【解答例】 課題文は、血液型だけを根拠にステレオタイプで性格を

【解答例】
課題文は、血液型だけを根拠にステレオタイプで性格を決めつけることによって不快
な思いをする「ブラッドタイプ(血液型)ハラスメント」について紹介している。血液型
性格判断を例に、ステレオタイプの何が問題なのか、改めて考えてみよう。
ステレオタイプとは、例えば血液型性格判断における「A型は真面目」のような単純化
された固定的なイメージや思い込みのことである。ステレオタイプは、私たちがよく知ら
ない、慣れていない相手を理解するための便利な方法として役立つ。そのため、科学的な
根拠の有無に関わらず、社会に広く共有されている。
しかし一方で、私たちの視野を狭くしたり、盲目にしたりすることもある。例えば、
「A
型は真面目」と思い込んでA型の人と接した場合、その思い込みに合致した発言や行動は
強く記憶に残る。一方、授業をサボるなどステレオタイプに合致しない行動は例外と見な
されて記憶されなかったり、無視されたりする。結果的に、ステレオタイプに当てはまる
ケースにばかり注目するようになり、ますますそれが正しいという思い込みが強化され
る。すると、ステレオタイプに合致しない発言や行動、それと異なる考え方や価値観を認
めることができなくなる。そのことが、自分の正しさを主張して相手を排除・攻撃しよう
とする態度を生み、いじめや差別、偏見につながるのではないだろうか。
確かに血液型性格判断を信じるか信じないかは個人の自由だが、血液型のみを根拠に
ステレオタイプで性格を決めつけ、その結果、現実にいじめ、偏見や差別が生じたとすれ
ば、これはもはや個人の自由では済まされない問題である。
では、ステレオタイプがいじめや差別、偏見につながることを防ぐにはどうすればよい
だろう。
それには、人間は誰しも物事を客観的に見ているつもりでも、思い込みや先入観を持
ち、自分に都合よく認識しようとする癖があることを理解することが必要である。自分の
なかの「正しさ」や「当たり前」
「常識」がどのような場合においても必ず成り立つ「絶
対」の真理ではないことに気づくことで、ステレオタイプ的な見方から離れて、相手を一
つずつ知っていくことを楽しむ余裕が生まれるのではないだろうか。