第47号 2月29日 一隅を照らす~卒業生会入会式祝辞

平成 27 年度 松江農林高等学校卒業生会入会式
校長 祝辞
先ほどは、卒業生会副会長 倉井 毅 様より明日卒業を迎えます 157 名の卒業生に対しまして
温かいお言葉をいただき感謝申し上げます。
本校の卒業生は、明治 33 年から昭和 22 年の島根県立農林学校、島根県立松江農林学校と呼ばれ
ていた時代に 4,259 名が卒業されています。
皆さんを含めると 19,824 人が本校を卒業した人数です。
明日授与する卒業証書は、昭和 23 年度の卒業生から数えていますので、皆さんの卒業で 15,200 人
くらいになります。皆さんが 114 期卒業生ということは、明治 33 年の開校以来今年で 117 年目を迎
え、昭和 23 年の学制改革以来約 15,000 人、開校以来約 20,000 人の卒業生を送りだしている高校だ
ということです。皆さんはこれだけ伝統のある松江農林高校の卒業生となるということです。
皆さんの先輩の多くの方々が、これまでも現在も地域社会や日本の各地で活躍されていながら、母
しょうのうかい
校である松江農林高校の更なる発展を願ってこられました。皆さんが卒業生会である『松 農 会 』に
入会し、本校の卒業生としてこれから学校や企業、そして地域社会で活躍するために、私から一つお
願いがあります。
それは、「一隅を照らす人」であってほしいということです。これは、比叡山延暦寺を開いたこと
で有名な最澄の言葉なのですが「一隅を照らす、これすなわち国宝なり」というのが本当です。簡単
に解説すると、
「それぞれの立場で精一杯努力する人はみんな、何者にも代えがたい大事な国の宝だ」
という意味です。
大学を出て、就職した女子社員が、毎日の仕事がコピーや来客のお茶くみ・・・。
「私はこんなことを
しにこの会社に入ったのではない」と仕事が嫌になっていたところ、取引先のお客さんから「お茶が
とてもおいしかった」といっていただいたことで、日本一のお茶くみ女子社員になろうと決めた。そ
れから、来客される方の年齢、気候、朝の来客なのか夕方なのか・・・様々な条件でお茶の出し方を変
えるなどすることで、取引先も含めて新規の会社からも評判となった。たかがお茶くみという仕事を
腐らず、それを工夫しながら一生懸命やった。今自分がいるところ、自分の役割を一生懸命果たす、
これが光となる。このような人が社会に充満すれば国が栄える、このような人は国の宝であるという
ことです。
『国の宝とは何か、宝とは道を修めようとする心である。この道心を持っている人こそ、社会にと
ってなくてはならない国の宝である。だから中国の昔の人はいった、直径 3 センチの宝石 10 個、そ
れが宝ではない。社会の一隅にいながら、社会を照らす生活をする。その人こそがなくてはならない
国宝の人である。』と最澄は書いています。
「一隅を照らす」そんな人になってくれることを願い、そして今後の皆さんのご活躍とご健康をお
祈りし、卒業生会入会式の祝辞といたします。
平成 28 年 2 月 29 日
島根県立松江農林高等学校
校 長
吉 川
靖