CEA関連抗原について

FAQ(免疫)
CEA関連抗原について
Q CEA測定時、交差反応によって値に影響を与える物質はありますか。
A
CEAと共有の決定基をもつためCEA抗血清と交差反応性を有するCEA関連抗原の存在が知られており、
その数は約30種類といわれています。このようなCEA関連抗原には以下のようなものがあります。
・脳、肺、脾臓より抽出されたNCA(Non-specific cross reacting antigen:非特異的交差抗原)
・胎児便中のNCA-2
・正常成人糞便中のNFA-1(Normal fecal antigen-1:正常糞便抗原-1)
・正常成人糞便中のNFA-2(Normal fecal antigen-2)
・正常成人糞便中のNFCA(Normal Fecal Cross-Reacting Antigen)
・正常成人胆汁中のBGPⅠ(Biliary Glycoprotein Ⅰ)
CEAの耐熱性を利用して、検体中の蛋白の大部分を弱酸性で加熱凝固処理させて除去すると、IgM様物質
をはじめ、多くの偽陽性物質を除去できると報告されています。しかしながら、CEA関連抗原について
は、この処理により除去できないといわれています。
参考:酸加熱処理により回避できたCEA偽高値例のHPLCによる解析
JJCLA VOL.32 No.1 2007