(無限井戸型ポテンシャル系の励起状態における座標期待値) filename=potential-infinite-expectationvalue-x-3rdstate-QA20150301A.tex 幅が位置座標 x = 0 から x = a(> √ 0) の無限井戸型ポテンシャルの中の量子的粒子の第 2 励起状態の波動関数が ψ3 (x) ≡ 2/a · sin(3πx/a) と与えられている。次の問に答えよ。 a. この波動関数 ψ3 (x) は規格化されているかどうか、規格化積分を計算して確認せよ。 b. この状態における位置座標演算子 x̂ の期待値を計算せよ。 (解答例) a. 題意より ∫ a 0 ψ3∗ (x)ψ3 (x)dx ( 2∫ a 2 = sin a 0 1 x=a = [x] − a x=0 = 1 ) [ ( 3πx 1∫ a 6πx dx = 1 − cos a a 0 a [( ) ( )] 1 a 6πx x=a sin a 6π a x=0 )] dx (1) となり、規格化されている。 b. (通常、採用されている座標表示では)位置座標演算子 x̂ = x であり、位置座標演算 子 x̂ の期待値の定義より < x̂ >3 ≡ ∫ 0 a ( [ ( 6πx 1∫ a x 1 − cos = a 0 a ) 2∫ a 3πx x · sin2 dx a 0 a ψ3∗ (x) · x̂ · ψ3 (x)dx = )] dx (2) となる。ここで、右辺最後の項の第 2 の積分(I1 とおく)の計算をする。そのため、 任意の関数 f = f (x), g = g(x) に対する部分積分の公式を使う。 ′ (f g) ′ ′ = f g + fg → ∫ ′ f gdx = f g − ∫ f g ′ dx. (3) ここで、式 (3) において、f ≡ cos(6πx/a), g ≡ x と置くと ∫ I1 ( ) ( ) ( ) ∫ a 6πx 6πx ′ a ≡ x · cos dx = {sin } · x dx a 6π a 0 0 ( )[ ( ) ]x=a ( )∫ a ( ) a 6πx a 6πx = sin ·x − sin dx 6π a 6π 0 a x=0 ( ) [ ( )] a 2 6πx x=a = cos =0 6π a x=0 a (4) となる。この I1 の値を式 (2) に代入すると < x̂ >3 = が得られる。 1 a 2 (5)
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