2 1 8 2 倍は3 倍の差を生じさせ 2 時間の残業は、2 4 時間の内の2 時間を奪うのではなく、8 時間の内 の2 時間、つまり、自由に利用でき るべき時間の4 分の1 を奪ってしま る 4 0 0 0 万円で2 0 坪のマンショ ン。それに比較し、8 0 0 0 万円で 4 0 坪のマンションは、2 倍の広さ ではなく、3 倍の広さ作り出す。玄 関、トイレ、バス、キッチンなど最 低限の面積として1 0 坪が取られて しまうので、2 0 坪のマンションに 許されるのは残りの1 0 坪だ。しか し、4 0 坪のマンションであれば残 りの3 0 坪が自由に使える。 うのだ。しかし、その残業手当が生 活の糧になっている人達も多い。 だから、投資効率としては2 0 坪 のマンションよりも、4 0 坪のマン ションは3 倍も有利なのだ。しかし、 それができないのが手元の資金によ る制約だ。つまり、誰もが経済的合 理的な投資ができるわけではない。 自ずから生じる投資能力の差が経済 的合理的な投資を制約してしまう。 これは通勤時間についてもいえる。 仮に、東京駅から3 0 分と1 時間の 通勤距離に住まう場合の比較だ。往 復での1 日に1 時間の違いは1 年で 2 0 0 時間のロスを生じさせてしま う。これを時間給で計算したら一生 に失う金額は、それこそマンション 1 つ分ぐらいに相当してしまうはず だ。マンション1 つ分のロスを利用 し、可能な限り、勤め先に近いとこ ろに住まうのが合理的な投資理論だ が、ここでも手元の資金による制約 が生じてしまう。首都圏で働く場合、 通勤時間1 時間は、恐らく、恵まれ た人達なのだと思う。ドアtoドア の通勤時間は、多くの人達にとって 片道だけでも1 時間、あるいはそれ を超える時間だろう。 さらに、多くの人達は、1 日に1 時間又は2 時間の残業時間を過ごす。 しかし、2 時間の残業は2 4 分の2 ではない。1 日は2 4 時間だが、そ の内の8 時間は睡眠の時間だ。さら に働く8 時間を差し引けば、残され た自由な時間は8 時間でしかない。 - 1 - もし、働く8 時間が、自分にとっ てのクリエイティブな時間であれば、 それは自由な8 時間に加えられる時 間だろう。しかし、8 時間をクリエ イティブな時間として過ごせるか否 か。そこでも資産格差の影響が生じ てしまうように思う。資産にゆとり があり、自分の好きな仕事に就ける 人達と、生活の為に、日々、給料を 稼ぐために働く人達との差だ。 ピケティ教授の経済論が騒がれて いる。資本の収益率は、賃金の成長 率より高く、資本から得られる所得 は労働から得られる所得よりも早く 成長する。必然的に労働者は貧困化 するという指摘だが、そのような長 期的な分析を待つまでもない。 身近にあるちょっとした資金力の 差が拡大され、その何倍かの格差を 作り出しているのが日々の生活だ。 資金力の2 倍の差は3 倍の生活格差 を生じさせてしまう。決して、精神 論では乗り越えられない格差の存在。 それが現実の社会なのだ。 1 1 9 6 字
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