平成27年度全国学力・学習状況調査について

平成27年度全国学力・学習状況調査について
美作市立英田小学校
本年度4月21日に実施された全国学力・学習状況調査の結果が、文部科学省から届きま
した。
全国学力・学習状況調査は、次のような目的で行われている調査で、児童個々の順位や学
校のレベルを測るためのものではありません。
全国学力・学習状況調査の目的
・ 義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や
学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図る。
・ そのような取組を通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する。
・ 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる。
本年度は、基礎的・基本的な学力の定着度を見る国語Aと算数A、思考力や表現力の定着
度を見る国語Bと算数Bに、理科を加えた3教科の調査が実施されました。また、同時に、
学習状況の調査も行われました。
本校の児童は、3教科ともに、概ね目標を達成することができ、日頃の学習の成果を発揮
することができたと考えています。しかし、その中で、本校の教育活動に関わる課題や児童
個々の課題等も明らかになりました。
国語では、漢字の書き取りの不十分さ、語彙の不足やコラム等を読む経験不足による読み
取りの課題、条件付き作文の弱さの課題が見えてきました。
算数も、特にグラフに関係した問題や割合に関する問題に弱さが見られました。
理科は、基礎的・基本的な力を問う問題が多く出題されていましたが、課題として、実験
結果から根拠や理由を記述して何が分かるかを授業の中で習慣づける必要性が浮かび上が
りました。
また、学習状況の調査では、家庭学習の時間が伸びていることや考えを書いたり友だちに
発表したりすることが得意と回答している児童が多いことが分かりました。これについては、
昨年度より取り組んでいる家庭学習の充実と表現力(書くこと・話すこと)を意識した授業
の成果だと考えています。
しかし、図書室や図書館の活用が全国と比べ低い状況にあります。これについては、地域
の状況や学校の予算的な事情もありますが、今後の課題として取組を考えていきたいと考え
ています。さらに、家庭学習の時間は増えているのですが、平日と比べ、休日の学習時間が
少ないという結果が出るとともに、各種のメディアに費やす時間も多いという結果も出てい
ます。この状況は、学校のみの取組だけでは改善できず、家庭の協力を仰がなければならな
い課題です。
以上、本年度の全国学力・学習状況調査の結果でしたが、6年生のみの結果として受け止
めるのではなく、2年生から5年生に美作市独自に行っている学力テストの結果も考慮し、
今後、学校としては、次のような取組を各学年で今まで以上に徹底して行います。
英田小学校の今後の取組
○ 朝学習をティームティーチングで行い、曜日を決めて基礎問題に取り組ませたり、活用
問題に取り組ませたり、コラムから読み取ったことを条件の中でまとめたりすることで、
各学年の課題を克服していくことを目指します。
○ 今後も継続して表現力(書くこと・話すこと)の育成を目指し、考える時間や考えを交
流する時間を大切にし、子どもたちが積極的に参加する楽しくわかる授業を目指します。
その成果の目安として、単元ごとのテストの目標値を学級平均85点以上として取り組
みます。
○ 「家庭学習の手引き」をもとに、家庭学習の重要性を家庭に再度呼びかけ、家庭学習時
間の確保を行うとともに教務部が中心となって家庭学習の内容についても見直していき
ます。また、中学校とも連携し、中学校の定期考査に合わせてパワーアップ週間を今後
も継続して行います。具体的には、目標の家庭学習時間を20分×学年以上とし、90%
以上の達成を目指します。また、メディアへの関わり方についても継続して家庭に呼び
かけを行い、理解を求めます。
○ 委員会を活性化し、図書室の利用を呼びかけ、朝読書や家庭での読書にも積極的に取り
組む環境を創ります。
○ 学力向上の基盤は、自己肯定感の向上や自律心の向上にあるという考えから、
「生活カー
ド」により毎日の目標を設定し、それを意識して生活し、振り返りを行うような好まし
いサイクルを築く取組を行います。
今後とも、報道機関の順位付けに一喜一憂するのではなく、この調査によって各学年の学
習状況や学力の定着度をきちんと把握し、各学年及びそれぞれの子どもが持つ課題を克服す
るために、教職員が協力し、一歩一歩取り組んで行こうと考えています。
また、それには、各家庭の協力と地域の協力がなくてはなりません。今後とも、英田地域
の宝である子どもたちの成長に各方面でご協力よろしくお願いします。