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食事で身体の不調を整えるコツ
栄養科
管理栄養士 武居 由佳
炭水化物
三大栄養素
脂質
たんぱく質
栄養素の役割
エネルギーに
なるもの
からだを
つくるもの
炭水化物、脂質
たんぱく質、ミネラル
脂質
からだの調子
を整えるもの
ビタミン、ミネラル
現代の特徴
過剰
不足
脂質
炭水化物
塩分
ビタミン
ミネラル
・栄養素のアンバランス
による栄養失調
・質の悪い脂質を摂りす
ぎて脂質異常症(高脂
血症)
・糖質を過剰に摂りすぎ
ることによる糖尿病
・塩分の摂りすぎによる
高血圧症
メタボリックシンドロームの増加
本日の内容
三大栄養素
炭水化物、脂質、たんぱく質
 試食
 塩分
 1日の目安量

炭水化物(糖質)とは

糖質って何?
「食べて甘く感じるものが糖質?」
→米や小麦などの穀類や、芋類に多い「デ
ンプン」も糖質です
糖質は、主食であるご飯やパン類、めん類、
いも類、砂糖類などに、多く含まれる三大栄
養素で、ほとんどがエネルギー源として使
われます。
炭水化物(糖質)の特徴
エネルギー源には、他にも、たんぱく質や
脂質などの栄養素もありますが、糖質は一
番早くエネルギーに変えることができます。
 糖質を体のエネルギーに変えるときは、主
にビタミンB1やナイアシン、ビオチンなどが
必要です。
 一方、摂りすぎると、脂肪に姿を変え皮下
に蓄積されるので、肥満の原因になります。

炭水化物(糖質)

食品成分ラベルで糖質量がわかる!
糖質量=炭水化物-食物繊維
栄養成分表示例(100g当た
り)
エネルギー
たんぱく質
脂質
炭水化物
食物繊維
ナトリウム
カルシウム
136kcal
9.2g
1.5g
25.4g
7.9g
210mg
81mg
糖質量=25.4g-7.9g
=17.5g
脂質とは
脂質は、細胞膜、血液、ホルモンなどの原料にな
り、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンEなどの脂溶性
ビタミンの吸収をよくする働きがあります。
 エネルギー源としても重要で、1gが約9kcalです。
 脂質は少量で高エネルギーであることから、「摂っ
てはいけないもの」という見方をされがちですが、
私たちの身体に欠かせない栄養素です。大切な
のは、摂りすぎないことです。

脂質とは

油を必要以上に減らすと・・・
代謝が悪く、疲れやすくなり、肌のしわやた
るみが増し、ホルモンの乱れやイライラの
原因になります。

主な食品
脂質の種類
脂肪の種類
主な働き
飽和脂肪酸
コレステロールを増 肉類、卵、バター、
やす
チーズなど
一価不飽和脂肪酸
(オレイン酸)
コレステロールを減 オリーブ油、なたね
らす
油、ごま油など
多価不飽和脂肪酸 血液をさらさらにし
n-3系(リノール酸) 中性脂肪も下げる
n-6系(リノレン酸)
多く含まれている食
品
いわし、サバなどの
青魚、しそ油など
摂りすぎると善玉コ サフラワー油、サラ
レステロールも下が ダ油、マーガリン、
るので注意
大豆油など
トランス脂肪酸とは
トランス脂肪酸は、LDLコレステロールを増
加させ、HDLコレステロールが減り、心臓
病のリスクを高めます。
 トランス脂肪酸が入っている食品
マーガリン、ショートニング等の加工された
油、マーガリンやショートニングを原材料と
して作ったパン・ケーキ・ドーナッツ・揚げ油
等

脂質の適正量

1日に必要な調理油の量
脂質は1日にエネルギーの20~25%の摂
取が適切です。
例えば、1800kcalの人であれば、360~
450kcalとなります。油脂量でいえば、40~
50gです。
・肉や魚の脂を考慮すると・・・
調理油の使用は1日大さじ2杯(約30g)ま
でにとどめることが理想的です。
見える油と見えない油
見える油:ドレッシング、マヨネーズ、バター、
サラダ油、オリーブ油など
見えない油:揚げ物、洋菓子類、菓子パン、
ラーメン、カレーなどの加工食品や肉・魚・
乳製品などの素材に含まれる油
調節しやすい見える油は3割、わかりにくい見
えない油は7割もあります。
たんぱく質とは
たんぱく質は、生命活動を維持するために
欠かせない栄養素です。
毎日、食事からたんぱく質を摂る必要があり
ます。
 筋肉、臓器、皮膚、毛髪、血液成分、ホルモ
ン、免疫の抗体、遺伝子もたんぱく質ででき
ています。

たんぱく質の不足
不足すると・・・
・筋肉が減少し、代謝が落ちる
・肌荒れ、肌のハリが失われる
・免疫力が低下する
・思考力や集中力が衰える
・髪が傷む
たんぱく質 必要量
男
女
1~2歳
20g
20g
3~5歳
25g
25g
6~7歳
35g
30g
8~9歳
40g
40g
10~11歳
50g
50g
12~17歳
60g
50g
18~69歳
60g
50g
70歳~
60g
50g
高齢になって食事量が落ちて
も、たんぱく質は成人と同じく
らい必要になります。
魚や大豆でも、たんぱく質を
摂ることができますが、肉は
鉄分や脂肪など、ほかの栄
養も一緒に摂れるうえ、必要
なたんぱく質を効率的に摂取
できます。
試食
「焼き豆腐の味噌煮」
 「けんちん汁」

塩分

塩分摂りすぎると・・・
のどが乾く
血圧が上がる
むくみが出る
高血圧症
腎臓疾患
不整脈や心疾患
1日の塩分摂取量は7~8gが目安で
す
男性 8g未満
女性 7g未満
塩分の換算

ナトリウムを塩分換算する
食塩相当量(g)=ナトリウム量(mg)×2.54÷1000
<栄養成分100gあたり>
エネルギー
たんぱく質
脂質
炭水化物
ナトリウム
(食塩相当量)
205kcal
9.3g
5.5g
29.6g
3.9g
9.8g
食塩相当量1g=
ナトリウム量約400mg
換算式を覚えて計算するの
が面倒なときはこれを覚えて
おくと便利です!
減塩のコツ
1.
だしをたっぷり使う
だしを効かせれば、薄味でも満足の味わいに。
2.
酸味や香りを効かせる
塩味以外の味覚を加えることで、塩分を抑える。
3.
新鮮な食材を使う
食材そのものがおいしければ、調味料は抑えられる。
4.
塩抜きを徹底
塩もみなどで使った塩分や塩蔵品は完全に塩抜きする。
5.
焼く・揚げるなどの工夫
焦げ目をつけて香ばしさを出すなど、調味料に頼らない工夫も。
食べ方のコツ
1.
麺類の汁は残す
ラーメンなどの麺類は、塩分量が多いメニューで、汁まで飲むと5g
程度は塩分摂ることになります。
一般に味噌や醤油味よりとんこつや塩味の方が塩分多めなので注
意しましょう。
具の多いメニューを選ぶこともポイントです。
2.
外食・インスタント食品は1日1食まで
外食やインスタント食品は、一般的に塩分が高めになっています。
1食だけで1日の塩分摂取量の大半を占めます。
3.
おつまみにも要注意
ハム・チーズ、練り物などの加工食品は塩分が多めです。お酒のお
つまみには、これら塩分の高いものがおいしく感じられるもの。
減塩のためには、飲酒量をひかえることも大切です。
バランスの良い食事とは
エネルギーに
なるもの
からだの調子
を整えるもの
からだを
つくるもの
この3つの要素を毎食
取り入れることが大切
です。
それには
1、主食
2、主菜
3、副菜
の組み合わせが基本
です。
1日必要な食品目安量

主食になるもの(炭水化物)
ご飯の場合は、両手に納まる茶碗を使って、軽く1杯を1日3回
朝・昼・夕食べる。
例)1600kcalのエネルギー必要量の人は、1食150g程度のご飯が
適量です
ご飯1杯の代わりとして・・・食パン6枚切り1枚半、うどん1玉(240g)、
中華めん3/4玉(130g)
1日に必要な食品目安量

主菜になるもの(たんぱく質)
両手のひらにのる程度
魚・肉は種類、部位によって大きさの調整が必要です。
(脂身が多いものは少し小さめにしましょう)
例)魚50g、肉50g、卵50g(Mサイズ1個)
大豆製品110g(大1/4丁)
1日に必要な食品目安量

副菜になるもの(ビタミン、ミネラル)
両手1杯の緑黄色野菜
約100~150g
海藻類 30~50g
きのこ類 50g
両手2杯の淡色野菜 約200~250g
野菜は目安量に関わらず、緑黄色野菜、
淡色野菜、きのこ類、海藻類を取り混
ぜて、毎食両手に1杯は食べましょう
*糖質の多い野菜
じゃがいも、さつまいも、かぼちゃ、れんこんなどは、糖質
を多く含むので、握りこぶし1個分が1日の目安です。
1日に必要な食品目安量

果物(ビタミン)
1日200g
人差し指と親指の輪の
中に入る大きさが1日
の目安です

乳製品
牛乳、ヨーグルトなど
合わせて200ml
病院の1日分の食事(例)

朝 米飯
味噌汁
赤貝缶
がんもの煮付け
中華クラゲ入り酢の物
梅漬け
牛乳
エネルギー632kcal
蛋白質 26.3g
脂質 21.0g
炭水化物 80.9g
(糖質 77.9g)
食塩量 4.5g


昼 米飯
サンマの香り漬
寄せ豆腐
エネルギー618kcal
蛋白質 22.3g
りんご
脂質 22.2g
白菜漬
炭水化物 77.3g
夕 米飯
ヘルシー豚しゃぶ
ソーセージサラダ
きゅうりのヌカ漬け
わかめスープ
(糖質 74.5g)
食塩量 2.3g
エネルギー602kcal
蛋白質 19.5g
脂質 24.7g
炭水化物 72.3g
(糖質 69g)
食塩量 3.3g
まとめ

身体の不調は・・・
食事の内容が原因かも!?
・炭水化物、脂質、塩分は摂りすぎに注意しま
しょう。
・たんぱく質は肉、魚、大豆製品からも毎食
摂るようにしましょう。
ご静聴ありがとうございました