あいさつ 大原中学校ブロックの概要 八潮市教育委員会教育長 石黒 「子どもは一冊の本である。その本から、われわれは何かを読み取り、 その本に、われわれは何かを書き込んでいかねばならぬ。」 平成18年度に内閣府より「八潮市小中一貫教育特区」の認定を受けて 以来、小中一貫教育を一つの手法として、児童生徒の学力向上、不登校・ 非行問題行動解消を目指した挑戦も10年目を迎えております。 10年間の取組を着実に継承し、これからも児童生徒の未来を彩る実の あるものにしていくために、教師は9年間の連続性・系統性を重視した授 業研究を重ねる中で指導力を高め、児童生徒の「学びを結ぶ」ことに教育 的な価値を見出す必要があります。今後の本市小中一貫教育の成否は、課 題に向かって柔軟に対応できる教職員の「意識改革」にかかっていると言 っても過言ではございません。 大原中学校ブロックでは、3校の教職員が一丸となり、児童生徒の「学 力の向上」と「豊かな心の育成」のために、ブロックの独自性を生かした 様々な取組を推進してまいりました。本日の授業公開では、その取組の成 果を児童生徒の様子から存分に感じられることと確信しております。 結びに、大原中学校ブロック3校の校長先生をはじめ、常に熱意溢れる 御指導をされている教職員の皆様に心から敬意を表すとともに、発表にあ たり御協力をいただいた保護者・地域の皆様に感謝申し上げ、あいさつと いたします。 小中一貫教育「はばたき2015」研究発表会 【研究主題】 貢 「 学力の向上と豊かな心を育成する小中一貫教育の推進 」 ~学びを結ぶ ぽかぽかトライ(施設分離型として) ~ 【主題設定の理由】 八潮市小中一貫教育は10年目を迎え、八潮市の小・中学校を「学 びをつなぐ」から「学びを結ぶ」ことを重点に取り組んでいる。大 原中学校ブロック3校(大曽根小学校・大原小学校・大原中学校) では、「学習意欲の向上」「基礎学力の定着」「思考力・表現力の 育成」の課題を解決するために、小中一貫教育を推進している。学 力の向上の他にも、「ぽかぽか言葉」などの豊かな心の教育を目指 している。そして、3校のトライアングル(三角形)と“挑戦”の 「TRY」から、「ぽかぽかトライ」と副題を設定した 。 大曽根小 大 原 小 【育てたい力】 義務教育9年間の連続性・系統性を重視した学習指導、生徒指導 あいさつ 等の実施により『学力の向上』と『豊かな心の育成』を目指す。 八潮市立大曽根小学校 八潮市立大原小学校 八潮市立大原中学校 校長 校長 校長 伊藤 山口 三宅 敏子 徳明 隆志 八潮市小中一貫教育が始まって10年目という節目の年に、大原中ブロ ックが八潮市教育委員会より「小中一貫教育研究指定」を受け、研究発表 の機会を得たことをありがたく思うと同時に大きな責任も感じておりま す。「できることから創めよう」という方針のもと、3校で施設分離型の 可能性の拡充に向け、様々な取組を行ってまいりました。 「八潮の子どもを9年間で育てる」という思いを共有し続けるために、 すべての教員が、7月は大原中に、12月は大原小と大曽根小に参集し、 授業参観と意見交換を行っています。 「組織の活性化」に向け、ブロック内での組織を市の部会に習って整え、 ブロックの教員全員で合同研修を行いました。部会のリーダーはたびたび 集まり、それを各学校の部員へ周知し実践するという方法の定着に努めて まいりました。 「授業の改善」のために、小中9年間の系統性を重視して教材研究を行 い学びを結ぶことを意識しました。今回の発表ではその取り組みの一端を ご覧いただきます。本日、ご参観くださいました皆様には忌憚のないご指 導をいただければ幸いです。 結びに、本研究の推進にあたり、ご指導ご助言を賜りました八潮市教育 委員会教育長 石黒 貢 様をはじめ関係の皆様に心より感謝申しあげ、あ いさつといたします。 また、「自ら学び考える力」、「相手を思いやる心」、「自分を大切 にする力」の育成を目指す。 大 原 中 【研究組織】 校 長 教 頭 <けいかく部会> 大曽根小・大原小・大原中 部会の集約・校内での周知、全体に関わる計画・立案 <まなび部会> <こころ部会> <しえん・健康部会> 自ら学び考える力 相手を思いやる心 自分を大切にする力 平 成 2 7 年 1 1 月 1 2 日 ( 木 ) 八 潮 市 立 大 曽 根 小 学 校 八 潮 市 立 大 原 小 学 校 八 潮 市 立 大 原 中 学 校 学習の10カ条 【学びに係わる項目】 【心構えや規律に係わる項目】 一人一人の児童・生徒の規律ある態度を、大曽根小・ 大原小・大原中の3校の教職員一人一人が視点を共有 して育てる。 大原中学校の「学習の10カ条」を基に作成した、 3校共通の学習の決まりである。普段の学校生活や学 習における決まりであり、2つの小学校から中学校へ の進学をスムーズにする。また、10カ条の達成度の アンケートをとり、数値を検証し、学習規律の徹底を 図っている。 【視 点】 ○学習の準備 【方 ○ ○ ○ 大原中学校の定期テスト週間の際に3校で同時期 に家庭学習強化週間を設定する。家庭学習表を配付 し、保護者への喚起もねらっている。 小学校では、 「家庭学習の手引き」を作成し、中学 校へ進学した際に、家庭学習の習慣が身についてい るようにしている。 各学校で、ノート指導を継続しながら、 指導方法を共有している。 また、大原中学校生徒の模範となるノー トを小学校内に掲示している。それと共に 各学年のお手本ノートも掲示し、児童のノ ートのとり方への意識を向上させている。 ○時間を守る ○授業前後のあいさつ 策】 各教室、廊下等へ掲示することで、意識を高める。 アンケートを活用し、定期的に児童・生徒の意識調査を行う。 夏期休業中の教職員合同研修会において各校の情報交換・情報共有を行う。 八潮市の授業の流れであ る。基礎基本だけでなく、 思考力・表現力も育成する。 八潮市全校の取り組みで ある。大原中学校ブロック で活用方法を検討、実施し ている。 ○学習の10カ条やノート指導から、ど の学校でも同じ指導ができ、学習規律 が確立された。 ○家 庭 学 習 を ど の 学 校 で も 推 進 し た ことで、学習習慣が身についてき た。(3校平均実施率 54%→59%) ○小中の連携を深めた教員間の交流や 学習指導法の研究・改善。 ○学力を向上させるための効果的な授 業や学習習慣の定着。 ○9カ年の系統性を重視した学習指導 の工夫・改善。 各校で「個別支援ファイル」を作成している。小 学校で作成したものは中学校に送り、中学校での支 援や指導につなげている。 また7月と12月に小中学校で授業の相互参観や 話し合いの場を設けている。 中学校では個別支援ファイル を通して引き継いだことを授業 等で生かしている。小学校では 中学校への引き継ぐ内容を見直 している。小中で連携し、個別 支援体制の充実を図っている。 【成果と課題】 ○ ○ ○ ○ 3校とも昨年度と比べて、3つの視点全てにおいて向上している。 昨年度、授業準備については、大曽根小6年生59%、大原小6年生76% であったが、今年度の大原中1年生が94%と大きく改善した。 授業前後のあいさつが、3校とも80%を超えている。 小学校は、学年によって課題がある。特に授業準備の定着に差がある。 中学校では、2年生の授業前後のあいさつに課題がある。 ぽかぽか言葉 特別支援学級合同行事・大原中ブロック三校合同学習 市内の特別支援学級合同行事では、交流したり、互い のよさを認めあったりしている。「なかよし遠足」では、 中学校ブロックごとに小中混合グループを作り、一緒に 活動を楽しんでいる。 3校で合同学習を行っている。 自分たちが育てた農作物を使って、 中学生のリーダーシップの下、調理 学習を楽しんでいる。 【児童生徒に係わるすべての人】 相手の心を温かくする言葉を「ぽかぽか言葉」 と呼び、相手を思いやる心を育てる。 【方 ○ ○ ○ ○ 策】 3校合同学校保健委員会 学校の実態に応じて掲示物を作成することで、意識を高める。 全校児童・生徒が集う朝会などの場所で指導し、意識を高める。 各教科、道徳、学活等で取り上げ、実践力を高める。 学校便り、学級通信等を活用し、地域や家庭へ周知する。 【成果と課題】 大 原中学校 ブロッ クの共通のテストで ある。教育に関する3 つの達成目標のテス トを独自に検討・改訂 し、実施した。3校平 均で達成率が90% を超えた。 通常学級に在籍する児童生徒の支援をつなげる取組 【個別支援体制の充実】 ○ 「相手の気持ちを考えて、優しい言葉づかいをしている。 」の数値が、大原 中で80%→83%、大曽根小で70%→78%、大原小で83%→83% と上昇傾向にある。 ○ 特に中学校で年齢が上がると言葉が固定化されてくる。言葉の種類を広げ る必要性がある。 あいさつ運動 【児童生徒相互の交流】 相手を意識したあいさつを通して、思いやる心が育つと考える。 【方 策】 ○ 大原中生徒会の生徒が、大曽根小と大原小へ あいさつ運動に行くことで、交流をはかる。 ○ (大原中)部活動ごとにあいさつ運動を行う。 ○ (大曽根小)登校班ごとにあいさつ運動を行う。 ○ (大原小)代表委員・計画委員が週2回あいさつ運動を行う。 ○ 各学校の実態に応じて、あいさつを意図的にさせる場面を増やす。 【成果と課題】 ○ 「時と場に応じた気持ちよいあいさつや返事をしている。 」の数値が、3校 とも昨年度と比べて上昇傾向にある。 ○ 教師や友達にはあいさつできるが、地域の方へのあいさつの声が小さい傾 向にある。 学校・家庭・地域と連携し、望ましい生活習慣の確立を目指し、年1 回開催している。学校医等からの指導・助言をいただいている。 朝食アイディアコンテスト 学力及び体力の向上、精神的な安定など、朝食の 重要性を考え、朝食欠食ゼロを目指した活動の一環 として実施している。大原中生徒保健委員会が中心 となり、レシピを募集し、各小学校にも掲示し、コ ンテストを実施している。 歯みがきカレンダー 中学生がデザインした歯みがきカレンダーを小学 校で配布し、長期休業中の歯みがきに取り組んでい る。 「歯みがきカレンダーコンクール」を行い、小学 生を表彰し、歯みがき習慣の意欲を高めている。
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