第一回卒業論文構想発表 2007.10.19 1、言語 自己調整機能(self-regulation function) ルール支配行動(rule-governed behavior) 2 2、自己調整機能 <行動分析において言語行動による行動の調節の過程> Riegler&Bare,1989 第一段階は他者からの言語教示に対して行動を生起させ ることができるのは直接形成されたものに限られる。 第二段階は特定の他者(教示に従う行動を直接強化した 者)から提示された道の言語教示に対しても生起させること ができる状態のことでヒト特有の行動の拡大。 第三段階は不特定の他者(教示に従う行動を直接強化など したことのない者)から提示された未知の言語教示に対して も行動を生起させることができる状態のこと。 3 2、自己調整機能 第四段階としては、ある範囲内で自分が形成した教示 に対しても行動を生起させる、つまり「自己教示(selfinstruction)」ができる状態。 第五段階は「般化した自己教示クラス(generalized-self instruction response class)と呼ばれる状態であり、新 奇の自己生成した教示によって生起させるようになる状 態。 (『ことばと行動』 p.p.130-131) この2つの段階に注目!! 4 3.筆記療法 「書く」という行動に焦点を当てた療法=「筆記療 法」 ローラ・A・キング「目標追及の維持と変化を促進 するフィードバック回路を強調するサイバネティッ ク理論(通信、自動制御などの工学的問題から統計 学、神経系統や脳の生理作用まで統一的に処理する 理論の体系)と制御理論に基づいている。自己につ いて学習したり、自己の優先順位や情動経験の意味 を学習するために筆記を利用することができる。」 「筆記による学習過程を通じて、人は目標指向行動を 維持するために調整したりあるいはおそらく人生の 中心となりうる新しい目標をつくりだすことができ る。」(『筆記療法p.p.10』) 5 4.「書くこと」(エクリチュール) 「書く」という行為によって人が生活しやすくなる 日常生活で目標としているものもしくは行いたいこ と、例えば成績を上げるために勉強したいとか、悩 みではなく仕事に集中したいとか、よく眠りたいと か、そういったことをするための手助け、そしてセ ラピーに通うまで思いつめないためのはけ口のよう なもの、感情を爆発するまで溜め込んでしまわない ためのもの、手段としての「書く」という行為 6 5、筆記療法先行研究 心身問題を生じさせるほどに十分なほど強大で深み のある感情を打ち明けるよう計画された心理パラダ イムは、自由表現による筆記表出を短時間のうちに くり返す(Pennebaker,1997:Smith1998) 感情語や因果関係を示す接続語、その他の感情を表 現する言語学的指標が示されており、それらの指標 は自律神経過程の状態や「学業成績平均」「欠勤日 数」などの社会的な過程を含む広い範囲の健康状態 と関係付けられてきた(Pennebaker,1997)(『筆記療 法p.p.54』) 7 6、読み書きに基づく子どもの暴力防止プログラ ム 暴力行動があった生徒に先生が課題を与えて文章を 書かせることで葛藤解決スキル(に必要な成熟した 理解力と制御)の発達を筆記によって支援する (Daite & Buteau ) 8 7、「書くこと」(エクリチュール)2 「話すこと」(パロール)ではなく「書くこと」 (エクリチュール)による行動変容を見る 「書くこと」「話すこと」のような揮発性を伴わな い。つまりイデア性がある。(イデア性=他者が、 「書いた人」以外の人がその内容を知ることができ る。つまり後世に残る形である。)(『幾何学の起 源・序説』) 他者と話すのとは違って、「書く」ことならば自己 と対話する事が可能。 こういった「書く」ということの側面を利点として 有効利用する 9 8、引用・参考文献 エドムント・フッサール(1997)田島節夫(訳)『幾何学の 起源』 青土社 日本行動分析学会(編)(2001)『ことばと行動~言語の 基礎から臨床まで』 ブレーン出版株式会社 ジャン・ミッシェル・ぺテルファルヴィ芳賀純・古川直世 (訳)『心理言語学入門』(1993) ジョン・マクレオッド(2007)『物語としての心理療法~ナ ラティブ・セラピィの魅力~』 誠信書房 S,J,レポーレ&J.M.スミス(編)(2004)『筆記療法~ト ラウマやストレスの筆記による心身健康の増進』北大路 書房 10
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