〔Ⅱ〕 相 手 の 意 見 を 尊 重 し た う え で 物 事 を 決 定 し て い く べ き で あ る と 考 え る 。 ( 一 四 六 字 ) す た め に は 時 間 も エ ネ ル ギ ー も 必 要 で あ る が 、 た と え 意 見 の 対 立 が あ っ た と し て も 、 話 し 合 う こ と を あ き ら め ず に 、 で き る 限 り 現 在 は 、 権 力 者 が 時 間 の 無 駄 を 省 き 、 数 の 論 理 で 押 し 切 っ て 重 大 事 を 即 決 す る と い う 風 潮 が 見 受 け ら れ る 。 た し か に 議 論 を 尽 く る こ と で 、 逆 に 人 々 の 相 互 理 解 の 可 能 性 を 追 求 し 、 実 現 し て い く 必 要 が あ る 。 ( 一 四 九 字 ) 問 五 問 四 〔Ⅰ〕 対 立 が 対 立 と し て 認 め ら れ る 場 所 あ 現 る 代 。 社 そ 会 れ に を お 一 け つ る の 格 権 差 力 の に 拡 よ 大 る 、 統 排 合 外 に 主 よ 義 っ の て 激 回 化 避 は す 、 る 人 の 々 で の は 間 な の く コ 、 ミ 共 ュ 通 ニ の ケ 理 ー 念 シ を ョ 保 ン 持 を し 断 つ 絶 つ し 、 、 人 社 々 会 の や 間 文 の 化 対 を 立 崩 を 壊 対 さ 立 せ と る し 危 て 険 認 性 め が 1/2 ( 一 五 字 ) 在 、 そ れ ぞ れ に 異 な る 複 数 の 《 近 代 性 》 を 模 索 し つ つ あ る か ら 。 ( 八 八 字 ) 問 三 問 二 西 欧 発 の 《 近 代 性 》 が 移 植 さ れ た 非 西 欧 地 域 で は 、 伝 統 文 化 と の 複 雑 な 軋 轢 が 生 じ た が 、 そ れ ぞ れ の 地 域 は そ の よ う な 経 験 を 経 た 現 意 見 が 対 立 す る 者 同 士 の 、 言 論 の 力 に よ る 相 互 理 解 を 可 能 に す る よ う な 共 通 の 理 念 。 1 国 問 語 一 現 代 解 (ア) 文 答 包 括 (イ) 閉 鎖 (ウ) 看 破 (エ) 野 蛮 静 岡 大 学 情 報 学 部 ( 情 報 社 会 学 科 ) (オ) 憂 ( 愁 ) ( 三 八 字 ) © 河合塾 2016 年 国語 解答 静岡大学 情報学部(情報社会学科) 大問 (問題冊子に番号なし) 問一 「個人」がこれ以上分けようがない、首尾一貫した「本当の自分」を意味するのに対し、「分人」は多様な人々と向き合う日常生活の中で、相手と の間に調和を見出そうとしてその都度形成される複数の人格を意味する。(99 字) 問二 私たちは、日常生活で向き合う多様な人々との間に、調和を見出そうとコミュニケーション可能な人格をその都度生じさせ、その人格を現に生きて いる。だがそのような観点からすると、一なる「個人」という概念はあまりに大雑把で実感から乖離している。にもかかわらず、私たちは「個人」 という概念の下で扱われ「自我」という固定観念に縛られるという矛盾に悩んできた。相手に応じて人格を形成する「分人」という概念を現実の中 で生きる足場とすることで「個人」や「自我」に囚われることなく、コミュニケーションを形成できるからで ある。(250 字) 問三 現代のネット社会では、狭い均質な共同体の範囲を超えて、これまで以上に文化的背景を異にする多様な人々との交流が盛んになっている。このよ うな異文化に属する人々とのコミュニケーションに「分人」というアイデアは当てはまるのだろうか。「分人」とは、多様な人々と向き合う日常生 活の中で、相手との間に調和を見出そうとしてその都度形成される複数の人格を意味するが、相手が同一の文化を共有する人々ではなく、異なる文 化に属する人であっても、その相手に応じた人格を形成することは可能だと思われるので、一見すると当てはまると言えそうである。しかし、異文 化に属する相手と交流する場合には、自分が自らの属する文化に規定されていることがよりいっそう自覚されることになるのではないだろうか。相 手ごとに人格を形成して対応するとしても、それらの人格は一つの文化によって規定されているという点では統一性があるのではないだろうか。筆 者の「分人」というアイデアは文化や伝統との関係についての考察をいっさい欠いている点で、ネット社会での人間のあり方にうまく当てはまらな いだけでなく、それ以前の社会に対しても不十分なアイデアであるように思われる。( 500 字) 2/2 © 河合塾 2016 年
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