〜第3作〜 『プロメテウスの検索』 2015年6⽉15⽇ 本 Web サイトにて発表 帝都⽯油の創⽴者の⼀⼈であり、参議院議員を2期務め、⽯油業界のドンともいわれた北柳⼀郎の死体が⾒つかったのは、渋⾕区内の閑静な住宅街にある⾃宅書斎でのことだった。 本件担当の警視庁捜査第1課・朝霧警部補と新垣刑事はまず北柳⼀郎の⻑男康雄の話を聞き、続いて政財界を巻き込んだ贈収賄事件の舞台と⾔われた六本⽊のクラブ「ル・ジタン」 のママ⿊崎洋⼦にも聞き込んだ結果、近親者の⼈間関係に何らかの⼿掛かりがあるようにも感じていた。 そんなある⽇、浅賀亮⼆は下園真紀とデートを楽しんでいたが、話題が亮⼆の新作に及ぶと、⼆⼈の仲をぎこちなくさせる何かが働くことに。 亮⼆の⼩説はほぼ出来上がりつつあったが、内容には⽗宗平の⼿記が強く反映しており、好むと好まざるとにかかわらず亮⼆を取り巻く⼈間関係も⼤きな影を落としていた。 真夜中、すべてが寝静まった時間帯、亮⼆の前に現れた者は、⾃らをプロメテウスだと名乗る、しかも4次元の事象を検索すると⾔うのだ。 康雄の以前の婚約者が結婚⼨前に婚約破棄されたという情報は事件の複雑さを表しているようだった、しかもその⼥性は妊娠中であったにも拘わらず、北柳⼀郎の右腕とも⽬された下園 義と結婚していたのだった。 鍵を握ると思われる下園義の消息を掴み、真鶴の養護施設を訪ねた朝霧と新垣に下園は「復讐」の⼀⾔を語ってみせた。 亮⼆の⽗浅賀宗平と真紀の⽗下園義を含めた複雑な⼈間関係が事件の真相を導きだしてくれると確信する朝霧警部補。 ⼀⽅、プロメテウスの検索にすっかり⼼を奪われてしまった亮⼆は、次々に⾒せられる画像にのめり込んで⾏った。死んだナオミの復讐が亮⼆の⼼に根付くのに⻑くはかからなかった。 そんな折、北柳⼀郎に続いて、北柳康雄の殺害が報告された。
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