的に活用できるよう整備を 図る。 - 15 - 理科(小・中) [小学校目標] 自然に親しみ、見通しをもって観察、実験などを行い、問題解決の能力と自然を愛する心 情を育てるとともに、自然の事物・現象についての実感を伴った理解を図り、科学的な見方 や考え方を養う。 [中学校目標] 自然の事物・現象に進んでかかわり、目的意識をもって観察、実験などを行い、科学的に 探究する能力の基礎と態度を育てるとともに自然の事物・現象についての理解を深め、科学 的な見方や考え方を養う。 ◆ ◎ ※ 平成28年度教育課程研究集会の「研究の視点」との関連 特に重視する具体化のための内容 「『とちぎの子どもの基礎・基本』習得状況調査の結果と授業改善に向けて」及び「とちぎっ子 学習状況調査報告書」から 重 点 目 標 1 ◆ 指導計画の工夫改善 基礎的・基本的な知識 ・技能の確実な習得を図 る指導計画の作成 ◆ 観察・実験等に基づ く 、主 体的 で探 究的 な 学 習活 動の 充実 を図 る 指導計画の工夫改善 ◆ 日常生活や社会との関 連 を重 視し た学 習内 容 の充実 具 体 化 の た め の 内 容 ◎ 小学校は各学年の目標と内容、中学校は各分野の目標と 内容を具体的に検討し、基礎的・基本的な内容を把握し た上で、小・中学校での学習の円滑な接続に配慮すると ともに、地域の特色や各学校の実態に応じた指導計画を 作成する。 ◎ 観察・実験等を基にした主体的で探究的な学習活動を重 視した指導計画を工夫する。 ・ 科学の基本的な見方や概念を柱とした学習内容の系統 性を踏まえる。 ・ 児童生徒が探究する時間を十分確保する。 ○ 実社会・実生活との関連を重視し、理科を学ぶことの意 義や有用性を実感させることにより、科学への関心を高 めるような学習内容を指導計画に位置付ける。 ※ ◇ 2 道徳教育との関連 学習指導方法の工夫改善 ◆ 自然の事物・現象を科 学的に探究する能力を高 める指導方法の工夫 ◆ 科学的な思考力・表現 力の育成を図る指導方法 ・指導体制の工夫 ○ 科学的な言葉(理科の学習で学んだ言葉)を用いて身の回りの 事象を表現する活動の工夫 道徳の時間などとの関連を考慮しながら、道徳教育の内 容について、理科の特質に応じて適切な指導をする。 ◎ 探究的な活動を通して、児童生徒の学習への知的好奇心 を喚起し、科学的な概念の形成及び探究する能力の育成を 図るような指導方法を工夫する。 ・ 小学校においては、各学年で重点化された問題解決の 能力の育成を図る。 ・ 中学校においては、小学校で身に付けた問題解決の能 力をさらに高めるとともに、科学的に探究する能力の育 成を図る。 ◎ 問題を見いだし、観察・実験を計画する学習活動、科学 的な概念を使用して考えたり説明したりする学習活動、 結果を分析し解釈する学習活動の充実を図る。 - 16 - 重 点 目 標 具 体 化 の た め の 内 容 ・ ※ 科学的に探究する学習活動において、学年や発達の段 階、指導内容に応じて、言語活動を適切に位置付ける。 図やモデルを使ったり、日常生活と関連付けたりしながら児童 生徒が互いに説明し合う活動の工夫 ◇ 体験的な学習活動の充実 ◇ 個に応じた指導の充実 ◆ ◆ 評価の工夫改善 指導と評価の一体化 妥当性・信頼性の高い 学習評価 3 4 5 学習環境の整備と安全指導 ◇ 学習環境の整備と施設 ・設備の安全と薬品や廃 棄物の管理・処理 外部関係機関との連携や 自主的な研究活動の推進 ◇ 地域施設や設備の活用 ◇ 児童生徒の自主的な研 究活動の奨励 ○ 指導内容の特質に応じて、観察・実験、ものづくりなど の科学的な体験の充実を図る。 ・ 継続的な観察や季節を変えての定点観測 ・ 遠足や野外活動を生かした自然体験 ○ 学習方法や学習形態、理解や習熟の程度に応じたきめ細 かな指導の工夫改善に努める。 ◎ 学習指導要領の目標及び内容や児童生徒の実態を踏ま え、単元の指導の目標、教材、学習活動等に即して、適 切な評価規準を設定する。 ◎ 評価場面や評価方法、個に応じた手立てを工夫するな ど、指導に生きる評価の在り方について工夫改善を図る。 ・ 授業中の見取りや児童生徒のノート、ワークシート、 観察・実験レポート、パフォーマンステスト(実技を 伴ったテスト)、ペーパーテスト等の分析など、多様な 評価方法の中から評価の観点に即して適切な方法を選 択し、評価する。 ○ 学習環境の整備と安全の確保に努める。 ・ 校内の理科施設(理科室、飼育舎、教材園、ビオトー プ等)の設備・備品等の点検・整備と活用の充実を図る。 ・ 薬品及び薬品庫の保管・管理状況を定期的に点検し、 紛失や盗難を防止する。薬品等の管理や廃棄物の処理を、 関係の法律に従って確実に行う。 ・ 観察・実験、野外観察などの指導における予備実験や 事前調査を十分に行い、事故防止に努める。 ・ 児童生徒が適切な廃棄物の処理を実施することによ り、児童生徒に環境への影響や環境保全の大切さを考え させる。 ・ 児童生徒の観察・実験の基本的な操作や正しい器具の 使い方を習熟させるとともに、安全への意識を高める。 ○ 地域にある博物館や科学館、植物園などの施設や設備を 積極的に活用し、児童生徒の実感を伴った理解を図る。 ○ 理科研究展覧会並びに発表会等への参加を通して、児童 生徒に科学する心を育てるとともに、問題を解決する過程 や方法、表現力等を身に付けられるようにする。 - 17 - 生活(小) [目標] 具体的な活動や体験を通して、自分と身近な人々、社会及び自然とのかかわりに関心を持 ち、自分自身や自分の生活について考えさせるとともに、その過程において生活上必要な習 慣や技能を身に付けさせ、自立への基礎を養う。 ◆ ◎ 平成28年度教育課程研究集会の「研究の視点」との関連 特に重視する具体化のための内容 重 点 目 標 1 指導計画の工夫改善 幼児教育との円滑な接 続を図る指導計画 ◆ スタートカリキュラム の充実 ◆ ◇ ◇ 2 安全教育、動植物の飼 育、栽培の位置付け 道徳教育との関連 学習指導方法の工夫改善 他と関わる活動の充実 と気付きの質を高める学 習活動の充実 ◆ 伝え交流する活動の充 実 ◆ ◇ ◇ 3 ◆ ◆ 4 個に応じた指導 校内指導体制・学習形 態の工夫 評価の工夫改善 指導と評価の一体化 妥当性・信頼性の高い 学習評価 ◇ 学習環境の整備と安全指導 学校環境・指導体制 ◇ 家庭や地域等との連携 具 体 化 の た め の 内 容 ◎ 他教科等との関連を積極的に図り、入学当初は、大単元 から徐々に各教科に分化していくスタートカリキュラムを 編成するなどして指導計画の改善を図る。また、幼小の連 携(幼小とは、幼児教育と小学校教育の意味)や第3学年 以降の総合的な学習の時間、社会科や理科等へのつながり を見通し、実践を通して指導計画の改善を図る。 ○ 人、社会、自然との出会わせ方を工夫し、児童の思いや 願いを膨らませるとともに、自然の素晴らしさや生命の尊 さ、健康や安全を実感する学習活動の充実を図る。また、 必ず動植物両方と関わり、継続的な飼育や栽培になるよう 指導計画上の位置付けを工夫する。 ○ 道徳の時間などとの関連を考慮しながら、道徳教育の内 容について、生活科の特質に応じて適切な指導をする。 ◎ 人や社会、自然と関わる活動を充実させ、児童が自分自 身についての理解を深め、気付きを明確にし、気付きの質 を高めるための多様な学習活動を工夫する。 ◎ 表現方法の多様さ、情報の双方向性、感情の交流等に留 意しながら、伝え合い交流する活動の場の設定と学習活動 の充実を図る。 ○ 人を含めた校内環境の全てが具体的な活動の対象になる 教科の特質を共通理解し、全校的な支援の中で児童の活動 が展開できるような校内指導体制や、複数の教師が役割分 担を明確にした学習形態等を工夫する。 ◎ 単元ごとの具体的な評価規準に基づいて、小単元及び活 動ごとのねらいや評価規準を明確にし、個に応じた支援に 生かせるよう、指導と評価の一体化に努める。 ◎ 行動観察や作品・発言等のほか、自己評価や相互評価の 結果、さらには、授業に関わったゲストティーチャーや家 庭、地域の人々からの情報を生かすなど、多面的な評価に 努める。 ○ 活動のねらいや内容について全職員に共通理解を図った り、飼育栽培等に関する学習環境を整備したりするなど、 全校的な支援ができるよう指導体制を整える。 ○ 家庭や地域、公共施設や関係機関との連携を図り、様々 な人々の協力が得られるような体制づくりを工夫する。 - 18 - 音楽(小・中) [小学校目標] 表現及び鑑賞の活動を通して、音楽を愛好する心情と音楽に対する感性を育てるとともに、 音楽活動の基礎的な能力を培い、豊かな情操を養う。 [中学校目標] 表現及び鑑賞の幅広い活動を通して、音楽を愛好する心情を育てるとともに、音楽に対す る感性を豊かにし、音楽活動の基礎的な能力を伸ばし、音楽文化についての理解を深め、豊 かな情操を養う。 ◆ 平成28年度教育課程研究集会の「研究の視点」との関連 ◎ 特に重視する具体化のための内容 重 点 目 標 1 指導計画の工夫改善 ◆ 〔共通事項〕を支えとして 思考・判断し表現する力 の育成を図る指導計画の 工夫改善 ◇ ◇ 2 我が国や郷土の伝統音楽 に関する指導 道徳教育との関連 学習指導方法の工夫改善 ◆ 感性を働かせて感じ取 ったことを基に、思考・ 判断し表現する一連の過 程を大切にした指導方法 の工夫改善 具 体 化 の た め の 内 容 ◎ 「とちぎの子どもの基礎・基本」を踏まえ、題材や教材 ごとのねらいなどに即して重点的に扱う〔共通事項〕を明 確にし、指導計画の中に位置付けていくよう工夫改善を図 る。 ◎ 〔共通事項〕を支えとして、「A表現」と「B鑑賞」の 2領域における四つの活動分野〈歌唱、器楽、音楽づくり (中学校では創作)、鑑賞〉の指導内容の相互関連を図っ た上で題材を設定する。※特に鑑賞の充実を図る。 ◎ 地域や学校及び児童生徒の実態に応じて、2学年間(中 学校では3学年間)を見通した上で、さらに小・中連携を 意識した内容の系統性、発展性を考慮した年間指導計画 となるよう、題材の精選などの工夫改善を図る。 ○ 児童生徒の生活経験や地域の特性を考慮し、それぞれの 地方に伝承されているわらべうたや郷土の音楽、伝統芸能 など音楽文化に関する学習を取り入れた指導を充実する。 ○ 道徳の時間などとの関連を考慮しながら、道徳教育の内 容について、音楽科の特質に応じて適切な指導をする。 ◎ 「A表現」と「B鑑賞」の2領域における四つの活動分 野において、音楽を形づくっている要素を知覚し、感じ取 ったことを基にどのように表すかについて、思いや意図を 持って音楽表現したり、楽曲全体を味わって鑑賞したりす るような学習の指導方法を工夫する。 ◎ 〔共通事項〕の内容を、四つの活動分野の各内容と関連 させて適切に指導できるよう指導の工夫改善を図る。 - 19 - 重 点 目 標 ◇ 音楽活動の基礎的な能力 具 体 化 の た め の 内 容 ○ の育成 多様な音楽に幅広く直接体験することを通して、児童生 徒が楽しく音楽に関わり、音楽の喜びを味わいながら、生 涯にわたって音楽を愛好するための素地となる諸能力を着 実に身に付けるようにする。 ○ 課題解決的な学習や体験的な学習活動など、児童生徒の 主体的な学びの場を意図的に設ける。 ◆ 言語活動の在り方 ◎ 音楽表現を創意工夫していく学習過程や、音楽を聴いて 価値等を考えていく学習過程において、児童生徒が思考・ 判断したことを言葉で表す活動を行う際は、学習のねらい や活動の展開等に即した指導を工夫する。 ◇ コミュニケーションを ◎ 図る指導の充実 グループによる音楽づくり(中学校では創作)の活動に おいて、表現したいイメージを相手に伝えたり、他者の考 えに共感したりするとともに、斉唱や簡単な合唱・合奏等 全員で一つの音楽をつくり上げる学習活動を充実する。 ◇ 個に応じた指導の充実 ○ 児童生徒一人一人が感じる豊かさや美しさを、合唱・合 奏、グループ学習にも生かすことができるよう、習熟の程 度に応じた指導、ティーム・ティーチング等、個に応じた 指導体制や学習形態を工夫する。 3 評価の工夫改善 ◆ 指導と評価の一体化 ◆ 妥当性・信頼性の高い ◎ 本時のねらいや内容のまとまりごとの目標、評価の観点 及び評価規準を見直し、児童生徒一人一人を適切に評価す 学習評価 るとともに、児童生徒の意欲を高める手立てを工夫するな ど指導に生きる評価の在り方について工夫改善を図る。 ・ 授業中の見取りや児童生徒とのやりとり、ワークシー ト、批評文の記述、演奏聴取や作品等、多様な評価方法 の中から、評価の観点に即して適切な方法を選択する。 ○ 児童生徒による自己評価や相互評価を授業改善に生かす 工夫をする。 4 学習環境の整備・充実 ◇ 地域の教材や人材の活用 ◎ 地域の教材や人材等を積極的に活用し、我が国や郷土の 伝統文化に親しむ学習活動を工夫する。 ◇ 音楽環境の整備 ○ 幅広い音楽活動が行えるよう、教材の開発・活用や計画 的な楽器の整備・充実を図る。 ○ 季節の行事や生活体験に即した音楽を、学校生活全体に 生かしていくようにする。 ○ 自然音や環境音など、音素材を意識的に聴いて学習に生 かすことができるよう、日常の指導に配慮する。 - 20 - 図画工作(小) [目 標] 表現及び鑑賞の活動を通して、感性を働かせながら、つくりだす喜びを味わうようにす るとともに、造形的な創造活動の基礎的な能力を培い、豊かな情操を養う。 ◆ ◎ 平成28年度教育課程研究集会の「研究の視点」との関連 特に重視する具体化のための内容 重 点 目 標 1 ◆ 指導計画の工夫改善 指導内容の系統性・発 展性を踏まえ、児童がつ くり出す喜びを味わえる 指導計画の工夫改善 ◇ 他教科との関連 ◇ 道徳教育との関連 2 ◆ 学習指導方法の工夫改善 児童が自ら感性を働か せ、一人一人の思いを大 切にする学習の充実 ◆ 〔共通事項〕を効果的 に取り入れた学習の充実 ◆ 言語活動の充実 ◇ 個に応じた指導の充実 ◇ 主体的な鑑賞の工夫 ◆ ◆ 評価の工夫改善 指導と評価の一体化 妥当性・信頼性の高い 学習評価 ◇ 学習環境の整備と安全指導 用具の整備・管理と学 習環境の整備 3 4 具 体 化 の た め の 内 容 ◎ 「A表現」及び「B鑑賞」の各活動を通して、発想や構想 の能力、創造的な技能等が十分育成できるかを考え、〔共 通事項〕を盛り込んだ2学年間を見通した指導計画を立 てる。 ◎ 「A表現」(2)の授業時数については、工作に表すことの 内容に配当する授業時数と、絵や立体に表すことの内容 に配当する授業時数が同程度となるように配置する。ま た、共同してつくりだす活動を取り入れるようにする。 ○ 生活科や総合的な学習の時間等、他教科との関連を積極 的に図るようにする。 ○ 道徳の時間などとの関連を考慮しながら、道徳教育の内 容について、図画工作科の特質に応じて適切な指導をする。 ◎ 表現においては、児童の思いや願いが反映されるよう工 夫し、教師の教え込みにならないよう指導の改善を図る。 ◎ 「A表現」(1)では、児童の発想や構想の能力が十分発揮 できるよう、材料や用具の量、場所の広さなどを工夫する。 ◎ 表現及び鑑賞において〔共通事項〕を効果的に取り入れ、 色や形から豊かに発想する指導を工夫する。 ◎ 題材のねらいを達成するために、言語活動の充実を図る。 ・ 表現においては、児童の発想や構想を広げる活動や共 同してつくる活動等において言語活動を工夫する。 ・ 鑑賞においては、感じ取ったことを話す、聞く、話し 合う等の活動を取り入れる。 ○ 児童一人一人のよさや思いを生かしながら、表現及び 鑑賞の活動ができるよう、個に応じた指導体制や学習形 態を工夫する。 ○ 鑑賞においては、児童の主体的な活動となるよう、指導 方法を工夫する。 ◎ 本時や内容のまとまりごとの目標、評価の観点及び評価 規準を設定し、題材によっては焦点化を図りながら、見取 る能力を最も発揮している児童の活動の様子を捉えて評価 し、指導に生かす。 ◎ 効果的な評価の方法を工夫し、個々の思いや工夫を読み 取る力を身に付け、指導の改善に生かす。 ◎ 用具等(彫刻刀、のこぎり、金槌、釘等)の基本的な取 扱いについて安全指導等に留意するとともに、保管にも十 分注意する。 ○ 校内の適切な場所に作品を展示し、児童のコメント等 を添えるなどして主体的な鑑賞を促すような工夫をする。 - 21 - 美術(中) [目 標] 表現及び鑑賞の幅広い活動を通して、美術の創造活動の喜びを味わい美術を愛好する心情 を育てるとともに、感性を豊かにし、美術の基礎的な能力を伸ばし、美術文化についての理 解を深め、豊かな情操を養う。 ◆ ◎ 重 1 ◆ 2 平成28年度教育課程研究集会の「研究の視点」との関連 特に重視する具体化のための内容 点 目 標 指導計画の工夫改善 基礎的・基本的な内容 の定着を図り、指導内容 の系統性、発展性を踏ま えた指導計画の工夫改善 ◇ 鑑賞の充実 ◇ 道徳教育との関連 学習指導方法の工夫改善 生徒が感性を豊かにし ながら美術の基礎的な能 力を伸ばす授業の工夫改 善 ◆ 〔共通事項〕を効果的 に取り入れた学習の充実 ◆ 言語活動の充実 ◆ ◇ 個に応じた指導の充実 ◇ 美術文化の理解 ◇ 著作権に関する指導 ◇ 主体的な鑑賞の工夫 ◆ ◆ 評価の工夫改善 指導と評価の一体化 妥当性・信頼性の高い 学習評価 ◇ 学習環境の整備と安全指導 用具の整備・管理と学 習環境の整備 3 4 具 体 化 の た め の 内 容 ◎ 「A表現」及び「B鑑賞」の各活動を通して、発想や構想 の能力、創造的な技能等が系統性、発展性をもって十分育 成できるかを考え、〔共通事項〕を盛り込んだ指導計画を 立てる。 ◎ 特定の分野に偏ったり、内容が漏れたりすることがな いよう留意する。特に「A表現」(2)ア、イ、ウの指導事項 について、漏れがないよう確認する。 ○ 鑑賞について、学習指導要領のねらいが達成されるよ う、時数を十分確保する。 ○ 道徳の時間等との関連を考慮しながら、道徳教育の内容 について、美術科の特質に応じて適切な指導をする。 ◎ 表現においては、生徒が自分なりの主題を生み出し、創 意工夫しながら表現活動ができるようにし、教師の画一的 な指導にならないよう留意する。 ◎ 表現及び鑑賞において〔共通事項〕を効果的に取り入れ、 生徒が色彩や形に対する豊かなイメージを持つことができ るよう指導を工夫する。 ◎ 言語活動を充実させ、生徒が自分の思いや考えを説明し 合ったり、価値意識を持って批評し合ったりする活動を表 現及び鑑賞で取り入れる。 ○ 生徒一人一人のよさや思いを生かしながら、表現及び 鑑賞の活動ができるよう、個に応じた指導体制や学習形 態を工夫する。 ○ 生活の中の美術や美術文化について、実感を持って理解 できるようにし、実態に応じて美術館等との連携を図る。 ○ 著作権等の知的所有権や肖像権等の権利を尊重し、侵害 しないよう指導する。 ○ 鑑賞においては、生徒が主体的に活動しながら自分の価 値意識が持てるよう、題材や指導方法を工夫する。 ◎ 本時や内容のまとまりごとの目標、評価の観点及び評価 規準を設定し、題材によっては焦点化を図りながら、ねら いに即した能力を最も発揮している活動の場面を捉えて評 価し、指導に生かす。 ◎ 効果的な評価の方法を工夫し、個々の思いや工夫を読み 取る力を身に付け、指導の改善に生かす。 ◎ 用具等の正しい使い方、安全指導等を、授業の中で適切 な機会を捉えて行うとともに、設備・備品の点検整備に心 がけ、保管にも十分注意する。 ○ 生徒作品や名画等、日常的に鑑賞が楽しめるよう、生 徒のコメントを添えるなど、展示を工夫する。 - 22 - 家庭(小) [目 標] 衣食住などに関する実践的・体験的な活動を通して、日常生活に必要な基礎的・基本的な 知識及び技能を身に付けるとともに、家庭生活を大切にする心情を育み、家族の一員として 生活をよりよくしようとする実践的な態度を育てる。 ◆ ◎ 平成28年度教育課程研究集会の「研究の視点」との関連 特に重視する具体化のための内容 重 点 目 標 1 指導計画の工夫改善 基礎的・基本的な知識 及び技能の定着を図る指 導計画の工夫改善 ◇ 食育の充実 ◇ 道徳教育との関連 ◆ ◇ 2 3 消費者教育との関連 学習指導方法の工夫改善 ◆ 実践的・体験的な活動 の充実 ◆ 問題解決的な学習の充実 ◆ 言語活動の充実 ◇ 個に応じた指導の充実 ◇ 家庭との連携 具 体 化 の た め の 内 容 ◎ 基礎的・基本的な知識及び技能を明確にした上で題材を 設定し、地域や学校及び児童の実態に応じて2年間を見 通した指導計画を作成する。 ○ 食に関する指導の充実を図る。 ○ 道徳の時間などとの関連を考慮しながら、道徳教育の内 容について、家庭科の特質に応じて適切な指導をする。 ○ 身近な物の選び方や買い方、環境に配慮した物の活用な どの学習について、衣食住や家族の生活などの学習との関 連を図り、実践的に学べるように配慮する。 ◎ 児童の生活の実態を把握し、実践的・体験的な活動の充 実を図る。 ◎ 自分の生活と結び付けて学習できるよう、問題解決的な 学習の充実を図る。 ◎ 言語活動の充実を図る。 ・ 生活の中の様々な言葉を実感を伴って理解する学習活動 ・ 言葉や図表、概念などを用いて、生活をよりよくする 方法を考えたり、実習などで体験したことを説明したり、 表現したりするなどの学習活動 ○ 個に応じた指導の充実を図るため、外部人材を活用する など、指導体制や学習形態を工夫する。 ○ 家庭との連携を図り、児童が身に付けた知識及び技能等 を日常生活で活用できるように配慮する。 評価の工夫改善 ◆ 指導と評価の一体化 ◆ 妥当性・信頼性の高い 学習評価 ◎ ◎ 評価を指導の改善に生かすという視点を一層重視する。 学習評価の妥当性、信頼性を高めるために、指導の目標 及び内容と対応した形で評価規準を設定するとともに、評 価方法を工夫する。 学習環境の整備と安全指導 学校環境の整備と施設 ・設備の安全、衛生管理 ○ 児童が主体的に課題を解決することができるような学習 環境を整備する。 ・ 製作品の見本、製作手順に沿った標本、VTRの活用 ・ コンピュータ、デジタルカメラ、自作ソフト等、情報 通信ネットワークの導入 ・ ミシンの整備、包丁・まな板等の調理器具や食器、食 品等の安全で衛生的な管理 4 ◇ - 23 - 技術・家庭(中) [目 標] 生活に必要な基礎的・基本的な知識及び技術の習得を通して、生活と技術との関わりにつ いて理解を深め、進んで生活を工夫し創造する能力と実践的な態度を育てる。 ◆ ◎ 平成28年度教育課程研究集会の「研究の視点」との関連 特に重視する具体化のための内容 重 点 目 標 1 指導計画の工夫改善 基礎的・基本的な知識 及び技術の定着を図り、 問題解決的な学習を効果 的に位置付けた指導計画 の工夫 ◇ 他教科・他領域との関 連 ◆ 2 ◇ 道徳教育との関連 ◇ 消費者教育との関連 学習指導方法の工夫改善 実践的・体験的な学習 活動の充実 ◆ 基礎的・基本的な知識 及び技術の定着 ◆ 問題解決的な学習の充 実、工夫し創造する能力 を育む指導方法と題材の 設定 ◆ 言語活動の充実 ◇ 個に応じた指導 ◆ 3 ◎ 基礎的・基本的な知識及び技術を明確にした上で、地域 や学校及び生徒の実態に応じ、各題材におけるねらいに適 した指導時期を検討するとともに、問題解決的な学習を系 統的に位置付け、育てたい能力を3年間でどのように育む かを見通した指導計画を作成する。 ○ 小学校における家庭科及び図画工作科等の関連する教科 の指導内容、情報教育や環境教育等の領域との関連を図り、 実践を通して指導計画の改善を図る。 ○ 道徳の時間などとの関連を考慮しながら、道徳教育の内容 について、技術・家庭科の特質に応じて適切な指導をする。 ○ 社会において主体的に生きる消費者を育む視点から、消 費の在り方及び資源や環境に配慮したライフスタイルの確 立を目指す指導を充実する。特に、家庭分野「D身近な消 費生活と環境」においては、中学生の消費生活の変化を踏 まえた実践的な学習を重視した指導計画とする。 ◎ 社会の変化に対応でき、自立して主体的な生活が営める よう、実践的・体験的な学習活動を充実させ、生活に必要 な基礎的・基本的な知識及び技術を確実に身に付けさせる 指導に努める。 ◎ 自ら身近な生活の課題を見いだし、生活を工夫し創造す る能力や態度を育成するための題材を検討するとともに、 問題解決的な学習活動や授業における言語活動の充実を図 る。 ○ 生徒の特性や生活体験等の把握、個に応じた題材の設定、 生徒による学習課題や学習コースの選択、学習形態の工夫 について配慮する。 評価の工夫改善 指導と評価の一体化 妥当性・信頼性の高い 学習評価 ◎ ◎ 学習環境の整備と安全指導 ◇ 学校環境の整備と施設・ 設備の安全、衛生管理 ○ ◆ ◆ 4 具 体 化 の た め の 内 容 評価を指導の改善に生かすという視点を一層重視する 学習評価の妥当性、信頼性を高めるために、指導の目標 及び内容と対応した評価規準を設定するとともに、評価方 法を工夫する。 生徒の実態に応じて自分の力で課題を解決することがで きるような学習環境を整備する。 ○ 実習の指導に当たっては、施設・設備の安全管理に配慮 し、学習環境を整備するとともに、火気、用具、材料など の取扱いに注意して事故防止の指導を徹底し、安全と衛生 に十分留意するものとする。 - 24 - 体育(小) [目 標] 心と体を一体としてとらえ、適切な運動の経験と健康・安全についての理解を通して、生 涯にわたって運動に親しむ資質や能力の基礎を育てるとともに健康の保持増進と体力の向上 を図り、楽しく明るい生活を営む態度を育てる。 ◆ ◎ 平成28年度教育課程研究集会の「研究の視点」との関連 特に重視する具体化のための内容 重 点 目 標 1 指導計画の工夫改善 ◆ 指導内容の明確化、体 系化 ◇ 2 道徳教育との関連 学習指導方法の工夫改善 運動に親しむ資質や能 力の基礎を培う指導方法 の工夫改善 ◆ 健康の保持増進と知識 を活用する学習活動の充 実 ◆ ◆ 体力の向上を図る教科 指導の充実 ◆ 言語活動の充実 ◇ 3 4 個に応じた指導の充実 評価の工夫改善 ◆ 指導と評価の一体化 ◆ 妥当性・信頼性の高い 学習評価 学習環境の整備と安全指導 ◇ 学習環境の整備と施設 ・設備の安全管理 ◇ 安全確保への配慮 具 体 化 の た め の 内 容 ◎ 児童の運動経験や技能の程度、学校や地域の実態、健康 に関する内容を考慮して、意図的、計画的な学習活動が展 開できるよう、調和のとれた年間指導計画を作成する。 ◎ 低・中・高学年の3段階で示された各学年の目標につい て、それぞれ2年間を見通し、内容の系統性、発展性を考 慮した単元指導計画の工夫改善を図る。 ○ 道徳の時間などとの関連を考慮しながら、道徳教育の内 容について、体育科の特質に応じて適切な指導をする。 ◎ 児童が生涯にわたって運動に親しむ資質や能力を育成す るための指導方法の改善・充実に努めるとともに、学習形 態や支援の在り方を工夫する。 ◎ 児童が身近な生活における健康・安全に関する内容を実 践的に理解するとともに、自らの生活行動や身近な生活環 境における学習課題を把握し、改善することができる資質 や能力の基礎を育成するための指導方法の工夫改善を図る。 また、養護教諭や栄養教諭等の参加・協力を推進する。 ◎ 児童の体力や健康状態等を的確に把握するとともに、計 画的、継続的な教科指導の充実を図る。 ○ ルールの工夫や活動中のアドバイス、観察、実験、活動 の振り返りなどを通して、学習活動の充実を図る。 ○ 多様な手立てを準備するなど、個に応じた指導の充実を 図る。 ◎ 本時や内容のまとまりごとの目標、評価の観点及び評価 規準を設定し、評価方法等を工夫して、学習状況を適切に 評価するとともに、その評価を指導の改善に生かす。 ・ 授業中の見取りや発言、ワークシートなど多様な評価 方法の中から、評価の観点に即して適切な方法を選択す る。 ◎ 教材・教具等を工夫し、児童が安全に運動に親しむこと ができるような学習環境を整備するとともに、安全管理の 徹底に努める。 ◎ 運動による事故を防止するため、健康安全に留意する態 度を育成する。 - 25 - 保健体育(中) [目 標] 心と体を一体としてとらえ、運動や健康・安全についての理解と運動の合理的な実践を通 して、生涯にわたって運動に親しむ資質や能力を育てるとともに健康の保持増進のための実 践力の育成と体力の向上を図り、明るく豊かな生活を営む態度を育てる。 ◆ ◎ 平成28年度教育課程研究集会の「研究の視点」との関連 特に重視する具体化のための内容 重 点 目 標 1 ◆ ◇ 2 指導計画の工夫改善 指導内容の明確化、体 系化 道徳教育との関連 学習指導方法の工夫改善 豊かなスポーツライフ を実現する基礎を培う指 導方法の工夫改善 ◆ 健康の保持増進のため の実践力の育成と知識を 活用する学習活動の充実 ◆ ◆ 体力の向上を図る教科 指導の充実 ◆ 言語活動の充実 ◇ 個に応じた指導の充実 ◆ ◆ 評価の工夫改善 指導と評価の一体化 妥当性・信頼性の高い 学習評価 ◇ 学習環境の整備と安全指導 学習環境の整備と施設 ・設備の安全管理 3 4 ◇ 安全確保への配慮 具 体 化 の た め の 内 容 ◎ 小学校高学年からの接続及び生徒の発達の段階や学校、 地域の実態などを十分に踏まえ、調和のとれた年間指導計 画を作成する。 ◎ 武道・ダンスをはじめとする各領域及び保健分野におけ る身に付けさせたい具体的な内容を示すとともに、系統的、 発展的な指導ができるよう単元指導計画の工夫改善を図る。 ○ 道徳の時間などとの関連を考慮しながら、道徳教育の内容 について、保健体育科の特質に応じて適切な指導をする。 ◎ 生徒が生涯にわたって豊かなスポーツライフを実現する 基礎を培う指導方法の改善・充実に努めるとともに、学習 形態や支援の在り方を工夫する。 ◎ 生徒が個人生活における健康・安全に関する内容を科学 的に理解し、健康・安全の課題に対して、科学的な思考と 正しい判断の下に意志決定や行動選択を行い、適切に実践 していくための思考力・判断力などの資質や能力の基礎を 育成する指導方法の工夫改善を図る。また、養護教諭や栄 養教諭等の参加・協力を推進する。 ◎ 生徒の体力や健康状態等を的確に把握し、計画的、継続 的な教科指導の充実を図る。 ○ 筋道を立てて考えた練習や作戦のさらなる工夫や活動中 のアドバイス、観察、実験、活動の振り返りなどを通して、 学習活動の充実を図る。 ○ 多様な手立てを準備するなど、個に応じた指導の工夫を 図る。 ◎ 本時や内容のまとまりごとの目標、評価の観点及び評価 規準を設定し、評価方法等を工夫して、学習状況を適切に 評価するとともに、その評価を指導の改善に生かす。 ・ 授業中の見取りや発言、ワークシートなど多様な評価 方法の中から、評価の観点に即して適切な方法を選択す る。 ◎ 教材・教具等を工夫し、生徒が安全に運動に親しむこと ができるような学習環境を整備するとともに、安全管理の 徹底に努める。 ◎ 運動による事故を防止するため、健康安全に留意する態 度を育成する。 - 26 - 外国語活動(小) [目 標] 外 国 語 を 通 じ て 、 言 語 や文 化 に つ い て 体 験 的 に 理解 を 深 め 、 積 極 的 に コミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 ろ う と す る 態 度 の 育 成 を 図 り 、 外 国 語の 音 声 や 基 本 的 な 表 現に 慣 れ 親 しませながら、コミュニケーション能力の素地を養う。 ◆ ◎ 平成28年度教育課程研究集会の「研究の視点」との関連 特に重視する具体化のための内容 重点目標 1 指導計画の工夫改善 ◆ 児 童や地域の実態に応 じた指導計画の作成 ◇ 2 ◆ 道徳教育との関連 学習指導方法の工夫改善 積極的にコミュニケー シ ョンを図るための活動 の充実 具体化のための内容 ◎ 各学校においては、児童や地域の実態に応じて、 学年ごとの目標を定め、2学年間を通して外国語 活動の目標の実現や他教科等との関連を図るよう な指導計画を作成する。 ○ 単元のまとまりで指導計画を作成し、目標を達 成させるためのコミュニケーション活動を設定す る。 ○ 第5学年では、児童に身近で基本的な表現を使 いながら、外国語に慣れ親しむ活動や児童の日常 生活や学校生活に関わる活動を中心に、友達との 関わりを大切にした体験的なコミュニケーション 活動を行うように配慮する。 ○ 第6学年では、友達との関わりを大切にしなが ら、児童の日常生活や学校生活に加え、国際理解 に関わる交流等を含んだ体験的なコミュニケーシ ョン活動を行うように配慮する。 ○ コミュニケーションを体験させるに当たり、「コ ミュニケーションの場面」や「コミュニケーショ ンの働き」を取り上げ、中学校外国語科との接続 を意識する。 ○ 道徳の時間などとの関連を考慮しながら、道徳 教育の内容について、外国語活動の特質に応じて 適切な指導をする。 ◎ 積極的にコミュニケーションを図ろうとする態 度を育成するために、コミュニケーションを図る 楽しさを体験させる。 ◎ 音声面によるコミュニケーションを重視し、聞 くこと、話すことを中心とする豊かなコミュニケ ーションを体験させる。 ○ 児童の発達の段階を考慮した表現を用い、児童 にとって身近なコミュニケーションの場面を設定 する。 ○ ジェスチャーや表情などの言葉によらないコミ ュニケーションの役割を理解するように指導する。 - 27 - 重点目標 ◆ 日 本と外国の言語や文 化 についての理解を深め るための活動の充実 ◇ 個に応じた指導の充実 3 具体化のための内容 ◎ 外国語の音声やリズムなどに慣れ親しませると ともに、日本語との違いを知り、言葉の面白さや 豊かさに気付かせる。 ◎ 日本や外国の生活、習慣、行事などの違いを知 り、多様なものの見方や考え方があることに気付 かせる。 ○ 異なる文化をもつ人々との交流等を体験させ、 文化等に対する理解を深めさせる。 ○ 多様な指導方法や課題設定を工夫することで、 個に応じた指導を充実させる。 ◆ 評価の工夫改善 指導と評価の一体化 ○ ◇ 学習環境の整備 指導体制の充実 ◎ 4 外国語活動の目標を踏まえて設定された評価の 観点について適切に評価を行うとともに、その評 価を指導の改善に生かす。 ◎ 単元や各時間の目標に照らして適切に評価規準 を設定するとともに、評価方法、評価時期の工夫 改善を図る。 指導計画の作成や授業の実施については、学級 担任又は外国語活動を担当する教師が行う。授業 の実施に当たっては、ネイティブ・スピーカーの 活用に努めるとともに、外国語に堪能な地域の人 々の協力を得るなど、指導体制を充実させる。 ○ 音声を取り扱う場合には、CD、DVDなどの視聴覚 教材を積極的に活用する。 - 28 - 外国語(中) [目標] 外国語を通じて、言語や文化に対する理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろう とする態度の育成を図り、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことなどのコミュニケーシ ョン能力の基礎を養う。 ◆ ◎ ※ 平成28年度教育課程研究集会の「研究の視点」との関連 特に重視する具体化のための内容 「『とちぎの子どもの基礎・基本』習得状況調査の結果と授業改善に向けて」及び「とちぎっ子 学習状況調査報告書」から 重点目標 1 ◆ 指導計画の工夫改善 系統的・重点的な指導 計画の作成 ◆ 「CAN-DOリスト」の形 での学習到達目標の設定 と指導計画との関連 ◇ 道徳教育との関連 2 ◆ 学習指導方法の工夫改善 基礎的・基本的な知識 ・技能を確実に習得させ るための言語活動の充実 具体化のための内容 ◎ 生徒や地域の実態に応じて、学年ごとの目標を定め、3 学年間を通して外国語の目標の実現を図るように指導計画 を作成する。 ○ 指導計画の作成に当たっては、小学校における外国語活 動との関連に留意するとともに、各単元で身に付けさせた い技能を焦点化し、4技能を総合的に育成できるように、 「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」の言語 活動をバランスよく、計画的、系統的に行うよう配慮する。 ◎ 生徒が身に付ける能力を明確にするために各学年で学習 到達目標を設定するとともに、指導計画との関連を図る。 ○ 道徳の時間などとの関連を考慮しながら、道徳教育の内 容について、外国語科の特質に応じて適切な指導をする。 ◎ ◎ 授業のねらい、言語活動の目的等を明確に示す。 言語材料の指導については、学習段階に応じて平易なも のから難しいものへと段階的に指導し、それらを繰り返し 指導することで、確実な定着を図る。 ※ ◆ 基礎的・基本的な知識 ・技能を活用し、4技能 を総合的に育成するため の言語活動の充実 ○ ○ ◎ 文法指導と言語活動を一体的に行うよう指導の改善を図る。 言語材料の知識や理解を深める言語活動の充実を図る。 辞書の使い方に慣れ、活用できるようにする。 「聞くこと」「話すこと」「読むこと」及び「書くこと」 の4技能を総合的に育成するために、考えや気持ちを伝え 合う言語活動を充実させる。 ※ 4技能を統合的に活用させる言語活動の充実を図る。 ○ ◇ 個に応じた指導の充実 ◇ 学習形態の工夫 3 ◆ ◆ 4 評価の工夫改善 指導と評価の一体化 妥当性・信頼性の高い 学習評価 学習環境の整備 言語活動を行うに当たり、「言語の使用場面」や「言語 の働き」を意識して指導する。 ○ 多様な指導方法や課題設定を工夫することで、個に応じ た指導を充実させる。 ○ ペアワーク、グループワークなどの学習形態を工夫する。 ◎ 生徒一人一人の進歩の状況や外国語科における目標の実 現状況を的確に把握し、学習指導の改善に生かす。 ◎ 学校全体としての組織的な取組を推進し、学習評価の妥 当性、信頼性を高める。 ○ 指導の目標及び内容に対応した評価規準を適切に設定す るとともに、効果的・効率的な評価となるように、評価方 法や評価時期を工夫する。 ○ 効果的な授業を展開するために、コンピュータや情報通 信ネットワーク、教育機器を活用したり、ネイティブ・ス ピーカーの協力を得たりする。 - 29 - 道徳(小・中) [小学校目標] 各教科、外国語活動、総合的な学習の時間及び特別活動における道徳教育と密接な関連 を図りながら、計画的、発展的な指導によって学校の教育活動全体で行う道徳教育を補充、 深化、統合し、道徳的価値の自覚及び自己の生き方についての考えを深め、道徳的実践力 を育成する。 [中学校目標] 各教科、総合的な学習の時間及び特別活動における道徳教育と密接な関連を図りながら、 計画的、発展的な指導によって学校の教育活動全体で行う道徳教育を補充、深化、統合し、 道徳的価値及びそれに基づいた人間としての生き方についての自覚を深め、道徳的実践力 を育成する。 ◆ 平成28年度教育課程研究集会の「研究の視点」との関連 ◎ 特に重視する具体化のための内容 重 点 目 標 1 ◇ 指導計画の工夫改善 計画的、発展的な指導 に つな がる 、指 導計 画 の改善・充実 ◆ 内 容の 重点 的な 指導 の工夫 ◇「と ちぎ の子 ども たち への教え」の位置付け 2 学習指導方法の工夫改善 ◆ 道徳の時間の指導の工 夫改善 ◇ 個に応じた指導の充実 具 体 化 の た め の 内 容 ◎ 年間指導計画が、道徳教育の全体計画に基づき、道徳教 育推進教師等を中心に全教師の創意工夫によって作成さ れるよう工夫する。 ○ 道徳の時間の意義を十分に理解し、内容項目については、 相当する各学年で全て取り上げるとともに、年間にわた って標準授業時間数が確保されるよう工夫する。 ◎ 内容項目相互の関連性や、学年段階及び小・中学校間の 発展性を考慮して、計画的、発展的な指導が行えるよう 工夫する。 ◎ 児童生徒や学校の実態に応じて、特に必要と思われる内 容項目に関して、指導時間を増やしたり、繰り返して取 り上げたりするなど、重点的な指導ができるよう工夫す る。 ○ 年間指導計画に「とちぎの子どもたちへの教え」との関 連を示すなど、意図的、計画的な指導を心掛ける。 ◎ 道徳の時間は、児童生徒が主体的に道徳的実践力を身に 付けていく時間であることを全教師が共通に理解し、授業 実践に努める。 ◎ 児童生徒や学級・学校の実態に応じて、ねらいや資料の 質的な深まりを図り、多様な指導方法や学習形態及び児童 生徒が主体的に道徳的実践力を身に付けていく授業を工夫 改善する。 ○ 児童生徒一人一人の感じ方や考え方を大切にし、道徳の 時間の主題を自分の問題として受け止めることができるよ う指導を工夫する。 - 30 - 重 点 目 標 具 体 化 の た め の 内 容 ◇ 体験活動を生かすなど の授業の工夫 ○ 集団宿泊活動、職場体験活動、ボランティア活動、自然 体験活動等の体験活動で感じたことや考えたことを話合い に生かすなど、創意工夫ある指導を行う。 ○ 先人の伝記、自然、伝統と文化、スポーツ等を題材とし、 児童生徒が感動を覚えるような魅力的な教材の開発や活 用を通して、児童生徒の発達の段階や特性等を考慮した 創意工夫ある指導を行う。(「栃木県道徳教育郷土資料集 (中学校編)及び(小学校高学年編)」の活用) ◎ 自分の考えを基に、書いたり話し合ったりするなどの表 現する機会を通して、自分とは異なる考えに接する中で、 自分の考えを深め、自らの成長を実感できるよう工夫する。 ○ 児童生徒の発達の段階や特性等を踏まえ、情報モラルに 関わる題材を生かして話合いを深めたり、生活体験の中 の情報モラルに関わる体験を想起させたりするなど工夫 する。 ○ 道徳の時間が、各教科、外国語活動(小学校のみ)、総 合的な学習の時間及び特別活動における道徳教育を補充、 深化、統合し、要としての役割を果たすという特質を踏 まえ、他の教育活動の目標や内容について道徳教育に関 わる側面を明確に把握し、その特質を生かした授業を工 夫する。 ◎ 家庭や地域社会が道徳教育において果たす役割を十分に 認識し、道徳の時間の授業を公開したり、保護者や地域 の人々に講師として授業に協力してもらったりするなど、 相互の連携を図るよう配慮する。 ◇ 魅力的な教材の開発や 活用 ◆ ◇ 言語活動の充実 情報モラルの問題に留 意した指導 ◇ 他の教育活動との関連 を図る授業の工夫 ◆ 家庭や地域社会との連 携 3 4 評価の工夫改善 ◆ 指導と評価の一体化 ◆ 妥当性・信頼性の高い 学習評価 学習環境の整備 ◇ 「私たちの道徳」の活 用 ◇ 人間関係の育成や環境 の整備 ◎ 道徳の時間の評価については、児童生徒の発言や「私 たちの道徳」、ワークシート等への記述内容等、多様な評 価方法により児童生徒の変化を捉え、日常の指導や個別 指導、指導法の改善に生かすよう努める。 ◎ 道徳の時間での積極的な活用に加え、学校生活の様々な 場面で効果的に活用するよう努める。また、家庭に持ち 帰って保護者と一緒に記入するなど、家庭と連携した道 徳教育の推進に生かすよう努める。 ○ 安心感や心の温かさを生み出す環境美化や整理整頓を心 掛け、教師と児童生徒及び児童生徒相互の豊かな人間関 係づくりに努める。 - 31 - 総合的な学習の時間(小・中) [目標](小学校・中学校共通) 横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、 主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育成するとともに、学び方やものの 考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的、協同的に取り組む態度を育て、 自己の生き方を考えることができるようにする。 ◆ ◎ 平成28年度教育課程研究集会の「研究の視点」との関連 特に重視する具体化のための内容 重 点 目 標 1 2 目標、育てようとする 資質や能力及び態度の 設定 ◆ 児童生徒の実態に応 じた見直し 指導計画の工夫改善 ◆ 目標や育てようとす る資質や能力及び態度 内容を明確にした全体 計画の工夫改善 具 体 化 の た め の 内 容 ◎ 各学校においては、総合的な学習の時間のねらいを踏まえ、 目標や育てようとする資質や能力及び態度について、児童生 徒の実態に応じた見直し等を行う。 ・ 総合的な学習の時間で第1の目標を構成する、次の「五 つの要素」を含んでいることを確認する。 ① 横断的・総合的な学習や探究的な学習を通すこと ② 自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判 断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育成すること ③ 学び方やものの考え方を身に付けること ④ 問題の解決や探究活動に主体的、創造的、協同的に取 り組む態度を育てること ⑤ 自己の生き方を考えることができるようにすること ・ 育てようとする資質や能力及び態度を見直す際は、学習 指導要領解説に例示されている、次の「三つの視点」を参 考にする。 ① 学習方法に関すること ② 自分自身に関すること ③ 他者や社会とのかかわりに関すること ◎ 学年の児童生徒の実態に応じて、指導計画を見直し、全体 計画及び年間指導計画の工夫改善を図る。 ・ 全体計画の作成にあたっては、学習指導要領解説p.44~ p.45に示されている「七つの要素」を踏まえる。 ① 目標 ② 育てようとする資質や能力及び態度 ③ 内容 ④ 学習活動 ⑤ 指導方法 ⑥ 学習の評価 ⑦ 指導体制 ・ 年間指導計画の作成にあたっては、小学校学習指導要領 解説p.65~p.69(中p.64~p.68)に示されている「七つ の留意点」を踏まえ工夫改善を図る。 ・ 内容の設定にあたっては、小学校学習指導要領解説p.53 (中p.52)に例示されている「三つの要件」を参考に見 直し、工夫改善を図る。 - 32 - 重 点 目 標 具 体 化 の た め の 内 容 ◎ 3 4 5 ◆ 単元計画の作成及び 工夫改善 ◇ 道徳教育との関連 学習指導方法の工夫改善 ◆ 探究的な学習の充実 ◆ 言語活動の充実 ◇ 個に応じた指導の充実 評価の工夫改善 ◆ 指導と評価の一体化 ◆ 妥当性・信頼性の高 い学習評価 学習環境の整備・充実 ◇ 環境の整備、安全確保 ◇ 外部人材との連携・ 協力 学校行事や国際理解、情報に関する内容を扱う際には、探 究的な学習となるような指導計画とし、体験活動が適切に 位置付けられた学習活動が行われるようにする。 ◎ 単元計画の作成にあたっては、小学校学習指導要領解説p. 70(中p.69)に示されている「二つのポイント」を踏まえ、 工夫改善を図る。 ○ 道徳の時間などとの関連を考慮しながら、道徳教育の内容 について、総合的な学習の時間の特質に応じて適切な指導をする。 ◎ 体験的な学習に配慮しつつ、「課題の設定」「情報の収集」 「整理・分析」「まとめ・表現」の一連の学習過程を単元計 画に適切に位置付けるとともに、思考ツールを効果的に活用 して、課題設定を工夫したり、整理・分析を行ったりするこ とによって問題解決的な学習が発展的に繰り返される探究的 な学習の充実を図る。 ◎ 他者と協同して課題を解決しようとする学習活動や、言語 により整理・分析し、それをまとめたり表現したりして自分 の考えを深める学習活動の充実を図る。 ○ 学習の展開に当たっては、児童生徒の思いや願い、問いな どを重視するよう努める。 ○ 興味・関心、表現方法、学習対象別のグループ等、多様な 学習形態を工夫し、個に応じた学習活動の展開を図る。 ◎ 学校で定めた目標や育てようとする資質や能力及び態度、 内容を踏まえて評価の観点を作成する。 また、評価の観点を基に、学習内容を児童生徒が具体的に 学びながら成長する姿を想定して、評価規準を設定する。 ◎ 異なる方法や様々な評価者による多様な評価方法を組み合 わせ、評価を学習活動の終末だけでなく、事前や途中に位置 付けて実施するよう配慮する。さらに、ねらいを実現するた めの個に応じた手立てを明らかにするなどして、指導と評価 の一体化を図った学習活動の展開に努める。 ◎ 児童生徒の活動を幅広く予想して、学校図書館等の学習環 境を整備し、地域の自然や施設、文化財、行事等を積極的に 活用するとともに、活動に伴う安全の確保に努める。 ○ 人材バンクの整備や学校支援ボランティアへの協力依頼 等、開かれた学校づくりの観点から人的環境を整える。 ○ 外部と連携するための担当者を校務分掌上に位置付けるな ど、校内における外部連携のためのシステムを整備する。 - 33 - 特別活動(小・中) [小学校目標] 望ましい集団活動を通して、心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り、集団の一員と してよりよい生活や人間関係を築こうとする自主的、実践的な態度を育てるとともに、自己 の生き方についての考えを深め、自己を生かす能力を養う。 [中学校目標] 望ましい集団活動を通して、心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り、集団や社会の 一員としてよりよい生活や人間関係を築こうとする自主的、実践的な態度を育てるとともに、 人間としての生き方についての自覚を深め、自己を生かす能力を養う。 ◆ 平成28年度教育課程研究集会の「研究の視点」との関連 ◎ 特に重視する具体化のための内容 重 点 目 標 1 具 体 化 の た め の 内 容 指導計画の工夫改善 ◆ 各教科等との関連を図 ◎ 学級活動、児童会・生徒会活動、クラブ活動、学校行事 った全体計画、指導計画 に示された目標及び内容を踏まえ、各教科、道徳、外国語 の工夫改善 活動及び総合的な学習の時間などの指導との関連を図った 全体計画及び、年間指導計画を作成する。 ◎ 教師の適切な指導・援助の下に、児童生徒の自主的、実 践的な活動が助長されるよう、全体計画及び各活動・学校 行事の年間指導計画の工夫改善に努める。 ○ 小学校においては、児童の実態を十分に把握して低・中 ・高学年などの発達の段階や特性を生かすようにするとと もに、学級活動については、低・中・高学年に示された内 容と〔共通事項〕で示された内容を踏まえる。 ○ 中学校においては、学級や学校生活への適応や人間関係 の形成、学習や諸活動等へのよりよい適応が図られるよう、 計画的、組織的に指導・援助の充実を図る。特に、入学当 初においては、生徒が学校や学級生活によりよく適応する とともに、希望と目標をもって生活ができるようガイダン スの機能の充実を図る。 ◇ 道徳教育との関連 ○ 道徳の時間などとの関連を考慮しながら、道徳教育の内 容について、特別活動の特質に応じて適切な指導をする。 - 34 - 重 点 目 標 2 具 体 化 の た め の 内 容 学習指導方法の工夫改善 ◆ ◆ 実践的・体験的な学習 ◎ 指導内容の特質に応じて、教師の適切な指導の下に、児 活動、問題解決的な学習 童生徒の自発的、自治的な活動を効果的に展開するととも の充実 に、内容相互の関連を図るよう工夫する。 言語活動の充実 ◎ よりよい生活を築くために、集団としての意見をまとめ るなどの話合い活動や自分たちできまりをつくって守る活 動、人間関係を形成する力を養う活動などを充実させるよ う工夫する。 ◆ 異年齢集団による活動 ◎ 児童会・生徒会活動において、異年齢集団による交流を 通して望ましい人間関係を築き、より深めていく。 ○ クラブ活動については、学校や地域の実態を考慮しつつ、 児童の興味・関心を踏まえて適切な時数を確保し、計画的 に実施する。 ◇ 体験活動の充実 ○ 学校行事の内容の特質に応じて、地域の人々や伝統、文 化、自然などと触れ合う活動を積極的に取り入れ、ボラン ティア活動などの社会奉仕の精神を養う体験が得られるよ うにする。 ○ 中学校においては、職場体験などの職業や進路に関わる 啓発的な体験が得られるようにする。 ○ 体験活動を通して気付いたことをまとめたり、発表し合 ったりする振り返り活動の充実を図る。 3 評価の工夫改善 ◆ 児童生徒のよさの多面 ◎ 的・総合的な評価 各活動、学校行事の目標に照らして各学校において定め た評価の観点を基に、児童生徒のよい点や進歩の状況など を積極的に評価するとともに、指導の改善を行い学習意欲 の向上に生かす。 ○ 児童生徒一人一人の評価のみならず、集団の発達や変容 についての評価を行う。 4 学習環境の整備と安全管理 ◎ 児童生徒が安全に活動できるよう学習環境を整備すると ともに、安全管理の徹底に努める。 - 35 - 3 各種教育等の指導の重点 学習指導 ねらい 1 児童生徒の調和のとれた人格の育成を目指して、基礎的・基本的な知識・技能を 確実に習得させ、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・ 表現力等を育むとともに、主体的に学習に取り組む態度を養うことで、児童生徒に 生きる力を育む。 基礎的・基本的な知識・技能の習得 児童生徒一人一人が、学習内容を確実に身に付けることができるよう「とちぎの子ども の基礎・基本」を活用するなど、指導計画において、指導内容の重点化や教材の精選を図 り、基礎的・基本的な内容を明確にする。 ・ 児童生徒にとって分かりやすい授業を実践するため、ねらいを明確にするとともに、そ れを実現するための手立てを工夫する。 ・ 児童生徒の学習状況等に応じて繰り返し学習を行ったり、少人数や習熟度別学習で個に 応じた指導を充実させたりして、その学年で身に付けなければならない知識・技能を確実 に習得させられるよう、授業の工夫改善を行う。 ・ 2 思考力・判断力・表現力等の育成 習得した知識・技能を活用して考えさせる学習を、指導計画に意図的・計画的に位置付 けるとともに問題の解決に当たって効果的な言語活動を取り入れる。(参考:とちぎっ子 学習状況調査問題、「とちぎの子どもの基礎・基本」問題事例集〔活用編〕) ・ 観察・実験やレポートの作成、論述など知識・技能を活用する学習活動を充実させる。 さらに、総合的な学習の時間を中心に、各教科等で習得した知識・技能を関連付けながら 解決するといった探究活動の質的な充実を図る。 ・ 授業においては、個人で思考・判断する活動や言語活動を通した集団での学び合い活動 を充実するとともに、個人や集団への教師の関わり方を工夫する。 ・ 3 主体的に学ぶ態度の育成 帰属意識や規範意識が高く、互いに高め合える学級づくりを進めるなど、学びに向かう 集団づくりに努める。また、児童生徒一人一人の実態に配慮しながら、自信をもたせ、コ ミュニケーション能力を育み、児童生徒が意欲的に取り組む授業づくりに努めるなど学業 指導の充実を図る。 ・ 児童生徒が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を計画的に取 り入れる。 ・ 「家庭学習のすすめ」を活用し、家庭学習を習慣化することの重要性を教師一人一人が 理解するとともに、習慣化を図るために学校全体で取り組むように努める。また、家庭学 習の意義を、保護者会等の機会を利用して保護者の意識の高揚に努めるなど、家庭との連 携を深める。 ・ 4 評価の工夫改善 学習指導要領の趣旨を踏まえ、妥当性、信頼性をより高めた学習評価ができるよう、学 習評価に関する規準や方法の工夫等、一層の共有化を図り、学校全体で組織的に取り組む など、効果的・効率的な学習評価を推進する。 ・ 「指導と評価の計画」を作成するなどして、「目標に準拠した評価」による「観点別学 習状況の評価」を実施するとともに、評価を通じ授業の改善や学校の教育活動全体の改善 を図るよう、指導と評価の一体化を図る。 ・ 5 学習指導の検証改善サイクルの構築 「とちぎっ子学習状況調査」や「全国学力・学習状況調査」等の各種調査結果の活用に より、児童生徒の学力や学習状況等を把握・分析し、課題を明確にすることで、指導の改 善・充実を図る。 ・ 学習指導の検証改善サイクルを確実に構築・運用し、教師一人一人の指導力向上に努め る。 ・ 6 学習環境の整備・充実 各教科等の指導に当たっては、情報を適切に活用するための学習活動を充実させ、IC T機器をはじめとする教材・教具の適切な活用を図るとともに、情報モラルを身に付けさ せる。 ・ 学校図書館を計画的に利用し、児童生徒の主体的、意欲的な学習活動や読書活動を充実 させる。 ・ - 36 - 道徳教育 ねらい 学 校 の 教 育 活 動 全 体 を 通 じ て 、 道 徳 的 心 情 、 判 断 力 、 実 践 意 欲 と 態度 な ど の 道徳性を養う。 そ の 際 、 教 師 と 児 童 生 徒 及 び 児 童 生 徒 相 互 の人 間 関 係 を 深 め る と とも に 、 小 学 校 で は 、 児 童 が 自 己 の 生 き 方 に つ い て 考 え 、 中 学 校 で は 、 生 徒 が 道徳 的 価 値 に 基 づ い た 人 間 と し て の 生 き 方 に つ い て の 自 覚 を 深 め 、 家 庭 や 地 域 社会 と の 連 携 を 図 り な が ら 、 豊 か な 体 験 を 通 し て 児 童 生 徒 の 内 面 に 根 ざ し た 道 徳性 の 育 成 に努める。 1 全教育活動を通しての道徳教育の充実 学校における道徳教育は、道徳の時間を要として学校の教育活動全体を通じて行うも のであり、道徳の時間はもとより、各教科、外国語活動、総合的な学習の時間及び特別 活動のそれぞれの特質に応じて、児童生徒の発達の段階を考慮して、適切な指導を行う。 ・ 校長の方針の下、道徳教育推進教師を中心に、全教師の協力と共通理解により、全 教育活動の中で機能する全体計画や年間指導計画の改善・充実に努める。 ・ 全体計画に、各教科等における道徳教育に関わる指導の内容及び時期を整理したも のや道徳教育に関わる体験活動や実践活動の時期等が一覧できるものを、別葉として 加えるなど、年間を通して具体的に活用しやすいものにするよう努める。 ・ 「とちぎの子どもたちへの教え」を踏まえて、学校や学年段階ごとに道徳教育で取 り組むべき重点の明確化を図る。 ・ 児 童 生 徒一 人 一 人 の 道 徳 性 を 育 むた め に 、「 教 え 育 て る道 徳 教育 」 とし て 「道 徳 的 実践の指導」と「道徳的実践力の育成」を相互に関連付けて指導するよう努める。 ・ 学年・学級経営の充実により、道徳性育成の基盤となる教師と児童生徒、児童生徒 相互の好ましい人間関係の育成に努める。 2 体験活動の充実による道徳性の育成 集団宿泊活動や職場体験活動、ボランティア活動、自然体験活動等の豊かな体験活動 を生かし、児童生徒の内面に根ざした道徳性の育成を図る。 ・ 日常生活や各教科等において、自らの生き方に関わる体験活動等の充実を図る。 ・ 道徳性を育むための体験活動と道徳の時間の時期や内容との関連を考慮し、道徳的 価値の一層の自覚を深めるなどの指導の工夫を図る。 3 道徳の時間における道徳的実践力の育成 学校教育全体で行う道徳教育を補充、深化、統合し、道徳的価値の自覚を深め、道徳 的実践力を育成する。 ・ 導入、展開、終末の一般的な指導の過程を基本としながらも、児童生徒の実態を踏 まえ、指導の内容や意図、資料の特質、他の教育活動との関連などに応じて、指導過 程が固定化、形式化しないよう弾力的に扱うなどの工夫をする。 ・ 道徳教育推進教師を中心に、校長や教頭などの参加による指導や他の教職員とのテ ィーム・ティーチングなどの協力的な指導、養護教諭や栄養教諭の協力など、学校の 教職員が協力して指導に当たることができるような計画づくりを推進し、道徳の時間 の指導体制の充実を図る。 4 家庭や地域社会との連携による道徳教育の充実 家庭や地域社会が道徳教育に果たす役割を十分に認識するとともに、協力体制を整え、 児童生徒の道徳性の育成に努める。 ・ 道徳の時間の授業を公開したり、授業の実施や地域教材の開発や活用などに、保護 者や地域の人々の積極的な参加や協力を得たりするなど、相互の連携を深める。 ・ 家 庭 や 地 域 社 会 と の連 携 に お い て は、「 私た ち の道 徳 」や 「 教え 育 てる 道 徳教 育 」 指導資料等を有効に活用し、基本的生活習慣の確立や規範意識の醸成など、道徳的実 践の指導の充実を図る。 〔参考資料〕 ・ 子どもたちの規範意識を育てるためのルール・マナー教材集 【幼・小編】【中・高編】(H20.3 県教委) ・ 子どもたちの規範意識を育てるための指導資料 【幼・小編】【中・高編】 (H20.3 県教委) ・ 思いやりの心を育てる道徳教育推進事業映像資料集(DVD)(H20.3 県教委) ・ とちぎの徳育推進事業 教材集・ポスター活用事例 (H21.3 県教委) ・情報モラル育成資料集(H23.2 県教委) ・「教え育てる道徳教育」指導資料 「とちぎの子どもたちへの教え」リーフレット(H24.1 県教委 ) 「とちぎの子どもたちへの教え」指導事例集(H25.3 県教委 ) 「ふるさと とちぎの心 栃木県道徳教育郷土資料集(中学校編)」(H26.3 県教委) 「ふるさと とちぎの心 栃木県道徳教育郷土資料集(小学校高学年編)」(H27.3 県教委) ・現職教育資料「学校における道徳教育の充実~道徳教育の基本的な理解のために~」(H25.6 県教委) - 37 - 児童・生徒指導 ねらい 1 栃木県児童・生徒指導の基本方針を踏まえ、一人一人の児童生徒理解に基づく発達 の段階に応じた指導・援助に努めながら、自己指導能力の育成を目指す。そのため、 学びに向かう集団づくりや児童生徒が意欲的に取り組む授業づくりなど、学業指導の 充実に努める。 また、児童生徒及び地域の実情等に応じて、各学校の課題を明らかにし、常に検証 しながら児童・生徒指導を推進するとともに、家庭、地域及び関係機関と連携した取 組の充実を図る。 児童・生徒指導体制の確立 校長のリーダーシップの下、児童指導主任、生徒指導主事を中心として組織的、効果的 に機能する児童・生徒指導を推進する。 ・ 「『学業指導の充実に向けて』-学業指導を全ての教職員が進めるために-」や「教師 用指導資料『学業指導』実践事例集」を参考に、開発的・予防的な児童・生徒指導の充実 を図る。 ・ 教職員と児童生徒との信頼関係づくりや、児童生徒同士の温かい友情等で結び付いた集 団づくりに努めるなど学年・学級経営の充実を図る。 ・ 様々な不安や悩みを抱えた児童生徒を適切に支援するため、受容的な態度で児童生徒の 内面を共感的に理解する教育相談体制の充実を図る。 ・ 社会全体で児童生徒を見守り、健やかな成長を促すため、家庭、地域や警察、児童相談 所、医療機関など関係機関等との連携体制の充実を図る。 ・ 2 自己指導能力の育成 自己指導能力の育成を図る三つの留意点(①一人一人が自己存在感を実感できる場の設 定、②教職員と児童生徒及び児童生徒間の共感的理解の促進、③自己決定の場の設定と可 能性の開発の援助)を踏まえながら、児童生徒の発達の段階における課題を明確にした教 育活動の充実を図るとともに、児童生徒自らが自己理解を深めるための指導の充実に努め る。 ・ 一人一人の特性等に応じた指導方法や指導体制の工夫改善を図り、分かる授業の展開に 努めるなど、児童生徒が自己肯定感や満足感を味わえるよう授業の充実に努める。 ・ 児童生徒のよさを認め、尊重し、自尊感情を高める指導を行うとともに、道徳や特別活 動等との関連を十分に図りながら、規範意識を育成し、基本的な生活習慣を定着させる指 導の充実と、善悪の正しい判断ができる児童生徒の育成に努める。 ・ 3 問題行動等の未然防止と的確な対応 児童生徒、学校、地域の実情等に応じて危機管理マニュアルを見直し、問題行動や学校 事故等への的確な対応に努めるとともに、関係機関等と連携した指導・援助を積極的に行 う。 ・ 暴力行為等の問題行動には、全教職員の共通理解を図って毅然とした態度で対応すると ともに、緊急時の召集方法、役割分担等危機管理体制を整え、組織的に対応する。 ・ 学校いじめ防止基本方針に基づき、いじめの防止、早期発見、対処のための対策を総合 的、組織的に推進し、いじめのない学校づくりに向けた取組の充実に努める。 ・ スマートフォン等(携帯電話、ゲーム機、携帯音楽プレーヤー)の情報端末によるイン ターネットの利用に当たっては、保護者と連携して適切な指導を行い、情報モラルの育成 に努め、ネットトラブルの防止に向けた指導を徹底する。 ・ 参考資料 ・「栃木県いじめ防止基本方針」 ・「教師用指導資料『学業指導』実践事例集(CD)」 ・「学業指導の充実~子どもが意欲的に取り組む授業づくりを通して~」 ・「いじめの理解と対応-いじめのない明るい学校を目指して-」 ・「『学業指導の充実に向けて』-学業指導を全ての教職員が進めるために-」 ・「生徒指導提要」 - 38 - 栃木県 (H26.4) 栃木県教育委員会 (H26.3) 県総合教育センター(H26.3) 栃木県教育委員会 (H24.12) 栃木県教育委員会 (H24.3) 文部科学省 (H22.3) 特別支援教育 ねらい 1 障害のある児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生 活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援の充実を図 る。 通常の学級における特別支援教育の充実 障害のある児童生徒を含めすべての児童生徒が安心感を高め、自信を育てられるよ う、学級内の温かい人間関係を育むとともに、児童生徒にとって分かりやすい環境を 整える。 ・ 必要に応じて個別の教育支援計画を活用し、目標を焦点化し、児童生徒のうまくい っているところを生かした指導を行うとともに、定期的に評価して目標や手立ての改 善に努める。 ・ 通級による指導を併用する場合は、学級担任や保護者等との連携を図るとともに、 個別の教育支援計画を作成し、自立活動の指導の充実を図る。 ・ 特別支援教育コーディネーターを中心とした校内指導体制の改善・充実に努め、校 内委員会において指導内容や方法等を検証したり、保護者や関係機関と連携・協力し たりすることにより、適切な指導を行う。 ・ 2 特別支援学級における指導の充実 個別の教育支援計画を活用し、一人一人の障害の状態等を踏まえた適切な配慮のも と、教師間の連携に努め、指導と評価を行う。 ・ 知的障害特別支援学級において、 「日常生活の指導」、 「生活単元学習」、 「作業学習」 等の各教科等を合わせた指導を行う場合は、知的障害の特性を踏まえ、実際的・具体 的な経験を通して学習できるよう工夫する。 ・ 自閉症・情緒障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、弱視、難聴特別支援学級におい ては、各教科等や自立活動の指導の充実を図る。 ・ 特別支援学校のセンター的機能等を活用し、指導力の向上を図る。 ・ 3 ・ ・ 4 交流及び共同学習の推進 教育課程上の位置付けや指導目標を明確にする。 関係者が十分に連絡を取り合い、指導計画に基づく内容や方法を事前に検討し、双 方の児童生徒の実態に応じた様々な配慮を行うなどして、効果的な活動を設定する。 進路指導及び学校間の連携の充実 児 童 生徒が主体的に進路を選択することができるよう、本人や保護者に対する十分な 情報提供を行いながら、組織的・計画的な進路相談を実施する。 ・ 小学校においては、幼稚園・保育所等から支援情報を引き継ぎ、指導に生かすとと もに、個別の教育支援計画等を活用し継続的な指導が行えるように中学校との連携を 図る。 ・ 中学校においては、小学校からの支援情報を指導に生かすとともに、さらに個別の 教育支援計画等を活用して進学先の高等学校等に引き継ぐなど連携を図る。 ・ 〔参考資料〕 ・特別支援学級・通級による指導 教育課程編成の手引 ・啓発資料「発達障害のある児童生徒への指導の充実を目指して」 ・初めて特別支援学級を担任する先生のためのハンドブック ・初めて通級による指導を担当する先生のためのハンドブック ・学校における合理的配慮の提供について - 39 - 栃木県教育委員会 栃木県教育委員会 県総合教育センター 県総合教育センター 栃木県教育委員会 H22.3 H26.3 H26.3 H27.3 H28.2 キャリア教育・進路指導 ねらい 1 学校の教育活動全体を通じて、児童生徒の発達の段階に応じた組織的・系統 的なキャリア教育・進路指導を推進し、一人一人の社会的・職業的自立に向け、 必要な基盤となる能力や態度を育てる。 校内体制・組織の確立 校長のリーダーシップの下、キャリア教育推進担当者や進路指導主事の役割を明確にし て、学校全体で取り組む推進体制を構築する。 ・ 各学校のキャリア教育の課題に即した校内研修を計画的に実施する。 ・ 2 指導計画の作成等に当たっての配慮 各教科、道徳、総合的な学習の時間、外国語活動、特別活動等をキャリア教育の視点で 関連付けるよう見直す。 ・ 中学校では、キャリア教育の視点に立った進路指導とガイダンスの機能の充実を図るよ う、系統的な指導計画を作成する。 ・ 基礎的・汎用的能力を参考にしながら、学校や地域の実情、児童生徒の実態を踏まえ、 学校ごとに育成しようとする能力や態度の目標を定める。 ・ 3 4 総合的な学習の時間におけるキャリア教育の推進 総合的な学習の時間の目標を踏まえ、自己の生き方を考えることができるようなねらい を持って指導を行う。 特別活動におけるキャリア教育の推進 小学校の学級活動などにおいて、希望や目標を持って生きる態度を形成し、児童が自ら 現在及び将来の生き方を考えることができるよう工夫する。 ・ 中学校の学級活動の内容については、生徒が現在及び将来の生き方を考える基盤となる ことに留意し、発達の段階に応じて指導のねらいや指導内容を明確にするとともに、他の 教育活動と関連させて指導に当たる。 ・ 5 適切な進路情報の収集と提供 保護者に対して、適宜、学校のキャリア教育推進の方針や計画等を説明したり、意見を 交換したりするなど、保護者とともにキャリア教育・進路指導を進める。 ・ 児童生徒が主体的に自己の進路を選択・決定できるよう適切な進路情報を収集し、その 活用を図る。 ・ 中学校においては、生徒自らが進路情報を収集し、活用できる機会や場を設けるととも に、生徒が主体的に進路に関する知識・理解を深められるよう進路資料室・進路学習セン ター、進路コーナー等を設置する。 ・ 6 啓発的な体験活動の充実 家庭や地域社会との連携を図り、社会人・職業人など外部講師を招へいしての講演会や 職場体験活動等、啓発的な体験活動の充実に努める。 ・ 体験活動の実施に当たっては、児童生徒の実態や発達の段階を考慮し、小・中・高の指 導の系統性を踏まえながら、キャリア教育の視点からねらいを明確にして取り組む。職場 体験活動については、事前・事後指導の充実・工夫を図る。 ・ 〔参考資料〕 ・小学校キャリア教育の手引き<改訂版>(H23.5 文部科学省) ・中学校キャリア教育の手引き (H23.5 文部科学省) ・「データが示すキャリア教育が促す『学習意欲』」 (H26.3 国立教育政策研究所 生徒指導・進路指導研究センター) ・「子供たちの『見取り』と教育活動の『点検』~キャリア教育を一歩進める評価~」 (H27.3 国立教育政策研究所 生徒指導・進路指導研究センター) ・文部科学省HP http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/index.htm ・国立教育政策研究所HP http://www.nier.go.jp/ ・現職教育資料第467号「キャリア教育の推進」(H28.2 - 40 - 県教委) 人権教育 ねらい 豊かな人間性や自尊感情を育成するとともに、人権の意義及びその尊重と共 存の重要性に気付き、差別のない望ましい人間関係を確立することに努める態 度を育てる。 1 生涯学習の観点に立った人権教育推進体制の充実と諸計画の整備 ・ 各学校において、人権教育を教育計画に適切に位置付け、全教育活動で機能するよ う点検・評価し、改善を図りながら推進体制の充実に努める。 ・ 全教職員の共通理解を図りながら、各学校における人権に関する児童生徒、家庭及 び地域社会の実態を分析し、課題を設定してその解決に努める。 ・ 全教職員が人権を尊重しようとする意識を高め、人権の視点から教育活動を見直し、 工夫改善を図る。 2 各教科等の特質に応じた指導内容及び方法の改善・充実 ・ 直接的指導の効果をより一層高めるため、各教科等との関連を明確にして、指導の 充実を図る。 ・ 共感的理解を図る指導や明るい展望の持てる指導の充実に向けて、資料の開発、収 集、整備、活用に努める。 ・ 人権教育を実際の授業において機能させるために、各学校の実態に応じて「育てた い資質・能力」を設定するとともに、学習指導案に「人権教育との関連、人権教育の 視点、人権教育上の配慮、生かしたい児童生徒」を適切に位置付ける。 ・ 参加体験型の手法を取り入れたり、地域の教育資源を積極的に活かしたりするなど、 本時のねらいに応じて活動の工夫・改善を図る。 3 望ましい集団づくりの推進 ・ 児童生徒一人一人が互いに認め合い、人権を尊重し合う望ましい人間関係を構築し たり調整したりする力を学校経営、学級経営の中で具体的な活動を通して育成する。 ・ 全ての活動において、望ましい集団活動を通して児童生徒が主体的に参画する場を 可能な限り保障する。 ・ 個性の伸長、豊かな人間性の育成、望ましい集団づくりの観点から豊かな体験の機 会の充実を図る。 4 児童・生徒指導、キャリア教育・進路指導の充実 ・ 教職員間や関係機関等との連携を図りながら、児童生徒の願いや不安、悩み等を多 面的に理解し、指導に生かす。 ・ 学校でのいじめや暴力行為、児童虐待、インターネットによる人権侵害等、子供を 取り巻く人権問題について指導の充実を図る。 ・ 望ましい職業観・勤労観を発達の段階に応じて、意図的、計画的に育成する。 5 校内研修の充実 ・ 教職員自らの人権感覚を磨き、人権意識を高める研修を組織的・計画的に実施する とともに、授業研究会等を通して指導内容や方法についての研修を実施するよう努め る。 ・ 学校、地域の実態に応じ、様々な人権問題について研修できるよう内容を工夫する。 6 家庭や地域に対する啓発の推進 ・ 学校で進めている人権教育を保護者や地域の人々に理解してもらうため、授業参観 の機会を生かすなど多様な啓発活動の充実を図るとともに、社会教育との連携を図り ながら啓発に努める。 ・ 様々な人権問題について保護者や地域の人々の意識の把握に努め、家庭や地域の実 態に合った啓発方法を工夫し、計画的、継続的に行う。 - 41 - 教育相談 ねらい 児童生徒の自己理解や自己実現を目指して、全教職員が児童生徒との信頼関 係や児童生徒理解を深めるために必要となる教育相談の知識・技能・態度を身 に付け、活用できるよう教育相談研修に努めるとともに、全教職員が共通理解 のもとに組織的な教育相談を行うなど、教育相談の一層の充実を図る。 1 全教職員の共通理解による教育相談の推進 ・ 児童生徒の自己実現を援助することは学校教育の目的そのものであるため、教育相 談は教育活動の基盤となるということについて共通理解を図る。 ・ 教育相談の問題解決的・予防的・開発的機能に着目し、それらが児童生徒の実態に 応じて適切に行われるように努める。 ・ 全ての教職員が教育相談の知識・技能・態度を身に付け、学校生活のあらゆる機会 を捉えてあらゆる教育活動の実践の中で、積極的に児童生徒に関わるようにする。 2 校内における組織的・計画的な教育相談体制の確立 ・ 平素から児童生徒との信頼関係を築き、安心して相談できる雰囲気づくりをすると ともに、児童生徒の理解に役立つ資料、情報を収集し活用する。 ・ 教育相談年間計画を作成し、定期的な教育相談に加えて、随時相談ができるよう学 校としての相談体制を整備し教育相談活動の充実に努める。 ・ 教育相談係が中心となり、児童指導部、生徒指導部、学年会や学級担任、養護教諭 及び特別支援教育コーディネーター等との調整を担う。また、学校相談員やスクール カウンセラー等の専門性を生かしつつ、それぞれの役割分担を明確にした上で、円滑 な連携を図る。 ・ 教育相談係を中心に、教育相談に関する基本的・実践的な研修を計画的に行い、教 職員一人一人が教育相談に必要な知識・技能・態度を身に付けるなど資質の向上に努 める。 3 家庭、関係機関等との積極的な連携 ・ 日頃から家庭との連携を密にし、保護者の理解と協力を得る。 ・ 相談機関、医療機関、児童相談所、警察等の関係機関との連携に際しては、個々の 事例に応じて、その機能、活動などについて保護者に丁寧に説明する。 ・ 関係機関に依頼したときは、個人情報の取扱いに十分に留意しながら継続的に連携 を図り、日常の指導に生かすようにする。 〔参考〕 <ホットほっと電話相談> ・「いじめ相談さわやかテレホン」(子ども専用) 028-665-9999 ・「 家 庭 教 育 ホ ッ ト ラ イ ン 」(保護者専用) 028-665-7867 ・「メール相談」 http://www.hothotmail.jp/ ・「 〃 (携帯版)」 http://www.hothotmail.jp/m.html 〔参考資料〕 ・生徒指導提要 文部科学省 (H22.3) - 42 - (栃木県・栃木県教育委員会) 学校体育 ねらい 児童生徒が、生涯にわたって運動やスポーツを豊かに実践する資質や能力を 身に付けることができるようにするとともに、健康の保持増進と体力の向上を図 るため、学校の教育活動全体を通じて発達の段階に応じた指導の充実に努める。 1 全体計画の作成及び工夫改善 学校や地域及び児童生徒の実態を適切に把握するとともに、学校教育目標や教科体育 ・保健体育及び特別活動等との関連を図りながら、体育・健康に関する指導の全体計画 の工夫改善を図る。 ・ 計画の作成に当たっては、自ら進んで運動を実践する習慣を形成し、生涯にわたって 運動やスポーツに親しみ、健康で安全な生活を送るための基礎が培われるよう、学校や 地域の実態に応じた指導の工夫改善に配慮する。 2 体育・スポーツ活動の充実 ・ 教科体育・保健体育の充実を図るとともに、体育的な行事、業前・業間活動、クラブ 活動、運動部活動等の相互の関連を図り、楽しさに満ちた運動体験をさせることにより、 児童生徒の運動欲求を十分充足させ、生涯を通じて体育やスポーツに親しむ態度や習慣 を育てる。 ・ スポーツ活動を実践する過程においては、一人一人の資質や能力の伸長が図れるよう 配慮するとともに、楽しさ、喜びや厳しさなどの豊かな体験を通して、仲間同士が協力 し、信頼し合って友情を深め、好ましい人間関係を育むことができるよう指導・援助す る。 3 体力つくりの推進 ・ 新体力テストを計画的に実施し、データを分析・蓄積することにより、一人一人の児 童生徒に各自の体力の現状を客観的に認識させるとともに、日常生活においても、自己 の能力に応じて計画的・継続的に体力つくりに取り組めるよう指導・援助する。 ・ クラブ活動や運動部活動を通して、より高い技能や記録に挑戦する中で、運動の楽し さや喜びを味わい、互いに協力し合って友情を深めるなど好ましい人間関係を育てると ともに、体力の向上や健康の保持増進を図ることができるよう指導・援助する。 4 施設・用具の整備 ・ 施設・用具の状況を把握し、不足している施設・用具については計画的に整備し、児 童生徒により豊かな運動の機会が与えられるよう配慮する。 5 安全の確保 ・ 健康観察等により児童生徒の健康状態には十分配慮するとともに、使用する施設・用 具等の安全点検を十分に行うなど、事故等の防止に万全を期す。 ・ 定期健康診断等の結果を踏まえて、特に専門医から運動制限等の指導を受けている児 童生徒に対しては、十分配慮する。 ・ 〔参考資料〕 -県教育委員会- ・体力向上啓発リーフレット(H17.2) ・小学生のための体力つくりの手引き(H21.3) ・「元気な子、体力のある子を育てよう」体力向上啓発リーフレット(H22.4) ・とちぎ元気キッズ育成事業「なわとびカード」(H23.9) ・運動部活動指導者ハンドブック(H24.3) ・望ましい児童のスポーツ活動の指針《改訂版》(H25.6) -文部科学省- ・多様な動きをつくる運動(遊び)パンフレット(H21.3) ・学校体育実技指導資料 第8集「ゲーム及びボール運動」(H22.3) ・新学習指導要領に基づく中学校保健体育科における「ダンス」リーフレット(H23.5) ・ 〃 中学校・高等学校における保健体育科リーフレット(体つくり運動) (体育理論)(H23.5) ・小学校体育(運動領域)まるわかりハンドブック(低学年)(中学年)(高学年)(H24.5) ・学校体育実技指導資料第7集「体つくり運動」(改訂版)(H24.7) ・ 〃 第9集「表現運動系及びダンス指導の手引き」(H25.3) ・ 〃 第2集「柔道指導の手引き」三訂版(H25.3) ・ 〃 第10集「器械運動の手引き」(H27.3) ・「生きる力」を育む小学校保健教育の手引き(H25.3)中学校保健教育の手引き(H26.3) ・運動部活動での指導のガイドライン(H25.5) - 43 - 学校保健 ねらい 児童生徒の健康の保持増進を図るとともに、学校教育活動に必要な健康や 安全への配慮をし、自己や他者の健康の保持増進を図ることができる能力を 育成するなど、学校における保健教育と保健管理、組織活動を推進する。 1 指導計画の工夫改善 ・ 児童生徒の発達の段階及び地域の実態を十分踏まえた学校保健計画を作成し、学校 の教育活動全体を通して学校保健活動を円滑、適切に推進する。 2 保健教育の充実と適切な保健管理の推進 ・ 学習指導要領の趣旨の徹底を図り、保健学習及び保健指導の取組を行う。また、習 得した知識を日常生活において積極的に活用し、自主的な実践力につなげる。 ・ 保健学習を基本として、各教科、道徳、総合的な学習の時間及び特別活動等と関連 を図った保健教育の一層の充実を図る。 ・ 専門性を有する教職員や地域の専門家等の参加、協力を推進する。 ・ 性に関する指導については、発達の段階に応じて適切に理解させ、行動できるよう にするとともに、人間としての在り方・生き方を高めるという内面の充実に根ざした 指導を推進する。その際、学校全体で共通理解を図り、保護者の理解を得ることも配 慮する。 ・ 喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育については、喫煙・飲酒・薬物乱用と健康との関わ りについて正しく認識させ、いずれも法律による禁止、規制があることを伝える。 また、日常における問題を主体的に解決する意志決定や行動選択ができる能力や態 度の育成を目指した指導も併せて推進する。 ・ 心の健康問題については、学校・家庭・関係機関が相互に共通理解を深め、個に応 じた健康相談を積極的に進めるとともに、研修会等により関係指導者の資質向上を図 る。 ・ 教職員の共通理解の下に健康診断を適正に実施し、事後措置については家庭との連 携を密にし、指導の徹底を図る。 ・ 校 内 及 び 校 外に お け る 救 急 体 制 、 連絡 体 制 の 整 備 を 図 り 、 その 組 織 運 営 が 円 滑 に 行われるようにする。 ・ 学校環境衛生検査の実施と事後措置に努め、児童生徒及び教職員の健康の保持増進 を図る。 3 組織活動の充実 ・ 全ての教職員が共通の認識を持ち、校長のリーダーシップの下、学校保健計画に基 づき、組織的な活動を展開できるよう校内推進体制を整備する。 4 家庭及び地域との連携 ・ 学校保健活動を効果的に進めるとともに、児童生徒が健康に関する課題に主体的か つ適切に対応できるようにするため、啓発活動や連絡調整により家庭・地域との連携 に努める。(例:地域学校保健委員会の開催) 〔参考資料〕 -県教育委員会- ・健康教育指導プログラム集(H18) ・学校保健委員会実践事例集(H18) ・保健学習・保健指導の充実に向けて(H22) ・学校・家庭・地域で育む健康教育の手引(H23) -文部科学省- ・教職員のための子どもの健康観察の方法と問題への対応(H21) ・子どもの心のケアのために(H22) ・教職員のための子どもの健康相談及び保健指導の手引(H23) ・わたしの健康(小学生用)(H25) ・かけがえのない自分、かけがえのない健康(中学生用)(H25) ・学校における子供の心のケア-サインを見逃さないために-(H26.3) - 44 - 食育・学校給食 ねらい 児童生徒が食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けることがで きるよう、学校給食を生きた教材として活用しつつ、学校教育活動全体を通 じて食育の推進を図る。 1 指導計画の工夫・改善 ・ 児童生徒が正しい知識や望ましい食習慣を身に付け、食事を通して自らの健康管理 ができるよう「食に関する指導に係る全体計画」の内容の充実を図り、全教職員が共 通理解の下、学校教育活動全体で組織的かつ継続的、体系的な指導の充実に努める。 2 食に関する指導の充実と適切な学校給食の管理の推進 ・ 児童生徒の発達の段階を考慮し、学校給食を生きた教材として活用しながら様々な 教科等と関連させた指導を行う。 ・ 栄養教諭等の専門性を生かした食に関する指導を通して、学校給食の教育的効果を 高めることに努める。 ・ 食生活学習教材(県教育委員会、文部科学省)や野菜等の具体物を教材として活用 し、魅力ある指導を行う。 ・ 異学年や保護者、地域生産者等との交流給食の実施により、豊かな心の育成に努め る。 ・ 地場産物の活用を通して、郷土料理に触れ、地域に伝わる食文化の理解に努める。 ・ 地域生産者との交流の実施により、感謝する心の育成に努める。 ・ 朝食欠食、肥満傾向、偏食傾向、食物アレルギー、スポーツをする児童生徒に対し ては、保護者と連携しながら、個別の事情に応じた対応や相談指導を行う。 ・ 栄養バランスのとれた魅力ある学校給食を提供するため、食品の組合せを工夫した 献立の作成に努め、食事内容の充実を図る。 ・ 学校給食委員会等の管理体制を整備し、関係機関等と連携を図り、食中毒や誤えん 事故の予防及び食物アレルギー等の適切な対応に努める。 3 組織活動の充実 ・ 学校給食委員会、献立検討委員会、食育推進委員会等を開催し、学校・家庭・地域 が協力して、組織的に活動を展開することができるよう食育推進体制の確立を図る。 4 家庭及び地域社会との連携 ・ 「食育だより」や「ホームページ」等を通じて、家庭や地域社会に向けた情報発信 を行うとともに、地域の生産者や伝統料理を得意とする方々との交流を支援すること で、食に関わる文化・歴史・マナー等を理解させるとともに、感謝や命を大切にする 心の醸成を図る。 〔参考資料〕 -県教育委員会- ・食生活学習教材(H17) ・食に関する個別指導実践例集(H18) ・栃木の学校における食育リーフレット(H19) ・学校給食を中心とした食物アレルギー対応の手引(H21) ・保健学習・保健指導の充実に向けて(H22) ・学校のアレルギー疾患に対する取組(H23) ・学校・家庭・地域で育む健康教育の手引(H23) ・食に関する指導実践事例集(H25,H26) -文部科学省- ・食に関する指導の手引-第一次改訂版-(H22) ・食生活学習教材(低・中・高学年用、中学生用)(H23) ・学校給食における食物アレルギー対応指針(H27) - 45 - 学校安全 ねらい 日常生活全般における安全確保のために必要な事項を実践的に理解し、自他 の生命尊重を基盤として、生涯を通じて安全な生活を送る基礎を培うとともに、 進んで安全で安心な社会づくりに参加し貢献できるような資質や能力を養う。 1 指導計画の作成・見直し ・ 児童生徒の実態や地域の実情を踏まえ、各学校の安全教育・安全管理・組織活動に 関わる課題を明確にした学校安全計画を作成し、各教科・領域での指導を中心に、学 校教育活動全体を通して安全教育を推進する。 ・ 「 生 活 安 全 (防 犯 )」「 交 通 安 全 」「 災 害 安 全 (防 災 )」 の 各 領 域 に つ い て 、 指 導 時 数 の確保と指導方法の工夫に努め、計画的、継続的な指導を推進する。 2 防災教育の充実 ・ 大地震をはじめとする竜巻や水害等の自然災害の危険に際して、自らの命を守り抜 くための「主体的に行動する態度」の育成が図られるよう、防災教育の充実に努める。 ・ 東日本大震災の教訓を踏まえ、災害発生時における児童生徒の避難経路の安全確保 や保護者・関係機関等との連絡体制、児童生徒の下校方法など、学校の防災管理の充 実・徹底を図る。 3 指導体制や指導の充実及び教職員の指導力の向上 ・ 校内の指導体制や危機管理体制を整えるとともに、教職員の共通理解に基づく指導 の重点化を図る。 ・ 日常生活の様々な危険について理解を深め、直面する安全の課題に対して、的確な 思考・判断に基づく適切な意志決定や行動選択をするとともに、自ら危険な環境を改 善することができる児童生徒の育成に努める。 ・ 教職員の危機管理意識を高めるとともに、各種研修への積極的な参加と現職教育の 開催等により、指導力や資質の向上に努める。 4 組織活動の充実 ・ 学校安全に係る諸問題を解決するため、学校間や家庭、地域、関係機関等と一層の 連携を図った学校安全委員会の積極的な開催に努めるとともに、児童会活動・生徒会 活動を活性化させ、自発的、自治的活動の推進を図る。 ・ 複数の目による通学路の危険箇所の確認や学校内外の安全点検に努めるとともに、 学校周辺及び地域における不審者発見時の対応や、不審者が校内、敷地内に侵入した 場合の安全確保及び緊急の対応等について、多様な観点から対策を検討し実施する。 5 家庭及び地域社会との連携 ・ 保護者、警察等の関係機関及び地域の関係団体等と連携した防犯教室や避難訓練等 の積極的な開催に努める。 ・ 地域の不審者及び危険箇所等に関する情報や、大地震等災害発生時における保護者 との連絡体制の確認などネットワークづくりを推進する。 ・ 家庭と連携し、学校安全ボランティアによる学校内外の巡回等により、地域ぐるみ で安全・安心な学校づくりを推進していく。 〔参考資料〕 -県教育委員会- ・学校安全教育指導資料(H17、18、19、20) ・大地震に備えて(小・中学校編)(H8) ・放射線の影響に関するQ&A(H23) ・学校における防災関係指導資料(H25) -文部科学省- ・学校における防犯教室実践事例集(H17) ・登下校の安全に関する取組事例集(H17) ・「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育(H22) ・放射線副読本(H23) ・学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き(H24) ・学校防災のための参考資料「生きる力」を育む防災教育の展開(H25) - 46 - 国際理解教育 ねらい 自国の文化や伝統に対する理解を深めさせるとともに、広い視野に立って自他 の文化を理解し、これを尊重する態度や、異なる文化を持った人々と共に生きて いく態度を育成する。 国際社会に生きる日本人としての自覚を持ち、相手の立場を尊重しつつ自分の 考えや意見を表現できる基礎的な力を育成する。 1 国際理解教育の充実 ・ 郷土や自国のよさについて学び、日本の文化・伝統についての理解を深め、その文 化・伝統を継承し新しい文化を創造しようとする態度を育てる。 ・ 他国家、他民族の文化に対する理解を深め、文化や価値の多様性に気付き、異文化 を受容する態度を育成するとともに、世界の中の日本人としての自覚を持たせる。 ・ 国際社会に対する視野を広げ、公平に正しく判断する力を養うとともに、異なる価 値や文化を持つ人々に対する寛容な態度や、偏見を持たず、差別をしない心を育てる。 ・ 自分の考えを持ち、相手の立場を尊重しつつ、それを主体的に表現できるコミュニ ケーション能力の育成を図る。 2 指導計画の工夫改善 ・ 国際理解教育担当を校務分掌に位置付けるなどし、国際理解教育の在り方について、 学校の教育目標に照らしながら、教育課程全体を通して体系的に指導計画に盛り込む ようにする。 ・ 国際理解教育のねらいを踏まえ、各教科等において国際理解教育と関連する内容を 明確にし、指導計画に位置付ける。 ・ 児童生徒の発達の段階や指導の継続性に留意するとともに、地域の特性を生かした 国際理解教育に関する学習活動の位置付けを工夫する。 3 指導内容や方法の工夫改善 ・ 児童生徒の興味・関心を喚起することができるよう、各種資料を意図的、計画的に 掲示したり、視聴覚教材やインターネットを活用したりするなどの工夫をする。 ・ 帰国・外国人児童生徒の適応指導や日本語指導を充実させるとともに、その他の児 童生徒との関わりを重視し、児童生徒間の相互理解を効果的に図るよう工夫する。 ・ 関係諸機関との連携を図りながら、ALTや近隣に在住する外国人と児童生徒との 交流を進めるなど、国際理解教育の具体的な実践に取り組むよう工夫する。 ・ 校内研修等の機会を通して、国際理解教育を推進するための共通理解と指導力向上 を図る。 - 47 - 環境教育 ねらい 豊かな自然や身近な地域の中での様々な体験活動を通して、自然に対する豊かな 感受性や生命を尊重する精神を育てるとともに、身近な環境や環境問題に関心を持 ち、環境や自然と人間の関わり等について総合的な理解を深め、環境を大切にする 心を育む。 環境の保全やよりよい環境の創造活動に主体的に参加し、持続可能な社会の構築 を目指して、環境への責任ある行動をとることができる態度を育成する。 1 環境教育の充実 ・ 「教育基本法」、「学校教育法」、「栃木県環境基本計画」、「栃木県環境学習・環境保全 活動推進指針」等の趣旨を踏まえ、教育計画を整備しその実践に努める。 ・ 教育計画の作成に当たっては、地域や学校の実態を踏まえるとともに、環境教育におい て身に付けさせたい能力・態度を明確に位置付け、評価の工夫改善を図る。 ・ 持続可能な社会の構築を目指し、一人一人が、世界の人々や将来の世代、また環境との 関係性の中で生きていることを認識し、よりよい社会づくりに参画するための力を育める よう、教育活動の工夫・改善に努める。 2 各教科等の特質に応じた指導内容、指導方法の改善・充実 ・ 各教科、道徳、総合的な学習の時間、特別活動等それぞれの特質に応じ、指導内容との 関連を図りながら、各指導計画の中に位置付け、教育活動全体を通して総合的に推進する。 ・ 環境に関して、「親しむ」、「知る」、「行動する」の3つの視点を意識した学習活動を実 施することにより、環境に対する理解を深めるとともに実践的な態度の育成を図る。 3 発達の段階に即した教材や指導法の工夫改善 ・ 幼児期から自然体験活動の機会を多くもたせ、自然のすばらしさや生命の大切さを実感 させる。 ・ 児童生徒の関心と生活体験を軸にして、自然に対する豊かな感性を養うとともに、課題 や解決のための方法を見いだす能力を育て、環境の改善や保全、創造に主体的に働きかけ る態度や実践力を育てる。 ・ 「環境学習プログラム」(幼児・小学生編、中学生・高校生編)を活用して、教材や指 導法の改善に努める。 4 指導力の向上 ・ 環境教育に関する研修会等に積極的に参加し、教職員一人一人の資質の向上を図る。 ・ 授業研究会を実施するなど、全校体制で計画的な校内現職教育を実施するとともに、教 職員自らの環境に対する意識の高揚と指導力の向上に努める。 5 家庭、地域の人材・施設等との連携の推進 ・ 家庭や地域社会、市民グループやNPO等、環境問題に取り組んでいる人々や企業、専 門家との交流・連携を図る。 〔参考資料〕 ・環境学習プログラム幼児・小学生編(H25.3 栃木県、栃木県教育委員会) ・環境学習プログラム中学生・高校生編(H26.3 栃木県、栃木県教育委員会) ・環境保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律(H16.10、H23.6一部改正) ・環境教育指導資料・幼稚園・小学校編(H26.10 国立教育政策研究所) ・栃木県環境基本計画(H23.3) ・栃木県環境学習・環境保全活動推進指針(H20.3 栃木県) - 48 - 福祉教育 ねらい 1 地域社会の多様な人々の存在に気付かせ、他者への関心を高めるとともに、 具体的な活動を通して、共に生きることの大切さや社会福祉についての考えを 深め、地域社会に主体的・実践的に関わる意欲や態度を育成する。 指導計画の工夫・改善 ・ 福祉教育を通して育てたい資質や能力、態度を分析し、児童生徒の実態を踏まえて、 学校としての福祉教育の目標を明確にする。 ・ 学校段階ごとに、学年間を見通した系統的な指導計画を作成する。 ・ 各教科、外国語活動、道徳、総合的な学習の時間及び特別活動等において、意図的、 計画的に進める。 2 発達の段階に応じた指導内容や方法の工夫・改善 ・ 地域福祉、障害者福祉、高齢者福祉教育を柱に、広報・啓発活動、調査研究活動、 体験学習など、多様な実践活動を行う。 ・ 発達の段階に応じて、体験的な活動や問題解決的な学習等を取り入れ、児童生徒が 主体的に取り組めるよう指導方法を工夫・改善する。 ・ 実際の体験を通して何を学んでいくかを明確にするため、次のような段階を踏まえ て実践していく。 〔第1段階:知る〕様々な機会を通して、地域社会の多様な人々の存在を知る。 〔第2段階:関心を持つ〕交流活動等を通して、地域の人々の暮らしに関心を持つ。 〔第3段階:問題の発見〕地域の人々の具体的な姿から、地域社会の問題に気付く。 〔第4段階:活動展開〕問題解決の方法を考え、計画を立て、実践する。 〔第5段階:評価〕実践した活動を振り返り、活動の改善策を考える。 3 実践活動の充実 これまでの研究学校等の実践事例を参考に、各学校の実情や地域の特性を生かした実 践の充実を図る。 4 家庭や地域社会との連携、協力 ・ 家庭や地域社会と協力して、子供会活動や自治会等の奉仕活動に児童生徒を参加さ せたり、関係機関と連携して福祉施設を訪問したりするなど、ボランティア活動との 連携を図りながら実践的な活動を進める。 ・ 啓発活動や授業参観などを通して、福祉教育の重要性を家庭や地域社会に広める。 〔参考資料〕 ・福祉教育のガイドブック(H11.3 栃木県教育委員会義務教育課) - 49 - 情報教育 ねらい 学校におけるコンピュータ等のICTの適切な利活用に努め、児童生徒の情 報活用能力と情報モラルを育成するとともに、教科指導における学力の向上等 のためのICT活用を推進する。 1 情報教育に関する指導計画等の工夫改善 児童生徒の実態や各教科等の特質、指導の目標や内容に応じて、コンピュータ等の ICTや校内LANの適切な活用方法を工夫改善し、各教科等での積極的な活用を図 る。 ・ 児童生徒の発達の段階、各教科や総合的な学習の時間等のねらいや内容を考慮し、 学年ごとに、情報活用能力や情報モラルに係る能力や態度をどのような場面で育成す るかが明確となるような指導計画を工夫改善する。 ・ 小学校においては、児童がコンピュータや情報通信ネットワーク等の情報手段に慣 れ親しみ、コンピュータで文字を入力するなどの基本的な操作や情報モラルを身に付 け、適切に活用できるようにするための学習活動の充実を図る。 2 情報モラルの育成 ・ 児童生徒が情報通信ネットワークを通じて他人や社会とよりよい関係を築けるよう に、インターネット上の犯罪や違法・有害情報等の問題を理解し、情報手段を正しく 活用するための判断力や心構えを身に付けさせる。 ・ 情報モラルは、児童生徒の発達の段階や知識の習得、理解の状況に応じて、教育活 動の様々な場面で指導が行われるよう体系的に取り組み、実践的な能力や態度が身に 付くように指導する。 ・ 児童生徒がスマートフォンや携帯電話、携帯ゲーム機等を通じたインターネット利 用によるネットトラブルに関わったり、巻き込まれたりしないように、守るべきルー ルやマナー、危険から身を守る注意事項等を最新の情報を基に指導し、学校だよりや 保護者会等で働きかけるなど、保護者との連携を図る。 3 情報教育を推進するための環境整備 ・ インターネット利用ガイドラインの策定、有害情報やコンピュータウィルスを遮断 するソフトウェアの導入など、児童生徒が安心してインターネット等を利用できる環 境を整備する。 ・ コンピュータや電子黒板等のICTを利活用した授業等を推進するために、校内研 修を充実させ、情報モラルや著作権等への理解も含めた教員の資質・能力の向上に努 める。 ・ 授業で利用できるコンテンツの収集・開発・共有化や、ネットワークによる文書の 共有化等、校務の情報化の促進、情報教育や教育の情報化を推進する校内体制の整備 ・充実を図る。また、児童生徒の個人情報の外部漏洩等を防止するために情報セキュ リティポリシーを策定するなど、情報セキュリティの確保に配慮する。 ・ ※ ICT とは、Information and Communication Technology の略で、情報通信技術を表す言葉 〔参考資料〕 ・教員のICT活用指導力のチェックリスト (H18 文部科学省 教員のICT活用指導力の基準の具体化・明確化に関する検討会) ・ 学級 担任 が指 導する 情報 安全 事例 集 ~ 子どもた ちがネット トラブル にあわない ために~ (H19.3 栃木県総合教育センター) ・すべての先生のための「情報モラル」指導実践キックオフガイド(H19.3 日本教育工学振興会) ・インターネット掲示板での誹謗中傷事案対応マニュアル(H19.7 栃木県警察本部生活安全部) ・もう一度考えよう! ネットにつながる携帯電話(H20.12 栃木県総合教育センター) ・教育の情報化に関する手引(改訂版)(H22.10 文部科学省) ・情報モラル育成資料集(H23.2 栃木県教育委員会) ・情報モラル教育実践ガイダンス(H23.3 文部科学省国立教育政策研究所) ・情報モラルの育成~栃木の子どものインターネット利用の現状を踏まえて~ (H26.1 栃木県総合教育センター) ・ネットトラブル事例集~子供たちがネットトラブルにあわないために~(仮称) (H28.3 栃木県総合教育センター) - 50 - 学校図書館教育 ねらい 図書資料、視聴覚資料など学校教育に必要な資料等の収集・整理・保存に努 め、教育活動全体において計画的に活用できるようにする。 児童生徒の主体的・意欲的な学習活動や読書活動を充実させることにより、 豊かな心や情報の収集・選択・活用能力を育む。 1 学校図書館利用指導の充実 学校図書館は、学校の教育活動全般を情報面から支えるものとして図書だけでなく、 その他学校教育に必要な資料やソフトウエア、コンピュータ等様々な情報手段の導入に 配慮するとともに、ゆとりある快適なスペースの確保、校内の協力体制や運営などにつ いての工夫に努める。 ・ 学校図書館司書教諭または学校図書館主任等を中心に計画的な運営を図る。 ・ 全ての教職員が学校図書館の役割や意義についての理解を深める。 ・ 利用指導に関する年間指導計画を作成し、全校的に実践化を図る。 ・ 学級活動等を通じ、図書館及び図書資料の利活用に関する基礎的・基本的な能力の 育成を図る。 ・ 児童生徒の発想を生かした委員会活動の主体的・自治的な取組を支援する。 ・ 公共図書館や他校の図書館との連携を図り、より豊かな学習活動を展開する。 ・ 保護者や地域の人材等の活用により、学校図書館運営の充実を図る。 2 学習・情報センターとしての機能の充実 各教科等の学習活動との連携を密にし、必要な学習資料を整えるとともに、児童生徒 の情報収集・選択・活用の能力を育成するため、学習・情報センターとしての機能の充 実に努める。 ・ 児童生徒が活用しやすいように図書資料の構成や整理方法、配架等を工夫する。 ・ 書籍だけではなく新聞、雑誌、CD、DVD等、様々な情報ソフトの収集・整理に 努める。 ・ コンピュータ等の情報機器の導入や公共図書館等との連携を図る。 3 読書センターとしての機能の充実 児童生徒の望ましい読書習慣の形成を図るため、児童生徒が主体的・意欲的な読書活 動が行えるよう、読書センターとしての機能の充実に努める。 ・ 児童生徒の読書傾向の実態を把握し、多様な興味・関心に応えられる図書資料を収 集する。 ・ 児童生徒の知的活動を増進し、人間形成や情操を養うことに資する図書資料を収集 する。 ・ 図書館が学校における心のオアシスとして、進んで読書を楽しむための場となるよ う努める。また、児童生徒の発達の段階に応じた良書の選定や紹介を行うなど、読書 のよさを実感させられるよう工夫する。 ・ 余裕教室の活用を図り、ゆとりある機能的なスペースの確保に努める。 うち どく ・ “ 家 読”( 注 )な ど 家 庭 で の 読 書 活 動 を推 進 す る た め 、図 書 資料 の 広報 活 動等 を 充 実させる。 注:家読とは、家族で読んだ本について話し合ったり、好きな本を紹介し合ったりするなど、読書 習慣を共有し、コミュニケーションを図ることで、家族の絆を強める取組のこと 〔参考資料〕 ・これからの学校図書館の活用の在り方等について(報告) (H21.3 子どもの読書サポーターズ会議) - 51 - へき地・複式・分校教育 ねらい 社会の変化を的確に捉え、各学校のもつ様々な条件や、教育上の課題を明確 にし、へき地・複式・小規模校や分校それぞれの特性を生かしながら、指導計 画や指導方法の改善を図り、特色ある教育課程の展開に努める。 1 へき地教育の充実 ・ 学校の特性を生かして、学校の実態に応じた経営方針を立て、教師の専門性を生か した指導体制を確立する。 ・ 豊かな自然環境を学校教育に生かし、家庭や地域社会との連携を図った体験活動な ど特色ある教育活動の推進に努める。 ・ 2 近隣の小・中学校及び他地域の学校と連携し、集合学習や交流学習を充実させる。 複式学級に関する指導の充実 ・ 同単元同内容同程度(二本案、A・B年度案)や同単元同内容一部同程度(折衷案) の指導計画を作成する場合には、各教科の特性を生かすとともに学年差や個人差を考 慮する。 ・ 児童生徒の実態に応じた指導を充実させるために、指導内容を精選し、学習の効率 化を 図 る と と も に、「 わ た り 」 や「 ず ら し 」 の 授 業 に おけ る 直 接 指 導 と間 接 指導 の 位 置付けを明確に示した指導計画を作成する。 ・ 学校及び児童生徒の実態を捉えて学習集団の編成等を工夫し、指導者の特性を生か した協力体制等(教科によって複式解消やティーム・ティーチングなど)も考慮して、 指導の効率化を図る。 ・ 「わたり」における間接指導の充実のために、個人の一人学習や小集団での学習に 必要な約束を明確にし、児童が自主的に学習できるような「学び方」を育成する。 また、間接指導となった学年の学習状況の把握に努める。 ・ 道徳、外国語活動、総合的な学習の時間、特別活動においては、複式学級の特性を 生かした指導計画を作成するとともに、体験的な活動を取り入れるなど、個々の児童 生徒の主体性や社会性、実践力を高める指導方法を工夫する。 ・ 設備、備品、資料、教材教具の効果的な活用を通して、指導の充実に努める。 ・ 少人数学級では、集団の学びの充実を図るとともに評価方法を工夫し、指導と評価 の一体化を図る。 3 分校教育の充実 分校の経営に当たっては、本校との連携を緊密にし、分校の実態に即した経営の充実 と改善を図る。また、児童生徒や地域の特性を十分生かした教育活動の展開に努める。 〔参考資料〕 ・平成12年度 へき地・複式・分校教育シリーズ No49(H13.3栃木県教育委員会義務教育課) - 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