Vol.14 日本で最初のヘルパー養成学校

聖隷学園の歴史
Vol.14
日本で最初のヘルパー養成学校
(初代校長
津久井 十)
(実習の様子)
1978(昭和 53)年
福祉医療ヘルパー学園
ヘルパーという職業は今では一般的になっていますが、実はこの名称は聖隷学園の創立者であ
る長谷川保が考え出した造語なのです。
医療の進歩や生活スタイルの改善により人の寿命は延び、高齢社会の到来が確実なものとなる
と、増加する高齢者を支援する側にも専門的な知識と技術が不可欠になり、介護人材養成の必要
性は避けられない課題となりました。しかしそのような専門職者を養成する学校はまだ日本には
ありませんでした。
聖隷は 1961(昭和 36)年に日本で最初の特別養護老人ホーム「十字の園」を創設したのですが、
高齢者への健康管理上の配慮、死の臨床介護にあたっての知識、技術などホームで働く寮母(ヘ
ルパー)の教育訓練が課題となっていました。長谷川保・八重子夫妻は十字の園園長の要請と社
会の強いニーズに押されて、1978(昭和 53)年、日本で最初のヘルパー養成校を開設したのです。
「福祉医療ヘルパー学園」は今日の介護福祉士養成校のモデルになったといわれています。
「介護福祉士」という国家資格がまだない時代に、キリスト教の愛の精神を基礎に据え介護の
知識・技術の習得だけでなく、己を知って他者を知る学問、福祉の働き人としての人格の陶冶を
教育の柱としました。開設当時、校長津久井十は「近い将来、プロヘルパーが公認されたとき、
医師・保健婦・看護婦(士)・ケースワーカー・理学療法士等の専門分野の人たちと連携して、介
護の対象者が生きていてよかったと思えるような介護サービスが提供できたらと願っている」と
記しています。
「福祉医療ヘルパー学園」は 1988(昭和 63)年の「聖隷介護福祉専門学校」の開校につながり、
2002(平成 14)年「聖隷クリストファー大学社会福祉学部」の開設へと発展します。介護人材の質
の向上と量的需要に応えるため、聖隷学園では「聖隷クリストファー大学介護福祉専門学校」を
2016(平成 28)年 4 月に開校(予定)します。