ご参考資料 Vol. 121 (対象期間:2016年1月11日~2016年1月22日) 中国不安や原油安の影響などから年初より世界的な株安が続く中、インドの代表的な株価指数であるSENSEX指数は対象期 間を通してみると、2.0%下落しました。ただし、日経平均株価の4.2%安、上海総合指数の8.5%安と比較すると、小幅な下落で した。インド10年国債利回りは小幅に上昇(価格は下落)し、為替市場ではインドルピー安となりました。国際金融市場ではリス ク回避姿勢が強まりましたが、対象期間中に発表されたインド企業の業績は概ね良好で、インド経済は今後も成長ペースを速 めるとの見方が大勢です。詳しくは、ニュース欄および2ページ目の基礎講座をご参照ください。 [株式市場]SENSEX指数の推移 [株式市場] 個別銘柄では、SENSEX指数構成30銘柄の中で対象期間中に上 昇したのは4銘柄に留まりました。その中で、決算発表を行なった IT大手のインフォシスは、10-12月期の好業績と今年度売上高見 通しの引き上げが好感されて6.9%高となり、値上がり率トップとな りました りました。 (2002年12月31日~2016年1月22日) (ポイント) 40,000 30,000 週間騰落率 日付 終値 (前週末比) 1月8日 24,934.33 1月15日 24,455.04 24 455 04 -1 1.9% 9% 1月22日 24,435.66 -0.1% [債券市場] 20,000 10,000 0 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 10% 日付 利回り 1月8日 1月15日 1月22日 7.74% 7.81% 7.78% [為替市場] 原油安を背景に国際金融市場が混乱し、大半のアジア通貨が対 米ドルで下落する一方、円高が進行しました。対象期間中に対円 で1.6%、対米ドルで1.4%のインドルピー安となりました。RBIは14 日、ルピー安是正のために国営銀行を通じ米ドル売り介入を実施 したものと見られます。 [債券市場]インド自国通貨建て10年国債利回りの推移 (2002年12月31日~2016年1月22日) インド10年国債利回りは、昨年11月末以降、概ね7.70%から7.80% の狭いレンジ内での動きが続いています。対象期間中は、リスク 回避姿勢の強まりから一時7.83%まで上昇(価格は下落)しました が、その後は、インド準備銀行(RBI、中央銀行)による国債買い入 れなどを受けて7.74%まで低下(価格は上昇)した後、7.78%で対 象期間の取引を終えました。 変化幅 (前週末比) 0.07% -0.03% [ニュース] 9% 増収増益、予想を上回る業績発表続く 8% SENSEX指数を構成する30銘柄のうち、1月22日までに8 社が10-12月期の業績を発表しました。そのうち、6社が 増収増益で、6社の純利益が予想以上となるなど、全般 に良好でした。市場から特に好感されたのは、IT大手の インフォシスや商業銀行大手のアクシス銀行でした。イ ンフォシスは、売上高が前年同期比+15.3%、純利益同 +6.6%の増収増益で、ともに市場予想を上回りました。 また、今年度(2015年4月~2016年3月)の売上高見通し を上方修正したことも好感されて、株価は業績発表日の 14日に4.3%上昇しました。アクシス銀行も増収増益で純 利益は予想を上回りました。RBIの資産査定を受けて不 益 資産 良債権に対する引当金を積み増したことも好感されて、 株価は業績発表翌日の21日に5.2%上昇しました。 7% 6% 5% 4% 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 企業 業績 [為替市場]インドルピーの対円レートの推移 (2002年12月31日~2016年1月22日) ( 年 月 日 年 月 日) (円) 3.5 円安インドルピー高 3.0 日付 為替レート 1月8日 1月15日 1月22日 1.775 1.735 1.747 週間騰落率 (前週末比) -2.3% 0.7% インド政府、不良債権問題の解決に全力 2.5 2.0 金融 15 1.5 円高インドルピー安 1.0 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 出所:上記のグラフはいずれもBloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベ ストメンツ作成。 インド政府は、銀行の不良債権問題に重点的に取り組 んでいます。シンハ財務担当国務相は、RBIによる銀行 の資産査定などで全容解明は完了したとして、今後は 当該企業への資本注入などで、問題解決に当たる方針 です 大手格付け会社ムーディーズは です。大手格付け会社ム ディ ズは、インド経済はイ インド経済はイ ンフレ鈍化や原油安などが追い風となって有利な状況 にあるが、好条件を生かして高い成長につなげるために は、不良債権問題の解決とインド企業の収益改善・競争 力強化が必要と指摘しており、不良債権問題が解決す ればインド経済の成長力が高まると期待されます。 英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開 しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。 1/2 ご参考資料 Vol.121(対象期間:2016年1月11日~2016年1月22日) [インド基礎講座] 世界経済見通し:世界経済に懸念が強まる中、インド経済は成長加速との見方が大勢 中国経済の減速や原油安などを受けて世界経済の先行きに対する懸念が強まっていますが、インド経済については成長ペースを速めると の見方が大勢です。国際通貨基金(IMF)は1月19日に「世界経済見通し(改訂見通し)」を発表し、世界の実質国内総生産(GDP)対前年比成 長率について、2016年の見通しは昨年10月時点予想の+3.6%から+3.4%に、2017年は+3.8%から+3.6%に下方修正しました。ブラジルの成 長率見通しを大きく引き下げたことなどが 下方修正の主な要因です 今回のIMFによる主要新興国の成長率見通しを比較すると 中国が 長率見通しを大きく引き下げたことなどが、下方修正の主な要因です。今回のIMFによる主要新興国の成長率見通しを比較すると、中国が 2014年の+7.3%から2017年には+6.0%まで徐々に減速し、2016年のブラジルとロシアは、2015年に続いて2年連続のマイナス成長と予想さ れる中で、インドは7%台の高い成長が続き、しかも成長ペースを速めると予想されています(図表)。インド経済に対するこのような見方は、 多くのエコノミストに共通しており、ロイターがエコノミスト28人を対象に1月第3週に行なった調査では、2016/7年度(2016年4月~2017年3月) のインドの成長率は+7.8%という見通しとなりました。国際金融市場の大きな動揺にもかかわらず、予想数値は3ヵ月前から変わらずとなって います。 (図表)IMFによる主要新興国の実質GDP成長率見通し 10% 8% 7 3% 7.3% 7 3% 7.3% 7 3% 7.3% 7 5% 7.5% 6.9% 7 5% 7.5% 6.3% 6.0% 6% 4% 2% 0.1% 1.0% 0.6% 0.0% 0% -2% -4% インド 中国 ブラジル ロシア -1.0% -3.8% -3.7% -3.5% -6% 2014年 2015年 2016年 2017年 (注)2015年以降は予測値。インドは会計年度(4月~翌年3月)。 出所:IMF「世界経済見通し(改訂見通し)」(2016年1月)のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について 165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産 運用サービスを提供しています。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界 各国で業務を展開しています。 ●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および 資産運用を中心に金融サ ビスを提供しています 最終親会社グル プの運用資産総額は 2015年 資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2015年 6月末現在、約5,050億ポンド(約97兆円、1ポンド=192.72円)に上ります。 イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて ■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した 運用を行います。 イーストスプリング・インベストメンツの属するグループのインドの運用会社(ICICIAM)について ■1993年にインド大手の民間銀行ICICI銀行の資産運用会社として設立され、1998年からはイーストスプリング・インベストメンツの属 するグループとの合弁で事業を展開しています。ICICI銀行は、1955年に設立され、2015年3月末現在、総資産は約6兆4,612億ル す 弁 展 す 銀 、 設 、 月 、 資産 約 , ピー(約12兆3,798億円、1ルピー=1.916円で換算)となっています。 ■設立以来、インドで資産運用事業に注力している、インド大手の運用会社です。2015年6月末現在、運用資産総額は約1兆5,552億 ルピー(インドにおけるシェア約12.7%)となっています(出所:Association of Mutual Funds in India)。 [当資料に関しご留意いただきたい事項] 当資料は、インドの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が株式 会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融商品 取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なくこれら を変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パフォーマン を変更 り修 りする あります。ま 、将来 市場環境 変動等を保証するも ありま 。当資料 使用 るグラ 、 ォ ン ス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するものではありま せん。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチは、必ずし もその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させていただいたも のであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号 加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会 2/2 160127(01)
© Copyright 2024 ExpyDoc