独自の視点から美学的地平を開拓、多方面にわたる批評

京都精華大学 広報課(全 2 枚)
報道資料
2 01 5 年 3 月 2 3 日 (月 )
独自の視点から美学的地平を開拓、多方面にわたる批評活動を展開する
美学者・谷川渥が京都精華大学芸術学部客員教員に就任決定
京都精華大学(所在地:京都市左京区、学長:竹宮惠子)は、芸術学部客員教員として、美学者の谷川渥氏
の就任を決定しました。
谷川氏は、美学と芸術学を専門に研究し、独自の視点から美学的地平を開拓したことで知られています。
主な活動として、美術出版社発行の月刊誌『美術手帖』において、12 年以上に渡り『芸術をめぐる言葉』を連載。
古今東西の歴史上の芸術家、哲学者、文学者、評論家の「芸術をめぐる言葉」を取り上げ、その言葉について美
学的見地から考察、その真実に迫りました。全 151 編は、同名の書籍にまとめられ出版されています。そのほか、
『形象と時間』『美学の逆説』『鏡と皮膚』『廃墟の美学』『シュルレアリスムのアメリカ』『肉体の迷宮』など多数の著
書を執筆。現在も積極的な批評活動を展開しています。
谷川氏は就任後、美学に関するさまざまな問題を取り上げて講演を行う予定。芸術を志す本学学生にとって、
自身の表現を批評的にとらえ理論的に考察するための美学的視点を獲得する機会となることを期待しています。
就任予定年月日は 2015 年 4 月 1 日です。
谷川 渥(たにがわ あつし)
美学者。1948 年生まれ(満 67 歳)。1972 年東京大学
文学部美学芸術学科卒業。1978 年東京大学大学院人文
科学研究科美学芸術学専攻博士課程単位取得満期退学。
2009 年大阪大学大学院文学研究科にて、著書『シュル
レアリスムのアメリカ』で文学博士の学位を授与され
る。マニエリスム・バロックからモダニズム・現代美術
にいたる広範な領域を視野に収め、美学原理論、芸術
時間論、廃墟論、だまし絵論、シュルレアリスム論、
そして「芸術の皮膚論」など、独自の視点による美学
的地平の開拓に努め、多方面にわたる批評活動を展開。
2012 年には、公益財団法人稲盛財団「第 28 回京都賞」
思想・芸術部門専門委員を務める。著書に『形象と時間』
『美学の逆説』『芸術をめぐる言葉』『鏡と皮膚』『図説
だまし絵』『廃墟の美学』『肉体の迷宮』など多数。
谷川 渥 氏
谷川 渥 氏からの就任コメント
芸術学は形についての学、美学は形と形ならざるものとの関係を問う学というのが私の基本的立場です。
芸術制作はなによりも形を創りだす営みですが、そこには形ならざるものとの微妙にして複雑な関わり
が不可避的に存在するはずです。そうした関係性の問題をあたうかぎり意識し理論的に考察する努力が
必要でしょう。感性と知性は背反するものではありません。知に支えられた鋭い感性こそが優れた形を
生み出すことができると思います。授業では美学に関するさまざまな問題を取り上げていくつもりです。
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谷川 渥 氏
主な著書
『形象と時間―美的時間論序説』講談社 / 1998 年
『美学の逆説』筑摩書房 / 2003 年
『新編 芸術をめぐる言葉』美術出版社 / 2012 年
『鏡と皮膚―芸術のミュトロギア』筑摩書房 / 2001 年
『図説 だまし絵―もうひとつの美術史』河出書房新社 / 1999 年
『廃墟の美学』集英社 / 2003 年
『シュルレアリスムのアメリカ』みすず書房 / 2009 年
『肉体の迷宮』筑摩書房 / 2013 年『文学の皮膚―ホモ・エステティクス』白水社 / 1997 年
『美のバロキスム―芸術学講義』武蔵野美術大学出版局
2006 年
■京都精華大学について
1968年に「自由自治」を教育理念とし、短期大学として開学。1979年に4年制大学として美術学部を
開設、2006年には日本で初めてマンガ学部を設立するなど、既存の枠組みにとらわれることなく、
常に新しい学問領域を切り拓いてきました。現在は、人文学部、ポピュラーカルチャー学部、芸術
学部、デザイン学部、マンガ学部の5学部、人文学研究科、芸術研究科、デザイン研究科、マンガ
研究科の4研究科のあわせて約3,600人の学生が、自由で自然豊かな環境のなか、世界に向けて発信
する文化と芸術を追求しています。
京都精華大学 Webサイト
http://www.kyoto-seika.ac.jp/
■京都精華大学 芸術学部について
造形学科(洋画コース/日本画コース/立体造形コース)、素材表現学科(陶芸コース/テキスタイ
ルコース)、メディア造形学科(版画コース/映像コース)の3学科7コースで構成される芸術学部。
伝統的な芸術からデジタルによる表現まで、多様な技法・メディアから志望コースを選択できるよう
に編成されています。それぞれのコースで専門分野の知識と技法を深めるとともに、学部共通の実技
科目を選択することでさまざまな素材やメディアを使った制作を体験することが可能。コースの専門
的な学びを軸に表現の幅を広げ、既存の枠にとらわれない芸術表現を追求することができます。
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京都精華大学 広報課
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