脳炎 原因 脳に炎症が起こっている状態です。多くの場合その原因は不明です。感染症が原因になる ことがあり、原因がわかるものではウイルス感染症(インフルエンザウイルス、ヒトヘルペ スウイルス 6 型、単純ヘルペスウイルスなど)が多いです。脳に病原体が直接侵入して悪さ をする場合と、体の脳以外の部分に感染症が起こる中で脳に炎症がおよぶ場合があります。 脳炎は髄膜炎と合併することがあり髄膜脳炎といいます。 症状 けいれん、意識障害などがみられます。髄膜脳炎の場合は頭痛、発熱、嘔吐を伴います。 診断 血液検査や背中の腰のところから針を刺して髄液という頭の中の液体を検査することが あります。脳のダメージをみるために、脳波検査といって脳が出している電気信号をみる検 査や、また MRI などの脳の画像検査をすることがあります。 治療 肺や心臓などの全身管理を行い、けいれんのコントロールをします。治療可能なウイルス が原因である疑われる場合は、単純ヘルペスウイルス、インフルエンザウイルスへの抗ウイ ルス薬を使用します。また脳の炎症を抑えるためにステロイドを大量に使用することもあ ります。 予後 脳のダメージの程度によります。軽症の場合は完全に回復することが多いですが、重症の 場合は後遺症が残ることがあります。 予防 水ぼうそう、おたふくかぜ、麻疹、風疹などは脳炎を起こすことがあります。特に麻疹は 何年もたってから脳炎を起こすことがあります。ワクチンで予防することができます。 東京都立小児総合医療センター 感染症科 2015.09
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