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速度分布と反応確率
1. 単純衝突論-1
・衝突が常に共線的に(図 1)起こるものと仮定して、活性
化エネルギーEa よりも運動エネルギーmv2/2 が大きい
ような衝突のみが反応に有効であると考える。
3 次元のマックスウエル-ボルツマンの速度分布
æ m ö
÷÷
p( v) dv = 4p çç
è 2pk BT ø
3/ 2
v2e
mv2 / 2k BT
v
A
B
図 1 A―B の共線衝突
dv
を用いて、そのような衝突を求める事によって、反応速度定数を計算する。
2
k= pd AB
ò
¥
2Ea/m
v p( v)dv
mv2/2 > Ea すなわち、v > 2 Ea / m のものを合計する。
vp(v)となっているのは、速度 v の衝突は 1 秒間に v 倍起こるため。
æ E ö
æ E ö
2
= pd AB
v çç 1 + a ÷÷ expçç - a ÷÷
è k BT ø
è k BT ø
f ( v) = Cv3 exp(-mv2 / 2k BT )
2. 単純衝突論-2
・衝突は共線的でなく、任意の角度q
Ea =mvC2/2
で起こるが、その衝突の共線方向の
衝突エネルギーが mv2/2 以上のもの
のみが有効であると考える(図 3 の
vC
AB 方向)
。
・A に対して角度q~q +dq で衝突する B
図 2 273K の Maxwell-Boltzmann 速度分布
分子の数は、図 3 にあるように、A
A
を中心とした半径 dAB の球面のq~q +dqに
v
あたる表面を見込む断面積
q
dAB
dABcosq dq ×2p dABsinq
B
2
=2p dAB sinq cosq dq
に比例する。
dABdq dABcosq dq
・速度 v~v+dv で上記の角度q~q +dqで衝突す
dq
るものの衝突数は、従って、
dAB
v
2
z ( v,q )dvdq = (n AnB ) 2pd AB sin q cos qdqdv
q
dABsinq
となる。ここで、nA、nB は分子 A,B の数密
度である。
dABcosq dq ×2p dABsinq
図 3 A-B 間で角度q ~q+dqで起こる衝突の断面積
1
・ここで、中心軸方向の運動エネルギーの成分が Ea 以上のものを考えると、
m(vcosq)2/2 > Ea
であるから、衝突の際の角度q は、
0 < q < cos-1(2Ea/mv2)1/2
でなければならない。
・衝突数を角度が上記の範囲のものについて積分すると、
cos -1 ( 2 E a / mv 2 ) 1 / 2
2E
1
sin q cos qdq = (1 - a2 )
ò0
2
mv
なので、更に v について、m v2/2 > Ea の範囲で積分すると。
2
Rate = n AnB 2pd AB
1 ¥
æ 2 Ea ö
1 - 2 ÷ vp( v)dv
1/ 2 ç
ò
(
2
/
)
E
m
a
2
è mv ø
æ Ea ö
2
÷÷
= pd AB
v expçç è k BT ø
æ Ea ö
÷÷
= A expçç k
T
B
è
ø
ただし、 v =
8kT
であり、m は A-B の換算質量である。
pm
2