金融政策と財政政策の協調性高まる第二次ルセフ政権(レッグメイソン)

<マーケット・レター>
2015年1月22日
レッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社
金融政策と財政政策の協調性高まる第二次ルセフ政権
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ブラジル中銀は0.50%の追加利上げを決定し、政策金利を12.25%へ引き上げ。インフレ抑制姿勢を維持。
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次回3月会合では0.25%の追加利上げが予想される。その後、2015年末までは政策金利は据え置かれる見通し。
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財政政策では、レヴィ財務相は景気対策よりも財政健全化を優先させる姿勢。1月19日には追加増税策を公表。
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当面は景気停滞が続く公算が高いものの、金融・財政政策の協調性の高まりは投資家の信認回復に繋がると期待。
図1:ブラジルの政策金利とインフレ率
ブラジル中銀は0.50%の追加利上げを決定
ブラジル中央銀行(BCB)は1月20-21日(現地時間)の
政策決定会合で、政策金利を0.50%引き上げ12.25%と
する決定を下しました(図1)。利上げは3会合連続で、
0.50%の利上げは2014年12月に続いて2ヵ月連続となり
ます。足元で、2014年12月の拡大消費者物価指数
(IPCA)が前年比+6.4%とインフレ・ターゲットの上限付近
で推移する中、ブラジル中銀はインフレ抑制のための金融
15
14
13
12
11
10
9
8
7
6
(%)
ブラジル中央銀行 政策金利
(Selic金利誘導目標)
12.50%
12.25%
11.00%
8.75%
7.25%
08
引き締め姿勢を維持しました。
(期間:2008年1月1日~2015年1月21日)
13.75%
09
10
(前年比、%)
中銀は次回会合で0.25%の利上げ実施の公算
直近のブルームバーグ集計のコンセンサスによれば、次
6.0
実施された後、2015年末まで政策金利は12.50%で据え
5.5
置かれるとの見方が大勢となっています。
協調性高まるブラジルの金融・財政政策
財政政策の面では、レヴィ財務相は投資家の信認回復
のため景気対策よりも財政健全化を優先させる姿勢を示
しています。財務相は1月19日には、燃料、輸入品、およ
び消費者ローンに対する増税策(総額206億レアル、約
9,300億円*)を公表しました。
13
14
15 (年)
2014年12月
前年比+6.4%
インフレ・ターゲット上限
6.5
回3月3-4日の政策決定会合で0.25%の追加利上げが
12
(期間:2008年1月~2014年12月)
7.5
7.0
11
拡大消費者物価指数(IPCA)
5.0
4.5
インフレ・ターゲット中心
4.0
08
09
10
11
12
13
14
(年)
15
(出所)ブラジル中央銀行、ブラジル地理統計院
図2:ブラジル政策金利、2年債利回りとレアル相場
(%)
20
ブラジル・レアル
対米ドル相場(右軸)
レアル安
18
(レアル)
3.0
2.5
第二次ルセフ政権では、金融政策はインフレ抑制を重
視し、財政政策は財政再建を目指すなど、金融・財政政
策は引き締め型で足並みを揃えています。当面のブラジ
ル景気は停滞が続く公算が高いものの、金融・財政政策
レアル高
16
2.0
ブラジル
2年国債利回り
(左軸)
14
の協調性が増していることは、ルセフ政権への投資家の信 12
認が回復する要因となると期待されます。
一方、ブラジル中銀による一連の利上げにより、ブラジル
の2年国債利回りは足元で12%前後の水準へ上昇してい
ます(図2)。主要国債券市場では長期金利の低下が一
段と進む中、ブラジル国債は金利差の面での投資妙味が
増しているものと考えられます。
(*)換算レート:1レアル=45円
10
1.5
1.0
0.5
8
0.0
ブラジル政策金利
(左軸)
6
08
09
10
11
12
13
14
-0.5
15 (年)
(出所)ブルームバーグ (期間)2008年1月1日~2015年1月21日
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