mCNV - いくの眼科

大規模臨床試験一挙紹介
近視脈絡膜新生血管
(mCNV)
生野 恭司
!KUNO Yasushi
い くの眼科 ,大 阪大学 ,金 沢大学
近視性脈絡膜新生血管
(mCNV)は ,強 度近視のなかで重要な失明原因の一つである.近 年抗血管
(VEGF)療 法の有効性が証明され ,治 療が定着 しつつある 以前か らベ バシズマプの
硝子体内投与の効果が示され つつあったものの ,エ ビデンスと しては決定的なものではなかつた .最
近 ,ラ ニ ビズマブとアフ リベ ルセプ トの両薬剤を用いた大規模試験が公表され ,そ の有効性は決定的
なものとな つた。このように治療 と して確立 したが ,長 期経過や再発などまだまだ解決 しなければな
らない問題もある.臨 床現場においては,こ れ らの状況を理解 しつつ患者へ の説明治療をおこな って
内皮増殖因子
いく必要がある
喘
│は
.
rds
近視性脈絡膜新生血管 ,抗
じ嘲 こ
VEGF療 法 ,網 脈絡膜萎縮
12 強度近視 に続発 す る脈絡膜新生血管 (myopic chordd温
neovascula五 za■ on:mCNV)(MEMO)は
,主 た る失 明
Ⅵ P試 験
2000年 に入 り,加 齢黄斑変性 に対す る光線力学的療
法 (photodynamた
therapy:PDT)の 効 果が実証 され
原 因で,網 脈絡膜 萎縮 のため に長期 に進 行性 の視力低 下
た mCNVに も効果が期待 され,初 の大規模前向 き研
を招 く 最 近 ,抗 血 管 内 皮 増 殖 因 子 [抗 endOthelial
究 で ある VIP試 験がお こなわれた
growth factor:VEGF]薬 の硝子体 内投 与 の有効性 が証
米 でお こなわれた前向き,無 作為 ,二 重盲検 ,多 施設研
明 され,保 険適応 も得 られた 今後 ,本 治療 は さ らに広
究 で,81名 の PDT治 療群 と 39名 のプラセボ群 に割 り
が る と予想 され る
振 られた 12ヵ 月後,プ ラセボ群 の 56%が 15文 字以上
1)本 試験 は欧州 と北
の視力悪化 をきた したが,PDT群 は 28%と 有意 に視力
IL治
療罐
悪化 を抑制 した 一方 で,5文 字以上の改善 を得 た者 は
嘲
題 で あ った mCNVは 症 例 数 が 少 な い うえ に,施 設 間
PDT群 32%,プ ラセボ群 15%と 大 きな開 きがな く,後
述す る抗 VEGF療 法 ほ どの劇的 な効果はない 残念 な
が ら,2年 後 には統計学的 な有意差が両群 間 で消失 し
2).PDTは ,短 期でわずかな効果がみ られるが,長 期
た
の偏 りが あ る.ま た光 干渉 断層計 が 出 まわ りは じめた時
的には効果がない と結論 された (図
1980年 以 降,光 凝 固や 手術 が お こ な わ れ たが ,凝 固
斑 拡 大 (atrOphic creep)(MEMO)や 過 剰 な侵 襲 が 問
期 で,診 断や評価 が極 めて 困難 であ った 必然 的 に大規
模 臨床試験 はお こなわれて い ない
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Retinaヽァ
Iedicine v01 4 no 2 2015
1)