Ⅲ 岩国市の地質 。地形 Ⅲ 岩国市 の地質・ 地形 1 岩 国市地域 の地質 は じめに 前 回、1976年 2月 に発行 され た 、科学 セ ン ター 誌 に掲 載 され てい る岩 国市科学 セ ン ターの歴 史 によると、1959年 以降は当時 の市庁舎 7階 のフロアー を科学セ ンター の活動本拠地 として使用でき るよ うにな り、理科担 当教員 の様 々な研修会、児童生徒 の標本採集会や巡検 、グライダー な どの制作 講習会や競技会な ど当時 の活動状況が記 されてい る。 ところで、2006年 の市町村合併によ り新 しく誕生 した岩 国市 の面積 は約 4倍 に拡大 した こ とと、 前回の科学セ ン ター誌発刊 か ら 30年 あま り経過 し、 この 間 に地質学 の研究は大 きな進歩 を遂げた。 かつては、堆積岩 の生成過程 を地向斜 とい う堆積環境 を想定 して説 明 してきたが 、隣接す る地層 に古 生代 の化石 (紡 錘 虫等 )や 中生代 の二枚貝 の化石 が産 出す る と、それ らを含 む地層 の生成過程 の説 明 に苦慮 していた。 図1 付加体 の形成 と変成作用 の起 こ る場所 基礎 地球科学 (西 村 ほか 、2002)に よる 最近 では 、太 平洋 に浮 かぶ ハ ワイ列 島 が毎年数 cmず つ 日本 に近づ い て い る、 とい う話 を しば し ば聞 くよ うにな つ た。 太 平洋 の ほかに も大西洋 、イ ン ド洋 な ど大洋 と呼ばれ る広大 な海 の海底 で は 、 いずれ も海底火 山脈 (海 嶺 )が 活動 してお り、海底 の裂 け 日 (火 日)か ら吹 き出す溶岩 に よ り、 常 に新 しい海底 が海嶺 の 両側 に広 が っ てい る との こ とで あ る。 東太平洋海嶺 で生 まれ た北西側 の大 平洋 プ レー トはハ ワイ 島 を乗せ て拡大 し、あたか も 日本列 島を 目指 して移 動 してい る とい う事実 を確認 で きるよ うにな つ て きた とい う。 図 1で は右端 の 中 央海嶺 で生 まれ た海 洋 プ レー トは 、ハ フイ 島 とい う海 山を乗 せ て ゆ つ く りとベ ル トの よ うに右端 の大陸プ レー トに接 近 し、海洋 プ レー トの行 く手 を阻む こ とにな る。行 く手 を阻まれ た海 洋 プ レ ー トは大 陸 プ レー トよ りも密 度 が大 き い ために 、大 陸 プ レー トの 下 に沈み こみ、大陸プ レー トを 押 し上 げなが ら、海洋 プ レー トはや がて 地球 内部 に吸収 され て しま うとされ て い る。 一 方 、この 間 に数 1000Kmの 距離 を年 間数 clllで 移動す る と仮定すれ ば 、お よそ 1億 年 かか る計算 にな る。約 1億 年 の 間 に 、泥や 貝殻 な どの堆積物 (泥 岩や チ ャー トや化石 な ど)を のせ て 大陸 の 縁 に達 し、海 洋 プ レー トが大 陸 プ レー トの 下に沈み込む際 に 、大陸 プ レー トに剥 ぎ取 られ た堆 積 物 を付加 体 と呼んでい る。 あ るい はまた 、海洋 プ レー トと共 に沈み込む付力日体 が 、周 囲 の熱や圧 力 に よ り、変成 作用 を受 けた後 に地上 に現れれ ば 、変成岩 と呼 ばれ る こ とにな る。 この よ うな地 球 内部 にお け る作用 に ともな つ て起 こ る とされ る考 え方 をプ レー トテ ク トニ クス といい 、30数 年 227 Ⅲ 岩国市の地質・地形 前 には私 たちが知 らな か つ た地 質学 にお ける研 究 の成果 の ひ とつ とい えよ う。 この よ うな岩 国市地域 にみ られ る地質現象 の紹介 を とお して 、 日本 を背負 う若 い人 々や熟年 の 方 々の生涯学 習 に役 立つ こ とを期待 して近 年 の知見 を盛 り込 んだセ ン ター 誌 をめ ざ したい と考 え てい る。 こ うした学習 の参 考 になる書物 としては,例 えば 山 口県 の岩石図鑑 (西 村 。松里、1991) があ り、実物 の岩石 が 多 くの 図版 で示 され 、地質用語 の解 説 が されてお り、本稿 の説 明 も これ に よる ところが大 きい。 また西村 ほか (1995)は 、 日本地質 学会 が広 島大学 で 開催 され た際 の巡検 案 内書 とい う形 を取 つてい るが、当時 の最新 の研究成果 が盛 り込 まれ てお り、岩 国市地域 の地質 を知 る上 で優 れ た文献で あ る。 よつ て本稿 も西村 ほか (1995)の 記述 をも とに当地域 の研 究成果 を紹介す るが、何分専 門家 向けの文献 であ つて 、十分 内容 を伝 えきれ ない こ とが ある こ とを ご容 赦 い ただ けれ ば幸 いで あ る。 (1)岩 国市地域 と西 南 日本 の地 質構 造 区分 (地 体構 造 区分 ) 日本列 島は アジア 大 陸 と太 平洋 との境界 の縁 取 りの よ うに細長 く湾 曲 した列 島で あ る。 この 北東 か ら南西に細長 く連 な る 日本列 島 のほぼ 中央 に位 置 し、 中部地方 を横 断す るよ うに走 る糸魚 川 ― 静 岡構造線 を境 として 、そ の西南側部分 を西南 日本 と名付 けて区分 され てい る (図 2)。 岩 国地域 は、糸魚川 ― 静 岡構 造線 の 中 ほ どか ら紀 伊 半島 ∼ 四国北部 を経 て 、 九州束部 に いた る中央 構 造線 の太平洋 に対 して 北側 (内 側 )に 位 置 して い る。 したが つ て 、岩 国地域 は地体構造 区分 の 上 で西南 日本 内帯 の一 部 とされ てい る。 1)西 南 日本 肉帯 の地 買 区分 この西南 日本 内帯 のおお まかな地 質構造 は、 中央構造線 の 内側 に沿 つて領家変成帯 が糸魚川 ― 静 岡線 か ら帯 状 に西 に の び 、 九州北部 に連 な つ てい る。 この領家変成帯 の 北縁 に沿 つて分布 して い る丹波帯 は西 に のび 、 山 口県 までた どる こ とがで きる。 これ らの地 質体 の配列 は北か ら南 へ 向 か うにつ れ て 、 よ り新 しい (若 い)地層 の配列傾 向がみ られ る (図 2)。 → 型輔椰 」1畔 打‖ Υ れ 注 :現 在では注 2は 注 1に とともに 山口県東郎 地域 口3 /了 遺, 図2 223 匿コ 秋吉帯 %%舞 鶴帯 匡コ 丹波帯 匿ヨ 領家交成帯 西南 日本 内帯 にお ける山 口県東部地域 山 口県 の岩石 図鑑 (西 村 ・ 松 里 ,1991)に よる 注3 Ma,100万 年前 Ⅲ 岩国市の地質・地形 新生代火 山岩 図 中生代文山岩 団 中生代 深成岩 □圏醸Ⅷ鰯躙園 園 新 生代 第 四紀 層 新 生代 第 三 紀 堆積 岩 中生 代付加型 堆積 岩 (玖 珂 層 群 ) 古 生代 付加型 堆積 岩 (錦 層 群 ) 中生代低 圧型 変成岩 (領 家 変 成 岩 ) 中生代高圧 型 変成 岩 (周 防変 成 岩 ) 断 層 島根県 広島県 \ヽ n 皐 皐│ 峯 ‡ こ ‡ ‡ :年 笠 + ◆ 守ぶ b 柱島諸島 為 0 10km 図3 山 口県東部 の 地質 図 山 口県 の岩石 図鑑 (西 村 。松里,1991)に よる 229 Ⅲ 岩国市の地質・地形 2)岩 国市地域 の地質区分 岩国市地域 の主要な地質構造区分 として、北 か ら南に以下の 6つ の地質体があ り (図 3)、 お おむね① か ら⑥に向かつて時代 が若 くなつてい る。以下 この順に説明する。 ①秋吉帯 に属する錦層群 (古 生代付加型堆積岩) ②周防帯 に属する周防変成岩 (都 濃層群 :中 生代高圧型変成岩) ③美濃丹波帯に属する玖珂層群 (中 生代付加型堆積岩) ④領家帯 に属する領家変成岩 (中 生代低圧型変成岩) ⑤領家花闇岩 (中 生代深成岩) ⑥広島花 闇岩 (中 生代深成岩) なお、 この他 に小規模な地質体 がい くつか存在す る (図 3の ⑦③⑨)。 御 山の頂上付近に、中生代火 山岩 の阿武層群 が見 られる。 ⑦錦町西部 の馬糞ケ岳や水 ノ ③錦町北部 の広島県境沿い に新生代冠高原火 山岩 が見 られ る (8,9∼ 8,2Ma)。 ③阿品山南麓に新第二紀鮮新世 の湖沼性堆積物 と考えられ る阿品層 がある (5。 3∼ 1.6Ma)。 (2)岩 国市地域 の地 資体区分各論 1)錦 層群 (古 生代付加型堆積岩 ) 錦層群 とい う名称 は、西村・濡木 (1966)に より、岩国地域 の最北部、錦町地域 に広 く分布す る 砂岩・ 泥岩・酸性凝灰岩 の互層 か らなる地層 (弱 い変成作用を受けている)に 錦層群 と命名 され た こ とによる (図 4、 凡例 5∼ 8)。 従前は非変成 古生層、あるいは弱変成古生層 といわれていた が、今 日では錦層群は古生代にできた付加型堆積物であると理解 されてい る (西 村ほか、1995)。 ①錦層群 は岩相や層序 の特性により、上・ 中・下部層に区分 されてい る (表 1、 図 5)。 錦層群 の上限 と下限は不明 とされてい るが、その全層厚 は 2900∼ 3900mに 達 してい る。その模式的な層 序は須万―木谷原一大固屋 を結ぶルー トで観察 できる。 上部層は主に粘板岩 (泥 岩)と 少量 の酸 性凝灰岩 ,中 部層は砂岩 か らなる。下部層 は錦層群 の分布面積 の大半を占め、層厚は約 1700mで ある。おもに砂岩・ 泥岩 ・酸性凝灰岩 で構成 され 、チャー ト・輝緑凝灰岩・石灰岩・ 砂質礫岩を ともなつている。下部層 の特徴は酸性凝灰岩を多量に含む こ とである (西 村・濡木、 1966)。 ②酸性凝灰岩 は一般 に泥岩 と互層をな し、淡緑色ない し淡緑青色・細粒・緻密・ 堅牢な岩石で ある (地 質探訪 (1)写 真 1参 照)。 酸性岩 とい うのはその化学組成 が流紋岩質 の岩石をい う。 砂岩や泥岩には級化層理な どの ター ビダイ ト(大 陸棚斜面などの海底斜面で海底地滑 りの よ うに してできた陸源堆積物)と しての種 々の特性 を備 えてい る。 ③上部層 は大固屋 。屋敷にのみ分布 してい る。 主な構成岩類は泥岩・砂岩 か らな り、上部層 の 上限は流紋岩 に覆 われてお り、地表に露出 してい る範囲で層厚は約 890mで ある。 ④錦層群 の下部 と中部層 の石灰岩礫か らは、紡錘 虫 (ボ ウスイチュウ)の 化石 が発見 されてい る。 したが つて、錦層群 の下部層 の大部分は下部二畳系∼中部 二畳系下部に相 当す るが一部 の ものは 上部石炭系に相 当す る可能性がある。 中部層 は上部 二畳系 に相 当す るもの であろ う(西 村・ 濡 木 、 1966)。 2)周 防変成岩 (都 濃層群 ) ① 三郡変成岩 と周 防変成岩 都濃層群 とい う名称 は、小島ほか (1951)が 、三郡 (サ ングン)変 成岩 の原岩層 を都濃層群 とよ んだことによる (図 4、 凡例 9∼ 13)。 また、三郡変成岩 とい う名称は、1941年 に小林 貞一博 士 によつて福岡市東方 の三郡 山塊にちなんで命名 され、秋吉造山運動によつて形成 された西南 日本 内帯に点在す る同種 の変成岩 をさしてい る。 三郡変成帯は古生代末期 か ら中生代初頭 にかけて起 こつた一連 の高圧変成作用または藍 閃 (ラ ンセ ン)変 成作用 と言われる変成作用によつて、西南 日 本内帯に形成 された一つの大きな変成帯であると考 えられていた。 しか し、その後年代 の研究が すすみ、1980年 代以降それまで一括 されていた三郡変成帯 は、古 い方から二つの変成帯、三郡 ― 蓮華変成帯・周防変成帯・智頭変成帯に区分 され る こ とになつた (Nishimura,1990)(図 2)。 230 Ⅲ 岩国市の地質 。地形 そ の結果 、それぞれ の特徴 は次 の よ うに要約 され て い る (西 村 ・ 松里 、 1991参 照 )。 A: 三郡 一蓮華変成岩 :約 3億 年 前 =古 生代石炭紀 に形成 され た もつ とも古 い地帯 で、三郡 変成岩帯 の最 北端部 として 、飛騨外縁 帯 にまで連 続す る (山 口県 では長門構 造帯 に産 出)。 BI周 防変成帯 :約 2.2億 年 前 の 中生代 トリア ス紀 に形成 され た 中間 の年代 を示す地帯。 C:智 頭変成帯 :約 1.8億 年 前 =中 生代 ジ ュ ラ紀 に形 成 された もつ とも新 しい地 帯 で 、三郡変 成 帯 の東部域 (県 下 には 出現 しな い )に 相 当す る。 しか し現在 では 、 さらに周 防帯 と智頭帯 をあ わせ て周 防帯 と呼 ばれ る よ うにな つ た (Nishimura,1998)。 ② 岩国市北部 (錦 )地域 の周 防変成岩 周 防変成岩 の模式地 として知 られ てい る岩 国市北部 の錦地域 (錦 町、本郷 町、美和町、美川町) (図 4)に み られ る変成作用 の状況 は 、以下 の よ うにま とめ られ てい る (西 村・松里 、1991参 照 )。 錦 地域 には 、見 かけの層 序的上位 に錦層群 が 産 出 し、低 角度 の 断層 (北 山衝 上 断層 =ス ラス ト) をへ だてて 、そ の 下位 に周 防変成岩 が位 置 して い る。周防変成岩 の原岩 (都 濃層群 )は 、多量 の 泥岩 。砂岩 ・ 塩基性 (苦 鉄 質 クテ ツ シツ)火 山岩 お よび少 量 の石灰岩 とチ ャー トか らな り、泥岩 は ス レー ト(千 枚岩 )な い し片岩 にな つ てい る。都濃層群 か らは化石 は発 見 され てい な いが 、隣接 す る山 口地域 の周 防変成岩 には トリア ス紀 中期 を示す角閃岩 が含 まれ て い る。 なお角 閃岩 とは 、 角 閃石 と斜長石 か らなる岩 石 で ,玄 武岩や斑れ い岩 を原岩 とした変成岩 の一 種 で ある。 凡 例 lEコ 沖韻層 2胚 ]流 紋岩類 3臣密 尿彗顆 4隠 熙 玖珂瞬BF (錦 層 解 ) 5田 ロ チャー ト 6ロヨ酸性aH灰 岩顔 ノ中7選∃ 泥質岩類 お よ び 8騒 至 ]Z召 温 督 (福 浸 層 研 ) 9■■石灰質片岩 lo日 ■蛇絃岩 11日■塩基性片岩類 !2皿田肥質片を取 13題□砂質片岩類 14\ 、断層/,ク トニ,タ ス ド 'イ :5ど 学青 斜at/向 斜軸 図 4錦 町地 域 の地 質 図及 び地 質断面図 (西 村 ・ 濡木 ,1966) Ⅲ 岩国市 の地質 。地形 表 1岩 国市北部 (錦 )地 域 の層序 、層厚 、構成岩類 (西 村・ 濡 木 ,1966) 岩相単位 層厚 lm) 460+ 上 十一 部 2 NU… 層 山 -3 260± 砂質岩、多量の泥質岩 小片を合む砂質岩あり 2 120と 泥質岩 510 一 0∞ 下 部 層 120300 一 〇 0 0 2 . 160280 泥質春優劣、赤色チ ャー ト・ 酸性凝灰岩・ 砂質彗を伴う 泥質片讐、数枚の盛質 片岩薄層をは さむ、 蛇紋書を伴 う 泥質片岩・砂質片替互 層、 砂質片岩を特徴とする 群 、 d 出 ▲口 750士 塩基性片岩 層 野 谷 , c 60‐ -90 泥質片岩、数枚の珪質 片岩薄層をはさむ 下 部 層 50-150 泥質片岩優勢、 石灰質片密・瑳質片 岩を伴う 堰累性片岩優勢・ 泥質片岩・雄質片を、 蛇紋岩を伴 う 1.000m 露 塩基性片岩・泥質片 岩の互層 上 部 層 下 部 層 232 TU-1 砂質料・泥質岩の薄層 を伴う 70± 290士 1層 泥質岩・輝緑凝灰岩・ 石灰岩・酸性覆灰料・ チャー トを伴 う 都 濃 手 砂質岩優勢、穆 。た質岩を伴う 砂質岩・泥質岩互層 260士 TU-3 酸性凝灰岩・泥質岩・ 砂質善互層 融性凝灰瞥が特徴に 260± 一 〇 TU-5 砂質岩優勢、砂質礫岩 ・泥買料を伴う 多量の泥質岩小片を合 む砂質讐あ り 岩国市北部 (錦 )地 域 の地質柱状図 (西 村・ 濡木 ,1966) 、 一 一 出 合︱正 畑 期 国 畿 冨一 澤一 載塾i 340-一 5 、 冨 Hh 有仏 閥 田 目 谷︱正 諷 嗣 畑 目 280圭 NB-1 │ 泥質岩が優劣 赤色泥岩と酸性凝灰岩 を伴う NU-1 肝 図 齢 層 群 1錦 中 部 層 ! 岩 類 泥質岩・砂質岩互洒酸 性凝灰岩を伴う 砂質岩・泥質岩の薄層 を伴う 日日日円同日日日日円H日日H口日 NU-3 構 成 注 :こ の柱状 図構成岩類 を示 す 凡例 は図 4と 同 じ Ⅲ 岩国市の地質・地形 B C 帯 帯 帯 A 国田回 図6 写真 1 周 防変成岩 中 の黒色 (泥 質 )片 岩。 錦 町出会 の錦川河床。 C帯 に相 当。薄板状 に割れ る性質 (片 理 )と ペ ー 片理面 上 の線構造 (ボ ル ンの方 向)が 顕著 な典型 的な結 晶片岩。 (写 真提供 は加納 隆氏 ) 鹿 野― 錦地 区 の変成分帯 図 (西 村 ほか 、 1995に よる。原 図は Nishimura,1971、 広 島大理紀要 、英文 ) ③ 錦層群 お よび都 濃層群 (周 防変成岩 )の 岩石学的 な分帯 これ まで述 べ た 錦層 群 と都濃層群 の二つの地質体 は ともに広 域変成作用 を受 けてお り、塩基性 (苦 鉄質 )変 成岩 に認 め られ る特徴的 な鉱物 の 出現や 消滅 の組 み合 わせ によ つ て三 帯 に分帯 され て い る (図 6)。 この 部分 の 内容 はきわ めて 専門的 で 、岩 石 のプ レパ ラー トを岩石用 の顕微鏡 で観 察 して鉱物 を判別 し、変成 作用 を受 けた程度 を判 断で きる技術や知識 を必要 とす る。 なお塩基性 変成岩 とは,玄 武岩や 玄武 岩質 の凝灰岩 な どが 元 にな つ た変成岩 であ る。 西村 。松里 (1991)に よる と以下 の 3帯 にま とめ られ てい る。 A帯 :最 も低 変成度 、錦層群全体 に相 当す る。岩 型 的 には ス レー トで ある (パ ンペ リー 石― 緑 泥石 の鉱物組合 せ を もつ )。 B帯 :片 理 の 明瞭 な千枚岩 ない し準片岩 であ り、都濃層群 上部 に対応 す る (パ ンペ リー石― ア クチ ノ閃石 の鉱 物組 合 せ を もち、再結 晶は ほぼ完全 で あ る)。 C帯 :こ の地 域 で は最 も変成度 が高 く、片理や線構 造 の よ く発 達 した結 晶片岩 (片 岩 )で ある (再 結 晶 は完全 にな り、藍 閃 (ラ ンセ ン)石 片岩 が産 出す る)(写 真 1)。 また錦町 出合 の 泥質 片岩や珪質 片岩 には ざ くろ石 が含 まれ る。 各帯 の 境界面 は、地層 面 にほぼ 平行 し、片理 面 ともほぼ 平行 し、変成度 は層序 的 に見か け上 位 に向か つて上 昇 してい る。 ④ 岩国市地域 北部 の地 買構造発達史 に つ いて 岩 国市地域 北部 の都濃層 群 (周 防変成帯 )と 錦層群 (弱 変成 ペ ル ム紀付加 体 )(図 7)は 、全体 として同 じ時 期 の変成作用 (周 防変成作用 )を 受 けて、 一 連 の低 温高圧 型 の 変成岩 にな つ た と結 論 され る。 当地 域 の 地質構 造発達史 は 次 の よ うに推定 され てい る。 錦層群 と都濃層群 の原岩 は 、ペ ル ム紀新世最後期 か ら トリア ス紀初頭 (245Ma=2.45億 年 前後 ) お よび トリア ス 紀 中世 ∼ 新 世 (235Ma前 後 )に か けて海溝周辺域 でそれ ぞれ集積 e混 在化 し、そ の 後 ま もな く高圧 変成 の場 に移行 した。 相対的 には前者 は浅 く、後者 は深 く (最 大 5∼ 6Kb、 地下約 20Km)も ぐ りこみ 、225± 5Ma前 後 (ト リア ス紀新世前期 )に 変成作用 を受 けて高圧型 の変成 作用 を Ⅲ 岩国市の地質・地形 受 け弱変成 ペ ル ム紀付力日体 (A帯 )と 周 防変成帯 (B帯 ・ C帯 )と な り、ただちに上昇 した (西 村・ 松 里 、 1991参 照 )。 そ の最低変成度部 の岩石 、す なわち錦層群相 当層 (A帯 )の 一 部 は美祢層群 高郷礫岩 (ト リア ス 紀後期 、223∼ 235Ma)イ こ不整合 に覆 われ てお り、極 めて短 い変成期 間 を示 して い る こ とにな る。 また 、 当岩 国地域 で 、周 防変成岩 (都 濃層群 )が 美和町 の野谷 断層 で ジュ ラ紀 の玖珂層群 と接 して い るので 、ジュ ラ紀 中期 の付力日 体 の形成 (約 170Ma以 降)ま で には変成場 か ら上昇 して い た と考 え られ る (西 村 ほか 、 1995に よる)。 この よ うに、錦町域 の周 防変成帯 にお け る、化石 (紡 錘 虫、放散 虫、 コ ノ ドン ト)と 放射年代 測 定技術 の進歩 に よる相対年 代 か ら絶姑年代 へ の 地質現象 の編年 が 一 段 と進歩 した とい えよ う。 藩攀 =苓t :i蕩 溌 iだ :オ 11Y` じ ‐ AWttdWii l r.キ r 超苦鉄質岩 塩基性片岩 石灰質片岩 珪質片岩 泥質片岩 砂質片岩 錦層群 都濃 層群 圏 団 □ 圏 田國 日 □ 閣 囲 図7 玖珂層群 上部層 中部層 下部層 鵞 導 鞠 娑争 五 ・涯下=■ _Jヤ vゝv □ 口 □ 洪積層 脈岩 流紋岩質火砕岩 /′ 断層 /北 山スラス ト 拶r摺 山軸 食 紡錘虫化石 O放 散虫化石 鹿野―錦地域 の地質図 (年 代測定値等デー タ)Loc.1∼ Loc.5は 放散虫産地 (西 村 ほか、 1995に よる。原図 は Nishimura,1971,広 島大理紀要、英文) 234 Ⅲ 岩国市の地質・地形 3)玖 珂層群 (弱 変成 ジ ュ ラ紀付加体 ) ① 岩国市地域 の玖珂 層群 岩 国地域 北部 の 旧美川町 ∼ 美和町 ∼ 岩 国市 にか けて、東西約 20 km e南 北約 15 kmに わた り、玖 珂層 群 とよばれ る地層 が分布 して い る。玖珂層 群 は、かつ て秩 父古生層 の一 部 と考 え られ ていた が 、1970年 代以降、本地域 か らコノ ドン トお よび放 散 虫に基 づ い て原岩形成 の年代 が ジュ ラ紀 と 確 定 され た。 さらに 1980年 代後 半 か ら細粒 白雲母 の K― Ar放 射年代測定技術 の進歩 に よつ て 、 こ れ らが受 けた弱 い広 域変成作用 の変成年代 が 明 らかに された。 この よ うな経過 を経 て今 日で は 、 玖珂層群 は弱 変成 ジュ ラ紀付力日 体 で あ る とい う理解 に至 つ てい る。 西村 ほか (1995)の 記述 に よれ ば、玖珂層 群 とそ の周 囲 の地質 は以下 の よ うにな つ てい る。 玖 珂層 群 の 北側 には 高圧型 の周 防変成岩 帯 が 分布 し、両者 は東西走 向で北 に傾 斜す る野谷 断層 (豊 原 ,1974)を 境 に接 して い る。玖珂層群 の南側 には 、低圧型 の領家変成岩 が 分布 してお り、両者 の 漸移 関係 や岩相 の類似性 か ら、領家変成岩 の原岩 は玖珂層群 で あ る とされ る。 また 、玖珂層群 に は各 地 で 白亜紀新世 の広 島花 闘岩類 の 貫入 がみ られ る。玖珂層 群 は泥 質岩 (泥 岩 )を 主体 とし、 長径 数 clllか ら 10数 kmの レンズ状 な い しシー ト状 の チ ャー ト・砂岩 e緑 泥岩 な どを含 む 。これ らの 岩体 は い ずれ も異地性岩体 と見 なす こ とがで き、付加 体全体 としては 、混在岩相 を呈 して い る。ま た これ らの岩 石 の堆積年代 は、石炭紀 新世 か らジ ュ ラ紀新世 に及 ぶ。この よ うに玖珂層群 は 、時代 や岩 相 の 異 な る岩石 が 混在 した地層 で あ る と言 える。 高 見ほか (1990)、 高見 ほか (1993)お よび 高見 (1994)は 、美川 町地域 の玖珂層群 を詳 しく 研 究 し、岩相組 み合 わせ 、砕暦岩 の堆積年代 、緑色岩 の変成鉱物組 み合 わせお よび泥 質岩 中に変 ・変成履歴 の それぞれ異 な る三 つの 地 成作用 に よ つ て生 じた 白雲母 の K― Ar年 代 に基 づ いて 、付力日 質 ユ ニ ッ ト (I、 Ⅱ、 Ⅲ)に 区分 した (図 8)。 以下 ,西 村 ほか (1995)の 記述 に基 づい て各 ユ ニ ッ トの 特徴 につい て述 べ る。 ジュラ紀 付加体 一 ― 予想される断層に位置 ―― 確認されている断層 ス 岳全歳用 ● K‐ Ar年 代測定地 図8 t h i │ 目 目 周防変成 オ1類 Ш Ш H I 岳 語 1撃 T:卜 t → l t i i N 合 ノ本地域 の 地質 図 と玖珂層群 (弱 変成 ジ ュ ラ紀付加 体 )の 地質 ユ ニ ッ ト お よび Kぃ Ar年 代 (西 村 ほか ,1995に よる。 ■ 印 の年代値 は高見、 1994、 高見ほ か 1993に よる) Ⅲ 岩国市の地質・地形 ②玖珂層群 の二 つ の地 質 ユニ ッ ト 〔地 質 ユニ ッ ト I〕 :ユ ニ ッ トIIま 美川町椋野付近 か ら生見川 ダ ム周辺 に広 く分布す る。本 ユ ニ ッ トは 、泥質岩 を主体 とし、チ ャー ト・ 砂岩 ・ 珪質 泥岩 お よび石灰岩 か らな り、東西 (走 向) 方 向に連続す る厚 い層状 チ ャー トが 多量 に含 まれ る こ と、緑色岩 (玄 武岩質 の溶岩や凝灰岩 )が 含 まれ な い こ とで特 徴 づ け られ る。構成岩類 には、片理 が認 め られ な いが 、非常に微細 な 白雲母 が で き てい る こ とか ら、弱 い なが ら変成作用 を受 けた と判 断 され る。微化 石お よび大型化石 か ら分 かる構成岩類 の年代 は、 トリア ス紀古世 か らジュ ラ紀新世 にまたが るが、最 も若 い年代 を示す岩 石か ら、 ジュ ラ紀新世末期 に付加体 として形 成 され た と推定 され てい る。 また泥 質岩 中に生 じた 白雲母 の K― Ar年 代値 が約 130Ma(白 亜紀 中世前期 )に 集 中す る こ とか ら、そ の こ ろに沈み込み帯 の一 部 で広 域変成作用 を受 けた と考 え られ て い る。 〔地 質 ユ ニ ッ ト H〕 :美 川 町大平 、友廻付 近で よ く観 察で きる。本 ユ ニ ッ トは粘 板岩化 した泥 質岩 を主体 と して 、 チャー ト・ 砂岩 ・ 珪 質 泥岩 お よび 緑色岩 を伴 い 、厚 い層状チ ャー トと緑色岩 が産す る こ とで特 徴 づ け られ る。 泥質岩 には微細 な 白雲母 が普遍 的に認 め られ、また緑色岩 に見 られ る変成鉱物 か ら、ぶ ど う石― パ ンペ リー 石相 とい う低度 の広 域変成作用 を受 けた と推 定 され て い る。微化石 による年 代 か ら、各岩 石 の堆積 した 年代 は石炭紀新世 ∼ペ ル ム紀 古世 か らジュ ラ 紀古世 とされ る。また泥質岩 中の 自雲母 の K‐ Ar年 代 が 146∼ 159Maで あ る こ とか ら、約 150Ma(ジ ュ ラ紀新世 )に 広 域変成作用 を受 けた と考 え られ て い る。 〔地質 ユニ ッ トⅢ 〕 :美 川 町合 ノ本付近 で よ く観 察 で きる。本 ユニ ン トは千枚岩 ない し粘 板岩 化 した泥 質岩 を主体 として、チ ャー ト・砂岩 ・ 緑色岩 な どを伴 う。本 ユニ ッ トの 泥質岩 は、他 の ユニ ッ トの 泥質岩 に比 べ て片理や微招 曲な どの 変形構 造 が よ く発 達 し、細粒 の 白雲母 が普遍 的 に 認 め られ る。 また緑色岩 に見 られ る変成鉱物 か ら、 ユ ニ ッ トHよ りやや 高変成度 の広 域変成作用 (ぶ ど う石 ―パ ンペ リー 石相 な い しパ ンペ リー 石一 ア クチ ノ閃石 相 )を 受 けた と推定 され て い る 。微化 石 の年代 によると、本 ユ ニ ッ トは トリア ス紀新世 か らジュ ラ紀古世 にかけて形成 され 、 白 雲母 のK― Ar年 代 が 156∼ 182Maと 測定 され た こ とか ら、約 170Ma(ジ ュ ラ紀 中世)に 広 域変成作用 を 受 けた と考 え られ て い る。 ③ 玖珂層群 の地 賢構造発達史 高見 (1994)は 、以下 の重要 な指摘 を してい る。 ① ユ ニ ン トⅢ→ Ⅱ→ Iの 順 に形 成年代 (付 加 年代 )が 若 くな る と同時に変成年代 も若 くな る こ と、(b)各 ユニ ッ トとも付加年代 と変成年代 の 間 に 2000万 ∼3000万 年 の 間隔 が ある こ と、(c)あ るユ ニ ッ トが付加 されて い る時期 に、それ よ り古 いユ ニ ッ トは変成作用 の ピー クを迎 えるこ と。 また以上 の こ とか ら次 の よ うに玖珂 帯 の発 達史 がま とめ られ てい る(西 村 ほか 、 1995)。 ユ ニ ッ トⅢはジ ュ ラ紀古世 (約 200Ma)に 過 去 の海溝周 辺 で集積 した後 、 よ り深部 に沈み込み 、 ジ ュ ラ紀 中世 (170Ma)に ピー クをもつ 変成作用 を受 けた。 ユ ニ ッ トⅢ が変成 して い る時期 には 、海溝周 辺 でユ ニ ッ トⅡが付加 体 として形成 され 、それ が ジ ュ ラ紀新世 (約 150Ma)に 深部 に沈み込んで変成 作用 を受 けた。 この 間 に、ユニ ッ トⅢは上 昇 した。 さらにユ ニ ッ トⅡが変成作用 を受 けて い る頃、 ユニ ッ ト Iが 海溝周辺 で付加 体 として形 成 され た。 この よ うに、玖珂層群 を対象 として付加 体 の 形成過程 が詳細 に明 らかに され てい る。 4)岩 国市南部 の領家変成帯 領家帯 は中央構造線 の 北側 にそ つて 中部地方 か ら近畿地方 を経 て 山 口県及 び北 九州 にまで延 び る広域変成帯 で ,周 防変成帯 に比 べ て低圧 高温 の条件 でで きた と考 え られ てい る (図 2)。 小 島・ 岡村 (1952)は 、 この地方 の領家変成 帯 の原岩層 を玖珂層群 とし、変成帯 を北か ら南 に、 不変成領 家外縁 帯 ・ 黒雲母片岩 帯 ・縞 状片麻岩 帯 に分帯 した。 また 多 くの研 究者 に よ り,表 2の よ うな区分 が行 われ て い る。 当地域 の 北部 (岩 国断層付近 )に は領 家帯 の最低変成度 に相 当す る雲 母片岩 が 分布 し、そ の北側 では非変成 の玖珂層 群 (前 述 の よ うに弱 い 変成作用 を受 けて い る)に 連続 して い る。従来 か ら、ほぼ JR岩 徳線 にそ う岩 国断層 が領 家帯 の 北限 と考 え られ て い るが、 実際 には岩 国断層 以北 に も雲母片岩 が 見 られ る。 以 下、領家帯 に関す る西村 ほか (1995)に お け 236 Ⅲ 岩国市 の地質 。地形 る記述を、①原岩、②変成作用、③花開岩 の影響、の 3点 に分けて要約す る。 ①岩国地域南部 の領家変成岩は雲母片岩 と縞状片麻岩に分けられ、高度 の変成作用を受けてい るが、それ らはいずれも玖珂層群 と同様 の岩石を原岩 とす る。 この地域 の領家変成岩 の原岩 は、 お もに泥岩・層状チャー ト・砂岩か らな り (西 村 ほか、1985,高 見ほか、1990)、 そのほか少量の 火 山砕婿 岩 と石灰岩が含まれる。岩国南部一大 畠では、全域的に層状チャー トが多量 に認 められ るほか、上位層準 に泥質岩 が、下位層準で砂質岩 が優勢である (図 9)。 ② 当地域 の領家帯の泥質岩源変成岩 に見 られ る鉱物 の組み合わせを表 3に 、変成分帯図は図 10 に示す。 当地域 では変成鉱物 としてのカ リ長石を含 まない岩石 を片岩 、含 む岩石を片麻岩 と呼ん でお り、 I帯 とⅡ帯が雲母片岩帯、Ⅲ帯∼Ⅳ帯 が縞 状片麻岩 にあた り、片岩は当地域 の北半分に、 片麻岩は中央部か ら南部にかけて分布 してい る。 この ように岩 国地域 中∼南部 の領家変成岩 の変 成度 は、北か ら南に向けて高 くな り、南部には最高変成度 の黒雲母片麻岩 (Ⅳ b帯 )と 多量の領家 花闇岩類 (新 期・ 古期)が 分布 してい る。 ③領家帯では、 この よ うな花闇岩 の熱的影響による接触変成作用 の効果 を考える必要がある。 広 島花開岩類 と新期領家花闘岩 はほぼ同時に貫入 したが、分布 の上で広島花 開岩類は片岩 に、新 期領家花蘭岩 は片麻岩に接触変成作用 を及ば したことが推定 されてい る。岩石を顕微鏡で観察す ると (図 H:東 元 ほか、1983)、 Ⅱ帯 とⅢ帯の岩石 では石英や雲母類 が一定方向に配列 してい る が、接触変成 を強 く受けた地帯では新 しくで きた鉱物 (童 青石)が それ らを包み込む よ うに成長 してい る (図 HA)の で、明 らかに領家変成作用 の後 で接触変成を受 けてい るこ とが分 かる。 ま た岩国―柳 井地域 の 中央部、由宇川流域に分布す る木部花開岩体を境 に して、北側 と南側 の地域 で地質構造 が異なつている。 表2 地 岩国―柳井地域 の領家変成帯 の 区分 と対比 (東 元 ほか,1983) 駒 ヶ根 段戸 増山 (1958) Jヽ 静井 ―岩国 柳井 ―岩口 椰井 ―岩口 岩園地域の地賀 円村 (1970, 漏本 地質調査所 (:9鶴 ) 領家 外ほ 帝 領 家 外隷 帯 界雲母 ス トレー ト構 片快 ホルン ヘルス僣 片状 ホル ン ヘルス帯 黒賞母片岩帝 域 資 咸 書 と 出 (1940, 黒盤母帯 片状 ネルン ヘルス帯 虫脅石帯 百 移 第一駐患 石僣 帯 漸 (196CD) 停 帯 縞伏 片麻増帯 脳 状 片麻岩帯 ミグマタイ ト帝 花 H君 第 二駐 韓石帯 遊 入片麻洛帯 選入片麻岩帯 片幕状花闘増 片麻状 花倒 岩 片麻状花出を ,i・ 岸伏花H岩 横状片麻樹帯 片麻状花山岩銀 237 Ⅲ 岩国市の地質 。地形 N 0 衝獄±1 2k田 ― 耳祥 十 i十 壮 □ 日 圃 図 圏 国剛 □ 日 第四系 広島花蘭岩類 百亜紀新世 滑 花闘岩 本部花闘岩 占期領家花向岩 泥質岩 層状チ ヤー ト 砂質岩および 砂質岩/泥 質岩互層 石灰岩および 石灰岩/チ ャー ト互層 図9 岩国鞠 井地域 の地質図 よる。原図は 乙部、1985、 岡山大理修論、手記 ,Nureki et al。 ,1992) (西 村 ほか、1995に 238 Ⅲ 岩国市の地質・地形 表 3岩 国 ―柳井地域 の泥質岩 、砂佐岩、層状 チャー ト源変成岩 の鉱物組合せ の変化 Hは 広 島花 開岩 、Rは 新期領家花開岩の接触変成作用 によつてできた鉱物 (西 村 ほか。1995に よる,原 図はNureki et』 .,1992) Ⅱ 領 変 成 作 用 Ma Ⅲ Ⅳ V 接 触 変 成 作 用 Hl H2 Rl R2 VIb 絹雲母 白雲母 ☆★★★ ★☆☆★ 緑泥岩 黒雲母 ☆★☆★ 童青石 ★★★★ ☆☆★☆ ざくろ石 ★★★★ 紅柱石 ★★★★ ☆★★☆ 珪線石 粒 状 ☆☆☆★ ★★★★ 繊維状 カリ長石 ★☆☆★ ★☆★☆ 斜長石 ☆☆☆☆ 石 英 1 2 3 4 5 6 (雲 母片増守) 帯 ⅡI符 片 麻 岩 い 状 帯 平審 ) Ⅵa帯 Ⅵb帯 7 囲 園 咽 8 9 団 □ 団 田 国国 盟 帯 広島花曲岩類 新期領家花開岩 古期領家花闇岩 図 10 岩国―柳井地域 の泥質岩 。砂 質岩 ・ 層状 チ ャー ト源 変成岩 による変成分帯図 (西 村ほか,1995に よる。 原 図 は Nllrekt et al,,1992) 239 皿 岩国市 の地質・地形 (A) 童青石 L 包 可︱ ︱ ︱ ︱ ︱ I 有 物 白雲母 黒雲母 絹雲母 石英 鉄 lmm 1.5mm 一 図 H 菫青石 の産状 を示す顕微鏡 ス ケ ッチ (東 元 ほか ,1983) 5)花 間岩類 ①花間岩類の区分 当地域 の花闇岩類は二つの系統に分け られ、それ らは これまで広島花開岩、新期領家花蘭岩、 古期領家花闇岩 と呼ばれてい る。以下花闇岩類 について、西村 ほか (1995)の 記述を要約 して述 べ る。花自岩類はすべて 白亜紀新世に貫入 し、当地域 の領家変成岩 の下にも花闇岩 が存在 してい ると考えられる。領家花南岩類 は片麻岩に接触 してい るが、広島花闇岩はその一部を除けば、片 岩 と非変成岩に接触 してい る。広島花 闇岩 と新期領家花開岩は接触変成帯を形成 してい るが、古 期領家花開岩 による片麻岩 に対す る接触変成作用は認 められない。 そ こで、古期領家花闇岩 は、 地下の深 い場所 で片麻岩 に調和的に貫入 した深成岩であると考え られてい る。 ② 古期領家花間岩 古期領家花 開岩 は 89-103Maの K一 Ar年 代 を示す ので 、他 の花 南岩 よ りも少 し古 い傾 向 があ る (東 元 ほか,1983)。 それ らは明瞭 な片状構造 (鉱 物 が一 定方 向に並 ぶ性 質 )を 示 し、いずれ も片状構造は接触 した片麻岩 の 片 麻 構 造 状構 造 とほ ぼ 平 行 的 で あ る。中で も蒲野花 闘閃緑 岩 は 、岩 国∼柳井地域 に広 く分布 し、角閃石―黒雲母花 闇閃緑岩 ∼ トーナル岩 (カ リ長石 に乏 しく斜長石に富む岩石)を 主体 とし、K一 Ar年 代は 89Maで ある (東 元 ほか,1983)。 その他 当地域 で最 も変成度 の高い地帯 (Ⅵ b帯 )に は、片麻岩 の構造 と整合的な レンズ状 に、 ざくろ石・ 菫青石 を含む両雲母 240 (白 雲母・黒雲母)花 闘岩 が産 出する。 Ⅲ 岩国市の地質・地形 ③新期領家花間岩 岩国南部地域 で新期領家花闇岩 として、滑 (ナ メラ)花 闇岩 と木 部 (キ ベ)花 開岩 がある。両者 とも大部分 が 中粒 。均質な岩石で、部分的には葉状構造をもつている (東 元 ほか、1983)(写 真 2)。 滑花自岩はぎくろ石 を含む両雲母花闇岩 で、まれに菫青石 を含 んでい る。滑花南岩 の周囲では接 触変成帯 の幅 が広 く、また同 じ特徴 を持 つた花闇岩 が片麻岩帯 の 中に広 く見 られ るので、片麻岩 の下位 に広 く存在 してい ると推定 され る。滑花開岩 はⅢ帯 の変成岩に累進的な高温の接触変成作 用 を与えてい る。 また木部花闇岩は、拍子木状 のカ リ長石 の班晶を含む黒雲母花闇岩 で、まれに ぎくろ石が含 まれ る。木部花闇岩は、片麻岩(Ⅳ 帯 ∼Ⅵ 帯)と 古期領家帯花闇岩 の両者に接 してい る。 写真 2 滑花聞岩。画面水平方向に鉱物 の配列が見 られ る。 岩国市科学センター所蔵 (写 真提供は加納 隆氏) ④広島花間岩 当地域 の広島花 闇岩類には、岩国花開岩、下久原 (シ モ クバ ラ)花 闇岩 などがある。 これ らには 一般 に淡紅色 のカ リ長石が含 まれ 、K‐ Ar年 代は 80∼96Ma(柴 田、1979,東 元 ほか、1983)で ある。 岩国花開岩は粗粒 。均質な角閃石―黒雲母アダメ ロ岩 (ア ル カ リ長石 と斜長石 がほぼ等量で、花開 岩 と花 闇閃緑岩 の 中間の性質を示す岩石)で 、K‐ Ar年 代 は 94Maで ある。下久原花闇岩は、中粒 の 両雲母花闇岩で、K‐ Ar年 代 は 88Maで ある。広島花開岩 との接触部に近 い部分 (高 温部)に は,周 囲の泥質岩 中に多量 の紅柱石や菫青石 が生 じている。 %1 Ш 岩国市の地質・地形 参考文献 東元定雄 ・濡木輝 ―・ 原 郁 夫・佃 栄吉・ 中島 隆 (1983)岩 国地域 の 地 質。 地域地質研 究報 告 (5万 分 の 1地 質 図幅 )、 地 質調 査所 、79p. 小 島丈兒 ・ 岡村義彦 (1952)柳 井地方。地質 巡 検旅行案 内書、九州大地質教室、 18p. 小 島丈兒 ・ 岡村義彦 ・ 吉野言生 ・ 渡 辺 寛・ 井 上 保 ・ 下 山 明 ・ 添 田 晶 (1951)徳 山・ 岩 国 ・ 柳井地方 にお ける古期岩層 お よび花 開岩類地域 の構造 と地史概 観。 地質雑 、57、 302. 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