2015年世界経済の見通し - マニュライフ・インベストメンツ・ジャパン

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(投資環境レポート)
2015年2月13日
マニュライフ・インベストメンツ・ジャパン株式会社
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2015年世界経済の見通し
当資料は、マニュライフ・アセット・マネジメントの投資スペシャリストが、四半期に一度発表している「GLOBAL
INTELLIGENCE 2014年12月号」を一部抜粋し、翻訳したものです。マニュライフ・アセット・マネジメントは、カナダ・トロン
トを本拠地とする総合金融グループのマニュライフ・ファイナンシャル社の運用部門です。
 2015年の世界経済成長率は、潜在成長率を下回る2.5%程度と予想
 米国の景気回復は力強さを増し、原油価格の下落がプラスに寄与すると見られる。一方、ドル高は逆風に
 日本やユーロ圏など他の主要市場は低成長が予想され、世界経済成長率のマイナス要因
■2015年の世界経済の見通し
2015年の世界経済は、米国経済の回復が牽引役となる一方、低成
長ないしはゼロ成長が予想される日本・欧州などの他の主要国が
成長を押し下げる要因となり、マニュライフ・アセット・マネジメントで
は、2.5%程度の成長率になると予想しています。
【ご参考】各機関が発表している2015年の世界の経済成長率(予測値)
•
IMF(国際通貨基金): 3.5%(2015年1月発表)
•
世界銀行:3.0%(2015年1月発表)
•
OECD(経済協力開発機構):3.7%(2014年11月発表)
米国:世界経済を牽引
2015年の米国経済は、本格的な回復過程にあると考えられ、世界経済の牽引役になると考えられます。
2015年の経済成長率は2.9%と予想しており、世界経済を上回る成長を遂げると思われます。また、2016年~
2018年に関しても平均2.7%の成長を予想しています。
~ 堅調な個人消費 ~
米国経済の主な牽引役は個人消費で、小売売上高、新車登録台数、消費者信頼感指数はこの数四半期
にわたって堅調さを維持しています。また、家計債務は対GDP比で2008年の約95%から2014年には80%程
度まで低下、家計のバランスシートは改善しています。
強い伸びを示す小売売上高および新車登録台数
出所:ブルームバーグ、2014年9月30日現在
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(投資環境レポート)
~ 雇用情勢も回復。しかし・・・ ~
雇用情勢も回復しており、非農業部門雇用者増加数は2014年を通じて平均20万人を上回っており、失業
率も5.6%(2014年12月)まで低下しています。しかし、2013年以降、製造業などの高賃金職(時給20米ドル
以上)の雇用者数は横ばいの一方、低賃金職の雇用者数が増加していることから、雇用情勢の改善が消
費の拡大につながりにくい状況にあります。
米国非農業部門雇用者数に占める製造業の割合は2014年に過去最低を記録
出所:ブルームバーグ、2014年9月30日現在
~ 利上げ時期は? ~
前述の通り、雇用情勢は改善する一方、賃金上昇圧力がかかりにくいため、2015年はインフレ率も低水準
にとどまることが予想されます。こうした中、利上げについては、早ければ2015年第3四半期にも行われる
可能性がありますが、マニュライフ・アセット・マネジメントでは、2016年初めに行われると予想します。
欧州(ユーロ圏):低成長
ユーロ圏の成長率とインフレ率は今後5年間を通じて極めて低水準にとどまり、2014年~2018年の平均GDP
成長率は1.4%、インフレ率は平均1.3%と、欧州中央銀行(ECB)が定める2%弱の目標を大幅に下回ると予想し
ています。
これまでユーロ圏経済を牽引していた欧州最大の経済国であるドイツの状況も変わりつつあります。主要貿易
相手国である中国の景気減速やロシアへの経済制裁に加えフランス、イタリアにおける需要の落ち込みなど
を受け、ドイツの2014年第3四半期の鉱工業生産や輸出などが縮小ないしわずかな伸びに留まりました。
ユーロ圏各国では、景気回復に向け構造改革の実施が求められており、ドイツも輸出主導型の経済成長から
国内投資の拡大などが求められています。しかし、ドイツが現状の政策を変更する可能性が低いため、ユーロ
圏全体としても景気の低迷、低インフレなどが続くと思われます。
ECBによる資産購入などの追加的緩和策は、ユーロ安につながり輸出競争力が高まると思われます。
欧州(英国):ユーロ圏を上回る成長
英国は、金融危機発生以来、イングランド銀行による金融緩和に支えられ、この数年間はユーロ圏を凌ぐ堅
調な経済成長が続いています。英国経済は2014年に3.1%、2015年に2.8%、2016年~2018年に平均2.5%の成長
を遂げると予想しています。
イングランド銀行による金融緩和の継続を背景に、英ポンドは対米ドルで下落し、輸出の増大を下支えすると
見られます。
インフレ率については、2014年第3四半期に2%の目標を達成できなかったことから、2015年5月の総選挙後ま
で政策金利を0.5%に据え置くと予想しています。
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(投資環境レポート)
日本:アベノミクス、第3の矢の動向に注目
日本の経済成長率は2014年が0.3%、2015年は0.8%、2016年~2018年は平均1%と低水準にとどまると予想して
います。
日本については、3本の矢からなるアベノミクスが引き続き試されています。最初の2つの矢である財政政策と
金融政策はすでに実施され、ある程度の物価上昇と成長を実現したという点で成功を収めました。しかしマ
ニュライフ・アセット・マネジメントでは、第3の矢である構造改革が最も重要であると考えます。
アベノミクスの最初の2本の矢の効果が薄らぎ、今後は第3の矢である構造改革に注目が集まっています。政
府は構造改革の詳細なリストを発表しましたが、具体的な実施計画や期限は明確にしませんでした。
マニュライフ・アセット・マネジメントでは安倍内閣が取り組まなければならない重要な構造改革の1つは、女性
の労働参加率を高めることと考えます。現在の女性の労働参加率と、人口減少を考えると、女性の就業率を
高めることが強く求められ、しいては需要創出につながると思われます。
しかし、構造改革ではなく近隣窮乏化戦略(貿易相手国の通貨高により自国の輸出を増やす)を追求し、日本
銀行は円安が進行する中で金融緩和を継続することが予想されます。しかし、これは持続可能な成長モデル
とはいえず、2014年からの5年間は低迷が続き、財政負担は増え続けると予想します。
中国:成長モデルの転換に注目
中国ではこれまでの投資主導の成長モデルから消費と生産性向上による成長モデルへの転換を図っており、
GDP成長率は2014年が7.1%、2015年は6.9%、2016年〜2018年は平均6.4%と予想しています。
経済大国の中国の成長率が、これまでの高成長から今後5年間に6%台に減速するということはグローバル
ベースでの需要の鈍化につながり、世界経済の逆風になる可能性があります。特に、中国向けの資源輸出の
比率が高い国々にとっては、逆風になると思われます。
中国人民銀行は的を絞った金融緩和を行うことが見込まれます。特に市や地方政府など不動産所有者が債
務不履行に陥った場合はその可能性が高まるでしょう。人民元は変動相場制を採用していませんが、金融緩
和は人民元の下落につながる可能性があります。そうなれば、中国も他の経済国と同様、予測期間を通じて
近隣窮乏化による成長戦略をとることになると思われます。
新興国
米連邦準備制度理事会(FRB)が2013年に資産購入の縮小開始を発表した時、投資家が新興国市場から資金を引
き揚げたことで「テーパリング・タントラム(かんしゃく)」が起こりました。米国が2016年に金利を引き上げ、やがてそ
れに英国が続き、さらにその後にユーロ圏が追随すれば、資本が新興国市場から流出することが予想されますが、
弊社は1990年代に見られたような危機の再現はないと見ています。
多くの外国資本を必要としている国では影響は大きくなりますが、1990年代と比較して新興国市場のほとんどの国
は経常収支が改善、外貨準備高が増加し、公的債務は減少しており、FRBやその他の中央銀行によるいかなる形
の金融引き締めにも対応できる力を今や蓄えていると思います。
[ご留意いただきたい事項]
 当資料は、マニュライフ・インベストメンツ・ジャパン株式会社(以下「当社」といいます)が、グループ会社の運用戦略に関する情報
提供を目的として作成したものであり、特定の投資商品の推奨を目的としたものではありません。
 当資料記載のデータや見通し等は、将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。
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