安 全 保 障 法 関 連 法 案 の 制 定・改 定 に 反 対 す る 声 明 2015 年、日本政府は、自衛隊法、武力攻撃事態法、周辺事態法、国連平和維持活動協力 法等を改正する平和安全法制整備法案、及び新法としての国際平和支援法案を閣議決定し、 5 月 15 日の沖縄「復帰」記念日に、衆議院への法案提出を行いました。そして 7 月 16 日 には、衆議院本会議がこれらの法案を可決しました。 日本国憲法前文には、「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平 和のうちに生存する権利を有することを確認する」とあります。集団的自衛権の名のもと に、他国の戦争に武力で介入すれば、他国の国民の、平和のうちに生存する権利を否定す ることになります。また、第 9 条は「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の 行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とうたっています。 違法・不当な侵略を受けていない状態で日本が他国に武力介入することは、国際紛争を解 決する手段としての武力の行使に他なりません。 社会は自由で平等な個人の契約によって成立するとジョン・ロックは主張しました。民 主主義の精神とは、同意による社会の運営です。私たち非常勤講師組合は、どのような交 渉相手に対しても、説得と同意により多くの問題を解決してきました。どれほど理不尽な 事件・相手であっても、誠実な交渉は必ず良い結果をもたらします。それは憲法前文がい うように、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しよ うと決意した」からです。世の中に、殺人や暴力でしか解決できない問題は存在しないと、 私たちは強く実感しています。 この法案は、他国の政府や他国民を対等な相手として扱わず、問答無用の殺人や暴力で 解決することを目指すものに他なりません。現在、沖縄の辺野古で日米両政府が強行に推 進している新基地建設も、自国の民意を省みない暴挙であり、これまでの日本の外交努力 による世界平和の推進を無化するに等しい行いです。私たちは、それをいかなる理由にお いても認めることはできません。それは日本国憲法、私たちの活動のみならず、人類の進 化と発展そのものの否定になるからです。 よって、私たち非常勤講師組合は、基本的人権の保障を活動目的に掲げる団体の使命と して、また教育研究に携わる者の社会的使命として、その違憲性を訴え、これら安全保障 法制の制定・改定に強く反対いたします。そして「7/14 緊急シンポジウム学者の会× SEALDs KANSAI」やこの法案に反対する全ての組織、人々、集会、声明に賛同し、連帯 いたします。 2015 年 7 月 28 日 首都圏大学非常勤講師組合 東海圏大学非常勤講師組合 関西圏大学非常勤講師組合 大学等非常勤講師ユニオン沖縄
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