栄養の大切さ こころは脳にあると言われています。脳が活動するためには、エネルギーが必要 です。そのエネルギー源は、食事で得られる栄養素です。だから食事は大切なので す。 脳がエネルギー不足で正しく活動できない為に、精神疾患発症の一因になっている 方は結構多いのです。 血液検査で「血糖値」を測ることがあると思います。 「血糖値」は糖尿病になると高い値を示すことで知られていると思います。 この「血糖値」とは、血液中に含まれるぶどう糖の濃度のことを示しています。 実はこの、ぶどう糖が脳のエネルギー源なのです。 脳は常に休むことなく活動しているので、血液中には常にある程度のぶどう糖が必 要なのです。 血液中のぶどう糖の元は、食事で得られる栄養素です。 栄養素には3大栄養素と言われている。 糖質(甘い物、ごはん、小麦)、脂質、たんぱく質(肉、魚、卵)があります。 ぶどう糖というぐらいだから、糖質?と思われる方も多いと思いますが 人間の体には、糖質だけではなく、脂質、たんぱく質からもぶどう糖を作り出す機 能があります。 もちろん、糖質が一番ぶどう糖を作るのには適しています。 ということは、糖質だけを食べていれば大丈夫? エネルギー不足にはならいかというとそうではありません。 ぶどう糖をエネルギーに変えるためにはビタミンB群、ビタミンCが必要になりま す。鉄、マグネシウム、マンガン等のミネラルも必要になります。 ぶどう糖があっても、ビタミン、ミネラルが不足すると、エネルギー不足になって しまうのです。ビタミンB群、ミネラル類は、肉、魚、卵等のたんぱく質食品に多 く含まれます。ビタミンC摂取のためには、野菜や果物も必要です。 つまり、糖質だけ食べているとダメだということです。バランス良く食べることが 必要です。 カルシウムとマグネシウム カルシウムは骨を作るミネラルとして知られています。 99%は骨に蓄えられ、残りの1%が血液や細胞に存在しています。 その働きは人体にとって非常に重要です。 血液中のカルシウムは心臓の動きなどに関与しています。 非常に重要であるがゆえに食事からカルシウムが十分に摂取できない 場合には、骨からカルシウムを溶かして血中濃度を維持するのです。 この骨を溶かしてカルシウムを取り出すためには、ビタミンDが必須です。 ビタミンDがなければ、血中濃度を維持することができなくなります。 カルシウム不足で起こる病気として動脈硬化、糖尿病、高血圧等があります。 さて、このカルシウムですが、精神からみるとどのような働きがあるでしょうか。 不足した場合には、イライラ、敏感、緊張不安、うつ状態、記憶力の低下、不眠 多動、動悸、意識を失いそうになる等が知られています。 パニック発作などの不安障害の症状に非常に良く似ているのです。 一方、マグネシウムですが、カルシウムに比較してあまり知られていません がその働きも非常に重要です。マグネシウムは前回お伝えした「酵素」の 働きに関与します。その影響を受ける酵素は300種類以上にもなります。 カルシウムと同様に骨を作る原料になっています。 つまり、マグネシウムが不足すると酵素の働きが弱くなり 代謝が悪くなります。代謝が悪くなるということは、食べ物を食べても 栄養が得られないということです。 さて、このマグネシウムですが、精神からみるとどのような働きがあるでしょう か。 マグネシウムはセロトニンを作るときに必須です。精神安定には非常に重要です。 その不足の症状は不安症と関係が深いです。 過敏症、不眠症にも大きく関係しています。 イライラ、手足のしびれ、震え、痙攣、吐き気、食欲不振 不整脈、頻脈などの心臓への影響が大きいこともあり パニック障害と関係が深いです。 このカルシウムとマグネシウムですが、常にお互いに相関関係にあります。 カルシウムが足りなくても、マグネシウムが足りなくても どちらも骨を溶かして血液中の濃度を維持します。 骨から溶け出す場合、必要な分だけ溶け出すならば良いのですがそうは巧くいかず 必要量よりも多くのカルシウム、マグネシウムが溶け出す場合があります。 そうなることで結石ができることが良くあります。また動脈硬化も進行します。 カルシウムとマグネシウムは2:1もしくは、1:1で摂取することで その吸収率は一番良いことが分かっています。 さらに、カルシウムの吸収を助けるためにはビタミンDが必要です。 カルシウムは 牛乳に豊富に含まれますが、ビタミンDがありません。 乳牛は死なないように抗生物質をたくさん投与されています。 牛の乳が人間の体に良いかどうかは分かりません。 私たちの主治医は、カルシウム摂取源としては不適切と言っています。 1杯ぐらいなら飲んでも良いと言われています。 ブロッコリー、ほうれん草などの緑黄色野菜 小魚、海藻類、穀物等のいろいろな食材から摂取すると良いでしょう。 マグネシウムは 海藻類、特にヒジキ アーモンド、ピーナッツ、大豆、バナナに豊富に含まれます。 サプリメントで摂取する場合は、カルシウム:マグネシウム比が2:1か1:1 になるものを選んでください。 カルシウムの吸収を阻害するもの リンの過剰摂取 リンはカルシウムと腸で結合しやすいのでリンを多く摂りすぎると カルシウムの吸収を阻害します。 リンは加工食品、インスタント食品に多量に含まれます。 特に、ハム、ウインナ−には多いです。 食物繊維、たんぱく質の過剰 食物繊維もカルシウムの摂取を阻害してしまいます。 ほどほどにしてください。プルーンは食物繊維が多いので 食べ過ぎは良くありません。食物繊維を多く摂る場合はカルシウムも 多く摂取してください。 たんぱく質も多く摂る場合は、カルシウムも多く摂る必要があります。 カルシウム不足もマグネシウム不足もその不足だけで、うつ病や不安障害、パニッ ク障害を発生させることは分かっています。しかし、血液検査で発見するのは難し い。カルシウム摂取が不足しているが故にカルシウム値が上がる結果になることが あります。 カルシウム値が高い場合は、逆に骨からカルシウムが溶け出している可能性があり ます。 精神疾患を起こす(間違えられる)病気として有名な甲状腺機能亢進症、副甲状腺 機能亢進症になっている人の場合過剰になった(副)甲状腺ホルモンにより、骨が 溶け出すことがあります。 その場合もカルシウム値が上がります。結石ができる場合もあります。注意が必要 です。 甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症はそれを狙った血液検査をしない限り 発見することが難しいです。 カルシウムのはっきりした不足は、骨粗しょう症の検査で分かりますが そこまでいってしまえば、重症なわけです。 不足し始めているぐらいでは、発見できない。 でも明らかに精神症状を出すわけです。 一番、不足しているかどうか的確に分かる方法は、自分の食事を 振り返ってみることかもしれません。 実際にはカルシウム、マグネシウムを補充して、効果があって始めて 不足だったんだと分かることの方が多いのです。 ビタミンB群、ビタミンCの不足 ストレスがあると、体はそれに対処するために、多くのホルモンを作ります。 ホルモンを作るには栄養素が必要です。 特に、ビタミンB群、ビタミンCはストレスに対抗するホルモンを作るのに欠かせ ない栄養素です。不足しないように確保することが必要です。 ビタミン類は壊れやすいのがその特徴で、食品の保存期間が長ければ長いほど栄養 素は無くなってしまいます。 現代人は、取れたての食品を摂取することは難しい状況なので、常にビタミン不足 の可能性にさらされています。 ビタミン不足にならないようにするためには、なるべく新鮮な食品を摂取すること が大切です。 ビタミン不足で精神疾患になってしまう可能性が最も高いのは、スーパーで食材か ら買ってきて料理しない食事を取ってしまう生活をしている人です。インスタ ント 食品、レトルト食品からビタミンを摂取することは不可能な状況です。外食産業で は、ほとんどがコスト削減のために、水煮野菜を用いています。 水煮野菜には、ビタミン、ミネラルがほとんどなくなっています。 見た目は同じ野菜でも、栄養素が全然違うということを認識しておいた方が良いで す。 精神疾患を改善させるためには、食材から買ってきて、それを新鮮なうちに料理し て食べる必要があります。 植物性、動物性の食品をバランスよく取る必要があります。 糖質の摂りすぎ 外食、コンビニで買うものには、味を良くするために、砂糖が使われています。 砂糖は少量でも血糖値を急上昇させます。急上昇した、血糖値は急降下することは 良く知られていて、低血糖症と呼ばれています。 脳が栄養不足になってしまうことは、精神に対しては重大な影響をもらたします。 この血糖の急降下は食後2∼4時間後に起こることが多く、その時間帯に集中 力、 やる気の低下、不安、恐怖の増大、錯乱、暴力、うつ、幻覚、幻聴などさまざまな 精神症状の原因になっていることがあります。 砂糖を日常的に摂取していると、糖質を多く取り過ぎるだけで、低血糖になる体に なってしまいます。コンビニ、外食産業などでは、できるだけ安い食材でお腹 一杯 にさせるため、糖質がかなり多い状態になっています。米、小麦の割合が多いので す。それを食べ続けることは、低血糖になり易い体を作っているようなも のです。 大切なことは、低血糖になり易い体質を変える必要があるということです。 しばらく、完全に砂糖抜きの生活をすると、あきらかに体調と精神症状をの改善が 見込めます。 私の経験では、砂糖抜きの生活をすることで、精神症状に何らかの改善ない人は、 めったにいないぐらいです。 砂糖抜きの生活をするた為には、自分で料理したものを食べる習慣が必要です。 鉄分の不足 鉄分が不足してしまうと貧血になることが良く知られています。 貧血になると、酸素の運搬量が減少してしまいます。 ぶどう糖は酸素で燃やすことによって多くのエネルギーに変わるのですが、酸素が 不足すると効率よく燃やせないのでエネルギー不足の原因になります。 はっきりとした貧血ではなくとも、血液検査などでは見つからない、潜在性鉄欠乏 の状態でも脳のエネルギー産生に与える影響は大きいです。 ぶどう糖がエネルギーになるときに最終的な を握っているミネラルが鉄だからで す。貧血になっていない状態でも、鉄がないと、ぶどう糖を効率的にエネルギーに することができません。 潜在性鉄欠乏なのに精神疾患と診断されている人は非常に多いです。 その原因は血液検査では発見できないこと、精神科、心療内科のドクターが貧血を 重要視していないことが挙げられると思います。 潜在性鉄欠乏を医療機関で治療して、精神疾患が良くなる人をたくさん見て来まし た。精神疾患の方の潜在性鉄欠乏を改善することは、効果絶大です。 もし、潜在性鉄欠乏であるならば、必ず、医師の指導の元に改善を試みることをお 勧めします。 参考:ビタミンB群の不足で発生する不安障害とサプリメント補給 ビタミンB群を摂取すると不安が軽くなります。 事実、不安障害に見られる ・多動、神経質・疲労、うつ・心配、不安 などの症状 は、ビタミンB群の一つであるナイアシン(またはナイアシンアミド)の不足によって も起こります。 ビタミンB3には、ナイアシンとナイアシンアミドの二つのタイプがあります。 中性のナイアシンアミドは、分子中にプラスやマイナスの電荷があるナイアシンよ りも脂溶性が遥かに高いため、脂肪でできた血液-脳関門を容易に通過し脳に入って 行きます。 同じB3でも、中性のナイアシンアミドはナイアシンよりも好ましいのです。 ナイアシンアミドは水溶性のビタミンなので、生体内に長く貯蔵されることはあり ません。 一日、1∼3gのナイアシンアミドを分けてとることで、不安障害に対して多くの成果 が得られています。 但し、ナイアシンアミドの大量摂取によって、吐き気が続くようであれば、あなた の肝臓がそれだけ多くのナイアシンアミドを取り扱うことができないということで す。 この場合は、直ちに摂取は中止し、再度、ナイアシンアミドを試みるときは、服用 量を半分か1/3に減らし様子を見る方が良いでしょう。 脳を不安な状態から解き放つのに、ナイシンアミドと協力して働いているビタミン B群は次の通りです。 1. ビタミンB1(チアミン) ビタミンB1(チアミン)が不足すると、 ・心の混乱、感情の 不安定、無気力・うつ病、疲労、騒音に対する過敏となります。 2. ビタミンB2(リボフラビン) ビタミンB2(リボフラビン)が不足すると、 ・神経が変 質してしまう・栄養素をエネルギーに変換できなくなり 感情が不安定となります。 3. ビタミンB5(パントテン酸) ビタミンB5(パントテン酸)が不足すると、 ・睡眠障害 に陥り・副腎が疲れ弱り 不安な気持ちになります。 4. ビタミンB6(ピリドキシン) ビタミンB6(ピリドキシン)の不足は、ピロルリア(ピ ロール尿症)によって発症します。 5. ビタミンB12(シアノコバラミン) ビタミンB12(シアノコバラミン)の不足によって 心が混乱し、集中力が低下します。 6. 葉酸 葉酸に不足によって、 ・神経ネットワークの萎縮・落胆、イライラ が発生 します。 【参考】心の病気を食事で治す 生田 哲著 参考.デトックスメモ∼水銀(重金属)排毒とサプリメント補給 ■水銀 ・汚染源 歯科治療用アマルガム、魚介類(特にマグロ)、 柔軟剤、防カビ剤、一部の医薬品 ・排出を促進する物質 カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、ビタミンA、C、E、セレニウム、メチオ ニン ・水銀(Hg)のデトックス 亜鉛(Zn)を摂取すると肝臓や腎臓で「メタロチオネイン」というタンパク質が作 られるようになる。このメタロチオネンは、水銀と結合することで水銀を無毒化さ せる働きがある。 ただし、メタロチオネインはタンパク質なので時間がたつと分解されてしまい、そ のときに水銀が放出されてしまう。水銀の解毒効果も一時的なものである。 ・亜鉛はカドミウム、水銀、鉛などの有害金属と結合してその毒性を消去させるた んぱく質の生成に関ります。 ・亜鉛を多く含む食品∼納豆、アーモンド、そば粉、豆腐 (動物性を除く) ・ビタミンC(クエン酸、リンゴ酸)はカドミウムや鉛の毒性から守ってくれま す。 ・昆布に含まれているアルギン酸、ニンニクや玉ねぎなどに多く含まれている硫黄 化合物、玄米に含まれているフィチン酸、コリアンダー(中国パセリ)等には重金 属をキレートする効果があります。 ・活性炭には着色料、香料、有毒物質を吸収する働きがあります。 ・セレニウム(セレン)には直接有害金属と結合してその毒性を消す働きがありま す。 ビタミンEを一緒に摂ると、相乗作用で過酸化を防ぐ作用が強まり、セレンが水銀 の毒性を抑える効能もより強くなります。 ・セレニウムを多く含む食品∼海草類、精製度が低い穀物類、玄米、ニンニク、タ マネギ 水 銀 :魚介類、海産物、歯科用アマルガム(詰め物) 無機水銀は腎臓に蓄積しやすく、 有機水銀は脳内に侵入しやすい。 症状→冷え性、脱力感、うつ、アレルギー性皮膚炎など カドミウム:排気ガス、産業廃棄物、タバコ、農薬 腎臓に溜まりやすく、腎臓障害が起こるとカルシウムが骨から失わ れる。 症状→骨粗鬆症、骨折、嗅覚の喪失、吐き気、腹痛、むくみなど 鉛 :水道水、殺虫剤、タバコ 腎臓、肝臓に溜まり 骨・脳神経にも悪影響を及ぼす。 症状→頭痛、めまい、疲労、貧血、動脈硬化、イライラなど ヒ 素 :防腐剤、殺虫剤・洗浄剤、肉類 ヒ素が溜まると皮膚の角化症や皮膚がんが発生し、肺に蓄積される と肺がんになる恐れもある。 症状→肌荒れ、シミ、脱力感、吐き気、手足のしびれ、頭痛、皮膚 障害など 文責:南会津町あらかい健康キャンプ村 池谷 純仁 無視できない食事・栄養素と心の病気の関係 何割かの精神障害は、「間違った食事」による栄養素欠乏 で引き起こされている。 栄養素の欠乏が、肉体の細胞を弱化させ、身体全体を退化させて病気を引き起こす ことは今さら説明するまでもありません。昔から ビタミン欠乏症として、夜盲症や 脚気・壊血病などが知られてきました。現在では微量栄養素の研究が進み、必須栄 養素の存在が明らかにされています。この “必須栄養素”は体外からの摂取に頼らざ るをえないものであり、不足すると“欠乏症”を引き起こすことになります。 栄養素が肉体の健康に深く関わっていることは、現在では医学の常識になりつつあ ります。しかし栄養素が「心の病気(精神障 害)」に重大な影響を及ぼしているこ とは、あまり知られていません。一般の医師は言うまでもなく精神科の医師におい ても、栄養素の重要性を認識している人 はほとんどいません。 十分な栄養素があって肉体の細胞の健康が保たれるように、脳の細胞も十分な栄養 素があってこそ健康が維持されるようになってい ます。栄養素が欠乏すると異常を きたすのは、肉体の細胞だけでなく、脳を形成する細胞も同じなのです。栄養素の 不足によって脳の機能に異常をきたすと、当 然、心(精神)にも異常が発生するよ うになります。また食生活を通じて脳にダメージを与える物質を摂り続けるなら、 ドラッグと同様に脳の機能低下を招き、 精神障害を引き起こすこともあります。不 思議なことですが、いまだにこうした常識的な知識が、医学の中で認識されていま せん。ここに現代の精神医学の大き な盲点があります。 一方、現代栄養学の進歩によって、脳が必要とする栄養素について徐々に明らかに されるようになってきました。これまでは脳の器 質的な欠陥や脳内物質の異常との み考えられていた精神障害が、実は間違った現代型の食事によって引き起こされて いる事実が指摘されるようになってきまし た。「間違った食事」が心に大きな影響 を与え、さまざまな精神障害を発生させていることが明らかにされるようになって きたのです。 もちろんすべての精神障害に栄養素が関わっているわけではありませんが、何割か の患者は間違った食事による「栄養素欠乏」が原 因となって発症していることが、 はっきりとしてきました。そして食事改善や栄養療法による栄養素の補給によっ て、長年治らなかった精神障害が見事に快癒す るケースが次々と報告されるように なっています。 現代では、「間違った食事」という純粋に物質的な原因による心の病気(精神障 害)が多発しています。その中で真っ先に挙げられるのが——「低血糖症」「脳ア レルギー」「必須栄養素の欠乏」「有害金属の脳内蓄積」による精神障害です。 次にその1つ1つについて説明します。 重要なのに世間にあまり知られていない「低血糖症」 間違った食事が引き起こす精神障害の筆頭が低血糖症です。「低血糖症」とは文字 どおり、血液中の糖の濃度が低くなり過ぎる症状 です。食事から摂取された“糖”が 吸収されると、血液中の糖(ブドウ糖)の濃度が高まります。すると膵臓から“イン スリン”というホルモンが分泌されて糖 を細胞内に取り込み、血中の濃度を低下さ せます。こうした一連のシステムによって健康人の場合は、血糖値は1q中、60∼ 160mに保たれるよになってい ます。ところが中には血糖値が50m以下にまで下がる 人がいます。これが「低血糖症」です。(*1時間以内に血糖値が50m以上急激に 変化する場合や、絶 食時の本来の血糖値より20m以上下降する場合も「低血糖症」 と診断されます。) 低血糖症は、糖尿病でインスリン注射をしていたり、血糖を下げる薬品を飲んでい る場合に発生します。血中の糖の濃度が下がり過ぎると、震えやけいれん・意識障 害などの症状が現れます。糖尿病患者の場合は、 や少量の砂糖を摂ればすぐに回 復します。 しかし糖尿病患者でない一般に健康と思われている人間が、日常的に砂糖を大量摂 取することによって“インスリン”が過剰分泌され、「低血糖症」を発生させるよう なことがあります。 なぜ砂糖の大量摂取が「低血糖症」を発症させるようになるのかということです が、その理由は次のように説明されます。砂糖は分 子構造上、すばやく分解され、 あっという間に血中に吸収されます。そのため砂糖を大量に摂ると、すぐに高血糖 の状態になってしまいます。すると体はそれに 対処するために、膵臓から急いでイ ンスリンを分泌しなければなりません。肉体が絶えずこうした急激な対応を強いら れるうちに、やがて膵臓が疲弊してインス リン分泌に異常が生じ、「低血糖症」が 引き起こされるようになるのです。 現代人の中には、低血糖症にかかっている人が多くいます。困ったことに日本で は、ほとんどの医師が低血糖症についての認識がありません。当然のこととして患 者本人を含め一般の人々は、その事実に気づいていません。 「低血糖症」が引き起こす、さまざまな精神障害 この低血糖症は、実は深刻な精神障害を引き起こす元凶になっています。一般の医 師だけでなく精神科の医師も低血糖症の問題の重 要性が分からずに、表面に現れた 異常性だけを“薬物療法”によって取り除こうとします。病気の原因が「低血糖症」 にあるなら、それに対する治療こそ最優先 されなければなりませんが、低血糖症に ついての認識不足から、結局“薬物療法”という的外れな治療が行われることになり ます。これでは、はかばかしい治療 効果を得られるはずがありません。それどころ か患者は“薬漬け状態”に置かれ、薬の副作用で苦しむという別の問題を発生させる ことになります。 低血糖症が「精神障害」を引き起こすメカニズムは、次のように説明されます。低 血糖症になると、体は急激に血糖値を上げようと して副腎から“アドレナリン”を分 泌します。これが肝臓を刺激し、蓄えていたグリコーゲン(*多糖類の一種)を放 出させて血糖値を上昇させることになりま す。 このアドレナリンは「攻撃ホルモン」と呼ばれ、危機に したり、ストレスにさら されると血糖値を上げて全身のエネルギーレベル をアップさせます。心臓の働きを 活発にし、攻撃性を高めて危機的状況に対処する態勢を整えます。このため「低血 糖症」が続くと、攻撃的になるのです。アド レナリンはストレスに対処するために 必要なものですが、それが過剰に分泌されると人格を変えるほど強烈な影響を及ぼ すことになります。さらに低血糖症にな ると副腎からは、アドレナリン以外に“ノ ルアドレナリン”という別のホルモンも分泌されます。 アドレナリンとノルアドレナリンは大脳辺縁系を刺激し、怒りや恐れなどの情動変 化を引き起こします。攻撃ホルモンである“アド レナリン”は、怒りや敵意といった 攻撃的な感情を刺激します。それとは反対に“ノルアドレナリン”は、恐れや不安と いった感情を誘発し、自殺観念・強迫観 念などを引き出します。大脳前頭野の神経 伝達物質であるノルアドレナリンが急激に増加することによって理性的な判断がで きにくくなり、突発的な感情に支配 されるようになると言われています。パニック 障害などは、こうした形で引き起こされるのではないかと考えられています。 海外の栄養療法の研究者によれば、神経症患者の85%、統合失調症患者の20%に低 血糖症が関係しているということです。恐ろ しいことに現代の犯罪にも、この低血 糖症が深く関わっていると言われます。アメリカでは、刑務所に服役している人間 の80%以上に低血糖症が見られたこと が報告されています。近年、急激に社会問題 化している「キレる子供たち」や「家庭内暴力」にも、低血糖症が強く影響してい るものと思われます。 低血糖症を引き起こす原因は、一言で言えば現代人の「間違った食生活」にありま す。特に「砂糖の大量摂取」が大きな原因です が、「アルコールの過剰摂取」も問 題です。また小麦粉などの「精製した炭水化物」を多量に摂ることも低血糖症に関 係します。砂糖たっぷりの清涼飲料・甘い 缶コーヒーやジュース・チョコレートや ケーキなどの菓子類・アイスクリーム、さらには大量の砂糖を含む加工食品やイン スタント食品、そしてビールなどのア ルコール類—こうした食品は現代人にとって 当り前のものとなっていますが、それが「低血糖症」を引き起こす元凶になってい るのです。(*コーヒー・コーラ などのカフェインを含む飲料やタバコも「低血糖 症」を悪化させる要因となります。また「低血糖症」と「アレルギー」は密接な関 係があり、アレルギー疾患を 抱えた人は低血糖症になりやすいと言えます。) 世の中には、「ストレス解消のために甘いもの(砂糖)の摂取は欠かせない」とか 「脳の栄養であるブドウ糖を補給するために砂糖 を多く摂るべきである」といった 馬鹿げた主張をする専門家もいます。(*脳の栄養素が“ブドウ糖”であることは事 実ですが、だからといって砂糖の摂取を勧 めることは間違っています。穀類に含ま れる“デンプン”は分子構造が大きい(ブドウ糖が何千・何万個もつながっている) ため、ゆっくりと分解吸収されま す。穀類は、体に負担の少ない優れたブドウ糖補 給源です。二糖類である砂糖はブドウ糖と果糖が1個ずつつながっただけの単純な 分子構造をしているため、消 化吸収が早過ぎて「低血糖症」を引き起こすので す。) 食生活が健全であれば、時々の楽しみとして甘いものを摂ることは何の問題もあり ません。またジュースに含まれる“糖”は吸収が 早いのですが、自家製の新鮮な野菜 や果物のジュースには栄養素が豊富に含まれているため、よほど多量に摂取しない かぎり心配する必要はありません。現代で は、日常的に大量の砂糖を摂取している ことで「低血糖症」という問題を発生させているのです。 低血糖症は、「食生活の改善」によって確実に治すことができます。かつての「伝 統的な日本食」に戻すなら、ごく短期間で症状が治まります。「低血糖症」が原因 となっている精神障害は、たちどころに快方に向かいます。 「脳アレルギー」が引き起こす、さまざまな精神障害 食事が引き起こす心の病気として、低血糖症の次に無視できないのが「脳アレル ギー」です。牛乳や卵といった食品がアトピーなど のアレルギーを発症させること は、よく知られています。アレルギーがひどいときにはアナフィラキシー・ショッ クによって死に至ることもあります。一般的に は“アレルギー”というと身体に現れ る反応にばかり目が向きますが、実は脳でもアレルギー反応は生じているのです。 脳にアレルギーが発生すると、脳の機能に異常が生じ、さまざまな精神障害を引き 起こすことになります。身体に“アトピー”が生 じるとかゆみや痛みで苦しむように なりますが、「脳アレルギー」でも、頭痛やめまい・吐き気などの症状が現れま す。また肉体的症状だけでなく、いらいらや 興奮・怒り・不安・恐れ・緊張といっ た感情異常が起きるようになります。これを外見から判断すると、突如「精神障 害」が発生したということになります。う つなどの精神障害や統合失調症と診断さ れた患者の中には、こうした「脳アレルギー」が原因となっているケースがかなり あることが指摘されています。 例えばアメリカの研究によれば、統合失調症患者の10%に脳アレルギーの疑いがあ るとの報告があります。また別の研究では、統 合失調症患者の64%は小麦によって アレルギーを起こし、50%は牛乳に、75%はタバコに、30%は石油系の化学物質に 反応すると報告されています。ま た統合失調症患者の80%に、牛乳と卵のアレル ギーが見られたとの報告もなされています。 脳アレルギーの原因として指摘される小麦・牛乳・乳製品は、現代人がひんぱんに 口にしている食品です。牛乳・乳製品は、栄養豊 富で健康にいい食品として盛んに 摂取が勧められています。若者や子供は、それらを毎日のように大量に摂取してい ます。小麦・牛乳・乳製品以外に脳アレル ギーを引き起こしやすい食品として挙げ られるのは、肉類・卵・ソバ・コーン・オート麦・ライ麦・ナッツ類・オレンジな どです。またコーヒー・コーラ・アル コール・チョコレートなどの嗜好品も、腸壁 や副腎を刺激してアレルギー反応をひどくします。食品添加物や環境中の化学物質 も、アレルギー反応を誘発しま す。 「脳アレルギー」によって精神障害が発生しているとするなら、何よりも“アレルゲ ン”となる食品や化学物質を排除することが優 先されなければなりません。アレル ゲン除去が一番先になすべき治療であり、これを無視して薬物で精神障害の症状だ けを抑えようとしても、よい結果は得られ ません。しかし現実には、そうした的外 れな治療がかなり行われているのです。 「必須栄養素の欠乏」が引き起こす精神障害 肉体の健康維持のためには、ビタミンやミネラルなどの「必須栄養素の摂取」が欠 かせません。必須栄養素が欠乏すると、細胞が劣 化し、身体に異常が現れるように なります。それと同じく脳の健康維持に必要な栄養素が不足すると、脳の機能に異 常が発生し、精神障害を引き起こすことにな ります。現在の栄養学は、脳に必要と される栄養素を徐々に明らかにしつつあります。(*とは言っても全貌が解明され るのは、まだまだ先のことです。) 脳の健康に必要な栄養素を欠乏させている原因は、やはり間違った現代人の食事に あります。栄養素の偏った食事によって脳に必要な栄養素が不足し、それがさまざ まな心の病気を引き起こすようになっています。 例えばビタミンB群はチームとして糖の代謝に関わり、神経の働きを正常に保つの に欠かせません。“神経のビタミン”といわれる ビタミンB1を欠乏させるような食 事を摂っていると、いらいらして怒りっぽくなり、心が落ち着かなくなります。ま たマグネシウムが欠乏しても、神経が興奮 したり過敏になって精神状態が不安定に なります。マグネシウムは、うつや多動症との関連が深いミネラルです。さらにイ ンスタント食品や加工食品に多く含ま れるリン(*大半の現代人は深刻なミネラル 不足の状態にありますが、リンだけは摂り過ぎています)は、マグネシウムなどの 消耗を招いて、結果的に精神状態 を悪化させます。 こうしたマイナスの条件が「低血糖症」などと重複すれば、ひどい精神障害を引き 起こすようになることが十分考えられます。 *「低血糖症」「脳アレルギー」「必須栄養素の欠乏」以外に、もう1つ精神障害と 深い関係にあるのが「有害金属の脳内蓄積」で す。鉛やカドミウム・水銀・ヒ素・ アルミニウムといった有害金属が、大気中や生活環境から、あるいは薬品・飲食物 から体内に取り入れられ蓄積することがあ ります。 有害金属は体内の必須ミネラルの働きを妨げ、神経に作用して精神障害のような状 態を引き起こします。子供たちの学習障害や暴力的行動・知能の発達障害などとの 関連も指摘されています。 何よりもまず「根本的な食生活改善」に取りかかる 食事内容や栄養素という物質レベルでの原因が、心の状態を左右することが理解で きたと思います。「低血糖症」「脳アレルギー」 「必須栄養素の欠乏」「有害金属 の脳内蓄積」—これらは明らかに精神障害の状態を引き起こします。これまで精神 医学は“薬物療法”によって精神障害に対処 してきましたが、かなり的外れなことを してきた疑いは拭えません。 今、皆さんは何をすべきか、はっきりと理解できるようになりました。精神障害 (心の病気)に対しては、まず「食事改善」を徹底 して進める必要があるというこ とです。伝統的な日本食(*昭和30年以前の日常的な食事)に戻せば、砂糖の大量 摂取は簡単に避けられます。たったこれだけ のことで「低血糖症」の苦しみから解 放されるのです。うつや統合失調症などの精神障害についても、どれほど症状が軽 減するようになるかしれません。 食事を健全なものにすれば、砂糖だけでなく加工食品やインスタント食品の摂取も 減り、有害な食品添加物・化学物質の取り込みも 抑えることができます。栄養価の 乏しいジャンクフードなどは、めったに口にしなくなるでしょう。またアレルゲン になりがちな牛乳・乳製品・卵・小麦などの 摂取量も、ずっと少ない量にとどまる はずです。 アレルギーは、体質劣化から引き起こされる免疫システムの機能低下(アンバラン ス)です。体質を強化してアレルギーを治すに は、食事改善は欠かせません。それ によって腸内環境は改善し、免疫力がアップしてアレルギー反応も軽減するように なります。また有害物質の解毒もスムーズ に進むようになります。 “脳”という重要な器官の栄養疾患という状態は、肉体レベルの健康度がかなり低下 していることを示しています。茶色い米や豆・野菜や海藻をしっかり摂る「健全な 食事・伝統食」にすれば、脳に必要な栄養素を十分に摂取することができるように なるのです。 必要とされる強い決意 このように「食生活改善」によって、さまざまな精神障害(*これまで“精神病”と 考えられてきた症状)が完治する可能性が出てきます。食生活改善によって何ひと つマイナスは生じません。プラスだけがもたらされるのです。 しかし「食生活改善」には、たいへんな努力が必要とされます。“言うはやすく実行 はとても難しい”ということです。間違った食 生活が身に染みついた多くの現代人 にとって、伝統的な日本食に切り替えることは大改革です。まさに人生をゼロから やり直すほどの決心をしないかぎり達成で きないことなのです。 効果の出方は、人によってさまざま 人によっては食事を変えると、すぐに驚くようなよい結果が出ることもあります。 「低血糖症」のように明らかに「間違った食生 活」が原因であった場合には、精神 障害は嘘のように消え去ります。しかし食生活以外に原因がある場合には、好転は しても完治するところまではいきません。 とは言っても、必ず症状は緩和されるはずです。なぜなら「肉→心」への影響力 が、悪いものから良いものへと変わるからです。 サプリメントより先に「食事改善」 食事改善によって精神障害が治ったり軽減するというようなことは、残念ながら現 在の大半の精神科医は信じることができません。 最近では医師の中にも、栄養学に ついて関心を持つようになった人が増えてきました。しかしそうした進んだ医師で あっても、その多くが“サプリメント”に対 して関心を示すだけで、食事改善にまで 向かっていかないのが実情です。 現代栄養学によって、脳の機能に関わる栄養素についての知識は増大しました。ビ タミンB1・ビタミンB3(ナイアシン)・ビタ ミンB6・ビタミンC・カルシウ ム・マグネシウム・カリウム・亜鉛・マンガン・オメガ3系オイル(EPA、亜麻仁 油)などの精神障害への効果が明らかにさ れています。 しかし栄養素は単独で働くことはなく、常に他の栄養素とのチームプレーによって 効果を発揮します。したがって“サプリメント” だけに頼ったピンポイント的な補給 では、栄養素の効果は著しく減少します。栄養素の適切な補給のためには、必ず ベースとなる食事を土台にしなければなりま せん。そのうえでサプリメントによる 補強を目指します。こうした意味からも「心の病気(精神障害)」の栄養療法にお いては、必ず「食事改善」を優先しなけ ればなりません。 栄養療法は1つの治療法にすぎないことを忘れない ——常に複数の治療法と並行して進めることが必要 栄養療法を進めるうえでの原則は—「多くの治療法をトータルに進める」というこ とです。すなわち栄養療法という1つの方法だけ で解決を図ろうとしないというこ とです。初めから他の治療法と連携してトータル的な治療を進める、その一部分 を“栄養療法”が担当するということです。 精神障害を引き起こす原因は、さまざまです。霊的次元での原因・精神次元での原 因・肉体次元での原因・環境的原因・社会的原 因、あるいは自分自身がつくり出す 原因や遺伝的原因などがあります。こうしたいろいろな要因が絡み合って「心の病 気(精神障害)」が発生します。「低血糖症」による精神障害の場合は物質次元で の原因が大きく関係していますが、それだけで病気が発生するようになるわけでは ありません。「霊的原因・精神的原因」が関係して、間違った食生活をつくり出し てきたのです。 したがって精神障害の治療では、常にトータル的アプローチが必要となります。効 果の認められたさまざまな治療法を繰り出すこと が重要なのです。「ホリスティッ ク栄養療法」は、こうした多種類の治療法と並行して進めることを前提としていま す。栄養療法だけで精神障害を治療するとい う姿勢はとりません。食事療法・栄養 療法だけでなく、運動療法も心理療法もスピリチュアル・ヒーリングも必要と考え ます。また薬物療法も欠かせません。さ らには心の修行やボランティア活動など も、精神障害の治療のためには大切なことなのです。 健康に関すること 体の毒素を解毒する. 体に溜まった毒素を解毒する(その1) 人間は、さまざまな物を食べますから、気がつかない間に体内に毒素が貯まって しまいます。 その毒素とは、PCBや、ダイオキシン、あるいは、残留農薬、建築資材などから 出るいわゆるシックハウス症候群の原因となるようなホルムアルデヒドなどの化学 物質などです。 その他にも、鉛やカドミュウム、タバコ、水道水、水銀の詰め物などが有害な物質 と考えられています。 これらの物質が体内に入ると、さまざまなところに蓄積されて、その結果、アレ ルギー性皮膚炎や、花粉症のような症状、高血圧や糖尿病、肥満、癌などの生活習 慣病などのような症状まで引き起こします。 さらに、心にまで影響を及ぼし、切れやすくなる子ども達の症状や、気分がめいる うつ症状なども出てきます。 また、歯の治療に使う詰め物や、にせ物なども何年かたつと溶け出してきます。 それが、唾液から血液に入って、いろいろなところに影響します。 その身近な物として、ニキビや、アレルギーの症状が出てきますが、さらに、さ まざまな問題を起こしてきます。 これらは、歯の治療のためには必要な物ですが、いずれは溶け出すと言うことは、 あまり意識していないのではないかと思います。 このような有害物質によって、本来の体のバランスが崩れてしまうのですが、その 中でも、1番の問題は有害物質が腸内環境を悪化させて、免疫力が低下してしまう ことです。 人の体は、有害物質が入っても、ある程度なら自分の力で排出することができま す。 しかし、それでも70パーセント程度で、それが便と一緒に排泄され、便秘がちな 人の場合は、また体に再吸収されてしまいます。 これらの有害物質は、活性酸素を発生しやすくしたり、腸内の善玉細菌にダメージ を起こしてしまうと、腸の免疫力が低下するということが起きてしまいます。 昨今、話題のアルファリポ酸成分を持ったサプリメントを摂取するとか、緑黄色野 菜、繊維の多い野菜などを取ると、それらにくっついて排泄されます。 また、鉛や水銀などは、それを、はさんでつまみ出すキレートという蟹のはさみの ような効果のある物を積極的にとることが必要です。 日常に取る物として、玉ねぎ、ねぎ、にら、にんにくなど、匂いの強い物には硫 黄が含まれていますし、繊維を含んでいる物として、ゴボウ、リンゴに含まれるペ クチンなどが特に良い食品です。 成分として、硫黄を含んだアミノ酸、メチオニンなどを含んだ豆乳なども良いです し、海草のぬめりのアルギン酸なども良い食品と言えます。 体に溜まった毒素を解毒する(その2) 前回は、体に貯まった有害物質の70パーセントは、腸から便に混じって排泄さ れるというお話しをしましたが、それでも、便秘がちな人の場合は、腸内のバラン スが崩れて、免疫力の低下を起こします。 その結果、体のいろいろなところに、さまざまな症状が出てきます。 便秘の人、下痢の人、疲労感や全身の 怠感を感じる人、眩暈や眠れないとか、ア レルギー、皮膚の症状のある人など、このような症状のある人は、腸内を洗浄する ことによって、病気を予防したり、腸内のバランスを整え、エネルギーを高める効 果があります。 便秘で悩む人は、食欲不振になったり、疲れやすくなったり、あるいは、肩こり や腹痛、肌荒れ、吹き出物、さらに、動脈硬化や高脂血漿、糖尿病などになる可能 性が高いです。 そうなると、交感神経の刺激興奮が続いて、自律神経失調症の諸症状が出やすくな ります。 たかが便秘と思っていると、大変なことになってしまう場合も多いです。 病気の根源にもいろいろありますが、その1つに、腸内の環境悪化があり、腸が 伸びて来る人がいます。 便秘を治そうと、薬に頼ってしまうと、腸の中が黒くなってしまいます。 まさに、腹黒の人間になってしまいます。 体に溜まった毒素を解毒する(その3) 人間の体の中には、知らずしらずのうちに毒素が貯まってしまうというお話しを しましたが東洋医学では、これを万病一円、血の汚れから生ず(しょうず)と言い ます。 その血の汚れを、毎日外に棄ててくれるのが尿です。 腎臓が悪くなって、尿が出なくなると、体内に老廃物が充満して尿毒症になり、命 の危険が出てきます。 日頃、尿を良く出すには、ゴボウや、玉ネギ、山いもなどの根の野菜を食べること が大切です。 血液を汚す1番の原因は便秘ですから、日頃から便通を良くするプルーンや、すり 下ろしたリンゴ、野菜や海草類、豆類、コンニャクなどの繊維質の多い物を食べ て、まず、便通を良くすることが大切です。 次に大事なのが、汗です。 汗は、老廃物と水ですから、ほとんど尿と同じ成分です。 日頃から運動をしたり、入浴するなどで、しっかりと汗を出すことと、ショウガ や、七味唐辛子などを利用して、発汗作用を高め、汗を出すことです。 しかし、このようにして排泄できるのは、水に溶ける毒素だけで、水に溶けない他 の老廃物は、吐く息とともに出て行きます。 日頃から、よく話しをしたり、歌ったりして、呼吸の吐く量を多くすることで、血 液中の老廃物が漏れて解毒、いわゆる、デトックスになります。 便も尿も汗も、あるいは、吐く息も、これらは全て排泄現象ですが、体温が高くな ると、排泄現象は強くなります。 そこで、熱を出すのに手っ取り早い方法は、風呂に入ることです。 シャワーをやめて、是非お風呂に入ることをお勧めします。 風呂はどうもと言う人は、43℃程度の湯を洗面器などに張って、手首から先を暖 めると、腕や肩、首の血行が良くなって、肘や肩こり、頭痛などが軽くなります。 また、これと同じように、足首から先を浸けると、腰から下の血行が良くなって、 足や膝、腰の痛みが和らぎます。 さらに、腎臓の働きが良くなり、尿の量が増え、これだけでも発汗作用が起きます ので、解毒にも効果が期待できます。 効果を増すには、塩を一つかみいれるとか、すり下ろしたショウガを入れると、更 に体が温まります。 最後に、体を温めて、発汗、排尿、排便を促して血液中の老廃物を解毒するショ ウガ紅茶を紹介します。 これは、普通の紅茶を熱く入れて、すり下ろしショウガと、黒砂糖を自分の好みの 量を入れて、1日に2∼3杯飲みます。 しょうが紅茶は、とても体が温まって尿も出やすくなるだけでなく、汗も出て気分 が良くなり、風邪も引きにくくなりますし、冷え性の人にも効果があります。 冷え性の人が、これを寝る前に飲む場合は、紅茶ではなくて、普通のお湯にして飲 むと、温かくなる上に、寝つきも良くなります。 体に溜まった毒素を解毒する(その4) 体内の毒素を出すには、血液の流れを良くして、代謝を良くする必要がありま す。 それには、風呂に入るとか、運動をするなど、体を温めることで尿が出やすくなっ たり、汗と一緒に老廃物も出て行きます。 逆に、体を冷やすと、血液の流れが悪くなるばかりでなく、老廃物の排泄が悪く なったり、血液の中に糖分や中性脂肪、コレステロールなどの余剰物が貯まり、肥 満や脂肪肝、糖尿病など、さまざまな病気の原因になります。 また、体温が1℃下がると、免疫力は30パーセントほど落ちますので、病気にな る可能性が高まります。 冷えを防ぐのに、食事面をどのように改善したら良いのかですが、東洋医学で は、全ての物を陰(いん)と陽に分けていて、食べ物も陰と陽に分けています。 トマト、キュウリ、スイカのように体を冷やす食べ物を陰性の食べ物と言い、逆 に、根菜、梅干し、味 、自然塩のような体を温めるような食べ物を陽性の食べ物 と言います。 そして、体の温かい体質の人を陽性体質と言い、筋肉質の男性がほとんどです。 逆に、冷え性の人を陰性体質と言い、ほとんどの女性がこのタイプです。 冷え性の人は、体を温める陽性の食べ物を、逆に、体の温かい人は、体を冷やす陰 性の食べ物を食べると健康になれると考えられています。 日本人は、36.5℃の平均体温を持っている人は少なく陰性体質の人が増えて います。 体を温める陽性食品を食べて、血液中の老廃物を防ぐことが健康の基本になりま す。 陰性と陽性の食べ物の見分け方は、青白緑色の物は、体を冷やす陰性の食べ物で す。 逆に、赤黒ダイダイ色は、体を温める陽性の食べ物です。 体の温まる食べ物を食べて、運動をして汗をかき、解毒を進めることが大切です。 冷え性の人は塩も必要ですが、取りすぎると逆効果になりますので注意が必要で す。 体に溜まった毒素を解毒する(最終回) これまでは、体の毒を出そうと言う内容でお話してきましたが、最終回の今回 は、身近な体の毒素、便秘についてのお話しです。 便秘で悩んでいるのは、女性の方が多いですが、便秘になると、どんな悪影響があ るのでしょうか? 食べた物の残り糟を外に出すと言う排泄は、とても大事なことです。 腸内細菌は、善玉菌と悪玉菌、そして、どちらとも言えない日和見菌で構成されて います。 便が長期間に渡って腸内に滞ると、悪玉菌の力が強くなって、腸内環境を乱して しまいます。 その悪玉菌が、更に体に悪影響を与える物質を作り、そのために、免疫力を低下さ せたり、腸の壁を傷つけてしまったりするなど、結果的には発癌物質や、老化物質 も作るのではないかと言われています。 便秘にも、さまざまなタイプがあり、1番多いのは常習性便秘で、便秘の分け方 は、腸の働きから分けています。まず、便意を我慢してしまい、その繰り返しに よって、便意のサインが脳に伝わらなくなってしまう直腸性便秘があります。 それから、腹筋が弱くなったために、腸の動きが悪くなってしまう弛緩性便秘や、 ストレスなどによって、逆に腸の動きが動きすぎて、腸が痙攣してしまうような痙 攣性便秘の3タイプに分けられます。 とはいえ、便秘の原因には、さまざまなことが関わっていますので、これは1つ の目安にしかなりません。 女性が便秘になりやすい原因の1つは、女性ホルモンの影響で、女性ホルモンの中 の黄体(おおたい)ホルモンが分泌されると、腸の蠕動運動が抑制されて、便秘に なりやすくなります。 その関係で、生理前になると便秘傾向になります。 その他、女性は男性に比べて、筋力が弱いということがあります。 腹筋が弱いと、排便がスムーズに行かなくなり便秘になりやすくなります。 それと、女性の場合は冷えやすいと言うことがあり、冷え自体が腸の動きを抑制し てしまったり、便意を催しても、トイレに行くのが恥ずかしいといって、我慢して しまうことが便秘を作っていることもあります。 また、過度なダイエットによって、食事の量が少なくなることで、トイレに行く回 数が少なくなるのも便秘の原因になります。 では、便秘を防ぐにはどうしたら良いのでしょうか? それには、よく言われている規則正しい生活と、適度な運動に尽きます。 これでは答えになりませんので、食物繊維を豊富に含んでいる物を食べることはも ちろん、腸内細菌を整えるためには、乳酸菌などの善玉菌を積極的に取ることが大 事です。 その時に、乳酸菌のえさになる栄養素のオリゴ糖を取ることが必要です。 オリゴ糖は、食物繊維から作られていますので、とても構造が似ているのです。 特に、女性の場合は、大豆から作られているイソフラボンが、ホルモンバランスを 整えてくれます。 その他にも、ハーブティーのペパーミントが、便秘には効果があります。 これは、腸の蠕動運動を回復させて、老廃物を排出させてくれるためです。 *****有害物質、有害金属を排出、排泄する方法、栄養素***** ●セレニウム(セレン)には直接有害金属と結合してその毒性を消す働きがありま す。 ビタミンEを一緒に摂ると、相乗作用で過酸化を防ぐ作用が強まり、セレンが水銀 の毒性を抑える効能もより強くなります。 ・セレニウムを多く含む食品 魚介類、海草類、精製度が低い穀物類、玄米、レバー、ニンニク、タマネギ ●亜鉛はカドミウム、水銀、鉛などの有害金属と結合してその毒性を消去させるたん ぱく質の生成に関ります。 ・亜鉛を多く含む食品 カキ、納豆、ホタテ、鳥レバー、アーモンド、そば粉、イワシ、豆腐、鳥ササミ ●遠赤外線サウナは重金属を排出させます。 ・汗をかくこと、水をよく飲むことも有害物質の排出に効果があります。 ●キチン・キトサンは水銀、カドミウム、ウラン農薬、添加物、塩素、ダイオキシン などを排出します。 高分子キトサンでは体内に吸収されません。水溶性キトサンをお薦めします。 ●食物繊維はダイオキシン等を排出させます。 ●葉緑素(クロロフィル)はダイオキシン、農薬等の薬物を体内から除去します。 ●活性炭には着色料、香料、有毒物質を吸収する働きがあります。 ●メチオニンには毒性のある金属の排泄作用があります。 ●ビタミンC、クエン酸、リンゴ酸はカドミウムや鉛の毒性から守ってくれます。 レモン、梅干し等に含まれています。 ●昆布に含まれているアルギン酸、ニンニクや玉ねぎなどに多く含まれている硫黄化 合物、貝類やたこ、いかなどに多く含まれているタウリン(含硫アミノ酸)、玄米 に含まれているフィチン酸、コリアンダー(中国パセリ)等には重金属をキレート する効果があります。 ●ゲルマニウム温浴にはデトックス効果があります。 *****有害な重金属類***** 鉛、砒素、水銀、カドミウム、アルミニウム等は微量でも知能、精神に重大な影響 を及ぼします。 渋谷にたむろする少年達の体内のミネラル量を毛髪検査で調べたところ、水銀の濃 度が極めて高かったそうです。 また、現代日本人においては、水銀、砒素の過剰な蓄積はめずらしくないことのよ うです。 しかしそれらの金属を体内から取り除けば、知的機能は再び正常に働くようになり ます。 重金属の排泄は知的障害児、自閉症児の治療としても行われています。 これらの金属の排出にはセレニウム(セレン)、亜鉛、メチオニンがとりわけ効果 があるようです。 ●アルミニウム ・汚染源 アルミ鍋、ベーキングパウダー、冷凍こね粉、チーズ、ミョウバン(ホットケーキ 等)、制酸剤などの胃薬、料理のふくらし粉、歯磨き剤、アスピリン、発刊抑制 剤、下痢止め、他種々の薬品、化粧品、調理器具、食器、アルミ缶、アルミホイ ル、タバコ水処理剤、殺虫剤、消化剤、排気ガス ・排出を促進する物質 マグネシウム、カルシウム、ビタミンB6 ●水銀 ・汚染源 歯科治療用アマルガム、魚介類(特にマグロ)、 柔軟剤、防カビ剤、一部の医薬品 ・排出を促進する物質 セレニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、ビタミンA、C、E、メチオ ニン ・虫歯の詰め物にアマルガムを使用している人は他の素材の詰め物に交換しましょ う。 ●鉛 ・汚染源 水道の鉛管、陶磁器の釉薬、 排気ガス、殺虫剤、煙草、塗料、鉛筆、はんだの煙 ・排出を促進する物質 カルシウム、鉄、セレニウム、亜鉛、ビタミンC、E、メチオニン ●砒素 ・汚染源 土壌、残留農薬、殺虫剤、排気ガス、木材の防腐剤、シロアリ対策、染料、高級絵 の具、歯科治療などの医薬品 ・排出を促進する物質 カルシウム、鉄、セレニウム、亜鉛、マグネシウム、ビタミンC ●カドニウム ・汚染源 タバコの副流煙、排気ガス、生活排煙、汚染された食品、飲料水 ・排出を促進する物質 カルシウム、鉄、セレニウム、亜鉛、銅、ビタミンB1、C、E、メチオニン ●ベリリウム ・汚染源 大気汚染 ****対酸化効果,抗ガン効果,睡眠不全に対するメラトニンの効果***** メラトニンは、人間の体内リズムを担う、脳の松果体で分泌されるホルモンです。 沈静作用があるので気分をリラックスさせる効果があるといわれています。がんや エイズに効果があるといわれていますが、睡眠への効果が注目されています。不眠 症の方には興味深い薬・サプリだと思います。 少量のメラトニンの使用は睡眠を促進し気分がよくなる,免疫力を高める,体内の 活性酵素を減少させる効果が報告されています。 特に軽い睡眠障害や海外旅行者の時差ぼけに効果を発揮するほか、免疫機能を高 め、抗がん効果、体内の活性酸素を減少させたり、抗酸化体効果などがあると報告 されています。 アメリカでは、医薬品扱いではなく、健康補助食品扱いと認められていますので、 規制なくサプリメントとして購入できます。 メラトニンは夜,通常就寝約30分前に服用することで睡眠導入効果が得られます。 また、ケールという野菜をご存知でしょうか。青汁としてしられているこのケール という野菜にもメラトニンは含まれています。 この青汁を習慣的に飲めば天然素材なので安心してしかも体にいい栄養素とともに メラトニンを体内に吸収することができますね。サプリも手軽でいいですが、でき ることなら自然の食品から取れるものなら摂取したいですね。 メラトニンは、朝起きて規則正しい生活を送ることによって昼活動し、夜になると 自然の睡眠を促す、そして朝は疲れがとれすっきりとした目覚めで起きることがで きる、そのような効果を発揮しますが、このリズムは体内で自然に作られるもので す。 化学物質に頼る前にまず、自分の生活習慣を振り返り、日常の生活や食生活を見直 しましょう。 精神科の「クスリ」をやめたら「病気」が治った∼減薬・断薬のすすめ *薬を割る 減薬前は、1日に、0.4mgの錠剤を4錠飲んでいました。この量は「常用量」めいっぱ いです。13年間飲み続けました。 飲む量を半分の量にするのは比較的楽だ、ということで、まず、錠剤の真ん中に折 り目が付いているので、手で、薬を半分に割って飲み始めました。 これを1日に4回です。この状態で2週間。多少の「離脱症状」が出始めますが、なん とか我慢出来るほどです。 次に、さらに半分にします。ここからは、果物ナイフを使いました。刃が薄くない と、砕けてしまいます。 粉が他の人の口に入らないように、キッチンペーパーの上で、果物ナイフで割り、 キッチンペーパーを捨てます。 他の割る方法には、「ピルカッター(薬の錠剤カッター)」というものがあり、丁 寧に割るには、こちらを購入されてもいいと思います。 1錠を1/4にしたものを、1日4回飲みます。 このあたりから「離脱症状」が強まってきます。重要なのは「心が折れない」こと なので、我慢出来ないほどの離脱症状が出たら、一度、薬を1/2錠×4回に戻しましょ う。 そして、何度か減らしたり、戻したりを繰り返し、1/4錠に体を慣らしていきます。 ここからは、人によって状況が変わりますが、私は、2週間ほど、この状態でした。 さらに、1/8錠にします。この状況が「離脱症状」のピークです。あらゆる状況が出 てきます。 そこで、僕は、1/8錠を1日4回とせずに、必要な回数飲む、ということに切り替えま した。「1回の量が少ないことに体を慣らす」という目的です。 1日に1/8錠を4∼8回飲みました。 離脱症状が強く、我慢が出来ないときには、躊躇せずに飲む。 「せっかくここまで減らしたのに」は、強い離脱症状の我慢が必要となり、「心が 折れやすく」なります。とにかく「我慢」は出来る範囲で、「我慢できない」とき は「飲む」。大事です!! この状態を1ヶ月半続けました。この状態をキープすることが重要で、「足踏み」の ように感じますが、ここが耐えどころです。 いきなり、いっぺんに「楽」になることはありませんでしたが、日に日に回復を感 じることが出来るようになったのが、2ヶ月目ぐらいです。なくなっていた感覚が戻 り初め、辛かった症状が消え始めます。 そして、少しずつ1/8錠を飲む間隔をあけ、1日に3回、2回と減らしていき、最後、 ふと薬を飲まなかったらどうなるのかなと「断薬」しました。 減薬は「3歩進んで 2歩さがる」の繰り返しです。良くなったかと思えば、また揺り 戻しで苦しくなる。 何度も何度も書きますが、いかに、揺り戻しで辛くなった時に、「心が折れず」 に、状況を理解して、乗り越えるかだと思います。2歩下がる時こそ、減薬を成功さ せる秘訣があります。 *離脱症状一覧:ソラナックスなどのベンゾジアゼピン系 <抗不安薬(精神安定剤)> ソラナックス、デパス、メイラックス、ワイパックス、レキソタン、リーゼ etc <睡眠薬> ハルシオン、サイレース(ロヒプノール)、アモバン、マイスリー etc ベンゾジアゼピン系の抗不安薬や睡眠薬を「減薬」「断薬」したときに現れる「離 脱症状」をまとめてみました。 僕が「減薬・断薬」をした中で、このベンゾジアゼピン系の薬は、もっとも、しつ こくやっかいでした。そして、離脱症状が「固定化」してしまう怖さがありまし た。Wikipediaの「ベンゾジアゼピン離脱症候群」のページから、症状を抜き出し、 僕が体験したものと合わせて、それが「どうなったか」を説明しました。 ちなみに、今、後遺症として「固定化」している症状は、ほぼ全く(原疾患を除 く)ありません。 <離脱症状一覧> ●ヒステリー球(咽喉頭異常感症) →もともとこの症状がありました(原疾患)。減薬中は特に頻繁に出ました。 →原疾患なので、時々感じますが、慣れました。 ●顎ががくがくする →なにか顎がはずれそうな、力が入らないような感覚がよくあり、ガクガク震えま した →消えて、全くありません。 ●湿疹・蕁麻疹→ずっと原因不明の湿疹があり、皮膚科を ては消えを繰り返しました。 りました。減薬中も、出 →今は綺麗な肌になり、消えました。 ●首のつっぱり・こり →首から耳の周りにかけて、つっぱって、ピクピクしました。僕は特に右側がよく でました。 →出ることがだんだん少なくなり、消えました。 ●顔が腫れる・顔が赤くなる →鏡を見ると、頬が片方だけぽっこり腫れていて、違和感があります。特に右側に 出たのですが、左にも出ました。熱かったり、ウォーキングの後にでました。ま た、子どもみたいに、「赤ら顔」になり、頬がいつも赤かったです。これは、薬の 添付資料の「副作用」の欄にものっていました。 →腫れは収まりましたが、赤ら顔は続きました。しかし、今は消えています。 ●脱毛・髪質の変化 →おでこのラインがどんどんあがっているのに気がつきました。髪の毛が抜けてハ ゲていきました。とてもショックでした。また、ネットで読んで、まさか、と思っ ていたのですが、髪質が、突然「天然パーマ」「強いくせっ毛」になりました。ご わごわです。こんなことまで変わってしまうのか、と驚きました。そして、髪の毛 がなかなか伸びません。ひげも伸びるのが遅くなりました。 →脱毛はとまり、なんと髪の毛がはえてきています。鏡で見ると、以前毛がなかっ たところがぐんぐん伸びています。また、天然パーマもよくなりました。伸びるス ピードもいつも通りです。 ●うづきと痛み →皮膚の表面がピリピリしたり、太もも、ふくらはぎが「つったり」「筋肉痛」に なったり、「腰痛」が出たりしました→出たり、出なかったりを繰り返しながら、 消えていきました ●動揺また落ち着かない →後半期、何か心の奥がざわざわしたり、焦ったり、そわそわしました。→今は消 えました ●アカシジア(座ったままでいられない、じっとしていられない、下肢のむずむず感 の自覚症状であり)→「向精神薬」の副作用として多いようです。出ました。とに かく足がムズムズしたりして、もんだり、軽く叩いたりしました。→出たり、出な かったりを繰り返しながら、消えていきました ●不安、恐怖とパニック発作 →もともとの「原疾患」が「パニック障害」なので、何度もパニック発作が出まし た。以前なら飲んでいた「頓服」を飲まないで、ドクンドクンする体を感じなが ら、布団の中でじっとしてました。→気がつくと、ほとんど出なくなりました。 ●かすみ目→メガネをかけているのですが、急に、さらに目が悪くなり、焦点が合い ません。目の周りを押したり、マッサージすると見えるようになったりしました。 →薬が抜けていくと、だんだんと目が見えるようになりました。 ●胸痛→肋骨の真ん中あたりが、キリキリと痛みました。初期の段階で出ました。→ 気がつくと「痛み」がなくなっていました。 ●離人症→「自分が自分でない感覚」。「統合失調症」の症状と似ているので、離脱 症状の「離人症」が出ているときに診察を受けると「誤診」されるケースもあるそ うです。「離人症」は、もっともやっかいな離脱症状の一つで、最後まで出続けま した。自分の手や足なのに、自分の感覚がなく、よくモノを持っては落としまし た。 →段々「自分に近づいてくる」という感覚で、自分の元に感覚が返ってきて、今は 消えました。 ●抑うつ(深刻となりえる)、自殺念慮もありうる →「減薬・断薬」前の一番苦しかったことは「自殺念慮」「希死念慮」でした。減 薬を初めて1ヶ月。「希死念慮」が消えているのに気がつき、とても喜びました。そ の後、時々、急に症状が出ることはありました。 →「断薬」しての一番の「好転」と言っていい「希死念慮が消えた」です。あれほ ど毎日「死にたい」と想っていたのに、今は毎日「生きていて良かった」と想って います。本当に「薬を止めて」良かったです。 ●現実感喪失 →「離人症」と重なる部分がありますが、「記憶」があいまいになり、過去の事が 思い出せなくなりました。また、人と話していても、これが夢が現実かわからなく なることが多かったです。 →段々「現実に戻ってくる」感覚で、今は消えました。 ●下痢 →小さい頃から「下痢」体質でした。精神科の薬を飲むようになり「副作用」で 「便秘」になり、便秘薬を常用していました。「減薬」で薬が抜けていくと、下痢 になったり便秘になったりが繰り返されました。 →食生活の改善もあって、下痢をすることが少なくなりました(原疾患は残る) ●瞳孔拡大→分かりませんでした。 ●めまい→レキソタン(セニラン)の離脱症状のメインと言ってもいい「めまい」 は、立っていられないほど続きました。しかし、この「めまい」が少なくなること が、離脱症状からの回復のめやすでした。 →後半は、ほとんど意識しなくなり、最後には消えました。これにはホッとしまし た。 ●複視(ものが二重に見えるなど) →かすみ目にも近いのですが、ちゃんと遠くが見えないなど、急激な視覚の変化が ありました。 →だんだん「見える」ようになり、消えました。 ●口渇 →抗うつ剤の服用の副作用で「口渇」がひどく、いつも水を飲んでないと、口の中 がくっついていました。 →減薬していくと、逆に唾液がよく出るようになり、口が渇くことはなくなりまし た。 ●不快 →ずっと体の中が気持ち悪い感じがありました。 →出たり出なかったりを繰り返して、消えました。 ●電撃の感覚 →足や胸、手、顔などが、「感電」したみたいにピリピリとしています。酷いとき は、痙攣も伴いました。 →出たり出なかったりで、「出た出た」と思いながら観察していました。今は消え ました。 ●血圧の上昇 →「減薬」中に血圧を測ると160/114でした。普段は120/80ぐらいでした。頭に血が のぼり、のぼせたような感じや、圧力が高まり、目の周りが押されるような痛みが ありました。→徐々に楽になっていき、消えました。 ●疲労と衰弱 →「減薬」後半、体の感覚が戻ってくると、一気に疲れやすくなりました。もしか したら、疲れを感じる、ようになったのかもしれません。免疫力が落ちるので、と にかく「風邪」などをひかないように気をつけました。 →今は、 怠感はなく、元気です。 ●インフルエンザ様症状→僕には出ませんでした。 ●胃腸の問題 →「吐き気」「食欲不振」はずっと続きました。断薬まで10キロ以上痩せました。 しかし、無理して食べなくても、体が求めていないと理解して、栄養ゼリーやサプ リメントなどで栄養を補いました。 →今は、もりもりご飯を食べています。 ●聴覚障害 →減薬してすぐに出た離脱症状。聴覚が過敏になります。寝ていても、外の風の音 がうるさすぎて目が覚めたり、テレビや音楽の、特に「高い音」がうるさく、耳栓 をしたり、音を小さくしていました。聞こえすぎてしまうのです。 →段々、不快な感じはなくなり、逆に、今までよりも「音」がはっきり、良く聞こ えます。 ●嗅覚過敏 →台所やトイレなどで、やけに「ニオイ」を感じます。 →ただ、良くニオイがするようになった、ということで、あまり不快ではなく、消 えました。 ●頭痛 →朝起きると、頭痛とめまいが多かったです。首の後ろが、とても冷たくなり、 こっていました。そういったときに頭痛はおきました。ひたすら手を当てて温めた り、マッサージをしました。首の後ろを触るのが習慣になったほどです。 →日常的な「頭痛」は昔からあるので、その程度です。 ●火照りや寒気 →減薬中に、突然やってきた「冷えのぼせ」。顔がとにかく熱く、足がキンキンに 冷えました。「命の母」という薬をドラッグストアで買ったほどです。(結局飲ま ず) 常に、自律神経の乱れから「体温調節」がうまくできず、とにかく寒くてストーブ の前に座ったり、急に全身が熱くなったりしました。 →急激に出てびっくりしましたが、1週間ほどで消えていました。 ●入眠時の幻覚 →僕は「離脱症状」で「幻覚」は出ませんでした。 ●触覚に対する過敏 →体に触れるモノが、やけに痛かったりしました。靴下をはくだけでも足の指が痛 んだり。ズボンがふとももにこすれて痛かったり。 →今は、なにごともありません。 ●頻尿 →もともと「おしっこ」は近い体質(原疾患)だったのですが、酷いときは10分に1 回くらい行くときもありました。 →今は通常に戻っています。 ●不眠症 →みなさんが「離脱症状」で一番苦しむ「不眠」です。僕も、1,2時間睡眠も多く、 次の日に寝不足で心も体も絶望的になることが多々ありました。これにつきまし て、別項目で書きます。簡単に。寝るための準備を丁寧にし、30分の半身浴、スト レッチ、ホット豆乳などを徹底しました。 →今は「薬」も「お酒」も飲まずに、7時間は熟睡しています。「不眠」は治りま す。 ●記憶と集中の障害 →昔の事が思い出せなくなったり、一つのことを長く続けられなくなったり、「以 前は出来たのに」とか「自分はどうしたんだ」と、何回も悲観しました。 →だんだん思い出せるようになり、集中力もつき、治りました。 ●金属味(味覚の問題) →僕は「金属味」という感覚は分かりませんでした。味覚は、食事をしても全く味 がしない、という症状が初期に現れました。口の中の感覚がなく、よく舌や頬を嚙 みました。歯医者で麻酔をした後のようです。 →だんだん感覚が戻り、熱い、冷たい、甘い、辛いを感じるようになり、今では食 事が豊かな味で美味しくなりました。 ●軽度から中等度の失語 →人と話していても、自分の思っている言葉が出ないことが、初期の頃によくあ り、後で思い返して「自分は何をしゃべっていたんだ」と落ち込みました。 →今ではよくしゃべり、以前にもどりました。 ●筋けいれん、筋肉痛、筋攣縮 →ベンゾジアゼピン系の離脱症状では、よく出やすいという「筋」系の症状。まぶ た、頬、ふくらはぎ、ふとももなど、出やすいところがあり、いつも「ピクピク」 していました。「ミオクロース」とも言います。また、原因がわからず「筋肉痛」 「腰痛」になりました。 →体のピクつきは消え、筋肉痛、腰痛なども消えました。 ●吐き気と嘔吐 →吐き気は、症状が悪化したときに、よく出て、たいていご飯が食べられなくなり ました。「嘔吐」は、もともと「吐けない」人だったので1度もありませんでした。 →いつの間にか消え、ご飯を普通に食べています。 ●悪夢 →薬を飲んでいるときから、「悪夢」と、枕にシミが出来るほどの「寝汗」でし た。これが「減薬」を始めると「不眠」とセットになり、ちょっと寝ても「悪夢」 で起き、体中汗びっしょりでした。 →いつの間にか、夢をみなくなり、熟睡しています。睡眠薬をやめたら「熟睡」出 来るようになりました。不思議です。 ●しびれとうづき →減薬初期に、まず「現実感」や「感覚」がなくなり、触っても感じず、足先など はいつもしびれていました。半身浴でお風呂にゆっくりはいり、マッサージなどを 繰り返しました。「むずむず足症候群」の診断も受けていたので、体の中の「うず き」が酷かったです。 →薬をやめると、うずきなどの不快は症状は消えました。むずむず足症候群も治っ ていました。 ●強迫性障害(自分の意思に反して繰り返す強迫感) →特に感じませんでした。 ●汗 →減薬・断薬をすると、脳が一時的に麻痺して、特に「自律神経」に異常が出ま す。「自律神経失調症」の症状を見ると、ほとんどにあてはまります。その中で 「手汗」「足汗」「脇汗」など、大量に出ます。何かを持つと濡れ、靴下も1日に数 回替えないと、ビッショリでした。下着もしょっちゅう替えていました。 →もともと「手汗」などをかく人だったので、今でもそれなりに汗ばんでいます が、離脱症状としての大量の汗はなくなりました。 ●羞明(光で目が痛い) →視覚過敏といいますか、テレビ、パソコン、スマホ、さらには太陽の光すらまぶ しくて、サングラスみたいなのをかけてテレビを見ていました。ちょっと斜めに なって見たり。それで、目の周りが緊張し痛くなりました。 →晴れた日でも、太陽の光を心地良いと思え、テレビ、パソコンなど、全く問題あ りません。 ●起立性低血圧(立ちくらみ) →10代の時に、朝布団から起きられずに、内科で「起立性低血圧」と診断されまし た。初期は、座っていて立つときや、布団から起きるときに、よろけてばかりいた り、目の前が真っ暗になったりしました。 →今は意識することはなく、消えました。 ●反跳性REM睡眠(リバウンド・インソムニア) →睡眠薬をやめたときに、急に眠りが浅くなったり、寝れなくなったりする症状で す。「不眠」と同じようなことだったので、出ました。 →今は、普通に寝れています。この「普通に寝れる」ということが、奇跡のようで す。 ●むずむず脚症候群 →薬服用時から、特に夏場に、足がむずむずしてしょうがなくなり、診断されまし た。シャワーをかけたり、マッサージをしたり、時には、寝ているときに自分の足 で自分の足を蹴ったりしていました。とても不快で苦しかったです。 →これも「断薬」して、本当に良かった中の一つで、全く消えました。いつもマッ サージしてくれていた父親が驚いていました。 ●凝り →減薬初期は「だんだん感覚がなくなり」ます。そしていったん、ほとんど感覚が なくなると、今度は感覚が戻り始めました。脳が、薬なしの状態に変化していった のだと思います。その「なくなる」時と「戻る」ときに、体中がバキバキに凝って いる感じがしました。お風呂にゆっくり入ったり、サロンパスを貼ったりしていま した。 →もともと肩こりがあったので(原疾患)、それは残っていますが、体のこりは、 薬を飲んでいたときよりはるかに楽になっています。 ●頻脈 →精神科の薬を飲み始めてから、常に脈拍が「100」を越えていました。減薬中は、 段々脈がゆっくりになりましたが、体が脈に合わせて、ドクンドクンなる不快な症 状が続きました。 →今、血圧を測ると、120/80くらいで、脈拍は60くらいです。正常に戻りました。 ●耳鳴り →ネットの書き込みなどをみると、特に「メイラックス」の離脱症状で「耳鳴り」 が出るようです。僕も、気がつくと「キーン」としていて、時に大きな「キーン」 がやってきました。 →他の症状に比べると軽かったので、いつの間にか消えました。 ●振戦(ふるえ) →ベンゾジアゼピン系の離脱症状で出やすいようです。体が小刻みに震えます。 顔、手、足などがピクピクしています。僕が勝手に「しんぶる」と読んでいる、体 の芯がぶるぶる震える感じはずっとありました。 →今は、震えはありません。原疾患としても、手が震えるなどはありませんでし た。
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