生産者の詳細情報

2015 年 11 月吉日
~突撃★ドメーヌ最新情報!!~
◆VCN°29 カリーム・ヴィオネ
生産地方:ボジョレー
新着ワイン 3 種類♪
AC シルーブル ヴァン・ド・カヴ 2014(赤)
カリームの看板ワインであるシルーブル!2014 年もピュアで上品な果実味は健在!プラス、前年よりも
ワインがミネラリーで味わいに張りがある!開けたては香りが閉じていて、まだワインに硬さがみられるが、
時間が経つとともにワインに艶が出てきて、クランベリーなどの赤い果実の香りがどんどん開いてくる!個
人的には開けたてよりも、翌日の方がさらに美味しさが増す感じがしたのだが、それはカリームも同意見の
ようだ。ちなみに、キュヴェ名のヴァン・ド・カヴだが、ドメーヌのカーヴで造られたワインという意味と、
KAV カリーム・ヴィオネの省略名を掛けている。
AC シェナ 2014(赤)
カリームが新しくリリースするワイン!シェナは、一般的に力強さとフィネスを兼ね備えたワインと言わ
れるが、カリームのシェナは限りなくエレガント!畑はシェナでもムーラン・ナ・ヴァン寄りの標高の低い
所にあり、ブドウは早熟。カリーム曰く、畑はシルーブル同様に土壌は浅く、地中すぐ底に花崗岩の硬い岩
盤プレートがあり、ブドウの根は岩盤の表層を這うように伸びるため、ブドウの熟しが早く、果実味がピュ
アで早くから美味しく飲めるワインに仕上がるそうだ!
AC ムーラン・ナ・ヴァン 2012 年(赤)
2012 年は収量的にはとても厳しい年だった。だが、ワインの品質的には、前年よりもエレガントでスト
ラクチャーがはっきりしている!アルコールのボリュームに対する果実味とミネラルのバランスが良く、味
わいにフィネスを感じる!ガメイなのに、どこかローヌのエレガントなグルナッシュを彷彿させる!香りを
開かせるためにカラフすることをおススメ!
ミレジム情報
当主「カリーム・ヴィオネ」のコメント
2012 年は、2 月中旬と 5 月初めに霜が下り、特に 2 月の霜は最低気温がマイナス 15℃前後と近年にない
寒さを記録した。その影響でブドウの樹の一部樹幹が壊死するなど波乱含みのスタートだった。その後も 4
月から毎週のように雨が降り、気温の上がらない不安定な天候が 7 月いっぱいまで続いた。湿度の高い天候
は、ミルデューをはじめオイディオム、黒痘病など様々な病気を誘発し、畑全体に猛威を振るった。この時点
で収量は 60%減。だが、8 月から一転、気温が 30 度を超える暑さが続き、病気にやられたブドウは乾いて
落ち、収穫時は健全なブドウだけが残った。
2014 年は、2012 年 2013 年と打って変わってスタートが良く、まるで長く凶作に押しつぶされていたエ
ネルギーが一気に反発したかのようにブドウが成長した。開花も全て順調に終わり、成長サイクルとしては収
穫の早かった 2011 年を彷彿させた。だが、7 月後半に入り一転、雨が多く気温の上がらない不安定な天気が
続き、ブドウの成熟にブレーキがかかった。一時は去年や一昨年のよりも不作なのでは!?という心配もあっ
たが、9 月に入り一転天候が回復。ブドウは腐敗を最小限にとどめ、成長の遅れを一気に取り戻した。
「ヨシ」のつ・ぶ・や・き
今年に入り 3 年連続不作により資金難となり、個人民事再生を申請し、何とか試練を乗り越えているカリ
ーム。
「作業中正直何度も心が折れそうになった」と語る彼だが、唯一の支えとなったのは、彼のワインを心
待ちにするファンたちだった。彼曰く「最初、個人民事再生を申請した時は、『ヴィニョロンを辞めて昔のよ
うにパン職人に戻ろうかな』なんて考えたりもした。だが、皮肉なことに民事再生後は、好景気がおとずれた
ように新しいオーダーがどんどん入ってくるようになった。さらにブラジルの個人のクライアントができたワ
インと引き換えに無利子で融資してくれたりと、まだまだ自分はヴィニョロンとして必要とされている実感が
わいてきた!」と。
だが、そんな矢先の 9 月に最愛の父が他界した。
「この時は、さすがに人生どうでも良いという投げやりな
気持ちになった…」と語るカリーム。収穫の直前だというのに、まるで魂が抜けたように三日三晩ボーっとし
続けたそうだ。だが、そんな時に届いた一枚のオーダーが、彼を奮い立たせるきっかけとなったようだ…。そ
う、そのオーダーとは日本から届いたボジョレー・ヌーヴォーのオーダーである!「自分がドメーヌを立ち上
げるきっかけを作ってくれたのは日本。遠くで待っている日本のワインファンたちのために頑張らなくて
は!」と、その瞬間からもやもや感が一気に吹っ飛び、無我夢中で収穫と仕込みに取り組んだようだ。
「ドメーヌ立ち上げのきっかけと、今回の件と 2 回日本に助けられた!」と日本のファンに感謝の意を表
すカリーム。いつか必ずファンへの恩返しのために来日したいと熱く語ってくれた。
(2015.9.11.ドメーヌ突撃訪問より)
ボジョレーのヴァンナチュール界のキーパーソン!! ワインはどこまでもピュアに・・
カリーム・ヴィオネ
生産地
マコンからリヨンへ南下する途中、右手に大小起伏のある山々の連なる光景が一面に広がる。ボジョレーの街ヴィ
ル・フランシュから西へ 7 km ほど途中急な坂を登りきる手前、標高 250 mほどの位置にカンシエ・アン・ボジ
ョレー村がある。その村をさらに上へ登ったところにカリーム・ヴィオネのドメーヌがある。畑の総面積は 2 ha
で AOC はボジョレーヴィラージュ。畑はボジョレーの中では比較的標高が高く傾斜にも恵まれている。さらに南
南東に面している分、たいへん日当たりが良く、そのため酸とボリュームとのバランスがとれた素晴らしいボジョ
レーが出来上がる。気候はコンチネンタルで、夏はたいへん暑く冬はたいへん寒い。東西南北に広がる丘陵地帯に
よって、冷たい風や多量の雨からブドウ畑が守られている。
歴史
現オーナーのカリーム・ヴィオネのドメーヌは、2006 年設立とまだ若いワイナリーだ。
とは言っても、彼がワインの世界に入ったのはもう長く、1990 年、ジャンポールテヴネの兄のドメーヌで働き始
めてからすでに 25 年近くの歳月が経っている。その間、畑の仕事から醸造まで全てを学んだカリームは、ビオロ
ジックに対する情熱を捨てきれず、方向性の違いから、2000 年にジャンポールテヴネの兄のドメーヌを去ること
になる。あらためてビオロジックに専念しようと決めたカリームは、ボジョレーの醸造学校に通いつつ、マルセル
ラピエールやジャンポールテヴネ、ギィブルトンという自然派ワインきっての大御所たちの助っ人となり右腕とな
り、体でヴァンナチュールをマスターしていく。現在は、人材派遣というかたちで(彼が自ら起ち上げた労働サー
ビス会社)ギイブルトンのドメーヌの畑から醸造まで全て任されている。同時に、2006 年、新しく購入した 2 ha
の自社畑で彼の新たなる挑戦が始っている。
(現在は 3.5 ha 所有)
生産者
現在、カリーム・ヴィオネは 3.5 ha の自社畑を管理しながら、ギイブルトンの畑、繁忙期にはジャンポールテヴ
ネの畑と休みなく精力的に働いている。彼の所有するブドウの品種は、ガメイのみで、樹齢は平均 50 年以上のセ
レクション・マサール。畑は 100%ビオロジックで、散布剤は硫黄とボルドー液散布のみの使用。今回、彼のつく
るボジョレーヌーボーは、ギイブルトンで仕込む方法と基本的には同じスタイルをとる予定で、違いはテロワール
で表現するつもりだ。
彼の疲れを知らない直向でまじめな仕事ぶりはモルゴン村では定評があり、ギィブルトンはもちろん、ジャンポー
ルテヴネやマルセルラピエールからも絶大な信頼を得ている。
カリーム・ヴィオネの+α情報
<もっと知りたい畑のこと>
土壌:シスト・サーブル
総面積:3.5 ha
品種:ガメイ
樹齢:平均 50 年以上
剪定方法:ゴブレ
生産量:50 hL/ha 前後
収穫方法:収穫者10 人前後で手摘みを予定。畑での厳重な選果。
ビオの認証:なし
<もっと知りたい醸造のこと>
醸造方法:マセラシオン・カルボニック
ブドウを畑で選果後、房のままセメントタンクへ。この間に二酸化炭素をキューヴ内に加え充満させておく。タン
クを密閉のまま発酵・浸漬期間は 10~15 日間。状況に応じてルモンタージュを数回施す。
(ルモンタージュはポン
プを使わず、バケツでジュースを汲んで果房の部分に軽くかけるだけ。
)醗酵期間中は 2 日に 1 回の割合で醗酵酵
母の分析をする。醗酵がある程度落ちついた後、垂直プレス機で半日かけてゆっくりプレスする。フリーランジュ
ースとプレスジュースを予め分け、プレスジュースをもう一度 14~15℃まで下げて最後の醗酵を終わらせてから
瓶詰め。
(ボジョレーヴィラージュはセメントタンクで 5 ヶ月の熟成。
)コラージュ、フィルター、シャプタリゼー
ション一切なし。
酵母:自然酵母
発酵期間:セメントタンクで約 20 日間
熟成方法:ファイバータンクまたはセメントタンク
SO2 添加:瓶詰め前に 10~20 mg/L
熟成樽:なし
フィルター:なし
ちょっとひと言、独り言
カリームを初めて私に紹介してくれたのは、去年の秋からギィブルトンで研修している日本人だった。
彼は、ギィブルトンでカリームと一緒に仕事をして以来、カリームの仕事に対する真面目さと、まわりから絶大
な信頼を受けている彼の姿に将来性を感じていたようだ。現に、カリームの記念すべきワインがまだ世の中にリリ
ースもされていない時点から、すでにマルセルラピエール、ギィブルトンのマックス、ジャンポールテヴネ等モル
ゴンの大御所たちは注目していた。彼は最もホットなビニョロンのひとりなのだ。
実際にカリームに会ってみた第一印象は、とても気さくで明るくとにかくエネルギッシュ!元F1 のパイロット
であったシューマッハにも顔立ちが少し似ている好青年だ。2006 年秋にギィブルトンのところで 1 日だけ彼と一
緒に収穫の仕事をしたことがあるが、彼の疲れを知らない働き振りにはただただ脱帽!彼は今でもギィブルトンの
責任者を兼務しながら自身のドメーヌを同時に管理しているため、自分のドメーヌの仕事はギィブルトンの仕事が
終わった後、もしくは休みの日になる。したがって通常は土日祝日もなくほぼ毎日仕事をしている。忙しい時など
は朝5時から深夜1時近くまでぶっ続けで仕事をすることもあるそうだ。とにかくタフのひと言に尽きる。一般的
なフランス人にはなかなかない珍しいタイプの男だ!
彼の力の源泉は一体どこから来るのだろう?その質問を彼にぶつけてみると、こう返ってきた。
「今は夢が着実に
実現されているから、毎日働いていても楽しい!」と。
彼自身、親の代からビニョロンだったわけではなく、ドメーヌ立ち上げは全くゼロからのスタート。資金に余裕
がない中での立ち上げでまだまだ苦労は絶えないが、それでも自分のワインがリリースできていることに多大なる
喜びを感じている。彼曰く、
「私は長きに渡ってワインづくりに携わってきて、現在もギィブルトンのところで責任
者として畑と醸造の仕事を任され、それなりに評価を得る質の高いワインをつくってきているが、やはり同じワイ
ンをつくるにも 100%自分の管理の下でつくるワインは別格。思い入れはもちろん、全てに妥協したくないと本気
で思える。また、いつも『質の高いワインをつくるにはどうしたらよいか?』を考えるようになるので、他のどこ
で仕事をしても、惰性ではなく全て学びのチャンスと思えるようになった。
」と、ドメーヌを始めてから大幅に意識
のレベルが変わったのを実感しているようだ。
現在、彼は 3.5 ha の畑を所有し、約半分をボジョレーヴィラージュ、半分をヌーボーという比率で2つのキュ
ヴェを生産している。2006 年に初めてリリースしたボジョレーヌーボーがパリのビストロやレストランで大絶賛
され、ヴィラージュもその後を追って徐々に認知が高まっている。陽気でざっくばらんな性格に似合わず、つくる
ワインはとてもピュアで繊細!将来的には村名のクリュ畑を所有しワインをつくることが彼の当面の夢であり目標
でもあるそうだ。余談だが、彼のクリュ畑で仕込むワインは一体どんな凄いワインになるのか興味はある。もちろ
ん、ギィブルトンのクリュワインは彼も大きく関わっているので、そのワインを飲めば何となくスタイルを想像で
きるが、でも彼の 100%管理の下でつくる、100%思いの入ったワインをぜひ飲んでみたい!