δ 一さけの母川回腸性怪まる t 南部 P鼻曲りサケ d で有名な岩手県の大槌川をはじ め、津軽石川、宮城県の北上川、名取川など各河川の われている人工解化は再検討の要があると警告してい る 。 9生れた川に必ずもどってくる d というサケの回帰 性(里帰り)については従来から疑問があったが東北 大農学部水産学科今井丈夫教授、東北海区水産研究所 所長木村喜之助博士らの調査でサケの回帰性は遡上に 都合のよい河川の条件に左右されるという結論が出る に至り、サケの里帰りの習性を利用して現在盛んに行 人工瞬化も再検討必要 川の条件が影響(新研究纏る﹀ サケは必十しも里帰りしない 重大な問題なので誌上を借りて紹介致します。 ことはわれわれ鮭、鱒の増殖事業に携わる者にとって 科の今井教授の新研究の結果を発表しているが、この 鮭は必ずしも母川回帰はしないと東北大農学部水産学 これは士口い話になるが昨年十月頃の読売新聞紙上に 、 , . _ 、 サケ漁は年々減る一方で、大槌川の場合は昭和二十一 年の八万一千尾を最高とし毎年漁獲が減り、昨年十一 , . , . . . . . . . 月からの二十七年度漁はわずかご千八百尾という不 漁。このままでは数年後には名物 9鼻曲りサケ d は姿 を消すだろうと憂慮されている。ところがサケの回帰 性を根拠として沿岸各町村の解化場では毎年平均百五 十万粒ぐらいを解化放流しているので沿岸漁協組の依 頼で今井教授、木村博士らが旧冬から大槌川で不漁の 原因と回帰性の調査を進めていたが、不漁の原因とし ては 。昨年秋以来暖流水帯が深く接岸したために時期 的にズレた。 ①川の水温が高すぎてサケが川に入らなかった。 ①川底や食物がサケに不適だった。 などをあげ、さらに根本的な問題としてサケの生棲圏 が北に追いこめられアラスカが中心となってきたため サケの回帰性にも影響をもたらしたことが指摘された 結局サケの回帰性は遡上に都合のよい河川の条件に左 右されるので多額の費用を投じて現在行われている人 工帰化の効果は極めて薄いという結論が出た。 東北大今井教授談 ﹁自然解化の場合でも河川の整備、川床の清掃、小 石の散布などサケが川に入るための条件を整えなけ ればだめだ。川の状態も考えず、稚魚を放流すれば かえってくると考えられているようだが、こうした 安易な考え方ではだめだ﹂
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