急速加熱拡散プラズマ CVD によるグラフェンナノリボン合成と応用 グラフェンは炭素原子一原子分の厚みから成る 2 次元シート物質であり, 高い機械的強度, 光透過性, 電子移動度等の優れた物理特性を持つことから, 次 世代の電気電子材料として大きく期待されている. しかしグラフェンの電気伝 導は, 一般的に金属的な振る舞いをすることが知られており, 半導体デバイス に応用することが困難である. しかし近年, グラフェンの幅をナノメートルオ ーダーまで微細化したグラフェンナノリボンは半導体的な電気伝導特性を示す ことが明らかになったため, グラフェンナノリボンの合成手法が世界中で盛ん に研究されている. 本研究ではグラフェンナノリボンの合成手法として, ニッケルの微小構造 (ニッケルナノバー)と非平衡場におけるプラズマ CVD を組み合わせた急速加熱 拡散プラズマ CVD 法(図 1)を開発した. この方法では絶縁基板上に作製したニ ッケルナノバーから直接グラフェンナノリボンが合成される(図 2). この方法に よって幅が最小 23nm の半導体的性質を示すグラフェンナノリボンの位置制御 合成を世界で初めて実現した(図 3). 図 1. 急速加熱拡散プラズマ CVD によるグラフェンナノリボンの合成(模式図). 図 2. 急速加熱拡散プラズマ CVD 前後の SEM 像 図 3. グラフェンナノリボンの電気伝導特性 Copyright (C) 2014 金子・加藤研究室 All Rights Reserved.
© Copyright 2024 ExpyDoc