ブラジル中銀、政策金利を据え置き

臨時レポート
ブラジル中銀、政策金利を据え置き
2016年3月3日
ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社
■ ブラジル中央銀行(以下、中銀)は、5会合連続で政策金利を14.25%に据え置きました。
■ 市場では国内外の不透明感増大を背景に政策金利は据え置かれるとの見方が優勢となっていました。
■ ブラジルの通貨レアルは国内の景気低迷やペトロブラスの汚職問題に対する捜査、政治的混乱の継続に加え、商
品市況の不安定さ等から依然として神経質な展開が続くと予想されますが、一方で足元では悪材料に反応し難く
なってきている模様です。
【政策金利を14.25%に据え置き】
中銀は3月2日(現地時間)、5会合連続で政策金利を14.25%に据え置くことを決定しました。前回1月の会合同様、トンビニ
総裁を含む6名の委員が金利据え置きに賛成しましたが、2名は0.5%の利上げを主張し反対票を投じました。
声明文は、「現在のリスクバランス、国内及び海外における不透明感を考慮した」と前回とほぼ同様の内容となり、今後の
政策金利の見通しに関する言及はありませんでした。
ブラジルでは食料品価格の高騰等を背景に2016年1月のインフレ率は前年比+10.71%まで上昇しています。しかしながら、
3月3日(現地時間)発表予定の2015年10-12月期のGDP成長率は前期比-1.6%と予想される等、景気悪化はさらに深刻
化かつ長期化していることに加え、前回会合以降、中銀がタカ派的な色合いを弱めたとの見方が広がっていたことから、市
場では今回も政策金利の引き上げは見送られるとの見方が優勢となっていました。
【今後の見通し】
市場の反応は、引け後の発表であったため本日の動向をみる必要がありますが、今回の決定は概ね予想通りであったこと
から、反応は限定的になると見られます。インフレ動向については上昇傾向が予想以上に長期化していますが、今後は規
制価格によるインフレ押し上げ圧力が落ち着くとみられることや、景気悪化の影響が拡大し徐々に落ち着いていくと見られ
ます。
政策金利については、中銀が今後の金融政策に言及しなかったことから、経済指標等の動向により判断されるものと見ら
れます。景気の鈍化によるインフレの抑制効果が足元では意識されており、金利据え置きまたは利下げへ転じるとの予想
も徐々に増えつつあります。このため、今後発表される経済指標や今回反対票を投じた2名の委員を含めた高官発言等に
注目しています。
為替市場は、政治的混乱や景気低迷の長期化、ペトロブラスの汚職問題に対する捜査に加え、商品価格の動向等、複数
の要因に左右されると見られます。一方で、2月にはブラジル国債が相次いで格下げされたにも関わらず、レアルにその影
響があまり見られなかったことから、景気悪化や格下げ等の悪材料は相当程度織り込まれたとも考えられます。このため、
政治・経済的な不透明感がある程度後退し、インフレ率が低下に向かう等の兆しが見られれば、主要先進国に比較し高い
政策金利等が意識されて、レアルは安定に向かう可能性もあると思われます。
(%)
【図表】ブラジル政策金利とインフレ率の推移
(2008年1月1日~2016年3月2日、日次)
【図表】ブラジル・レアル(対円、対米ドル)の推移
(2008年1月1日~2016年3月2日、日次) (レアル)
(円)
80
16
政策金利
0.5
インフレ率(前年同月比)
14
レアル/円(左軸)
70
12
1.0
米ドル/レアル(右軸)
1.5 レアル
60
高
2.0
10
50
2.5
8
40
3.0
6
30
4
2
0
2008/1/1
3.5
レアル
安
4.0
20
2009/7/1
2011/1/1
2012/7/1
2014/1/1
2015/7/1
10
2008/1/1
4.5
2009/7/1
2011/1/1
2012/7/1
2014/1/1
(年/月/日)
出所:Bloomberg
出所:Bloomberg
※インフレ率は2016年1月まで。
※データは記載時点のものであり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。
2015/7/1
(年/月/日)
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