平成 28 年 2 月 18 日発行 兵庫県感染症発生動向調査週報(速報) 平成 28 年第 6 週(2 月 8 日~2 月 14 日) 兵庫県感染症情報センタ-(兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センター) Hyogo Infectious Diseases Weekly Report 全国の情報は国立感染症研究所感染症疫学センタ-ホ-ムペ-ジにてご覧ください。 http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html 定点把握感染症(指定された医療機関から報告を求める感染症です) インフルエンザ 定点あたり患者数は今週 39.79 人(先週 30.56 人)と増加し、全県的に警報レベル(定点あたり患者数 30 人以上)になりました。地域的には、県下 17 保健所管内中、神戸市、尼崎市、姫路市、西宮市、芦屋、伊 丹、宝塚、明石、加東、龍野、赤穂、福崎、豊岡、朝来の 14 保健所管内が警報レベルとなり、その他の地 域では、加古川及び洲本保健所管内が注意報レベル(定点あたり患者数 10 人以上)となっています。 直近の 5 週間に報告された患者 19,856 人の年齢分布は、5~9 歳 38%、4 歳以下 22%、10~14 歳 17%の 順で、15 歳未満が全体の 76%を占めています。 インフルエンザの入院患者を対象とするサーベイランスでは今シーズン 191 人の報告があり、うち 31 人 が集中治療室、人工呼吸器、頭部 CT 検査等を利用しています。患者の年齢分布は 1~9 歳 52%、1 歳未満 と 80 歳以上 7%の順となっています。また、インフルエンザウイルス A が原因と推定される急性脳炎患者 が今年になって 5 人報告されています。 学級閉鎖等の状況では、今週は 326 件(先週 273 件)の臨時休業が報告されています。内訳は休校 3 件、 学年閉鎖 32 件、学級閉鎖 291 件、施設別では幼稚園 40 件、小学校 230 件、中学校 51 件、高等学校 4 件、 その他 1 件で、県下全域から報告されています。 当研究所では今シーズン県内の患者から 94 件のインフルエンザウイルスを検出しており、その内訳は AH1pdm09 45 件、AH3N2 亜型(A 香港型)15 件、B 型(Victoria 系統)16 件、B 型(山形系統)18 件 となっています。直近 5 週間の採取検体からは 68 件のウイルスが検出され、AH1N1pdm09 49%、B 型(山 形系統)24%、B 型(Victoria 系統)19%、AH3N2 亜型(A 香港型)9%の順となっています。 インフルエンザの予防として、手洗い、うがい、咳エチケットの励行、マスクの着用など、インフルエン ザに罹らない、広げない対策が重要です。また、感染が疑われる場合は早めの受診が重要です。 流行ランク インフルエンザの定点あたり患者発生状況(県内) 平成24年 40 平成25年 1 2 3 4 平成26年 30 平成27年 ~ ~ ~ ~ ~ 0 1 2 3 1 2 3 4 ~ ~ ~ ~ ~ 0 1 2 3 1 2 3 4 ~ ~ ~ ~ ~ 0 1 2 3 平成28年 人 20 10 4週 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 5週 1 2 3 4 6週 (例年の地域別患者数を基準に流行状況を色分けしています。 ) 週 定点あたり患者数の上位 10 位の疾病 疾病名 定点あたり患者数 今週 1位 インフルエンザ 2位 増減 疾病名 先週 定点あたり患者数 今週 増減 先週 39.79 30.56 +9.23 6位 咽頭結膜熱 0.61 0.59 +0.02 感染性胃腸炎 7.12 7.41 -0.29 7位 伝染性紅斑 0.49 0.38 +0.11 3位 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 2.35 2.42 -0.07 8位 水痘 0.47 0.49 -0.02 4位 感染性胃腸炎(ロタウイルス) 1.27 1.18 +0.09 9位 流行性角結膜炎 0.46 0.49 -0.03 5位 流行性耳下腺炎 0.72 0.70 +0.02 10 位 RS ウイルス感染症 0.29 0.44 -0.15 ~ ~ ~ ~ ~ 0 1 2 3 平成 28 年 2 月 18 日発行 全数把握感染症(すべての医療機関から報告を求める感染症です) 1 類感染症 報告はありません。 2 類感染症 結核 9名(尼崎市 1 名、姫路市 1 名、芦屋保健所管内 1 名、伊丹保健所管内 1 名、 加古川保健所管内 3 名、加東保健所管内 1 名、龍野保健所管内 1 名) 3 類感染症 報告はありません。 4 類感染症 5 類感染症 平成 28 年 5 週までに診断 されたものの 報告遅れ A型肝炎 1名(朝来保健所管内;男性 50 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:経口感染) レジオネラ症 3名(①神戸市;肺炎型;男性 60 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:不明、 ②宝塚保健所管内;肺炎型;男性 70 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:不明、③加東保健 所管内;肺炎型;男性 80 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:不明) アメーバ赤痢 1名(尼崎市;腸管アメーバ症;男性 60 歳代;感染地域:国外;感染経路: 経口感染) カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症 1名(尼崎市;女性 80 歳代; Klebsiella pneumoniae 、Escherichia coli;感染地域:兵庫県;感染経路:不明) 劇症型溶血性レンサ球菌感染症 3名(①神戸市;男性 70 歳代;感染地域:兵庫県;感染 経路:創傷感染、②神戸市;男性 40 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:飛沫・飛沫核感染、 ③丹波保健所管内;女性 80 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:創傷感染) 侵襲性肺炎球菌感染症 3名(①尼崎市;男性 70 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:飛 沫・飛沫核感染、②伊丹保健所管内;女性 50 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:不明、 ③明石保健所管内;男性 60 歳代;感染地域:国内;感染経路:不明) 梅毒 1名(神戸市;早期顕症梅毒Ⅱ期;男性 20 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:同性 間性的接触) 結核 2名 カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症 1名 急性脳炎 1名 侵襲性肺炎球菌感染症 3名 梅毒 1名 播種性クリプトコックス症 1名 目で見る動向(県内) 感染性胃腸炎の定点あたり患者発生状況(県内) 20 平成24年 1.4 18 平成25年 16 1.2 平成26年 14 平成27年 12 平成28年 人 10 感染性胃腸炎(病原体がロタウイルスによるものに限る)の 定点あたり患者発生状況(県内) 平成25年 平成26年 1 平成27年 人 0.8 8 0.6 6 0.4 4 平成28年 0.2 2 0 0 1 4 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 咽頭結膜熱の定点あたり患者発生状況(県内) A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の 定点あたり患者発生状況(県内) 3.5 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 3 2.5 2 人 1.5 平成24年 平成25年 平成26年 1 平成27年 平成28年 人 1.5 0.5 1 0.5 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 加東保健所管内で、警報レベル(定点あたり患者数 3 人以上)が継続しています。 平成 28 年 2 月 18 日発行 この週報は兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センタ-ホ-ムペ-ジ http://www.hyogo-iphes.jp/ にも掲載しています。 また、http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html から国立感染症研究所感染症疫学センタ-の週報(IDWR)がダウンロ-ドできます。
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