外国語科学習指導案

外国語科学習指導案
広島県立広島高等学校
教 諭
淀 川 幸 子
1
学年・学級 高等学校第1学年3・4組 発展クラス 36 名
2
単元・教材 CROWN English CommunicationⅠ, Lesson 3,“ Writers without Borders”
3
単元について
○単元観
本単元は,自分の母語ではない外国語で小説を書いている中国人,イラン人,日本人作家の3名の女性
の生き様から,言語と文化の壁を超えることの可能性について考えていくという内容である。この教材で
はそれぞれの作家たちが,外国語をどのように習得してきたかという説明をしている。読んだ内容に基づ
いて,事実を簡潔にまとめたり,意見や感想を述べたりするなどの「話すこと」「書くこと」につなげる
ことを本単元の目標とする。
本単元の目標は,高等学校学習指導要領外国語「コミュニケーション英語Ⅰ」の「2内容(1)」の「ウ
聞いたり読んだりしたこと,学んだことや経験したことに基づき,情報や考えなどについて,話し合った
り意見の交換をしたりする。」「エ 聞いたり読んだりしたこと,学んだことや経験したことに基づき,
情報や考えなどについて,簡潔に書く。」に基づいて設定した。これは,本校の「CAN-DO リスト」の形
での学習到達目標(平成27年度入学生の3年間分)」の「話すこと」の「聞いたり読んだりしたこと,学
んだことや経験したことに基づき,情報や考えなどについて,話し合ったり意見の交換をしたりすること
ができる。」と,「書くこと」の「聞いたり読んだりしたこと,学んだことや経験したことに基づき,情
報や考えなどについて,簡潔に書くことができる。」にも基づいている。
○生徒観
第1学年6クラスのうちの2クラスを習熟度別に3展開した発展クラスである。第1学期中間考査後
に習熟度クラスを編成した。編成後に実施したアンケートによると,「聞くこと」(42%)と「話すこと」
(33%)について苦手意識を持つ生徒が多く,伸ばしたい技能としては,特に「書くこと」(31%)を選ん
だ生徒が目立った。
内容理解を確かめるために,本文の内容を自分の言葉で言い換えて表現したり,行間を読むことで内
容理解を深めたりすることができるよう発問の工夫をし,アウトプットの量を増やすよう意識的に指導
している。間違いを恐れずに自分の意見を述べることには慣れてきたが,文法・語法の誤りがまだ多く
みられたり,主張を支える根拠の客観性が十分とはいえない生徒も多い。
○指導観
今年度の本校外国語科の達成目標は,「多様な他者と協働し,新たな価値を創造するために必要な英
語力を備えた人材の育成」であり,「批判的・論理的思考力及び論理的表現力の育成」を研究実践テーマ
としている。グローバル人材の育成に係る教科の達成目標の一つとして,「自国の文化を理解・尊重し,
異文化の人々の価値観や視点を傾聴する態度と対話する能力を身につける」を掲げている。3名の女性作
家が,コミュニケーションツールとしての外国語を学習するという域を超え,母語でなくあえて外国語で
小説を書くという高度な運用レベルで自己表現することに挑戦したという体験が書かれたこの課から,生
徒自らの外国語の捉え,表現すること,ひいては外国語の学習方法について再考させたい。また,4技能
を統合した能力育成を目指して,読んだ内容に関して即興で自分の考えを話し,他者の意見も参考にした
上で自分の意見を再構築し,5分で50語程度の英文を書かせる指導を行う。
4 単元の目標
(1) 間違うことを恐れず積極的に自分の考えなどについて話す。
(コミュニケーションへの関心・意欲・態度)
(2) 読んだ内容に基づいて,事実を簡潔にまとめたり,意見や感想を述べたりする。 (外国語表現の能力)
(3) 聞いたり読んだりした内容に基づいて,自分の意見や感想を簡潔に書く。(外国語表現の能力)
(4) 読んだ内容についての賛否や感想を述べることができるように,批判的に読む。 (外国語理解の能力)
5
ア
観点別学習状況の評価規準
コミュニケーションへの
関心・意欲・態度
イ
外国語表現の能力
ウ
外国語理解の能力
エ
言語や文化についての
知識・理解
間違うことを恐れず積極的に ①読んだ内容に基づいて,事実 読んだ内容についての賛否や感
自分の考えなどについて話して
を簡潔にまとめたり,意見や 想を述べることができるよう
いる。
感想を述べたりすることがで に,批判的に読むことができる。
きる。
②聞いたり読んだりした内容に
基づいて,自分の意見や感想
を簡潔に書くことができる。
6
時
1
2
3
指導と評価の計画(単元計画)
主な学習内容
評価
評価規準
関 表 理 知
Lesson3 通し読み
概要把握と WPM の測定
文法事項の説明
Lesson3 Section1
New words definitions
T/F Qs
Retelling/Summary
○
ウ
読んだ内容についての賛否や感想を述べること
評価方法
ワークシート
ができるように,批判的に読むことができる。
○
Section1 review
Lesson3 Section2
New words definitions
T/F Qs
Retelling/Summary
○
イ①読んだ内容に基づいて,事実を簡潔にまとめた
り,意見や感想を述べたりすることができる。
発表
イ①読んだ内容に基づいて,事実を簡潔にまとめた
発表
り,意見や感想を述べたりすることができる。
4
Section2 review
Lesson3 Section3
New words definitions
T/F Qs
Retelling/Summary
○
イ①読んだ内容に基づいて,事実を簡潔にまとめた
発表
り,意見や感想を述べたりすることができる。
5
6
【
本
時
】
Lesson3 Comprehension
Activities
Exercises
Lesson3 overall review
・how they learned a foreign
language
・how difficult it was for them
・how to move across borders
of language and culture
ア
○
○
間違うことを恐れず積極的に自分の考えなどに
ついて話している。
イ②聞いたり読んだりした内容に基づいて,自分の意
見や感想を簡潔に書くことができる。
観察
ワークシート
7
本時の展開(本時:第6次 6/6)
(1) 本時の目標
聞いたり読んだりした内容に基づいて,自分の意見や感想を簡潔に書く。
(2) 本時の評価規準
聞いたり読んだりした内容に基づいて,自分の意見や感想を簡潔に書くことができる。
(外国語表現の能力)
(3) 学習の展開
学習活動
指導上の留意事項(◇)
評価規準
(◆「努力を要する」状況と判断した生徒への手立て)
〔観点〕(評価方法)
導
1 Greetings & Warm-up
◇本時の目標を提示する。
入
(5)
2 Review of lesson 3
◇Lesson3の音声CDについて口頭で復習を行う。
3 Comprehension
◇それぞれの発問を通して生徒の思考を活性化し,ファシ
リテーションを行いながら生徒の即興的な発話を引き
出す。
Q1. How did they learn a
foreign language?
What do they have in
common?
◇3名の作家について,それぞれの外国語の学習法を自分
の言葉で表現させる。キーワードを板書し,ワークシー
トに情報を整理させる。
◇彼女たちにはどのような共通点があると考えられるか,
自分の意見を述べさせる。その際,本文の内容を基に,
客観的で妥当性のある根拠を用いるよう促す。
展
Q2. What kind of difficulty do
you think they had in
learning a different
language?
◇彼女たちが外国語を学ぶ際に,どのような困難があった
と考えられるか,行間を捉えさせる発問をし,それに対
する自分の意見をグループで話し合わせる。
◆メモを取る様子を見て,意見が余り出ていないようであ
れば,活動の途中で数名の意見を確認してから作業を続
けさせる。
開
(40)
Q3. What did you get from
their way of learning a
different language?
◇3名の作家が外国語を習得した方法から,気づいたこと
や学んだことについてペアを変えながら意見交換をさ
せる。
◆いくつかの意見を全体で発表させ,参考にさせる。
Q4. What do you want to do
to move across borders of
language and culture?
( writing an essay )
◇言語や文化の壁を超えるために,自分なら何をしたいと
考えるか,50 語程度のエッセーを書かせる。その際,
本文の内容を基に,客観的で妥当性のある根拠を用いる
よう促す。
◇3名の作家の生き様から,外国語を習得して母国とは異
なる文化圏で暮らすことは容易なことではないが,言語
や文化の壁を超えることは可能であり,そのことによっ
て新たな物の見方が生まれることに気付かせる。
ま
と
め
(5)
4 Consolidation
・Giving some comments on
others’ composition and
sharing opinions
・Self evaluation
◇他者のエッセーを回し読みして評価させる。
◇エッセーについて自己評価をさせる。
イ②聞いたり読んだりし
た内容に基づいて,自
分の意見や感想を簡潔
に書くことができる。
〔外国語表現の能力〕
(ワークシート)