市販直後調査・第 4 回中間報告

選択的 SGLT2 阻害剤
2 型糖尿病治療剤,処方箋医薬品注)
(エンパグリフロジン製剤)
注) 注意-医師等の処方箋により使用すること
市販直後調査・第 4 回中間報告
(2015 年 6 月 23 日現在)
謹啓
時下,先生方におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて,2015年2月24日に発売いたしましたジャディアンス®錠10mg・25mgの市販直後調査にお
きましては,多くの先生方にご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
この度,発売以降2015年6月23日までの4カ月間に,97例142件(重篤3例3件,非重篤94例139件)
の副作用が収集されましたので,ご報告いたします。
重篤な副作用は「糖尿病性ケトアシドーシス」,
「低血糖症」
,「ケトン尿」
(各1件)でした。
また,非重篤な副作用のうち3件以上報告された事象は,「そう痒症」(9件),「便秘」(7件),
「浮動性めまい」,「頻尿(夜間頻尿2件を含む)」
(各6件),「低血糖症」
,
「発疹」,「倦怠感」,「グ
リコヘモグロビン増加」
(各5件),「膀胱炎」,
「湿疹」,「筋痙縮」,「体重減少」(各4件),「下痢」,
「悪心」,「背部痛」,「排尿困難」,「陰部そう痒症」,「無力症」,
「異常感」
(各3件)でした。上記
以外の副作用の報告状況は,P5~P6の表「報告副作用中間集計」をご参照ください。
-1-
糖尿病性ケトアシドーシスについて
本剤投与後に報告された「糖尿病性ケトアシドーシス」の重篤1症例の概要をお示します。本
症例は発現後の検査により内因性インスリン分泌能が低下している2型糖尿病患者であると判断
されました。
インスリン分泌能が低下している患者では,糖尿病性ケトアシドーシスの発現に注意してくだ
さい。
性
年齢
別
処方薬
1日
処置
投与量
疾患名
男 30 ジャディアンス錠 10mg 中止 2型糖尿病
性 歳代 メトホルミン塩酸塩 500mg 中止 高血圧
脂質異常症
タバコ使用者
アルコール摂取
疾患・
区分
合併症
合併症
合併症
合併症
合併症
有害事象・PT 名
糖尿病性ケトアシドーシス
嘔吐
倦怠感
脱水
発現か
発現ま
ら転帰
での日
転帰
までの
数
日数
3日
5日
3日
3日
9日
-
-
-
回復
未記載
未記載
未記載
重篤性
因果関係
重篤(入院)
重篤でない
重篤でない
重篤でない
否定できない
否定できない
否定できない
否定できない
前治療薬:不明
本剤投与開始時 随時血糖:789 mg/dL,HbA1c:14%以上
発現時 総ケトン体:16,047 µmol/L,アセト酢酸:4,272 µmol/L
発現後 血中 C ペプチド:0.3 ng/mL,総ケトン体:98 µmol/L
処置:生食補液+ヒューマリン R の経静脈持続投与
低血糖症について
本剤投与後に「低血糖症」(6件)が報告されており,うち1件は重篤な症例でした。重篤症例
の概要をお示しします。
本剤と他の糖尿病用薬との併用においては,低血糖症のリスクが増加するおそれがありますの
で十分に注意してください。
性
年齢
別
処方薬
1日
処置
投与量
疾患名
男 40 ジャディアンス錠
10mg 継続 2型糖尿病
性 歳代 メトホルミン塩酸塩
1250mg 中止 脂質異常症
ミチグリニドカルシウム塩
-
継続
酸塩水和物
アログリプチン安息香酸塩
-
継続
/ピオグリタゾン塩酸塩配
合剤
疾患・
区分
原疾患
合併症
発現か
発現ま
ら転帰
有害事象・PT 名 での日
転帰
までの
数
日数
低血糖症
体重減少
筋痙縮
4日
-
4日
-
-
-
重篤性
因果関係
回復
重篤
否定できない
未記載 重篤でない 否定できない
回復
重篤でない 否定できない
発現時 血糖値:未記載
処置:メトホルミン塩酸塩のみ投与中止
また,『SGLT2 阻害剤の適正使用に関する Recommendation』※での下記記載をご参照ください。
Recommendation(抜粋)
:
1. インスリンや SU 薬等のインスリン分泌促進薬と併用する場合には,低血糖に十分留意し
て,それらの用量を減じる。インスリンとの併用は治験で安全性が検討されていないことか
ら特に注意が必要である。患者にも低血糖に関する教育を十分行うこと。
7. 原則として,本剤は当面他に 2 剤型程度までの併用が推奨される。
※ 社団法人日本糖尿病学会「SGLT2 阻害薬の適正使用に関する委員会」より発出(策定:2014 年 6 月 13 日,改訂:
2014 年 8 月 29 日)
-2-
ケトン体増加について
本剤投与後に報告された「ケトン尿」の重篤症例1例の概要をお示しします。現時点で詳細な
症例の情報は得られておりません。
本剤の作用機序により,血糖コントロールが良好であっても尿中ケトン体陽性又は血中ケトン
体増加がみられることがあります。患者の症状,血糖値などの臨床検査値を確認し,インスリン
作用不足によるケトン体増加と区別してください。
性別 年齢
不明
処方薬
不明 ジャディアンス錠
1日
疾患・
処置 疾患名
投与量
区分
有害事象・PT 名
発現までの 発現から転帰ま
転帰
日数
での日数
-
ケトン尿
-
-
-
-
-
重篤性
未記載 重篤
因果関係
否定できない
発現時 血糖値:未記載
皮膚症状について
本剤投与後に「そう痒症」(9 件)
,
「発疹」(5 件)
,「湿疹」
(4 件)及び「そう痒性皮疹」(1 件)
等が報告されており(いずれも非重篤),これら症状の発現までの日数について情報が得られて
いる症例のうち 9 例は投与後 1 日~10 日,5 例は 18 日~62 日に発現が認められています。複数
の SGLT2 阻害剤において,薬疹,発疹,皮疹,紅斑などの皮膚症状は,非重篤のものを含め頻
度の高い副作用となっており,SGLT2 阻害剤投与後 1 日目からおよそ 2 週間以内に多く発症し
ています。本剤投与後は十分な観察を行っていただき, 薬疹を疑わせる紅斑などの皮膚症状が
認められた場合には速やかに本剤の投与を中止し,皮膚科にコンサルテーションしてください。
その他,本剤の使用に際しましては,「多尿・頻尿」,「体液量減少に関連する事象(脱水,血
圧低下,脳梗塞を含む血栓・塞栓症など)」,「尿路感染症及び性器感染症」並びに「体重減少」
などの発現にご留意いただき,本剤の添付文書,適正使用のお願いなどをご参照の上,慎重にご
使用いただきますようお願いいたします。
また,本剤を処方いただく際は,下記【用法・用量】(添付文書からの抜粋)をご確認くださ
い。
【用法・用量】
通常,成人にはエンパグリフロジンとして 10mg を 1 日 1 回朝食前又は朝食後に経口投与する。な
お,効果不十分な場合には,経過を十分に観察しながら 25mg 1 日 1 回に増量することができる。
社団法人日本糖尿病学会「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」から『SGLT2阻害薬の適
正使用に関するRecommendation』が発出されておりますので,あわせてご参照ください。
(http://www.jds.or.jp/modules/important/index.php?page=article&storyid=48)
-3-
今後とも,適正使用のための情報収集に努める所存でございますので,引き続きご協力を賜り
ますよう,よろしくお願い申し上げます。
謹白
2015年8月
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
日本イーライリリー株式会社
-4-
ジャディアンス®錠 報告副作用中間集計
(2015 年 6 月 23 日現在)
器官別大分類
副作用名
感染症および寄生虫症 (9 件)
*
*
血液およびリンパ系障害 (1 件)
代謝および栄養障害 (13 件)
精神障害 (2 件)
神経系障害 (9 件)
眼障害 (3 件)
心臓障害 (2 件)
血管障害 (2 件)
呼吸器、胸郭および縦隔障害
(2 件)
胃腸障害 (20 件)
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
皮膚および皮下組織障害 (23 件)
*
*
*
*
*
外陰部腟カンジダ症
性器感染
腟感染
膀胱炎
帯状疱疹
溶血
過食
食欲亢進
食欲減退
糖尿病性ケトアシドーシス
高カリウム血症
脱水
低血糖症
不安
不快気分
頭痛
浮動性めまい
感覚鈍麻
精神的機能障害
眼痛
網膜出血
動悸
潮紅
高血圧
呼吸困難
咳嗽
下痢
便秘
消化不良
腹部膨満
上腹部痛
腹部不快感
悪心
嘔吐
口内乾燥
皮膚乾燥
皮膚障害
湿疹
そう痒症
そう痒性皮疹
発疹
脱毛症
爪破損
(次ページに続く)
-5-
発現件数
重篤
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
非重篤
2
1
1
4
1
1
1
1
1
0
1
2
5
1
1
1
6
1
1
1
2
2
1
1
1
1
合計
2
1
1
4
1
1
1
1
1
1
1
2
6
1
1
1
6
1
1
1
2
2
1
1
1
1
3
7
1
1
1
1
3
2
1
3
7
1
1
1
1
3
2
1
1
1
4
9
1
5
1
1
1
1
4
9
1
5
1
1
器官別大分類
筋骨格系および結合組織障害
(8 件)
腎および尿路障害 (11 件)
副作用名
*
*
*
*
*
*
生殖系および乳房障害 (4 件)
一般・全身障害および投与部位の
状態 (16 件)
臨床検査 (14 件)
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
傷害、中毒および処置合併症
(2 件)
社会環境 (1 件)
総計
*
*
*
*
筋痙縮
筋骨格硬直
背部痛
ケトン尿
排尿困難
排尿異常
頻尿
夜間頻尿
陰部そう痒症
外陰腟そう痒症
発熱
無力症
倦怠感
顔面浮腫
浮腫
末梢性浮腫
異常感
口渇
血中乳酸脱水素酵素増加
アスパラギン酸アミノトランスフェラー
ゼ増加
グリコヘモグロビン増加
尿中ケトン体陽性
体重減少
体重増加
擦過傷
皮膚擦過傷
運動不足
発現件数
重篤
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
非重篤
4
1
3
0
3
1
4
2
3
合計
4
1
3
1
3
1
4
2
3
1
1
1
1
3
5
3
5
1
1
1
1
1
1
3
3
1
1
1
1
0
1
1
0
0
0
0
0
0
0
3
5
1
4
2
1
1
1
139
5
1
4
2
1
1
1
142
【集計表をご参照いただくときの注意事項】
- 集計表の副作用名は,報告いただいた副作用名を ICH 国際医薬用語集日本語版(MedDRA/J)の基本語(PT:
Preferred Terms)に読み替えて記載しております。
- 本集計は,販売開始(2015 年 2 月 24 日)以降に第 1 報が入手された症例を対象とし,調査が終了していない症
例や評価の確定していない報告も含んでいるため,調査の進捗により,今後,その取り扱いが変更されることがあ
ります。
- *印は,集計時点の添付文書から予測できない副作用です。
- 表中の副作用名ごとの数字は,発現件数です。1 症例に複数の副作用を認めている症例もあります。
- 重篤の件数は,先生方から重篤とご報告いただきました件数に加えて,社内検討により重篤と判断した件数の合
計です。
- 本集計は,自発報告による症例の集計のため,総使用症例数が明らかではありません。したがって,発現頻度は
不明です。
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JAD-N005(R0)
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