かつて恐れられた病魔 「結核」の復活(6)

B.J.A Column
かつて恐れられた病魔 「結核」の復活 ⑥
― 対岸の火事ではすまない結核の状況―
しかし、予算や体制が整わない国もあります。
旧ソ連諸国の深刻な医療体制の危機は世界中に脅威をもたらしています。
旧ソ連の全体主義が達成した一つの成果は整備された統一医療制度でした。
しかし、それも共産主義と共に消滅し、1991 年にソ連が崩壊すると医者や研究者は去り、
病院の資金は枯渇しました。
1990 ~ 1994 の間に旧ソ連における男性の平均寿命は 64 歳から 57 歳に低下し、先進国
で最低となったことからも惨状は理解できると思います。
中でも、収容者があふれる予算の少ない刑務所が多剤耐性結核の発生源となっています。囚
人の 9 割が結核の発病者で、1/4 が多剤耐性結核です。
毎年釈放される囚人 30 万人のほぼ全員が多剤耐性結核を含む結核の感染者で、彼ら もし
くは 彼らと接触して感染した人が、新たな生活を求め国外へでる場合も多く、彼ら移民が
世界中に結核を広めることとなっています。
人類は 抑え込めたはずの結核を 逆にパワーアップさせて世界中に解き放ってしまったの
です。 ⑦へ続く
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