タカキタ:ツインレーキTR4560(熊本県)

現場通信
タカキタ
ス ペ シ ャ ル
熊本県菊池市
徳永 高明
ツインレーキTR4560
作業時間が半分になった
生 声
「 楽 に 稲・ イ タ リ ア ン を 年 間
1000ロール生産」
肉用牛繁殖経営の戸数が年々減少している。高齢化などによ
る離農で子取り用めす牛の飼養頭数が減少し、それを規模拡大
によってカバーしてきているが、黒毛和牛の子牛の上場頭数は、
2万5000〜3万頭で推移し減少傾向にある。このため、子牛
価格は上昇しており、昨年比で20%前後上昇し、65万5000
円程度と、過去最高となっている。こうした中で、徳永高明さ
ん(52歳)は、熊本県菊池市で繁殖牛経営を行っている。粗
飼料を重視する徳永さんにとって、飼料の確保は重要な課題。
その課題に大きく貢献しているのが刈り取った穀物を乾燥のた
め列にするツインレーキTR4560(タカキタ)
。徳永さんに繁
殖牛経営の今を話していただいた。
畜産・酪農経営は、高齢化
や離農の増加によって生産基盤
の縮小に歯止めがかかっていな
い。スーパーからバターが消え
るなど国内乳製品需給がひっ迫
している。
TPPなど国際化の進展への
不安や、生産コストの上昇など
経営の将来展望が描きにくく
なっている。
繁殖農家も平成 22 年は約 7
万 5000 戸 あ っ た が、 平 成 26
年は約 6 万戸と激減している。
こうした中で子牛価格は上昇し
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ているが、配合飼料等が高騰し
ており、経営を圧迫している。
政府も生産振興対策や経営
安定対策など支援を行っている
が、必ずしも成果を上げている
とは言いがたい面もある。耕種
経営との連携による飼料生産の
促進や飼料用米増産が期待され
るが、地域による事情もあり、
その推進には解決しなければな
らない問題が山積している。
熊本県菊池市で黒毛和牛母牛
40 頭の繁殖経営をする徳永さ
んと奥さんの久美さん(46 歳)
。
AMJ 2015.10
徳永高明さん(右)と奥さんの久美さん
菊池市は熊本県の北部に位置
し、熊本平野の北東部にあたる。
東部は阿蘇外輪山の西麓で、菊
池川の源流があり菊池渓谷をな
している。
親の代には、100 頭の肥育牛
経営だったが、10 年前に繁殖
牛経営に切り替えた。
周辺農家は高齢化が進んでお
り、徳永さんら 5 軒で有限会
社をつくり米 18ha を作付けて
いる。この稲ワラ、モミガラが
大活躍している。9 月にWCS
を 10ha、10 月には乾燥稲ワラ
20ha、そして 5 月にイタリア
ン 10ha を飼料としている。
「18ha 分の稲ワラが手に入る
のはラッキーだね。借地でイタ
リアンもつくれるし、粗飼料と
しては十分だね」
。
現在は母牛 40 頭で子牛が 25
頭。
「タネ付けが大事なんだよ。
40 頭中、1 回の人工授精で妊
娠するのは 1 〜 2 頭」
。受精率
を向上させるには、健康な母牛
でなければならない。
「飼料も食べさせればいいと
いうもんじゃない。多すぎても
少なすぎてもいけない。もちろ
◀モミガラの上で牛た
ちも気持ちよさそう
Point:直装フリースイング機構で
トラクタへの追従性が良く、小区
画水田でも威力を発揮。折りたた
み機構でコンパクトにでき、移動
時や収納時に便利。
作業時間がこれまで
の半分になり、
作業効率や省力化に
貢献
◀年間1000ロールを
生産
▼ツインレーキ TR4560
小回りがきき効率向上
ん質のいい飼料でなければなら
ない」
。そして、徳永さんなら
ではの工夫も。
「ニンニク酢を 1 日 200㏄与
えているんですが、これがいい
ようだよ」
。どうもアミノ酸が
発情周期に好影響を与えている
ようだ。
牛舎の管理も大切。
「敷料に
モミガラを使用している。これ
も 18ha 分あるから、1 週間で
入れ替える。オガクズより保温
性がいい」
。
産まれた子牛には、近くの酪
農家から提供してもらっている
凍結初乳を与えている。親牛の
乳より、いいらしい。
「親牛は
食べているものが違うので乳質
が違う。子牛が下痢しやすくな
るから」ということらしい。
粗飼料生産は重労働だ。ここ
で活躍するのが、ツインレーキ。
「直装なのでトラクタへの追
従性がバツグンなんです。作業
幅も 390 〜 455㎝に調整でき
て、ロータの間隔も広く狭くで
ここが一押し
きるので、幅 60 〜 120㎝のウ
インドロウがつくれます」とニ
コニコ。
「これまで、1.5ha を 2
時間かけていましたが、ツイン
レーキのおかげで 1 時間と半
分になりました」
。稲ワラとイ
タリアンで年間 1000 ロールつ
くるのだから、この作業時間短
縮は大きい。
「小回りがきくのも助かる。
小さなほ場もあるので、動きや
すい。そして、作業幅の半分に
折りたためるので収納にも場
所をとらず、うれしいですね」
。
その上、集草、反転の切り替え
もできるすぐれもの。
所有機械としては、トラクタ
3 台、ヘイベーラ、ロールベー
ラ、モア、テッダー、ラッピン
グマシンとフル装備。
周辺農家は高齢化が進み、耕
作できなくなる農家が増えてき
ている。
「有限会社があるので、
作業の請負いが可能です。地域
の農業を守りながら、我が家の
経営も拡大させたいと思ってい
AMJ 2015.10
▪ツインレーキTR4560
《主な特長》 ①トラクタ油圧で2つの
ローター間隔を変えられる作業幅可変機構
により、作業幅が390 〜 455㎝に調整でき、
幅60 〜 120㎝のウインドロウがつくれる。
②小回りの効くトラクタ直装式を採用。フ
リースイング機構により旋回時での追従性
が良く、コーナーでのウインドロウがきれ
いに仕上がる。③油圧折りたたみ機構によ
り、機体幅を2300㎜に折りたたんで移動、
収納ができる。④新型3Dカムにより素早
く、正確なタインコントロールを実現。集
草性能が向上。⑤レバーの切替で簡易反転
が可能。⑥各アームにタインを3列装備し、
切りワラ収集時のロスを低減した。
ます。目標は母牛 60 頭です」
。
耕作面積が増えると作業も増
える。
「今、一番大変なのは草
刈ですね。18ha 分の草刈は重
労働です。これが、もう少し楽
になれば良いのにと思います。
そしてもう一つ。年間 1000 ロー
ルつくりますから、ロールの運
搬が大仕事なんです。このあた
りがこれからの課題ですね」
。
▪連絡先
▷㈱タカキタ:〒 518-0441 三
重 県 名 張 市 夏 見 2828 TEL =
0595-63-3111 FAX = 0595-640857
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