あらすじ - Akira Togawa

〜第3作〜
『プロメテウスの検索』
2015年5⽉ 本ホームページにて発表
帝都⽯油の創⽴者の⼀⼈であり、参議院議員を2期務め、⽯油業界のドンともいわれた北柳⼀郎の死体が⾒つかったのは、渋⾕区内の閑静な住宅街にある⾃宅書斎でのことだ
った。
本件担当の警視庁捜査第1課・朝霧警部補と新垣刑事はまず北柳⼀郎の⻑男康雄の話を聞き、続いて政財界を巻き込んだ贈収賄事件の舞台と⾔われた六本⽊のクラブ「ル・
ジタン」のママ⿊崎洋⼦にも聴き込んだ結果、近親者の⼈間関係に何らかの⼿掛かりがあると強く感じていた。
そんなある⽇、作家志望でもある主⼈公の浅賀亮⼆は下園真紀とデートを楽しんでいたが、話題が亮⼆の新作に及ぶと、⼆⼈の仲をぎこちなくさせる何かが働くことに。
亮⼆の⼩説はほぼ出来上がっていたが、内容には⽗宗平の⼿記が強く反映しており、好むと好まざるとにかかわらず亮⼆を取り巻く⼈間関係が⼤きな影を落としていた。
真夜中、すべてが寝静まった時間帯、亮⼆の前に現れた者は、⾃らをプロメテウスだと名乗った、しかも4次元の事象を検索すると⾔うのだ。
朝霧と新垣の懸命な捜査により浮かび上がって来たのは27年前の事実だった。北柳康雄により婚約破棄された⼥性が妊娠中であったにも拘わらず北柳⼀郎の右腕とも⽬されて
いた下園義(シモゾノタダシ)と結婚していたのだった。
鍵を握ると思われる下園義の消息を掴み、真鶴の養護施設を訪ねた朝霧と新垣に下園は「復讐」の⼀⾔を語ってみせた。
亮⼆の⽗浅賀宗平と真紀の⽗下園義を含めた複雑な⼈間関係が事件の真相を導きだしているはずと確信する朝霧警部補。
⼀⽅、プロメテウスの検索にすっかり⼼を奪われてしまった亮⼆は、次々に⾒せられる画像にのめり込んで⾏った。
そんな折、北柳⼀郎に続いて、北柳康雄の殺害が報告された。