No1 社長に2名立候補! - 兵庫県立大学附属高等学校HP

No.1
社長に2名立候補!
―社長決定は次回持ち越し―
平成 27 年 9 月 3 日
平成27年度のSCP(Student Company Program)が始まった。兵庫県立大学へ進学する予定
の3年生10名がこの授業を選択。このプログラムは公益社団法人ジュニア・アチーブメント日本
が提供してくださるプログラムで、学校内に会社を設立し、会社経営を通じてリーダーシップやコ
ミュニケーション能力、問題解決能力などを育てていく、経済教育プログラムだ。全国では10校
程度が導入しているが、兵庫県では本校が唯一の実施校で、今年で10年目になる。
この授業は外部企業のご支援で成り立っている。今年度は兵庫県たつの市の「龍野コルク工業株
式会社」様、
「有限責任監査法人 トーマツ 大阪事務所」
「デロイト トーマツ コンサルティング
大阪事務所」様がサポートをしてくださることになった。龍野コルク工業株式会社様からは片岡孝
次 代表取締役社長様が、
トーマツ様からは2名の社員を派遣してくださり、
今日は公認会計士 山
本祥子様が本校に駆けつけてくださった。
第1回目の授業はジュニア・アチーブメント日本の理事、高木正明様が東京から本校にお越しく
ださり、SCPの趣旨説明やケーススタディを行ってくださった。
「なぜこのSCPの授業を受ける
のか?今の社会が求めていることは何か? 自分が生きていることと社会の関わりは何か?」など
このプログラムの目的をお話しくださり、会社経営をするにあたって直面するであろう問題解決の
ケーススタディをしてくださった。参加した10
名は真剣なまなざしで講義に聴き入っていた。
「意思決定したことにより、選択しなかった方の
オポチュニティ・コストについて考えましょう。
支援してくださる企業の方々も、自分たちの仕事
を差し置いて、このSCPに駆けつけてくださっ
ています。なぜそうしたのか、オポチュニティ・
コストを考えてみよう。それだけこのプログラム
には君たちの成長を期待しているのです!」高木
様の熱い語りかけにうなずく生徒たち。
ここで次回以降、社外取締役としてご支援いただく企業の方々が紹介された。まず、龍野コルク
工業株式会社の片岡様
「商品に付加価値をいかにつけるか、
皆さんで意見を戦わしてくださいね!」
次に監査法人トーマツの山本様「会計士として、会計という側面から皆さんをサポートしていきま
す!」と温かいお言葉を頂戴し、生徒たちは拍手で感謝の意を表した。
龍野コルク工業株式会社 片岡様
有限責任監査法人トーマツ 山本様
授業の残り時間あと10分になったところで、社長選出の提案。
「社長を経験することは滅多にあ
ることではありません!この授業を選択した仲間よりも何倍もの
成長が期待できます!やる気のある人は挙手してください!」高木
様の呼びかけにしばらく沈黙の時間が流れたが、仲間の熱い視線を
感じて意を決したのか、中垣一輝の手が上がった。教室の中は『や
れやれ、彼で決まりだな。
』という空気が流れていたが、高木様は容
赦しない。
「一人の立候補でいいのですか?本当にこのチャンスを逃
して後悔はしませんか?」と執拗に彼らに食い下がる。すると、も
う一人手を挙げる男子が出た。米田達海だ。
教室の前に出て、立候補演説。
中垣「最初から社長をやろうと決め
ていました。やる気は1番か2番で
す。生徒会をやっていたので、リーダ
ーシップはあります!」
米田「去年の先輩たちより利益は倍
にしたい。笑顔で働ける会社にしたい。リーダーシップはあります!」
両名の決意表明が終わると全員で無記名投票。全投票数10票だ。開票の結果、なんと、5票対
5票の同数。過去10年間で初めてのことだ。
「2トップでいこう!社長が二人いてもいいのでは?」という提案があったが、全国様々な企業の
会計監査を担当していらっしゃる山本様から「私がこれまで行った会社にはそのような会社はなか
ったです!」とツルの一声。社長決定は次回に持ち越しとなった。それぞれどんな会社にするか経
営理念を考えて再度立候補演説をすることに。ことしのSCPは波乱の幕開けとなった。
(文責
坂本 好明)