応用音響学 後半第2回

応用音響学 後半第2回
2015/6/9
応用音響学
1
波動としての振る舞いを扱う
2015/6/9
応用音響学
2
こんなニュース
2014/03/07
ダイソン,ヘルムホルツ空洞を活用して
静音化したファン無し扇風機を発売
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/
20140307/338753/
2015/6/9
応用音響学
3
今日の目標
• 平面波の伝搬について,媒質の特性を表す
「音響インピーダンス密度」について理解する
• 無限に続く管のときに比べて,
有限の長さの管の,先端が開いているとき,
閉じているときはどのように違って見えるか?
• 管の径が変化したらどうなるか?
2015/6/9
応用音響学
4
今日やる諸問題の解き方手順
• 波動方程式を導く
• 速度ポテンシャル𝜙の式に書き換える
• 𝜙 = 2𝛷ej𝜔𝑡 という振動解を仮定して,
式を解く
• 物理的な意味を理解する.
2015/6/9
応用音響学
5
平面波
1次元方向(𝑥方向)に伝搬する波
音の場合,無限に広い振動板で空気を押した場合
媒質が𝑦, 𝑧 方向には移動しない
→ なので,適当な管を持ってきて一部を切り出しても
現象は変わらない
𝑥
2015/6/9
応用音響学
6
管内の平面波の波動方程式
∆𝑥
𝑃
𝜕𝑃
𝑃+
∆𝑥 断面積𝑆の管の中を1次元的に
𝜕𝑥
空気の圧力の変化が伝搬する場合を想定
力は圧力差×面積なので,
𝜕𝑃
𝜕 2𝜁
−
∆𝑥𝑆 = 𝜌∆𝑥𝑆 2
𝜕𝑥
𝜕𝑡
∆𝑥
𝜁
𝜕𝜁
𝜁 + 𝜕𝑥 ∆𝑥
𝜕𝑃
→ −
𝜕𝑥
=
𝜕𝑣
𝜌
𝜕𝑡
𝑣=
𝜕𝜁
𝜕𝑡
(1)
前回までは,管内の空気が一体となって動いていたので,
𝜕𝜁
𝜕𝑃
∆𝑥
=
0,
∆𝑥 = 0 のときを考えていた.
𝜕𝑥
𝜕𝑥
2015/6/9
応用音響学
7
∆𝑥
𝑃
ΔV
𝜕𝑃
𝑃+
∆𝑥
𝜕𝑥
体積変化の割合 V について考えると
𝜕𝜁
ΔV = 𝜁 − 𝜁 +
∆𝑥
𝜕𝑥
𝜕𝜁
= − 𝜕𝑥 ∆𝑥𝑆
∆𝑥
ΔV
V
𝜕𝜁
𝑆
なので
𝜕𝜁
= − 𝜕𝑥
𝜁 + 𝜕𝑥 ∆𝑥
𝜁
体積変化に圧力が比例するので,
𝑃=
𝜕𝜁
−𝐾
𝜕𝑥
と書ける
この比例定数𝐾を体積弾性率と呼ぶ
両辺時間で偏微分して,
𝜕𝑃
𝜕𝑡
2015/6/9
=
𝜕𝑣
−𝐾 𝜕𝑥
𝑣=
𝜕𝜁
𝜕𝑡
応用音響学
(2)
8
平面波の波動方程式
(1)
𝜕𝑃
−
𝜕𝑥
=
𝜕𝑣
𝜌
𝜕𝑡
と
(2)
𝜕𝑃
𝜕𝑡
=
𝜕𝑣
−𝐾
𝜕𝑥
より,
𝜕2𝑃
1 𝜕2𝑃
= 2 2
2
𝜕𝑥
𝑐 𝜕𝑡
𝜕2𝑣
1 𝜕2𝑣
= 2 2
2
𝜕𝑥
𝑐 𝜕𝑡
2015/6/9
応用音響学
𝑐=
𝐾
𝜌
9
(一回目のスライド)
音響コンプライアンス
d𝑉
𝑉
であり, この𝛾𝑝0 を体積弾性率𝐾という
d𝑉
𝑝=𝐾
𝑉
体積の変化率に対して,圧力がどれくらい変化するかを表す
• 𝑝 = 𝛾𝑝0
• 体積弾性率𝐾と音速𝑐の間には,𝑐 =
𝐾
𝜌
という関係がある
ので,(授業2回目に導出予定)
𝑝=
2015/6/9
𝜌𝑐 2
𝑉
𝑢 d𝑡
応用音響学
(2)
10
速度ポテンシャル
2本の波動方程式
𝜕2 𝑃
𝜕𝑥 2
=
1 𝜕2 𝑃
𝑐 2 𝜕𝑡 2
𝜕2 𝑣
𝜕𝑥 2
=
1 𝜕2 𝑣
𝑐 2 𝜕𝑡 2
で考えても良いが,音の場合には以下のような速度ポテンシャル
𝜙という量を導入して考える
𝜕𝜙
𝜕𝜙
𝑃 = 𝜌 𝜕𝑡 , 𝑣 = − 𝜕𝑥
𝑣に関して
𝑃に関して
左辺:
𝜕2 𝑃
𝜕𝑥 2
=
1 𝜕2 𝑃
右辺: 2 2
𝑐 𝜕𝑡
𝜕 𝜕2 𝜙
𝜌 𝜕𝑡 𝜕𝑥 2
=
𝜌 𝜕 𝜕2 𝜙
𝑐 2 𝜕𝑡 𝜕𝑡 2
左辺:
𝜕2 𝑣
𝜕𝑥 2
=
1 𝜕2 𝑣
右辺: 𝑐 2 𝜕𝑡 2
𝜕 𝜕2 𝜙
−
𝜕𝑥 𝜕𝑥 2
=
1 𝜕 𝜕2 𝜙
− 𝑐 2 𝜕𝑥 𝜕𝑡 2
𝜕2𝜙
1 𝜕2𝜙
= 2 2
2
𝜕𝑥
𝑐 𝜕𝑡
2015/6/9
応用音響学
11
速度ポテンシャル
𝜕2𝜙
1 𝜕2𝜙
= 2 2
2
𝜕𝑥
𝑐 𝜕𝑡
この方程式を解き,
𝑃=
𝜕𝜙
𝜌
𝜕𝑡
,𝑣=
𝜕𝜙
−
𝜕𝑥
を利用して,圧力と粒子速度を算出する
2015/6/9
応用音響学
12
解いてみる
𝜙 = 2𝛷ej𝜔𝑡 とおいて波動方程式に代入.
ここで, 𝛷は速度ポテンシャルの複素実効値を表し,
距離𝑥のみの関数
つまり,時間と空間を分けて考える.
時間微分はj𝜔の掛け算になるので,
より
d2 𝛷
d𝑥 2
2
+𝑘 𝛷 =0
𝑘=
𝜔
𝑐
Φ = 𝐴e−j𝑘𝑥 + 𝐵ej𝑘𝑥
なので,
𝜙 = 2 𝐴ej
2015/6/9
𝜔𝑡−𝑘𝑥
応用音響学
+ 𝐵ej
𝜔𝑡+𝑘𝑥
13
j 𝜔𝑡−𝑘𝑥
e
?
sin(2𝑡 − 1𝑥)
𝑡
𝑥
値が一定となるのは, 𝜔𝑡 − 𝑘𝑥 =一定のとき.
これを微分して, 𝜔d𝑡 − 𝑘d𝑥 = 0
つまり
2015/6/9
d𝑥
d𝑡
=
𝜔
𝑘
を位相速度と呼び,音速を表す.
応用音響学
14
固有音響インピーダンス
𝜙 = 2 𝐴ej
𝜔𝑡−𝑘𝑥
+ 𝐵ej
𝜔𝑡+𝑘𝑥
第1項は進行波,第2項は後退波を表す.
管内で反射無く無限遠まで伝搬すると仮定すると,
後退波がなく𝐵 = 0なので,(以下,実効値のみで記述)
Φ = 𝐴e−j𝑘𝑥
𝜕𝜙
𝜕𝜙
𝑃 = 𝜌 𝜕𝑡 , 𝑣 = − 𝜕𝑥 の関係から,
𝑃 = j𝜔𝜌𝐴e−j𝑘𝑥
𝑉 = j𝑘𝐴e−j𝑘𝑥
このときの圧力と粒子速度の比を「固有音響インピーダンス」
と呼ぶ.
𝑃 𝜔𝜌
𝜔
=
= 𝜌𝑐
𝑘=
𝑉
𝑘
𝑐
2015/6/9
応用音響学
15
固有音響インピーダンス 𝜌𝑐
後で分かるように,伝搬を表現する音響インピーダンスは,
一般的には複素数
固有音響インピーダンスは,反射が無いときの空間の
特性を表す量で,損失を考えなければ実数
→ 圧力と粒子速度は同位相の振動
音速と体積弾性率は,𝑐 =
𝐾
𝜌
の関係だったので,
𝑧0 = ρ𝑐 = 𝐾/𝑐
つまり,固有音響インピーダンスは,
媒質の柔らかさに比例する量
2015/6/9
応用音響学
16
固有音響インピーダンス
1.18
三井田惇郎「音響工学」 (昭晃堂) p.21より
2015/6/9
応用音響学
17
寄り道
電気回路で考えると…
• 特性インピーダンス
損失がなければ
𝑍0 =
𝐿
𝑅
𝐺
1−𝑗
−
𝐶
2𝜔𝐿 2𝜔𝐶
𝑍0 =
𝐿
𝐶
中島将光「マイクロ波工学」 (森北出版) 1章などを参照
2015/6/9
応用音響学
18
寄り道
どうやって計算していたかというと…
2015/6/9
𝜕𝑣
𝜕𝑖
−
= 𝑅𝑖 + 𝐿
𝜕𝑥
𝜕𝑡
−
応用音響学
𝜕𝑖
𝜕𝑣
= 𝐺𝑣 + 𝐶
𝜕𝑥
𝜕𝑡
19
損失がない場合の電信方程式は,
𝜕𝑣
𝜕𝑖
−
=𝐿 ,
𝜕𝑥
𝜕𝑡
𝜕𝑖
𝜕𝑣
−
=𝐶
𝜕𝑥
𝜕𝑡
一方,音の場合は以下の関係があった.
𝜕𝑃
− 𝜕𝑥
=
𝜕𝑣
𝜌 𝜕𝑡 ,
𝜕𝑃
𝜕𝑡
=
𝜕𝑣
−𝐾 𝜕𝑥
なので, 𝐿 → 𝜌, 𝐶 → 1/𝐾 という対応関係がある.
実際…
固有音響インピーダンス 𝑧0 = 𝜌𝑐 = 𝜌𝐾
特性インピーダンス 𝑍0 =
2015/6/9
応用音響学
𝐿
𝐶
20
もう少し寄り道
皮相電力
電流𝐼と電圧𝑉の間に
𝑉 = 𝑍𝐼 = 𝑅 + j𝑋 𝐼
という関係があるとき,
𝑃 = 𝑉 𝐼 = 𝑅 2 + 𝑋 2 𝐼2 なので,単純に𝑉と𝐼を掛けた
だけだと,抵抗で消費される分とは別に,
リアクタンス分の電力も出てきてしまう.
→ 皮相電力
抵抗で消費される電力は 𝑃𝑅 = 𝑅𝐼2 → 有効電力
消費されない電力は 𝑃𝑋 = 𝑋𝐼2 → 無効電力
ここで*は複素共役
2015/6/9
𝑃𝑅 = Re[𝐼𝑉 ∗ ]
応用音響学
21
有効電力
(𝑉𝑅 , 𝑉𝑋 )
有効電力は,𝑉と𝐼の同相成分の積
𝐼𝑉 ∗ = 𝐼𝑅 + j𝐼𝑋 𝑉𝑅 − j𝑉𝑋
= 𝐼𝑅 𝑉𝑅 + 𝐼𝑋 𝑉𝑋 + j 𝐼𝑅 𝑉𝑋 − 𝐼𝑋 𝑉𝑅
複素共役の掛け算をすると,
実部に,内積が出てくる
虚部は,外積で平行四辺形の面積
(𝐼𝑅 , 𝐼𝑋 )
2015/6/9
応用音響学
22
固有音響インピーダンス 𝑧0 = 𝜌𝑐 = 𝜌𝐾 は常に実数
→ 音圧と粒子速度が同相なので,与えられたエネルギー
はすべて伝搬に利用される
これ以降,音響インピーダンスが虚部を持つものもある
→ 音圧と粒子速度の間に,同相では無い成分が出てくる
ので,与えられたエネルギーがすべて伝搬に利用されるわ
けではない
分布定数系回路では,虚部は𝑅と𝐺
→ 回路内で消えて,エネルギーとして伝搬されない分
𝑍0 =
2015/6/9
𝐿
𝑅
𝐺
1−𝑗
−
𝐶
2𝜔𝐿 2𝜔𝐶
応用音響学
23
特性インピーダンスというと
出てくるキーワードは…
•
•
•
•
反射係数
定在波
インピーダンスマッチング
入力インピーダンス
etc.
2015/6/9
応用音響学
24
反射係数
• 異なる媒質の境界で,物理量が連続になるよ
うに条件をつける
𝑧1
𝑧2
𝑃1
𝑃2
𝑃1
𝑃1 = 𝑧1 𝑣1
𝑃1 = −𝑧1 𝑣1
𝑃2 = 𝑧2 𝑣2
2015/6/9
𝑃1 + 𝑃1 = 𝑃2
𝑣1 + 𝑣1 = 𝑣2
𝑃1
𝑉1 𝑧2 − 𝑧1
𝑅=
=− =
𝑃1
𝑉1 𝑧2 + 𝑧1
応用音響学
25
𝑃1
𝑉1 𝑧2 − 𝑧1
𝑅=
=− =
𝑃1
𝑉1 𝑧2 + 𝑧1
1)𝑧1 = 𝑧2 のとき,𝑅 = 0 なので,反射しない.
→固有音響インピーダンスの同じ媒質同士が
接しているときには,反射が生じない
2) 𝑧1 ≪ 𝑧2 のとき, 𝑅 = 1 なので,反射する.
そのとき,𝑃1 = 𝑃1 なので,端部の圧力変動が2倍
3) 𝑧1 ≫ 𝑧2 のとき, 𝑅 = −1 なので,反射する.
そのとき,𝑉1 = 𝑉1 なので,端部の速度変動が2倍
2015/6/9
応用音響学
26
𝑃1
𝑉1 𝑧2 − 𝑧1
𝑅=
=− =
𝑃1
𝑉1 𝑧2 + 𝑧1
1)固有音響インピーダンスが2倍違う媒質では,
2𝑧1 = 𝑧2 とすると,
𝑅=
𝑧2 −𝑧1
𝑧2 +𝑧1
=
𝑧1
3𝑧1
=
1
3
程度反射する.
2)固有音響インピーダンスが100倍違うときは,
𝑧2 − 𝑧1
99
𝑅=
=
= 0.98
𝑧2 + 𝑧1
101
なので,98%の振幅比で反射する
2015/6/9
応用音響学
27
固有音響インピーダンス(再掲)
1.18
三井田惇郎「音響工学」 (昭晃堂) p.21より
2015/6/9
応用音響学
28
反射係数
• マイクロ波ではイメージしにくいものも,音だとイメージ
しやすい(のでは?)
例.部屋の中の音が,外に聞こえにくいのはなぜか?
柔らかな空気が壁を押せない → 跳ね返る
例.忍者が足音を聞くときに地面に耳を近づけるのはなぜか?
固い地面の中の振動が,内部で反射してしまい
空気をちゃんと揺すれないので,立ったままでは聞こえない
例.超音波で腹の中を診るときに,ゲルを塗るのはなぜか?
間に空気の層が入ってしまうと,そこで超音波が反射して
しまい,中まで入らないから.ゲルを塗ることで柔らかさを
一致させマッチングをとっている.
2015/6/9
応用音響学
29
音叉では…
U
音叉の金属と,周囲の空気との
特性音響インピーダンスが大きく異なるため,
(空気:~4 × 102 ,鉄:~ 4 × 107 )
うまくエネルギーが伝搬しない
→ 外に音が漏れない
2015/6/9
応用音響学
30
ではどう使うか?
• ネットで「音叉の使い方」で検索すると…
1)歯で噛む
2)耳の中に軽く入れる
3)ギターの筐体に当てる
1),2)は固体内の伝搬で音を聞くため
(間に空気を挟まないで音を聞く)
3)は空間をちゃんと押すため
(ギターの筐体は共鳴して音が響く構造)
2015/6/9
応用音響学
31
ここからは,管の中の音の話
2015/6/9
応用音響学
32
管の入り口から見た時の
音響インピーダンス密度
• 有限な長さの管について,入り口から見たとき
どのようなインピーダンスに見えるか?
– 先ほどと違って,端での反射を考えなければならない
– その分だけインピーダンスが変化する
(固有音響インピーダンスは,反射波がないときに
密度と音速で決まる媒質固有の値)
イメージとしては…
無限に長い管のとき→ある一定の硬さの空気の塊
長さが有限のとき,端が壁かどうか等で,硬さが変わる
→ どれくらいの硬さになるのか?
𝑥
𝑥=𝑙
𝑉0
2015/6/9
𝑃𝑥=0
𝑧0 =
𝑉0
𝑧2
応用音響学
33
𝜕𝜙
𝜕𝜙
Φ = 𝐴e−j𝑘𝑥 + 𝐵ej𝑘𝑥 と 𝑃 = 𝜌 𝜕𝑡 , 𝑣 = − 𝜕𝑥 の関係から
𝑃 = j𝜔𝜌(𝐴e−j𝑘𝑥 + 𝐵ej𝑘𝑥 )
𝑉 = j𝑘(𝐴e−j𝑘𝑥 − 𝐵ej𝑘𝑥 )
𝑃
境界条件として,𝑥 = 0 で𝑉 = 𝑉0 ,𝑥 = 𝑙 で𝑧2 =
𝑉
𝑥 = 0: 𝑉0 = j𝑘 𝐴 − 𝐵
𝑥 = 𝑙: 𝑧2 =
𝜔𝜌(𝐴𝑒 −𝑗𝑘𝑙 +𝐵𝑒 𝑗𝑘𝑙 )
𝑘(𝐴𝑒 −𝑗𝑘𝑙 −𝐵𝑒 𝑗𝑘𝑙 )
これから𝐴と𝐵を求めると(各自でチャレンジ!)
𝑧2 cos 𝑘 𝑙 − 𝑥 + j 𝜌𝑐sin 𝑘(𝑙 − 𝑥)
𝑃=
𝜌𝑐𝑉0
𝜌𝑐 cos 𝑘𝑙 + j𝑧2 sin 𝑘𝑙
𝜌𝑐cos 𝑘 𝑙 − 𝑥 + j 𝑧2 sin 𝑘(𝑙 − 𝑥)
𝑉=
𝑉0
𝜌𝑐 cos 𝑘𝑙 + j 𝑧2 sin 𝑘𝑙
よって, 𝑥 = 0 での音響インピーダンス密度は
𝑃𝑥=0 𝑧2 cos 𝑘𝑙 + j 𝜌𝑐sin 𝑘𝑙
𝑧0 =
=
𝜌𝑐
𝑉0
𝜌𝑐 cos 𝑘𝑙 + j𝑧2 sin 𝑘𝑙
2015/6/9
応用音響学
34
開管のとき
管が開いていると,端で圧力が上がらないので,
境界条件として,𝑥 = 0 で𝑉 = 𝑉0 ,𝑥 = 𝑙 で𝑃 = 0
これを代入した j𝑘 𝐴 − 𝐵 = 𝑉0 , 𝐴𝑒 −𝑗𝑘𝑙 + 𝐵𝑒 𝑗𝑘𝑙 = 0 を解くと
sin 𝑘 𝑙 − 𝑥
𝑃=j
𝜌𝑐𝑉0
cos 𝑘𝑙
cos 𝑘(𝑙 − 𝑥)
𝑉=
𝑉0
cos 𝑘𝑙
𝑥 = 0 のとき,
2015/6/9
sin 𝑘𝑙
𝑧0 = j𝜌𝑐
= j𝜌𝑐 tan 𝑘𝑙
cos 𝑘𝑙
応用音響学
35
閉管のとき
管が閉じていると,端で粒子は動かないので,
境界条件として,𝑥 = 0 で𝑉 = 𝑉0 ,𝑥 = 𝑙 で𝑉 = 0
これを代入した j𝑘 𝐴 − 𝐵 = 𝑉0 , 𝐴𝑒 −𝑗𝑘𝑙 − 𝐵𝑒 𝑗𝑘𝑙 = 0 を解くと
cos 𝑘 𝑙 − 𝑥
𝑃 = −j
𝜌𝑐𝑉0
sin 𝑘𝑙
cos 𝑘(𝑙 − 𝑥)
𝑉=
𝑉0
sin 𝑘𝑙
𝑥 = 0 のとき,
2015/6/9
cos 𝑘𝑙
𝑧0 = −j𝜌𝑐
= −j𝜌𝑐 cot 𝑘𝑙
sin 𝑘𝑙
応用音響学
36
開管・閉管のポイント
どちらもインピーダンスが純虚数
𝑧0 = j𝜌𝑐 tan 𝑘𝑙 (開管)
𝑧0 = −j𝜌𝑐 cot 𝑘𝑙 (閉管)
→ 𝑃と𝑉の位相が,常に90度ずれている
固有音響インピーダンスの時の値は実数𝜌𝑐
→このとき,エネルギーが伝搬されている
2015/6/9
応用音響学
37
開管・閉管のポイント
伝搬されるエネルギーは
𝐼 = 𝑃𝑉 ∗ の実部
𝑃が実数, 𝑉が純虚数の場合には,
Re 𝐼 = 0であるから,エネルギーは伝搬されない.
(端で𝑧0 = 0 or ∞を考えているので,全反射)
𝑧0 = j𝜌𝑐 tan 𝑘𝑙
(開管) 𝑘𝑙 = 𝑚𝜋 → 𝑙 =
2𝑚+1 𝜋
𝑚𝑐
2𝑓
𝑚
= 2𝜆
2𝑚+1
= 4 𝜆
𝑧0 = −j𝜌𝑐 cot 𝑘𝑙 (閉管) 𝑘𝑙 =
→
𝑙
2
のとき,𝑧0 = 0
→ 駆動点にて小さな音圧で大きな粒子速度
=これが共振の条件
2015/6/9
応用音響学
38
(1回目の資料より)
集中定数としての音響素子との関係
音響イナータンス
𝜌𝑙 d𝑢
𝑢
𝑝=
= j𝜔𝜌𝑙
𝑆 d𝑡
𝑆
𝑧0 = j𝜌𝑐 tan 𝑘𝑙 の 𝑘𝑙 ≪ 1のときが
波長に対して十分サイズが小さいときなので
tan 𝑘𝑙 ~𝑘𝑙 と近似すれば,
𝑧0 = j𝜌𝑐𝑘𝑙 = j𝜔𝜌𝑙
音響コンプライアンス
𝜌𝑐 2
𝑝=
𝑉
𝜌𝑐 2 𝑢
𝑢 d𝑡 =
j𝜔𝑙 𝑆
𝑧0 = −j𝜌𝑐 cot 𝑘𝑙も同様に,
cot 𝑘𝑙 =
2015/6/9
cos 𝑘𝑙
1
~
sin 𝑘𝑙
𝑘𝑙
と近似すれば,
1 𝜌𝑐 2
𝑧0 = −j𝜌𝑐 =
𝑘𝑙 j𝜔𝑙
応用音響学
39
ここからは管の径が変化する場合
2015/6/9
応用音響学
40
管の太さが徐々に変化したらどうなるか
𝑥
Δ𝑥
断面𝑆0
2015/6/8
𝜕𝑝
音圧𝑝 + 𝜕𝑥 Δ𝑥
𝜕𝑆
断面𝑆 + Δ𝑥
𝜕𝑥
𝜕𝜁
粒子変位𝜁 + Δ𝑥
𝜕𝑥
音圧𝑝
断面𝑆
粒子変位𝜁
応用音響学
41
直感的な話
細いエリアから広いエリアになる
と,空気が四方に逃げられるよ
うになるので,急に柔らかくなる
横に逃げた分だけ,エネルギー
を伝えられない
太さが少しずつ変化していくと,
徐々に柔らかくなる
無限遠まで広がり続ければ,空
間とナチュラルに接続する
急激なインピーダンス変化のあ
る場所で反射が起こるので,下
の条件の方が反射が少ない
2015/6/8
応用音響学
42
考え方の手順(再掲)
• 微小区間Δ𝑥にかかっている圧力と,
体積変化の割合との関係から,波動方程式を導く
• 速度ポテンシャルの式に書き換える
• 𝜙 = 2𝛷ej𝜔𝑡 という振動解を仮定して,式を解く
• 物理的な意味を理解する.
2015/6/8
応用音響学
43
断面積変化の分だけ,空気のバネ性が変化する
初期の体積𝑉0 = 𝑆Δ𝑥とする.
𝜁を粒子変位とすると
𝑆𝜁分体積が減少@位置 𝑥
𝑆
𝜕𝑆
+ 𝜕𝑥 Δ𝑥
𝜁
𝜕𝜁
+ 𝜕𝑥 Δ𝑥
分体積が増加@位置 𝑥 + Δ𝑥
𝑥
Δ𝑥
𝜕𝑝
音圧𝑝 + 𝜕𝑥 Δ𝑥
𝜕𝑆
断面𝑆 + 𝜕𝑥 Δ𝑥
𝑉0
断面𝑆0
2015/6/8
応用音響学
音圧𝑝
断面𝑆
粒子変位𝜁
𝜕𝜁
粒子変位𝜁 + 𝜕𝑥 Δ𝑥
44
𝑆𝜁分体積が減少 @𝑥
𝑆
𝜕𝑆
+ Δ𝑥
𝜕𝑥
𝜁+
𝜕𝜁
Δ𝑥
𝜕𝑥
分体積が増加 @𝑥 + Δ𝑥
以上より,体積変化Δ𝑉は,
𝜕𝑆
𝜕𝜁
Δ𝑉 = 𝑆 +
Δ𝑥 𝜁 +
Δ𝑥 − 𝑆𝜁
𝜕𝑥
𝜕𝑥
𝜕𝜁
𝜕𝑆
𝜕𝜁
𝜕𝑆
= 𝑆Δ𝑥
+ 𝜁 Δ𝑥 = 𝑉0
+ 𝜁 Δ𝑥
𝜕𝑥
𝜕𝑥
𝜕𝑥
𝜕𝑥
ただし,Δ𝑥の2乗以上の項は無視
これが体積の変化率
Δ𝑉 𝜕𝜁 𝜁 𝜕𝑆
=
+
𝑉0 𝜕𝑥 𝑆 𝜕𝑥
Δ𝑉
−𝐾 𝑉
体積弾性率𝐾との間には,𝑝 =
という関係があるから,
Δ𝑉
𝜕𝜁 𝜁 𝜕𝑆
𝑝 = −𝐾
= −𝐾
+
𝑉
𝜕𝑥 𝑆 𝜕𝑥
2015/6/8
応用音響学
45
𝑝 = −𝐾
𝜕𝜁
𝜕𝑥
𝜁 𝜕𝑆
+ 𝑆 𝜕𝑥
の両辺時間𝑡で微分して
𝜕𝑝
𝜕𝑣
dlog𝑆
= −𝐾
+𝑣
𝜕𝑡
𝜕𝑥
d𝑥
なお,二項目はどう出てきたかというと,
dlog𝑆
d𝑥
1 𝜕𝑆
= 𝑆 𝜕𝑥 であり,
断面積𝑆は時間で変化しないことから
𝜕 𝜁 𝜕𝑆
1 𝜕𝑆 𝜕
1 𝜕𝑆
dlog𝑆
=
𝜁=𝑣
=𝑣
𝜕𝑡 𝑆 𝜕𝑥
𝑆 𝜕𝑥 𝜕𝑡
𝑆 𝜕𝑥
d𝑥
2015/6/8
応用音響学
46
𝜕𝑝
𝜕𝑡
= −𝐾
𝜕𝑣
𝜕𝑥
+𝑣
dlog𝑆
d𝑥
これに速度ポテンシャルの定義から
𝑝=𝜌
𝜕𝜙
𝜕𝑡
,𝑣=−
𝜕𝜙
𝜕𝑥
を代入すると
𝜕2𝜙
𝜕 2 𝜙 𝑑log𝑆 𝜕𝜙
𝜌 2 =𝐾
+
2
𝜕𝑡
𝜕𝑥
d𝑥 𝜕𝑥
𝑐=
𝐾
𝜌
として書き直せば,
𝜕 2 𝜙 dlog𝑆 𝜕𝜙
1 𝜕2𝜙
+
= 2 2
2
𝜕𝑥
d𝑥 𝜕𝑥 𝑐 𝜕𝑡
これが断面積が変化する管内の波動方程式
𝜕𝑆
位置によって面積が変化しないとき,つまり𝜕𝑥 = 0のとき,
当然,平面波の式
2015/6/8
𝜕2 𝜙
𝜕𝑥 2
=
1 𝜕2 𝜙
𝑐 2 𝜕𝑡 2
と一致する.
応用音響学
47
開口が徐々に拡がる形状
• コニカルホーン(メガホン型)
𝑥
𝑆 = 𝑆0
𝑥0
• ハイパボリックホーン
𝑆 = 𝑆0 (cosh 2𝑚𝑥 + 𝑇 sinh 2𝑚𝑥)
• エキスポネンシャルホーン
(ハイパボリックホーンの𝑇 = 1のとき)
𝑆 = 𝑆0 e2𝑚𝑥
𝜕 2 𝜙 dlog𝑆 𝜕𝜙
1 𝜕2𝜙
+
= 2 2
2
𝜕𝑥
d𝑥 𝜕𝑥 𝑐 𝜕𝑡
2015/6/8
応用音響学
48
エキスポネンシャルホーンのとき
𝜕 2 𝜙 dlog𝑆 𝜕𝜙
1 𝜕2𝜙
+
= 2 2
2
𝜕𝑥
d𝑥 𝜕𝑥 𝑐 𝜕𝑡
は, 𝑆 = 𝑆0 e2𝑚𝑥 より
𝜕2𝜙
𝜕𝜙
1 𝜕2𝜙
+ 2𝑚
= 2 2
2
𝜕𝑥
𝜕𝑥 𝑐 𝜕𝑡
と簡単になる.
ホーン内を進行する音波を𝜙 = 2𝛷ej𝜔𝑡 と仮定し,
𝜔
𝑘 = を使って書き直すと,
𝑐
d2 𝛷
d𝛷
2
+
2𝑚
+
𝑘
𝛷=0
2
d𝑥
d𝑥
2015/6/8
応用音響学
49
平面波の時のように解いてみると…
d2 𝛷
d𝛷
2
+
2𝑚
+
𝑘
𝛷=0
2
d𝑥
d𝑥
𝛷 𝑥 = 𝐴e𝑠𝑥 と仮定して微分を置き換えると
𝑠 2 + 2𝑚𝑠 + 𝑘 2 = 0
解くと,𝑠 = −𝑚 ± 𝑚2 − 𝑘 2
波動解を与えるのは,𝑚2 − 𝑘 2 < 0のときで,
このとき解は
(−𝑚±j 𝑘 2 −𝑚2 )𝑥
𝛷 = 𝐴e
= e−𝑚𝑥 (𝐴e−j
2015/6/8
𝑘 2 −𝑚2 𝑥
応用音響学
j 𝑘 2 −𝑚2 𝑥
+ 𝐵e
)
50
無限に続くホーンを考えると…
2 −𝑚2 𝑥
−𝑚𝑥
−j
𝑘
e
(𝐴e
𝛷=
反射波はないので, 𝐵 = 0
よって,𝜙 =
+
2 −𝑚2 𝑥
j
𝑘
𝐵e
)
2 −𝑚2 𝑥 −𝜔𝑡)
−𝑚𝑥
−j(
𝑘
2𝐴e
e
音波の位相速度 𝑘 2 − 𝑚2 𝑥 − 𝜔𝑡 =一定 より,
d𝑥
𝜔
𝜔
1
𝑐
=
=
=
d𝑡
𝑘 2 − 𝑚2 𝑘
𝑚2
𝑚 2
1− 2
1−
𝑘
𝑘
ここで, 𝑐は自由空間での位相速度.
つまり,ホーン内の位相速度は自由空間よりも速くなる
2015/6/8
応用音響学
51
音圧と粒子速度は…
−𝑚𝑥 −j 𝑘 2 −𝑚2 𝑥
𝛷 = 𝐴e
e
𝜕𝜙
𝜌 𝜕𝑡
𝑃=
より,
,𝑉=
𝜕𝜙
− 𝜕𝑥
−𝑚𝑥 −j 𝑘 2 −𝑚2 𝑥
𝑃 = jω𝜌𝐴e
𝑉 = (𝑚 + j
e
𝑘2
−𝑚𝑥 −j 𝑘 2 −𝑚2 𝑥
2
− 𝑚 )𝐴e
e
なので,音響インピーダンス密度は,
𝑃
𝑚
𝑚
𝑧 = = 𝜌𝑐 j + 1 −
𝑉
𝑘
𝑘
2015/6/8
応用音響学
2
52
𝑃と𝑉の位相
𝑃
𝑚
𝑚
𝑧 = = 𝜌𝑐 j + 1 −
𝑉
𝑘
𝑘
2
なので, 𝑃と同相の成分が実部,90度ズレた
成分が虚部に出てきている
この𝑧はエキスポネンシャルホーンでは
位置𝑥に依存しない
2015/6/8
応用音響学
53
遮断周波数
少し前のスライドで次のような記述.
“波動解を与えるのは,𝑚2 − 𝑘 2 < 0のときで”
…ということは, 𝑚2 − 𝑘 2 > 0のときには波動解にならない.
仮定した解の形は 𝛷 𝑥 = 𝐴e𝑠𝑥 なので,
ホーンの進行方向に減衰する
→この条件の周波数は伝搬できない
𝑚2
− 𝑘2
𝜔 2𝜋𝑓𝑐
≥0→ 𝑚≥ =
𝑐
𝑐
𝑚𝑐
𝑓𝑐 ≤
2𝜋
のとき指数減衰する.
→ ある周波数以下は通らないハイパスフィルタ
2015/6/8
応用音響学
54
𝑃
𝑚
𝑚
𝑧 = = 𝜌𝑐 j + 1 −
𝑉
𝑘
𝑘
2
を,遮断周波数𝑓𝑐 を使って書き換え
𝑓𝑐 =
𝑚𝑐
2𝜋
𝑚
𝑘
2𝜋𝑓𝑐
𝑐
𝜔
𝑐
=
より, 𝑚 =
=
𝑓𝑐
𝑓
2𝜋𝑓𝑐
𝑐
を使うと
なので置き換えて
𝑓𝑐
𝑓𝑐
𝑧 = 𝜌𝑐 j + 1 −
𝑓
𝑓
2015/6/8
応用音響学
2
55
(先週)高域通過フィルタは?
• コンデンサCは回路に対して直列に入れられ
ない
??
高域通過フィルタについては,2回目に触れる
2015/6/2
応用音響学
56
ここでやっとさっきのグラフ
𝑓𝑐
𝑓𝑐
𝑧 = 𝜌𝑐 j + 1 −
𝑓
𝑓
2
横軸は「遮断周波数の何倍か?」
を表している.
このグラフの実部が1に近づく
→音響インピーダンス密度が𝜌𝑐に
=空気の特性音響インピーダンス
2015/6/8
応用音響学
57
エクスポネンシャルホーンの形状と
遮断周波数の関係
エクスポネンシャルホーン: 𝑆 = 𝑆0 e2𝑚𝑥
𝑚𝑐
遮断周波数: 𝑓𝑐 =
2𝜋
赤:𝑚 = 1
緑:𝑚 = 2
𝑚が小さいほど低周波を通す
𝑚=
2𝜋𝑓𝑐
𝑐
=
2𝜋
𝜆𝑐
なので,
4𝜋
𝑥
𝜆
𝑐
e
𝑆 = 𝑆0 e2𝑚𝑥 = 𝑆0
よって,𝑥 = 𝜆𝑐 のときに,同じ値e4𝜋 となる.
つまり,低い周波数を通そうとするほど,
同じ開口サイズに到達するまでのホーンの長さが長くなる
c.f. 低音の楽器ほどホーンの長さが長い.
2015/6/8
応用音響学
58
遮断周波数算出時の別の解釈
先程は,波動解を与えるための条件 𝑚2 − 𝑘 2 < 0
をもとに議論した.
(以下言っていることは同じ.言い方が違う)
インピーダンスを見てみると,
𝑃
𝑚
𝑚
𝑧 = = 𝜌𝑐 j + 1 −
𝑉
𝑘
𝑘
2
このインピーダンスが純虚数となると,エネルギーが波動として
伝搬しない.
純虚数となる条件は,実部のルートの中身,
1−
2015/6/8
𝑚 2
𝑘
< 0 → あとは同じこと.
応用音響学
59
今日のまとめ
平面波では固有音響インピーダンスは 𝜌𝑐
柔らかさに対応するような量
有限の長さの管の,入り口での音響インピーダンス密度は
𝑃𝑥=0 𝑧2 cos 𝑘𝑙 + j 𝜌𝑐sin 𝑘𝑙
𝑧0 =
=
𝜌𝑐
𝑉0
𝜌𝑐 cos 𝑘𝑙 + j𝑧2 sin 𝑘𝑙
これに,各種境界条件を与えると,開管,閉管等の音響イン
ピーダンス密度が求まる.
端を全反射条件にすると,エネルギーが伝搬しないので,
音響インピーダンス密度は純虚数
管の径が変化するときに周波数特性を持つ
2015/6/9
応用音響学
60
対応関係一覧
•
•
d𝑥
𝜔
位相速度 c = =
d𝑡
𝑘
𝜔
2𝜋𝑓
2𝜋
波数 𝑘 = =
=
𝑐
𝑐
𝜆
2
• 体積弾性率 𝐾 = 𝜌𝑐
• 特性インピーダンス 𝑧 = 𝜌𝑐 =
• 速度ポテンシャル 𝑃 =
2015/6/9
応用音響学
𝜕𝜙
𝜌 𝜕𝑡
𝐾
𝑐
,𝑣=
𝜕𝜙
− 𝜕𝑥
61
次回予告
• 断面が不連続に変化したらどうなる?
• 変な空洞がくっついていたらどうなる?
• 自由空間への放射をモデル化
• 呼吸音源とは何か?
• 呼吸音源を利用して,振動する板から
放射される音波の特性について理解する
2015/6/9
応用音響学
62