2014/1/30 第11章 長期モデル1 Introduction 総生産の決定 11.1 マクロ経済学における長期と短期について 11.2 財市場 11.3 総供給 11.4 総生産の決定 衝撃的な結論 11.5 総需要 消費需要、投資需要、政府購入需要と租税、純輸出需要、総需要 • 11.6 財市場の均衡 財市場の均衡を別の角度から眺める、投資資金市場の均衡条件、 何が調整するのか?投資資金市場の均衡:図解 • 11.7 財市場と総需要ショック.総供給ショック 拡張的財政政策(1):政府購入の増加、拡張的財政政策(2):減税、 企業の「アニマルスピリット」の増加、海外からの需要の増加、 総供給ショック • 11.8 労働市場の役割について • • • • • • • • • 長期における総生産の決定 「価格調整」がすべて済んだ後 需要=供給 が成立 このとき総生産は供給側で決定される 1 2 11.1 マクロ経済学における 長期と短期について • • • • • • • • • • 11.2 財市場 短期 1,2ヶ月、 1年 長期 10年,20年 価格の伸縮性により需給均衡が実現した状態。 仮定: 財は1種類 消費、投資も同じ財 実質変数は財の単位で測る 住宅投資、在庫投資なし(投資=企業の設備投資) 政府購入は政府消費のみ GI=0 (11‐1) 政府投資はゼロ G=GC (11‐2) 政府支出は消費のみ S=Y‐C‐GC = Y‐C‐G (11‐3) 貯蓄 • 総供給YS 総需要 = 消費需要+投資需要+政府購入+純輸出 • YD = CD + ID + GD + NXD (11‐4) 財需要 (11‐5) 財需給均衡 • (Y*=)YS=YD 財市場の長期均衡条件 3 4 1 2014/1/30 11.4 総生産の決定 11.3 総供給 衝撃的な結論 • 総生産関数 YS = F(K,L) ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 例1:Y= K L 「生産性」 (全要素生産性) 同じ(K,L)投入でどれだけ生産できるかを比較 例2:A国 Y= K L B国 Y=2 K L B国の生産性はA国の2倍 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ K=K (11‐7) 資本ストック (11‐8) 労働賦存量 L=L YS = F(K, L) (11‐9) 生産関数 Y = F(K, L) (11‐10) K, Lを投入したときの生産量Y YS = Y (11‐11) Y*=YS=YD (11‐5) Y*=YS, Y*= YD (11‐12) (11‐13) Y*= Y • 均衡生産は総供給側の条件だけで決定。需要 側条件の影響は受けない。 • 企業の生産技術、生産要素賦存量のみで決定 • 利子率r、物価水準Pは? • 長期均衡にはどのようなメカニズム・プロセスで 到達するのか?安定か? 5 11.5 総需要 6 図11‐1 消費関数 • 消費需要 家計所得Y 所得税 T 可処分所得 Y‐T • 消費関数 CD = c(Y‐T)+C, C≧0 c: 限界消費性向 仮定 0<c<1 (11‐14’) C 基礎消費 生存に必要な消費量 7 8 2 2014/1/30 投資 図11‐2 投資プロジェクトと利子率 • 投資需要 投資資金を借り入れ 借り入れのコスト 利子支払い 利子率rの減少関数 投資機会は限られる 収益率の高いプロジェクトから順次投資する 投資はrの減少関数 投資関数:ID= ‐br + I, b>0, I>0 (11‐15) 9 図11‐3 投資関数 10 政府、純輸出 • 政府購入需要と租税 政府購入は外生変数(政府の裁量で決定) GD = G (11‐16) • 租税(外生) T = T (11‐17) G=T なら政府収支は均衡(均衡財政) G>T なら国債発行 • 純輸出需要 NXD=NX (11‐18) • 総需要 YD = CD + ID + GD +NXD = c(Y‐T) + C – br + I + G + NX (11‐19) 11 12 3 2014/1/30 11.6 財市場の均衡 財市場の均衡を別の角度から眺める Y*=YS=Y, Y*=YD (11‐20) 均衡条件 S D D D D (11‐21) Y = C + I + G + NX 均衡で成立 YS – CD – GD – NXD = ID (11‐22) 左辺をまとめる (11‐23) [YS – CD – GD] – NXD = ID ここで S D D [Y – C ‐ G ] = S 均衡条件の別の表現 S‐NXD = ID (11‐24) 左辺:総貯蓄の内外国に行かなかった分 国内への投資資金供給 IS IS = S – NXD (11‐25) 投資資金市場均衡式 (11‐26) IS = ID • • 投資資金市場の均衡条件 {Y[c(YT) + C] G} NX = br+I (11‐27) (11‐28) {Y[c(YT) + C] G} NX = br+I 左辺はS その内容はすべて先決 S = S S = Y[c(Y‐T) + C] G (11‐29) (11‐30) S ‐ NX = ‐br+I • 何が調整するのか? 利子率r 投資資金市場の需給を一致させるよう決定。 • 投資資金市場の均衡:図解 (図11‐4) 13 図11‐4 投資資金市場の需要と供給 14 11.7 財市場と総需要ショック、 総供給ショック • 拡張的財政政策(1):政府購入の増加 (図11‐5) 当初: G=G0 投資資金供給I0S 均衡はE0 G増加 G=G1=G0+1 (11‐31) • 拡張的財政政策(2):減税 当初: T=T0 減税T=T1 = T0‐1 生産変わらず、投資資金供給c単位減少 ISはcだけ左シフト r上昇 • 企業の「アニマルスピリット」の増加 企業の投資需要が外生的にシフト I 増加 例:サントリー、ソフトバンク等の積極的投資 需要側ID変化(右シフト) 利子率r上昇 IS変わらず 15 16 4 2014/1/30 図11‐5 拡張的財政政策の効果 図11‐6 投資需要の増加 政府購入が1単位増加した場合 17 18 図11‐7 生産能力増強の効果 総需要、総供給ショック(続き) 総供給 Y が1単位増加した場合 • 海外からの需要増加 例:US,EU, BRICS。。の景気改善等 NX 1単位増 総生産不変 IS 1単位減 r上昇 「すべての総需要増加ショックは総生産を変えず、 利子率r上昇で吸収される。」 • 総供給ショック Y増 例:生産性改善、生産要素(K,L)増 Y増の影響 投資資金市場 S = Y –[c(Y–T) + C] – G = (1–c) Y – [–cT + C] – G (11‐32) • 総貯蓄S増 理由:ΔY=1 => ΔS = (1‐c) but (1‐c)>0 (図11‐7) • 投資資金供給増=>r下落 貸付可能資金が増えるから 19 20 5 2014/1/30 表 経済規模の国際比較 11.8 労働市場の役割について (2007年,それぞれの変数について, アメリカの値を100とする) アメリカ 中 国 インド 日 本 GDP 100 52.4 22.9 32.6 資本ストック 100 59.9 18.1 47.0 労 働 100 491.6 282.1 42.5 • 本章の前提(仮定) 供給された労働Lはすべ て雇用される • 背景 雇用されていなければ賃金が下がる • 摩擦的失業 • 失業率(u) Unemployment Rate • 自然失業率 u • L = (1‐u)L 21 22 練習問題 • 11‐1 長期モデル数値例 生産関数 Y=A K L A=10,K=4, L=9 CD=0.5(Y‐T)+5, ID = 40‐1000r, G=10,T=10,NX=0 (a) 限界消費性向(b)基礎消費 (C)Y, (d)C, (e)S (f)I (g)r • 11‐2 政府購入Gの影響 有害な政府活動 Y = F(K,L)‐BG (Bは正の定数) ΔG=1のY,rへの影響 • 11‐3 労働供給 L(r) G増の効果のY,rへの影響を図で説明 23 6
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