二つの異なるシステムをつなぐ翻訳機
我々が日常使用している家電製品や電子機器内部では演算処理が行われており、データ
が適切に処理されている。それらのコンピュータの演算はデジタル信号処理という手法が
用いられている。
今回のバイオモッドで我々は、コンピュータのデジタル情報処理に着目した。コンピュ
ータ上では 0 と１という言語だけで、全ての演算処理が行われている。DNA 演算でデジタ
ル情報処理を実現するために、DNA の分子情報（アナログ信号）をコンピュータ言語（デ
ジタル信号）へと変換する翻訳機、つまり AD 変換器を製作する。我々は既存の DNA 論理
回路を利用して、翻訳機の製作に成功した。
我々の提案する翻訳機の実現は、性質の全く異なる生化学システムと電気システムを一
つに繋ぐ架け橋となる。２つのシステムがデジタルの世界を共有することで信号を直接や
りとりできるようになる。つまり、人間内部の信号を全てデジタル信号に置き換えること
が可能になるのだ。