乳幼児突然死症候群 乳幼児突然死症候群 産婦人科医師 笠原慶充

月刊ニュースレター「利根中 産婦人科通信 Doula(ドゥーラー)」は、産婦人科スタッフが手作りで発行しているお便
りです。Doula とは、出産する女性を助ける人のこと。利根中の Doula たちが、毎月妊婦さんや小さなお子さんをお持ち
のお母さんに向けて情報をお届けしていきます。どうぞよろしくお願いいたします。
乳幼児突然死症候群
SIDS
SIDS = 乳幼児突然死症候群 とは
それまで元気だった赤ちゃんが、事故や窒息が原因で
はなく、眠っている間に突然亡くなる病気のことです。
原因はまだわかっていませんが、男児、早産で生まれ
た赤ちゃん、2500g 未満で生まれた赤ちゃん、冬季、早
朝から午前中に多くみられることや、うつぶせ寝や両親
の喫煙、人工乳だけで育つ赤ちゃんに多いことが厚生省
の研究でわかっています。
日本では、およそ6千~7千人に 1 人の赤ちゃんがこ
の病気で亡くなっていると推定されています。昨年1年
間に全国で152人の赤ちゃんがこの病気で亡くなっ
ていて、0歳児の死亡原因の
第3位となっています。
生後2か月から6か月
の間におこることが多く、
まれに1歳以上でも発
症することがあります。
①うつぶせ寝は避ける
うつぶせ寝があおむけ寝に比べ
て SIDS の発症率が高いという研
究結果が出ています。医学上の理
由で必要なとき以外は、赤ちゃん
の顔が見えるあおむけに寝かせる
ようにしましょう。また、赤ちゃ
んをなるべく 1 人にしないことや、
寝かせ方に対する配慮をすること
は、窒息や誤飲、けがなどの事故
を未然に防ぐことになります。
②たばこはやめる
両親が喫煙する場合、両親が喫
煙しない場合より SIDS の発症率
が高くなるというデータがあり
ます。妊婦自身が禁煙すること
はもちろん、妊婦や乳児のそばで
の喫煙も避けるよう、身近な人の協力
が必要です。
③できるだけ母乳で育てる
次の3つを守ることで、
発症の可能性を小さくでき
ることがわかっています。
産科スタッフ紹介
スタッフ紹介
月曜日の妊婦健診と、産後健診を担当している笠原先生。丁寧な説明
とフレンドリーな人柄、そして豊富な経験から、スタッフの間でも信
頼があついんです。新病院への移転に向けて、お母さんがより安心・
安全・快適に出産し子育てが始められる病院づくりに取り組むチーム
リーダー的存在でもあります。
産婦人科医師 笠原慶充
母乳で育てられている乳
児は、人工乳の乳児と比べて
SIDS の発症率が低いといわ
れています。人工乳が SIDS
を引き起こすわけではあり
ませんが、できるだけ母乳で
育てるようにしましょう。