水分補給

男バス注目!
レベルアップするための『食』の鉄則
ハラが減っては
バスケはできぬ !
鉄則その12
岩切 佳子 Yoshiko Iwakiri 株式会社 明治 管理栄養士
『水分補給』
たかが水分、 されど水分
車椅子バスケッ
ト京谷和幸さん、トランポリンの中田大輔選
手の栄養サポートを担当。
アメリカンフッ
トボール専門誌 「月
刊タッチダウン」
、トレーナーに向けたJATI EXPRESSに
連載中で、幅広く栄養情報の普及活動を行う。自身も小
学生から今もなお、バスケッ
トボールに深く親しんでいる。
■ 発汗時に水だけ飲んでいるとどうなる?
結果的に
「男子バスケ部集合!」
今年も蒸し暑い季節がやってきました。年々真夏日が増
えているなんて話もききますし、熱中症にかかる人も増えて
運動して
発汗
体液量が
減る
水分とともに
電解質も失う
いるようですから、十分に注意しながら、練習や試合に臨
水(だけ)
を飲む
体液が
薄くなる
体液の
電解質
濃度を
戻そうと
する
水分が
尿として
排泄される
体液不足
水分を
体内に
保持できない!
※体液 = 水分 + 電解質
みたいですね。皆さんも各自水筒を持って練習に来ていま
運動時の水分補給は水・お茶だけでは不十分。
スポーツドリンクで電解質も補給!
すか ? のどが渇いたと思ったときには、すでに脱水症状の
現れですから、そうなる前、練習の順番待ちなどの時に、
各自で水分補給を行ってくださいね。一回の量は少なくて
いいので、こまめに口にするのが水分補給のコツです。水
分補給を過不足なくできているかどうかをチェックするため
■ 同じスポーツドリンクのようでも
「浸透圧」が異なることに注目しましょう!
アイソトニック
ハイポトニック
※イメージ図
にも、練習前後で体重を測ることをオススメします。練習前
と練習後の体重差が2%以内であれば合格です。
ちなみにカラダの水分の約1%が失われるとのどが渇きま
運動時は
スポーツドリンクの中でも
ハイポトニック飲料を!
す。約3%失われるとパフォーマンスの低下を招きます。約
10 %の減少で筋肉のケイレンが起きたり、意識がもうろう
となってきます。ですから、試合の後半になるとよく足がつっ
より速やかに
水分が吸収されるのは
ハイポトニック !
体液と等しい浸透圧を
アイソトニックという
体液よりも低い浸透圧を
ハイポトニックという
※ 100mlあたり炭水化物(糖質)2.5g 以下
のものを選ぶ
たりする選手は、水分補給に気を付けることで、解消でき
バスケットボールにおける水分補給のポイント
るようになるかもしれません。試合の勝敗も左右すると思う
と、おのずと意識が高まりますね。水分補給といっても、水
を飲んでいればいいのかというと、そうでもありません。
汗で失われるものは水分だけではなく、電解質も含まれて
❶ 運動前にもしっかりと水分補給
運動の 30 分~ 1 時間前に 250 ~ 500mlを補給
❷ のどが渇く前にこまめに ( 一気飲みはしない )
いますから、その補給のためにも、運動中の水分補給は電
15 ~ 30 分間隔でコップ 1、2 杯が目安
解質を含むスポーツドリンクが適していると言われていま
❸ 運動時はスポーツドリンクを
す。また、長時間の運動時にはエネルギー補給のために炭
水化物(糖質)の含まれたものが望ましいです。炭水化物(糖
質)の量はスポーツドリンクの浸透圧に関係していて、浸透
圧が体液と等しいものがアイソトニック、体液よりも低いも
のがハイポトニックと呼ばれます。運動中、より速やかに水
分がカラダに吸収されやすいのは糖濃度2.5%以下のハイポ
トニック飲料です。特に汗をかく量が増える夏場は、カラダ
から失われた水分を素早く取り戻すため、ハイポトニックの
方が適しているのです。また、水分の温度は5~ 15 ℃くら
いに冷やされたものが吸収されやすい適温となります。冷
やしたものを水筒などに入れて備えておくといいでしょう。
お茶、水よりも炭水化物(糖質)
・ミネラルを含んだスポーツドリンク
(ハイポトニック)
が最適
❹ 適度に冷やしておく
5 ~ 15 ℃が目安
ウソ ?
ホント ?
教えて! 岩切先生
運動直後にオレンジジュースを飲むといいと言われますが、
野菜ジュースや牛乳などでは効果はありませんか ?
運動直後には、運動で消耗した分やカラダの修復に必要な分の栄養を摂り、リカバリーを早
めることがポイントです。補給したい栄養素は、炭水化物(糖質)
、たんぱく質、ビタミン、ミネラルです。オレンジジュー
スはこのうち、炭水化物(糖質)
、ビタミン、ミネラルが補給でき、中でも疲労回復に良いとされるビタミン C
やクエン酸が多く含まれるため、運動直後に飲むと良いと言われています。野菜ジュースも同様ですが、ビ
タミン C やクエン酸はものによってはあまり含まれていないので、栄養成分表示を参考にすると良いでしょ
う。牛乳はカラダの修復に必要なたんぱく質やカルシウムが豊富なので、
これも運動後に適しています。
それぞれの特長を生かし、組み合わせて摂ると良いですね。
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