No.2 会社名はLAUREL ―第 10 代社長は中垣一輝に― 平成 27 年 9 月 7 日 今年度のSCPは外部企業の2社がサポートしてくださっている。龍野 コルク工業株式会社様とデロイト・トーマツグループ様だ。授業の冒頭、 デロイト・トーマツコンサルティング合同会社の西尾祐之様が早朝から本 校に駆けつけてくださった。 「様々な意見を戦わし、経営のプロセスを進 めて行く中でいろいろな学びを経験していただくことを期待していま す。 」温かいお言葉を頂戴したあと、前回積み残しの社長選出に入った。 デロイト・トーマツ・コンサルティングの西尾様 前回立候補したのは、中垣一輝と米田達海だが、米田の様子がどうもおかしい。 「もう社長を譲る つもりです…。 」最初から戦意喪失の表情。 「前回、立候補して先送りになったのだから、きちんと 今回も立候補演説をしてもらいます!」と意思決定には責任が伴うことを授業担当者は強調。米田 はしぶしぶ立候補演説をおこなった。 中垣「少数意見を尊重しながらやっていきたいと思います。 」 米田「笑顔で平和にやっていける会社にしたい。 」 参加者全員による投票の結果、8票対2票でSCP第10代社長は中垣一輝に決定。就任演説後、 拍手で承認された。 中垣社長の司会の元、会社の中心メンバーである役員選出に入った。 「営業」 「生産」 「人事」 「経理」の各部長の立候補を募ると次々に立候補 者が挙手。複数の立候補者がいなかったので、自動的に各部長に就任し た。 営業部長…神田彗太 生産部長…神原秀政 人事部長…米田達海 経 理部長…濱田菜津美 なお、副社長職に濱田菜津美が立候補し、承認された。 「社長をサポート して、利益を上げられるようにしていきたいです。 」 副社長の濱田菜津美 中垣社長は次に社名のアイデアを募った。一人一人指名してアイデア を出してもらうものの、斬新な社名は出てこない。社長の名前「一輝」 の一文字をとって「輝」や兵庫県立大附属高校の校歌の一部「目指せ世 界のパイオニア」から「パイオニア」が出たかと思うと、 「ぱいおにあ」 や「pioneer」と安直なアイデアが続出。 『日本には有名な音響機器メー カー、パイオニア株式会社があるのに、彼らは知らないのだなぁ…』と 授業担当者は口を挟みたくなるのをぐっとこらえた。濱田副社長が電子 辞書を駆使しながら発言。「月桂樹の花言葉は“勝利”“栄誉”があるけれど、 社長の中垣一輝 ローレルっていうのはどう?」と提案。すると便乗した「ろーれる」や「LAUREL」 「月桂樹」が提案。 中垣社長は「では、多数決で決めます。 」挙手で候補を絞っていくうちに、 「株式会社LAUREL」 に決定。なぜ月桂樹の名前を社名にしたのか、なぜ“勝利”や“栄誉”の花言葉の意味を会社名に したのか、理念が議論されることなく、フィーリングで簡単に決定してしまった。まるで文化祭の バザー感覚だ。役員5名が集まって役員会議を開いたものの、中垣社長は次に何をしたらよいのか 分からない。ジュニア・アチーブメント日本から貸与されているのはSCPマニュアル。アメリカ 発祥のプログラムなので、テキストの中身は全て英語だ。テキスト文を翻訳しながら「従業員の皆 さんは販売する商品と会社のロゴマークを考えてください!役員は会社の理念を決めよう。 」てき ぱきと指示。 社長は自分の思いを役員たちに語った。 「 “少数意見を尊重する” “経営のパイオニアになれ” “お 客様が第一!”これでいこう!」トントン拍子で決めた後、社長は黒板に書いて従業員に説明した。 「この経営理念でいきたいと思います!」ところが、授業の最後に社外取締役の西尾様が発言。 「この経営理念は社内向け経営方針が主なので、お客様に対してどのような価値を提供しようとす るのかのという経営理念としてはもう一度よく考えてみて下さい。商品を考えてからでも遅くはな いと思います。 」と忠告してくださった。深い議論もなく、文化祭のバザー感覚でトントン拍子に軽 く決済されていく様子を観察されて警鐘を鳴らしてくださった。日本の各企業の経営理念をホーム ページで研究してみることを宿題にして今日の就業時間は終了した。 (文責 坂本 好明) SCP英文テキストとにらめっこ 「もう一度よく考えて」と 社外取締役の西尾様
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