シェアする暮らし

 近年、 少子高齢化や人口の都市部への集中に伴い、 空き家の増加が課題である。
今回、 敷地として選んだのは広島県尾道市の中心市街地である。 ここは斜面住宅地
シェアする暮らし
となっており、 生活や住居の改修が不便なだけではなく、 防災面でも多くの困難がある
ため、 空き家の件数が年々、 増加している。 一方、 尾道の斜面市街地は歴史的な
建築物が多く、 観光や景観の面で強みを持ち、 都市の顔、 中心としての位置づけは高い。
斜面住宅地では、 経済活動や居住地としての斜面市街地は公共投資の対象圏外になり
つつあり、 このギャップをつなぐ新たな方法と循環になるプロセスを構築していくことが課題である。
観光エリアの活性化という視点だけではなくコミュニティ、 教育 ・ 文化など、 居住環境に関連した
複数のアプローチの連関したモデル構想が必要である。
この場所で提案するのはシェア住宅である。 近年、 暮らしをシェアしている物件のほとんどは、
若者向けであるが、 すべての世代の人が暮らせるような物件にすることで、 世代を超えた新たな
繋がりが生まれ、 町の活性化にも繋がっていくと考える。 また、 将来的には高齢者の孤独や孤独死を防ぐためにも、
高齢者の居場所をつくるという効果もある。
貸部屋
貸部屋
①
④
部屋 A
部屋 F
部屋 B
部屋 G
1F は住人のためのキッチンや多目的スペースを
貸部屋
貸部屋
②
⑤
貸部屋
貸部屋
③
⑥
設けるだけではなく、 フリースペースとして貸し出し
2F 3F は主にシェア住居としての部屋である。
部屋 C
部屋 H
部屋 D
部屋 I
部屋 E
部屋 J
ワークショップや展覧会ができる部屋を一般に解放。
部屋は様々な大きさであり、 若者からお年寄りまで
多種多様な年齢層の人が生活する。
WC
WC
空き家配置図
WC
PICK UP
オープンスペース
多目的ペース
部屋 K
部屋 L
部屋 M
部屋 N
部屋 O
部屋 P
部屋 Q
部屋 R
風呂
洗面
キッチンダイニング
尾道三山の斜面地の土地に建つ、 RC 造3階建ての建物である。 元々 アパートとして使われて
いたが、 現在は使用されていない空き物件である。 今後、 斜面住宅地を活性化させるためにも、
移り住んでくる人々 ( 若者 ) と、 元々その場所に住んでいる人々 ( 高齢者 ) の新たなコミュニティを
生む場が必要になってくると考える。
1F
0
10
20 (m)
2 ・ 3F
WC