補足:古典派の二分法について (1)マクロ金融政策の経済モデル <新古典派とケインズ派> ∗ 新古典派(市場メカニズムに任せる) ∗ ケインズ派(総需要管理政策) ※両者は、経済環境の変化時に、政策の有効性につい て互いに論争 例:大恐慌、石油ショック下でのスタグフレーション、など (2)長期と短期 この両者の折衷案 ∗ 価格調整が機能する長期⇒新古典派 ∗ 価格調整が機能しない短期⇒ケインズ派 で政策効果を考える 古典派のモデル:貨幣数量説 ケインズ派のモデル:IS-LMモデル ここでは古典派のモデルを紹介 (3)方程式体系(古典派) 2. 古典派のモデル 古典派のモデル D = f ( W / p ) L (1 ) (f S = g (W / p ) L ( 2 ) (g ' > 0 ) D = S '< 0 ) = L (3) Y = F ( )L (4) M = kpY L ( 5 ) (F '> 0, F ''< 0 ) (4)記号 D :労働需要 S :労働供給 N:雇用量 W:名目賃金 p:物価水準 Y:実質産出量(=実質所得) M:名目貨幣供給量 (5)実体部門の様子 W/p Y (2) (1) (4) Y* N* 労働市場 N N* 生産関数 N (6)貨幣部門の様子 Y 総供給((4)式で決定) 総需要・総供給 総需要:(5)式 p1 p (7) 実体部門と貨幣部門の決定 • 総供給(1)(2)式で、雇用量が決定される • 決定された雇用量と(4)式から産出量が決定さ れる(この2つが実体部門) • 決定された産出量と総需要(5)式の交点で、価 格水準が決定される(p1) (これが貨幣部門) • 貨幣部門の変化が実体部門にどう影響? (8)貨幣量の増加:図による説明 Y ΔM 総供給((4)式で決定) 総需要・総供給 総需要:(5)式 p1 p p2 (9) 古典派の二分法 ∗ ここで、Mが増加(金融緩和政策)すると・・・ ∗ 総需要(5)式が右にシフトする。 ∗ しかし、価格が調整されるので、物価水準が上昇する (p2へ) ∗ 実質賃金は変わらず、その結果、雇用量N*・産出量 Y*は変わらない。 貨幣部門の変化は実態部門に影響しない(二分される) →古典派の二分法
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